魔王探偵夕映   作:ヴィヴィオ

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ネタです。非常にネタです。
知っている人が居るかは微妙ですけどね。


12話

 

 

 

 

 

 のどか、マナ、愛衣、ハカセ、超とかなりのメンバーが揃った中、夕映が次に狙うのはマナ並みに素質がある存在。その者は山奥で過ごして今なお修行を積んでいる。いや、夕映の目的はその者だけでなく集団そのものだ。

 

「これは結界なのです……まあ、解除するのも面倒なのですよ」

 

深い森の中で結界の貼られた場所で夕映は堂々と侵入し、結界を力尽くで破壊する。すると森全体に普通の人間では聞き取れない音が響き渡る。すると直ぐに無数のクナイが木々の間から飛来する。夕映はそれを素早く掴んで投げ返す。

 

「ぐはっ!?」

「あがっ!?」

 

何人かが崩れる音がしたが無視して進む。次第に分身して頭上から夕映に向かって襲いかかって来る者達が現れだすが、夕映が一睨みすると地面へと転落し、埋め込まれていく。重力魔法と土魔法の応用だ。夕映はここ数年で無数の悪魔を召喚しては自身に取り込んだり、人間の魂を収集して自身の力に変えている。その行為、その力は正に魔王に相応しい所業である。何より夕映の持つ杖は更に不味い。夕映が持つ杖は、頭にはヘルメースの翼が飾られ、柄には2匹のヘビが巻きついている神話でも存在する物ケリュケイオン。この杖は一部とはいえヘルメスの力すら持っている。それも死者、特に英雄の魂を冥界に導く死神としての一面も持ち、その反面冥界から死者の魂を地上に戻す役割も担っている存在のだ。

 

「くっ、これ以上突破させるなっ!!」

「里へ行かす訳には行かぬ!」

(面倒ですね……大人しくしてくれたらいいのすが……)

「貴様らの長に話がある。通せ。邪魔だてをするなら消すぞ」

「ぐっ!?」

 

夕映の放つ殺気はその魂の密度によって既に魔法の域にまで達し、重圧だけでなくそれだけで地面を軽く陥没させる。

 

「行かせはせぬ!」

 

何人かが抗おうとし、夕映が迎撃の為雷龍を作り出す。その時、森の奥から声が響いた。

 

『よい、お通ししろ』

「しかしっ!!」

『我らでは勝てぬ。全滅する訳にも行かぬ。他の者達も殺された訳ではない。まだ交渉の余地は残っておる』

「……はっ」

『わしの元まで案内致せ』

「御意。ついてこい」

「ああ」

(楓さんが誰かわからなかったので全滅させるのは不味いかと思い、手を抜いたのですが……有効でしたね)

 

夕映は忍者に連れられて甲賀忍者の隠れ里へと入っていく。そこは今なお古き生活を行い、忍術を鍛えていた。その里の一際大きな屋敷に夕映は連れられていく。そして、その前で無数に居る忍者達と対峙する。その中で長老と呼ぶに相応しいお爺さんが前に出る。

 

「さて、お客人。こんな所に何用かな?」

「決まっている。甲賀忍軍の生き残りを私の配下に置くためだ」

「ほぅ……」

「忍者は大名や領主に仕えたりして諜報活動、破壊活動、浸透戦術、暗殺などを仕事としていたはずだ。ならば私が使おうと思っても不思議ではあるまい。その為に調べてここまで自ら来たのだからな」

「我らを雇いたいと?」

「そうだ。貴様ら全員、私が面倒をみてやる。それに更なる力を与えてやろう。お前達は知らないだろう。この世界に魔法という技術がある事を」

「確かに存じませんな……雇っていただけるのでしたらおいくらですかな?」

「働き次第だが……これくらいか」

 

夕映の提示した金額は現代からしてもかなり大きい金額だった。

 

「私は既に軍隊を持っている。そこで諜報部隊と育成係として働いて貰いたい」

「我らを求めるという事は戦争でも起きるのですかな?」

「違うな。私が起こすのだ。次の戦争で腐敗した馬鹿共を排除し、魔法界及びこちらの世界を統一する。そして、平和な世界を作り上げる。それが私の使命だ」

「ほっほっほ。この時代で天下布武を行う気でありますか……」

「おかしいか?」

「可能だと思っておられるのですかな?」

「私には可能だ。それだけの力と意思がある。ましてや既に実行可能な段階まで進んでいる。後はできるだけ被害を出さぬよう過剰戦力を用意するだけだ。それと貴様らも今まで受け継いで来た技術を実際に試してみたいであろう?」

「それは確かに……」

「ならばその場所は私が用意してやるし、訓練場所も用意しよう。思う存分鍛え抜き、実力を発揮すればいい」

「……儂1人では決められません。一度里の者達と相談させて頂きたい」

「構わぬぞ。だが、三日後だ。三日後また来る」

「はっ」

 

夕映はその場で結界を手を軽く振る事で修復し……いや、更に強固にして転移した。だが、この結界を見た長老は瞬時に悟った。

 

