識別名:リーパー   作:兎秤

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少女はクラスで親睦を深めた

 ね、眠い・・・・・

 

 昨日、夜遅くまで凛緒ちゃんに付き合っていたのであんまり寝れていないので、物凄く眠いです。凛緒ちゃんっていつ寝てるのでしょうか?

 

 私は琴里ちゃんの救援要請を受けて士道の家に行くと眠気が吹き飛びました。机の上には、和食・洋食・中華と様々な料理が並んでおり、その量は数十人分あります。

 

 ・・・・・何この量?

 

 どうやら、凛祢のお節介と鞠亜ちゃんの探究心がこの悲劇を呼んだそうです。凛祢がみんなの食べたいものを次々と作り、鞠亜ちゃんが初めて作る料理に対して楽しくなって歯止めが聞かなくなったそうです。万由里ちゃん?今起きたばっかりですよ?

 

 この量は女子ばかりのメンバーで食べ切るのは・・・・・あっ、十香ちゃんがいるから余裕ですね。

 

 他の琴里ちゃんのSOSを受けた、十香ちゃん、四糸乃ちゃん、耶倶矢ちゃん、夕弦ちゃん、美九さんが到着しました。

 

 これだけ居れば大丈夫でしょう。少しぐらいなら冷蔵庫で保存出来るでしょうし。

 

 私達は朝食を食べ始めました。

 

 

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 やっぱり、食べすぎました。昼食いりませんね、これ。

 

 学校の休み時間になり、私達は鞠亜ちゃんの席の周りに集まって話をしていました。内容は今日の朝についてです。

 

「まぁ、今朝はそんなことがあったんですの?わたくしも是非参加したかったですわ」

「気がきかずにすみません。狂三と折紙はすぐに呼び出すのは難しいかと・・・・・」

「残念。私は呼ばれたらすぐに行く準備は出来ていた。今度は一報貰えたら嬉しい」

 

 この2人なら呼んでも本当にすぐ来そうですね。時崎さんは〈刻々帝(ザフキエル)〉で時間を操作して、折紙さんは先読みで行動して。

 

「はい、そうします。そういえば折紙の連絡先は聞いていませんでしたね。あとで教えて貰えますか?」

「わかった。後で送っておく」

「え?送っておくって・・・・・鳶一さん。なんで鞠亜ちゃんの連絡先を・・・・・」

「企業秘密」

 

 怖っ・・・・・くはないですね。もう慣れました。どうせ、士道関連の情報を探っている時に手に入れたのでしょう。まぁ、慣れてない凛祢は大分困惑してますね。

 

「そ、そう・・・・・あんまり気にしないようにしておくね。あはは・・・・・」

「しかし、本当にすごかった。凛祢の料理も、鞠亜の料理も絶品だったのだ。箸がずっと止まらなかったぞ」

 

 箸がずっと止まらなかった?・・・・・いつも通りでは?

 あっ、料理と言えば凛緒ちゃんは何食べているのでしょうか?今度、何か持っていきましょう。

 

「私たちが失敗しちゃったのを助けてくれてありがとう。でも、喜んでもらって良かった」

「しかし、夜刀神十香はもう少し自重を覚えるべき。たくさん食べる女性が男性に好まれると勘違いをしている。実は士道は裏で引いている」

「な、なんだと鳶一折紙!シドーはそんなことは一言も言ってなかったぞ!」

 

 持っていくのは何がいいですかね?凛緒ちゃんの好みって知らないですし・・・・・

 

「そうだよ、鳶一さん。士道は自分の作ったものを笑顔でたくさん食べてくれた方が嬉って思うから。私と同じで、ね」

「おう、そうか!そうたな!ふふん、どうだ鳶一折紙」

「やられた・・・・・園神凜祢、やはり放置できない存在。隣に住んでいる幼馴染というアドバンテージは絶対的」

「あらあら・・・・・折紙さん?他人を貶めるやり方を反省した方がよいのではありませんこと?」

「あなたにそれを指摘される筋合いはない」

「2人とも、落ち着いてください。では、今度はホットケーキパーティなんてどうでしょう?それなら午後のおやつとして、学校の後でも大丈夫ですし」

 

 ホットケーキ?・・・・・なるほど、甘い物がいいかもしれませんね。デザート類が嫌いな女の子は少ないですし、甘くて美味しいは正義ですから。

 

「まぁ、それはいい案ですわ。ねぇ、折紙さん?」

「私も参加する。そういった場はフェアであべき」

「それには同意しますわ。ただでさえ、凛祢さんや鞠亜さんは、琴里さんや千夜さんを除けば、士道さんに一番近い方々ですから」

「それを指摘されてもどうしようもありませんね、凛祢」

「そうだね。・・・・・あれ?なんで千夜ちゃんは別なんだろう?」

 

 よし、そうと決まれば何か作って行きましょうか。マドレーヌとかがいいでしょうか?比較的簡単に作れて、美味しいですし。

 

「よし、それでは次はほっとけーきだな!楽しみだ!」

「はい、私も楽しみです。来週あたりがいいかもしれませんね」

「あっ、そろそろチャイム鳴っちゃう。席に戻らないと」

 

 いや、ここはもっと凝った方が・・・・・

 

「千夜ちゃん?」

 

 いや、でも・・・・・

 

「千夜ちゃん!」

「はっ!はい!・・・・・なんですか?凛祢」

「なんですか、じゃないよ。どうしたの?なんかぼっーとしてたみたいだけど・・・・・大丈夫?」

「すみません、大丈夫ですよ。・・・・・凛祢」

「何かな?」

「凛祢って姉妹いましたっけ?」

「えっ?いないよ。千夜ちゃんもよく知っているよね?」

 

 やっぱり、そうですよね。凛緒ちゃん、一体どういう存在なのでしょう。かわいいのは分かります。それ以外が分かりません。

 

「凛祢、マドレーヌ好きですか?」

「えっ?う、うん・・・・・普通に好きだけど」

「分かりました。ありがとうございます」

「う、うん・・・・・?」

 

 よし、今度マドレーヌを作りましょう!!




 途中から他ごとを考えて全然親睦を深めれていない、千夜であった。

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