識別名:リーパー【完結】   作:兎秤

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 よし、〈生死叛徒〉の霊装を描こう!
 多分、千夜スペクターが終わる前までに出します。


少年は妹と昔を思い出した

〜士道視点〜

 

 

「士道、大丈夫?」

「あぁ、何とか・・・・・千夜は?」

「〈スペクター〉の方なら消失(ロスト)したわ」

「そうか・・・・・」

 

 あのゾンビを斬った時に流れ込んできたのは、琴里が〈イフリート〉となった日。5年前の大火災の状況だった。それも、1人だけじゃない、複数人の記憶や思いが流れ込んできた。あれは、実際にあの火災で亡くなった人の記憶なのか?

 

「士道?どうしたの?」

「あぁ、実はーーーーー」

 

 琴里にさっきのゾンビについて話をしてみる。

 

「確かに、有り得なくはないわね。〈リーパー〉だった時の特性は私たちが知る限り霊力への干渉だったけど、反転によって変わった可能性もあるし」

「なら、あれは・・・・・」

「えぇ、少し非科学的だけどあの火災の被害者の魂かもしれないわね」

「精霊の存在自体が非科学的だけどな」

「それもそうね」

 

 さて、ゾンビについての考察は終わったし本格的に"ハルちゃん"について考えていかないとな。

 

「琴里はハルちゃんって子に覚えは?」

「実は私も引っかかっていたのよ。どこかで聞いたことがあるような気がするけど思い出せない・・・・・そんな感じよ」

「俺と似たような感覚か」

 

 2人とも聞き覚えがある、その呼び名。なら、やっぱり昔を思い出していってみるしかないか。

 

「とりあえず、小学校の卒アルでも開いて対応しそうな子を探すしかないか」

「そうね。私は家族アルバムの方をあたってみようと思うわ」

「とりあえず、帰ってメシにしようぜ」

 

 俺は、1度家に戻ることにしたのだった。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

「よいしょっと・・・・・よし、こんなもんかな?」

「士道!なんだそれは?」

「写真が・・・・・いっぱいです・・・・・」

「でも、知らない子が多いねー!あぁ!小さい士道君がいるよー!」

「あぁ、これは俺が小学校の時の卒業アルバムと家族アルバムだ」

 

 夕食後、リビングにアルバムを持ってきて開いていた。今は小学校の卒アルだ。そこに、十香と四糸乃、耶倶矢に夕弦が興味深そうによってくる。

 

「ハル・・・・・ハルは・・・・・」

「士道!この千夜にそっくりな幼子は誰だ?」

「驚愕。2人もいます」

 

 1組から順に名前を読もうとした所で、耶倶矢と夕弦に呼ばれ示された写真を見た。家族アルバムの方を開いていたみたいで、そこには小さいころの俺を挟むように立った大人しそうな黒髪の少女と活発そうな金髪の少女が写っていた。

 

「あぁ、この黒髪の方が千夜だ」

「これが千夜なのか?髪の色と目の色が違うでは無いか」

「本当です・・・・・今の千夜お姉ちゃんと違います」

「どうして、こんなに変わっちゃたんだろうねー」

「さぁ、それは俺にも分からないな。再開した時にはもう白髪だったし」

「士道!我らの質問はまだ終わってないぞ!この黒髪が千夜なのはいいとして、こちらの金髪は誰なのだ」

「催促。さっさと言ってしまってください」

「あぁ、これは・・・・・千夜の双子の妹だ」

 

 部屋の中は一瞬静まり返り、そこから各々呟いた。

 

「千夜には妹がいたのか・・・・・」

「知りません・・・・・でした」

「ふむ、彼奴の妹か・・・・・1度会ってみたいものだな」

「納得。だから、面倒見がいいのでしょうか?」

 

 そこで、十香がある事を思い出した。

 

「む?しかし、千夜は妹は居ないと言っていなかったか?」

「あっ・・・・・そういえば、真那さんが始めてきた時に・・・・・言ってました」

「そういえば、そうだったねー」

「それはどういう事だ?これは千夜の妹ではなかったのか?」

「質問。士道、この方の今は・・・・・?」

「あぁ、この金髪は魂月千陽(たまつき ちはる)って言うんだけど、千陽は5年前に災害に巻き込まれて・・・・・死んだんだ」

「「「「なっ・・・・・!?」」」」

 

 全員、言葉を失い黙ってしまう。これを知ったからには注意をしておかないといけないな。

 

「みんな、これは千夜に言うなよ。今のアイツは記憶を押さえつけている。下手に刺激すると思い出すかもしれないからな」

「分かり・・・・・ました!」

「あぁ!我も夕弦を失ったらと思うとどうにかなってしまいそうだからな。その気持ちが痛いほど分かる」

「同意。夕弦もです」

「みんな・・・・・」

「・・・・・本当にそれで良いのだろうか?」

「十香?」

 

 1番に分かったと言いそうな十香がそういったことに驚いた。

 

「十香、なにか思うところがあるのか?」

「うむ・・・・・確かに大切な人を失ったのは辛いかもしれん、しかし・・・・・その妹との楽しかった時の記憶まで失うのは・・・・・千夜にとって幸せなのだろうか」

「確かに・・・・・そうですね・・・・・」

「これは、中々に難しい問題ぞ」

「想起。私も耶倶矢との思い出を消したいとは思いません」

 

 確かに、考えたこともなかった・・・・・千夜にとって今の状況が1番いいと言えるのか?向き合っていくべきじゃないのか?

 もちろん、千夜にとってそれがいいとは思っていたが、今まで千夜に千陽の事を言わなかったのは、俺が千夜を傷つけたくないと言う、自分本意な考えだった。今の十香の考えで、本当に千夜にとって1番いいと言える選択は他にもあるのではないかと思うようになった。

 

 これは、もう一度しっかりと考える必要があるな・・・・・

 

「ただいま・・・・・って、何これ?ぐちゃぐちゃじゃない。もう少し綺麗に見なさいよ」

「琴里、おかえり」

 

 考えをまとめた所で、琴里が帰ってきた。これから、琴里も"ハルちゃん"を探すのに加わる。

 

「で、今どんな感じなの?少しは進んでいるでしょうね?」

「いや、ちょっと・・・・・千陽について話していて」

「千陽姉?また、珍し、い・・・・・」

「ん?どうした、琴里?」

 

 琴里はなにか思い出したようなハッとした表情をして止まったのだ。

 

「ねぇ、士道。千夜姉と千陽姉ってお互いになんて呼んでいたっけ?」

「えっ?えっーと、確か・・・・・やーちゃんとハルちゃ・・・・・あっ!」

 

 そうだ、あの二人は、お互いをやーちゃんとハルちゃんって呼んでいたんだった。

 

「私達が呼ばないし、長年聞いていなかったから思い出せなかったみたいね。でも、これで問題は解決したわ」

「あぁ、次こそ〈スペクター〉を攻略してみせる」

「「「「〈スペクター〉??」」」」

「「あっ・・・・・」」

 

 この後、全て白状して怒られた。

 

 

 

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