「皆の者、追従か死かを選べとの事だ。かの者は正に王者であり、伝え聞く第六天魔王と同じであろう。いや、それ以上に非道いかもしれぬ」

「……どうなさいますか?」

「皆の意見はどうじゃ?」

「爺様、受けていいでござるよ」

「ふむ」

「良いではござらんか。我らの力を必要としている。ましてや里の者達の面倒も見てくれるならば。それに我ら一同は忍でござる。忍とは主に仕えるのが一番でござる」

「そうですね」

「我らも受けていいと思います。どうせ死ぬならひと暴れしてからの方が良いかと」

「では決まりじゃ。我ら甲賀忍軍の生き残りはかの者に従い、新たな世を生きようぞ」

「「「おうっ」」」

 

その三日後、彼らを迎えに1000人からなる部隊を連れて来た夕映に対して主従の誓いを立てた。

 

(小童が多いが、どいつもこいつも化け物じゃな。我らよりも明らかに強い。選択を間違えれば即滅ぼされておったか)

 

長老の考えは正しかった。夕映は楓の技術と手に入れるアーティファクトの力を何よりも警戒していた。特に暗殺など危険きわまりないのだ。夕映はいい。のどかもマナ達も生半可な存在では暗殺は不可能だ。だが、それ以外の者達になると話が変わる。一般人クラスの者でも頭脳や役職によって夕映の計画に必要な存在は多数居る。その者達を殺さては敵わないと思っているので、彼らが仲間になるならよし。ならぬならば依頼を受ける前に始末してしまえと思っていた。だが、夕映にとって彼らは都合のいいことに味方となった。これにより彼らの技術とこちらの技術を合わせて更にえぐい存在が出来上がっていく。そう、魔法忍軍というえぐい存在が。そして、魔法忍軍の技術は孤児達にも教え込まれ、麻帆良学園をはじめ世界中に密偵を送り込んでいく。戦闘能力としては完成されていた存在に肉体的な諜報技術などを教えれば直ぐに出来上がりだ。その者達の働きによりいろんな情報が入って来る。それを利用して資金を集め、味方を作っていく。邪魔者は暗殺という手段も採用してだ。

 

「ハカセ、この毒物はなんなのですか?」

「心臓麻痺を起こす薬ですね。それも身体に溶けた後からしばらくして起動する術式を元にしているのでバレません。証拠なんて残りませんよ」

「怖いヨ!」

「拷問用のもいっぱいありますよ」

「魔法使いに効くようなのはあるですか?」

「当然開発しましたよ」

「駄目ねコイツら……マジで手段選んで無いヨ。それより人体実験はちゃんとしてるんだろうネ。足がつくのは御免ヨ」

「もちろん。私達が支配している国の犯罪者で人体実験を行ってますから大丈夫です」

「そうか、ならいいヨ」

「じゃあ、さっさと茶々丸をロールアウトさせるですよ」

「あ、そっちはもう完成してるネ」

「それは良かったです」

「そうそう、カシオペアも搭載しておいたネ」

「それは……」

「もちろん、最大で1分程度しか飛べないし、時間の流れを遅くする程度しか出来ないヨ。でも、戦闘には重要ネ」

「そうですね。こちらが茶々丸の最終スペックになります」

「これは……」

 

渡されたデータを見た夕映は狼狽した。

 

(どうしてこうなったですか! もう完全な別物なのですよ! メイドさんロボットがどこのゼノなサーガに出て来る戦略および戦術の両面を担う決戦兵器なのですか!)

 

「鈴音は人の事は言えないと思うのですよ」

「ふふ、間違いなく私の最高傑作ネ」

「ええ、そうですよ。私と超さん、夕映さん、エヴァンジェリンさんの合作ですからブッ飛んでますよ!」

「よーし、そこまで言うなら私が告げる言葉は二つなのです」

「「?」」

「よくやったと褒めてやるです」

「「おお」」

「そして、量産よろしくと、即座に地獄へと落としてやるですよ」

「「ちょっ!?」」

「待つヨ! 量産とか無理ネ!」

 

明かな過密スケジュールで死亡確定だ。ハカセに至ってはこの頃授業にすら出ていない。2人は既にアムリタが手放せなくなっている状態だ。つまり、ドーピングして無理矢理研究しているのだ。

 

「死にます死にます」

「別に意識はなくてもいいから無人機として仕上げるですよ」

「ああ、ビット的なアレネ」

「そうそう」

「了解ヨ。どうせなら時間はあるし月に基地でも作るカ」

「いやいや、超さんまで何言って……」

「どうせ火星をテラフォーミングするネ。その実験として月をテラフォーミングする時の中継基地件実験場として使うネ」

「いやいや、計算上どれだけ時間がかかると……」

「いや、そんなに時間はかからないネ」

「そうです。どこかの誰かさんが作った大和丸を起動させれば工期は短縮できるのですよ」

「いや、アレはまだ途中だから!」

「なら完成させるネ」

「えっ……」

「夕映も手伝うヨ」

「仕方ありませんね……ああ、ちょうどいいです。鈴音とハカセには分身の術を覚えて貰うですか」

「ちょっ!? どれだけ働かせる気ですか!」

「永遠に、死ぬまでネ」

「死の先までなのです」

「この人達の方が危険ですよぉぉぉぉっ!!」

 

