魔王探偵夕映   作:ヴィヴィオ

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14話

 

 

 

 

 夕映達はある程度人間を引き抜いていく。でこぴんロケットも鈴音により徹底的な強化訓練を施されてネット上の綾瀬コーポレーションのホームページで動画を乗せるとかなりの評価を得ている。流石、時計とか取り上げて時間を狂わせた所で教育したかいがあるといえる。元から素質も高い上に美来の技術で教育されたのだから当然といえる。

 そして、夕映は現在幹部会を開く為に地下通路を歩いている。

 

「御屋形様」

「どうしたです?」

 

そんな夕映の横に何もない空間から楓が姿を現す。彼女は既にアーティファクトと魔法技術と科学技術の融合した技術魔導技術を使った装備で身を固めている。

 

「姉の鳴滝風香(なるたきふうか)、妹の鳴滝史伽(なるたきふみか)を我が忍軍にスカウトしてもよろしいでござるか?」

「許可するです。徹底的に鍛えて来年……今年の年末には使えるように仕上げるですよ」

「御意。次に報告ですが、日本とアメリカ、中国の一部が我らに喧嘩を売る用意をしてるでござるが、放置でよろしいか?」

「構わないのです。仕掛けてきたら堂々と叩き潰すです。もはや地球で隠れてやる必要は無いのです」

「御意。次は……」

 

楓の報告を次々に聞きながら指示を出す夕映。もちろん歩みは止めない。そして、いくつもの扉を潜った先にある扉を開けて中に入る。そこは視聴席が存在し、中心部には大きな円卓が存在する。そして、視聴席に居る者達の服装は統一性にイマイチ欠けるが、皆一様に仮面を付けている。そして、夕映が真ん中へ歩きながら呆れた声を出す。

 

「楓、これはどうなっている?」

「さあ? 私にはわからんでござるよ」

 

夕映が真ん中に到着すると鈴音が立ち上がって人差し指と中指の間に右目を持ってくるようなVサインを行い、高らかに宣言した。

 

「綺羅星っ!」

「「「「「綺羅星っ!」」」」」

 

視聴席に居る者達もやっている。やっていないのは幹部席に居るエヴァンジェリンとマナだけだ。のどかや茶々丸、ハカセは仕方なく付き合っている感じだ。ちなみにエヴァンジェリンは大笑いしている。

 

「うむ、ご苦労」

 

だが、夕映はスルーして高くなっている席へと座る。そして、足を組みながらケリュケイオンを鈴音に向ける。杖の先端から放たれる雷龍が鈴音を襲うが、鈴音は旗を懐から取り出す。

 

我が神はここにありて(リュミノジテ・エテルネッル)

 

鈴音が発動した宝具は受け流すだけで攻撃自体の無効化などはない為に、彼女の後ろにでも退避しなければ仲間は当然回避出来ない。つまり、周りが大変な事になる。

 

「ちっ」

 

たが夕映は舌打ちしただけで雷龍を消す。

 

「危ないネ! 殺す気カ!」

「遊びが過ぎるぞ、超鈴音」

「おお、これはかなり怒ってるネ。まったく、ちょっとしたお茶目なのに……残念ネ。皆、もういいヨー」

 

鈴音の言葉で皆が仮面を取る。

 

「お茶目でこんな物を建設したのか……?」

「そうネ。アレは会議室や私達の事を考えると丁度言いネ」

 

そう、ここはSTAR DRIVER 輝きのタクトで搭乗した秘密結社綺羅星十字団の会議室と同じ作りなのだ。

 

「我社は明るく元気よく、意見し合うのがモットーネ。聞くかどうかは別としてだけどネ」

「まあ、言う事を聴くならどうでもいい……というか、ノリがいいな」

(流石若い人が多い事はあるのです)

「さて、馬鹿な事をやってないでさっさと会議をはじめる。黄昏の姫巫女だが、彼女の隠匿と保護を最優先にする。必要とあらば拉致も行う。それと彼女の血を入手ししだい研究にまわす」

「分かりました」

 

ハカセが元気よく答える。

 

「あとは各部署からの報告は……」

 

