魔王探偵夕映   作:ヴィヴィオ

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16話

 

 

 

 

 

 

 月への旅行からしばらく経ち、旧世界は着実に夕映の物となっていく。そして、遂に時は来た。ネギ・スプリングフィールドが新任教師として赴任していきたのだ。もちろんいたずらの仕掛けは施されている。

 

「ねぇねぇ、ギロチンとか仕掛けた方が良いかな?」

「お姉ちゃん、死んじゃうよ。黒板消しを落として煙幕を展開するぐらいで」

「じゃあ、爆竹も仕掛けようかな」

 

双子が激しい罠を仕掛けていく。訓練を受けた二人はこういう事が得意だ。そして、様々な仕掛けを終えた二人は大人しく席についている。そんな中、夕映はアスナを膝の上に乗せながら一緒に本を読んでいる。読んでいる本はナコト写本だったりする辺り、かなり危険だが。

 

(む、来ましたか……)

 

部屋に入って来るネギ・スプリングフィールドの頭上に黒板消しが落ちてくる。だが、それは瞬時に空中で止まる。

 

(何やってるですか)

 

夕映が指をくいっと下に向けると急激に重さのました黒板消しはネギ・スプリングフィールドの頭へと激突し、よろめいた瞬間には大量の煙幕が出現し、煙幕の中から爆竹が破裂する音が無数に響く。

 

「うわっ、うわわわわっ!!」

 

そして、張られたロープに引っかかってこけていく所に配置されたサブマシンガンからBB弾が発射される。そして、そのまま火の輪を潜らせられる。その後、上から水が落ちてきて火を一気に消化する。容赦という言葉をどこかに置き忘れている双子だった。

 

「あれ? 子供です?」

「え? ちょっ、大丈夫!」

「はっ、はい……」

「貴女達、やり過ぎよ」

「「ごめんなさい。でも、後悔はしていません!」」

「反省文ね」

「「そんな!?」」

(明らかにやり過ぎなのですよ)

 

それから片付けが行われて可及的速やかに綺麗にされた。

 

「はいはい、進めるわよ。その子が新しく教育実習生になったネギ・スプリングフィールド君よ」

「えっと、ボクは今日からこの学校で英語を教える事になりましたネギ・スプリングフィールドです。三学期の間だけですけど、よろしくお願いします」

「キャーーかわいいぃぃーーー」

 

それから原作通りにもみくちゃにされるネギ。そんな光景を冷めた瞳で見ている夕映とアスナ。いや、気にせずに読書しているのだ。

 

「……次のページ」

「そうですね」

「お前達は相変わらずマイペースネ」

「……子供に興味ない」

「味方でもないし、敵でもないので放置するです」

「まあ、そうネ」

「おいおい、私の生贄にはできるんだが……」

「こんな結界、その気になれば解除できるですよ。手っ取り早いのはアスナですが……」

「……解除、する……?」

「いや、いい。見つかると面倒だからな。当分は切り札としておけ。それに外出用のボディもあるのだから気にする必要もない」

 

もちろんエヴァの外出用ボディも最新技術で作られ、武装は格闘戦に特化しているが、相手を凍りつかせる機構が手に取り付けられ、戦闘能力は決して低いものではない。

 

「はいはい、授業をはじめますよ。ネギ先生、お願いします」

「はい!」

 

それから始まる授業を夕映達は横に流しつつ読書していく。

 

 

 授業が終わり、歓迎会が行われる事となった。その為、買い出しなどに出て行く生徒達。その中にはのどかと愛衣も居る。二人は大量の本とお菓子類を購入して階段へと差し掛かった。そして、階段を降りている最中にのどかは足を踏み外し、落下していく。

 

「危ないっ!!」

 

そこに原作通りネギ・スプリングフィールドが通り掛かった。だが、のどかは既に原作通りの存在ではない。何故なら瞬時に虚空瞬動を使って宙を飛んで、回転しながら落ちてきた無数の本を掴んでいくのだ。そして、着地と同時に全ての本を元通りに自らの手の中に納める。

 

「危ないですよのどか」

「んーこれぐらいなら平気だよ」

「そうですが……見られてますよ」

「え? あっ……」

 

愛衣の言葉にのどかはネギの事を見つけた。それも杖を構えているネギ・スプリングフィールドの姿をだ。しかし、のどかは既に魔法関係者といえる。

 

「んーはじめましてネギ先生。私は宮崎のどか。綾瀬夕映の従者をしています」

「え? あっ、はい……綾瀬さんの従者……ですか?」

 

ネギは慌てて学生名簿を見る。そこには夕映の所に要注意人物と書かれていた。それはのどかも一緒だ。

 

「先生、私は佐倉愛衣です。よろしくお願いします」

「こ、これはどうも……」

「それと忠告しておきます。私達の邪魔はしないでください。さもないと……」

「さ、さもないと?」

「燃やします」

「ヒィィィィィっ!?」

 

愛衣の身体から膨れ上がる膨大な魔力の圧力にネギは恐怖する。

 

「愛衣」

「冗談です。それよりネギ先生……一緒に教室に行きましょう」

「え? じょ、冗談……?」

「はい。今から教室でネギ先生の歓迎会をしますから」

「私達は買い出しに行ってきたんです。そのついでに夕映に頼まれた本を取りに行っていましたけど」

「そ、そうなんですか……ありがとうございます……」

 

そして、歩き出す二人に着いていくネギは先程の事を考える。

 

(この二人、凄い。でも、宮崎さんはどこかで見覚えがある……それにしもさっき空を移動していたの凄いや。あと佐倉さんの魔力、まるで人間じゃないみたい……ううん、どちらかというとアレは精霊に近い気がする。どちらにしろボクより凄い人達だ)

 

ネギ・スプリングフィールドは夕映陣営の一端を知った。だが、それは氷山の一角にしか過ぎない。何故なら二人は全く力を解放していない。軽く見せた程度なのだから。

 

 

 

 

 

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