頑張れハカセ。魔王と見習い魔王の手からは逃れられない。甲賀忍軍の技術で質量ある分身を覚えた(覚えさせられた)超とハカセはその後、夕映と共に大量の分身を使って作業していく。これには魔法忍軍となった者達も手伝わされていく。そして4ヶ月後に完成された魔導宇宙戦艦大和丸。もはやこの秘密結社の技術力はとどまる事を知らない。何故ならアニメの世界の宇宙戦艦を実際に作り上げてしまうのだから。ちなみに搭乗員達は茶々丸を元に作られ、これまたとあるアニメを元にしてシスターズと名付けられた。ただ、やはり量産機なのでスペックは茶々丸より劣る。

 

「いやーアニメで見た世界ネ。未来ですら実現できなかった物をまさか過去で実現するとは……感涙ヨ」

「そうなのですか。では、鈴音がやりますか? ハカセさえよければですが」

「あ、私は後でいいですよ。それより寝たいです」

「そうですか」

(まあ、気づいてないようですが、アムリタの過剰摂取でハカセは既に人間ではなく仙人とか言われる領域の存在なのです。寝る必要なんてないはずなんですが……不思議なのです)

「さて、ならばやるネ!」

 

超は艦長席に立ちながらビシッと指さして叫ぶ。

 

「目標月面! 魔導宇宙戦艦大和丸、発進ネ!」

「了解。大和丸発進します」

「認識阻害用バリアフィールド及び重力フィールド展開。浮遊開始」

「メインエンジンオールグリーン。スラスター点火」

 

ぐんぐんと空に向かって飛んでいく大和丸。

 

「大気圏突入開始……宇宙空間に出ます」

「システムオールグリーン。航行に問題ありません」

「なあ、夕映」

「なんですか、鈴音」

「一つ思い出したのだガ……酸素発生装置を作ってない気がするネ」

「私も覚えが有りませんね。ハカセが作ったのでは……」

「え? 私は作ってませんよ」

「「「……」」」

「でもシステムオールグリーンって……」

「最初から搭載されてない物にチェックもなにもないネ」

「「「……」」」

「逃げるです!」

「がってん承知ネ!」

 

瞬時にゲートを開く夕映。

 

「ちょ、待ってください! 指示を出しておかないと!」

「問題無いネ! というか、そもそも乗る必要なんてなかったのヨ!」

「雰囲気を楽しみたかっただけだったのです」

「ああ、そういえばそうでした!」

 

脱兎のごとく夕映の開いたゲートへと逃げ込んいく3人の少女達。帰ってきた彼女達を迎えたのは金髪の少女。その横には茶々丸の存在もある。

 

「馬鹿だろ貴様ら」

「ち、違うね、天才ヨ!」

「そ、そうなのです。忘れてただけなのです!」

「あははは……」

「天才となんとかは紙一重とはよく言った物だ。記憶しておけ」

「イエス、マスター」

「ちょっ、待つヨ!!」

「ふん、別に構いません。過去は振り返らないのです。それよりももっと大事な事があるですよ」

「それはなんですか?」

「シスターズを利用して多数の会社の乗っ取りと世論操作を行うです」

「本格的に動きだすのカ」

「分かりました」

「どうでもいいが、忍者共の強化は終了した。さっさと……いや、その前に明日から期末テストだぞ。出席しないとまずいのではないか?」

「「「あっ」」」

「ヤバいヨ、夕映。予定組み直しネ」

「……仕方ありません、分身で対応するです」

「私は流石に無理ですよ……休みをください休みを!!」

「何言ってるネ。まだったたの数年ヨ」

「休みを取るには早いのですよ」

「明らかな労働基準法無視ですよー!」

 

数年に1度の休み、それが現在のハカセである。ちなみに中での話だ。

 

「外では大丈夫ネ」

「というか、働いている事にはなってないですし……」

「なっ!?」

「そもそもここは秘密結社ネ」

「労働基準法、何ソレ美味しいのですよ」

「ぐすん」

 

この中で一番休んでいないのは夕映で、その次が超だ。そして次にハカセが入る。どちらにしろ確実に中ではアウトになり、外ではギリギリセーフになるのが一般の者達だ。ハカセや幹部達は外でも中でも確実にアウトとなっている。

 

「世界平和の為に頑張るですよ」

「そうネ。世界平和の為ネ。君の尊い犠牲は無駄にしないヨ」

「この魔王どもめ……」

 

ハカセの言葉を褒め言葉と受ける2人は楽しそうに笑った。頑張れハカセ。君の未来はきっと明るいぞ!

 

 

 

 

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