幹部達が報告を行い、殆どが現状維持となった。拍手とかブーイングとか飛んでくるけど夕映は気にしない。

 

「月面の開発状況は順調ネ。月の半分は既に開発が終了し、既に生産ラインを稼働させているネ」

「宇宙戦艦の製造は?」

「そっちも順調ヨ」

「酸素発生装置も開発完了しています。テラフォーミング事態も何時でも始められます」

「ならそっちは問題ないな。楓も問題無いよな?」

「こちらも諜報は問題無いでござる。暗殺も邪魔になりそうな者を拉致して洗脳を行ってスパイにしているでござるよ」

「マナ、そっちは?」

「私が率いる傭兵部隊も問題無い。地球上からほぼ紛争地帯の根絶に成功した。あとはそちらの仕事だ」

「わかった。では最後に……エヴァンジェリン」

(エヴァンジェリンさんが一番の問題なのですよ)

「こっちは問題無いというか、現状維持だな」

「エヴァにゃんに仕掛けられた術式の発見は完了しているガ……」

「解析が難しいと……」

「腐っても造物主ヨ」

「むしろ、解析できたら誰でも真祖になれるがな」

「エヴァさん……」

「わかっている。最悪、私を封印するか殺せ。奴の好きにされるなど我慢ならん。私は私だ。この私が造物主になるだと? それは別に構わん。だが、意識が奴だというのは許容できん」

「まあ、エヴァンジェリンさんの事はタイムリミットこそありますが、なんとかなると思いやっていくしかありません」

「そうだな」

「では、次の議題ネ」

 

黄昏の姫巫女について話し合われたあと、鈴音が重大な発表をした。

 

「皆、最後にしてとっても重要な議題ヨ。心して聞くネ」

 

皆がゴクッと唾を飲み込んで次の議題に集中する。

 

「今年の慰安旅行はどこ行くネ!」

「そうだな、私は山がいいな」

「海もいいですよ」

「去年は高級リゾート貸切でしたからね……」

 

激しく議論が交わされていく。

 

(……どうせなら派手に行くですか。来年は忙しいですからね)

「まあ、どこでもいいが……いや、今回は社長及び総帥権限で決めさせて貰う」

「「「ブーブー」」」

 

盛大なブーイングが飛んでくる。

 

「黙れ」

 

だが、夕映の言葉で全員が止まる。

 

「あはははは、夕映の好きにしたらいいよ。夕映のお金なんだし……」

「それもそうネ」

 

そう、驚異な事に慰安旅行の代金は魔王様から出ているのだ。

 

「じゃあ、行き先はアソコだ」

 

夕映は天井を指差す。

 

「天井?」

「地上か」

「っ!? ちょっと待つネ! どこの世界に慰安旅行に月へ行こうとする馬鹿が居るネ!!」

「ここ。という訳で今回の慰安旅行は月面基地だ。リゾート作成もしておけ。今なら案を持ち合って作る事も可能だ」

「ちょっ!? 私の仕事が大量に増えるネ!」

「巫山戯た罰だ」

「くっくくく、月か。面白そうだな」

「エヴァンジェリンも行けばいい。憑依魔法の習得は完了した。茶々のボディを改造してやれば容易い事だろう」

「本当か!? 楽しみだぞ!」

「マスター……良かったです……」

 

大喜びするエヴァンジェリンを夕映は優しい目で眺める。

 

(助けられなかった場合、エヴァさんにはせめて幸せな生活を送って欲しいですね)

「これにて会議を終了する。各自、より一層の奮闘を期待する。以上、解散」

「「「「「「イエス、ユア・マジェスティ!!」」」」」」

 

この秘密結社、何げに福利厚生はしっかりしている。強制的に回復されるだけとも言うが。慰安旅行ではかなり贅沢が出来る上に全て夕映のポケットマネーから支払われる。ちなみに綾瀬コーポレーションも同じだ。その為、世間をまた騒がせた。なにせ慰安旅行が月面への宇宙旅行なうえ、月面を開発していると宣言したのだから。まさにやりたい放題だ。

 

 

 

 

 

 

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