ネギの歓迎会は思ったよりも……いや、確実に豪華になっている。スポンサーが綾瀬コーポレーションの総帥である夕映と委員長こと雪広財閥当主の次女雪広あやかなのだから当然といえる。お料理研究会に所属する四葉五月と超に加え、茶々丸と茶々シスターズが動員された料理は満漢全席という豪華っぷりを見せている。そんな豪勢な料理と共に歓迎会が始まった。
「「「「ようこそ♡ネギ先生ーー!!」」」」
クラッカーが次々と放たれ、ネギを主賓の席へと案内する。そこに次々と料理を運んでいく。そんな中心から離れて夕映はのどかと愛衣が持ってくる料理を食べながら本を読んでいく。ちなみにのどかは顔にかかる髪の毛をちゃんとして可愛い顔を出している。
「夕映君、エヴァ。君たちは何を飲んでいるのかな?」
「ん? ワインです」
「血だ」
もちろんエヴァの飲んでいるのは特別に作られた魔力がふんだんに含まれたブラッディワインという物だ。夕映が飲んでいるのはシャトー・ムートン・ロートシルトの1950年物という高級ワインだ。
「エヴァはともかく子供が飲むんじゃない!」
「まあそういうな。タカミチも飲むといい」
そして、直ぐにのどかがグラスを用意して愛衣が注いでいく。
「くっ、なんていい香りだ……」
「1950年物ですよ」
「一本100万円近くします」
「安月給の教師では飲めない代物なのです」
愛衣の言葉に絶句するタカミチ。確かにかなり高級なワインだ。普通に飲む物では絶対に無い。
「いや、職務……」
「ささ、先生、どうぞ」
「まさか私達の酒が飲めないとでもいうのか? 生徒が接待までしてくれているんだぞ?」
「わ、わかった。飲むのは構わないが夕映君は駄目だぞ。まだ未成年なんだからな」
「いや、私は既に20を超えているですよ。タカミチと同じで別荘みたいな時の違う空間に入り浸っていますから」
「……そうか……いや、やっぱりダメだろう」
「ちっ、頑固者め」
「まあ、ワインじゃなくて珍妙ジュースで私は構わないから別にいいのですが……」
「はい、夕映」
「ありがとうです、のどか」
夕映はのどかが渡してきた珍妙ジュースを飲んでいく。
「夕映、あーん」
「あーん」
「こっちもお願いします」
夕映はのどかと愛衣から食べさせて貰っている。アスナも一緒だが。彼女達はこれが現実だ。そして、そこにネギがしずな先生と共にやって来た。
「ネギ君、初日お疲れ様」
「はい。あれ、タカミチの持ってるのって」
「高畑先生、お酒は……」
「いや、進まれて受け取っただけでまだ飲んでないよ」
「そうですか……」
「しずな先生もどうぞ」
「え? いえ、流石にお酒は……」
「バレ無ければ問題無いヨ」
「いえ、そういう問題では……」
「今日はタイムカードを切ってある。もう放課後だろう。糞ジジイには許可を取ってあるから楽しめ」
「ええ!?」
「賄賂で落ちたのです」
「手回しは万全だよ」
丁度マナが部屋に戻ってきた。彼女は学園長室に届け物をしてもらっていた。
「料理とワインに簡単に落ちてくれたよ」
「まあ、せっかくだから飲もうか」
「そ、そうですね」
「タカミチ、ボクも飲んでみたい……」
「それは駄目です」
「駄目だ。それよりネギ君、授業はどうだったんだい?」
「あんまりうまくできなかったよ……」
「それは仕方無いよ。授業をろくに聞いてない子や出席すらしない子もいるからね」
「そうなんですか!?」
「ああ。ここに集まっているのが問題児達だ」
「で、でしたら授業に参加して貰わないと! テストとか大変じゃないですか!」
「それがその心配はないんだよ。常に満点を取ってくるからね」
「え……」
「そういう事だネ」
「私達は既に大学卒業レベルの知識を持っているです。つまりネギ先生と同じなので、勉強する必要がないのは理解できると思うです」
「うっ……それは確かに……でも、それじゃあなんでここに居るんですから?」
「色々と理由があるですが、スカウト目的と遊び目的なのです。それに日本では飛び級は認められていないのですよ」
「そ、そうなんだ……」
夕映の実力なら強制的に法律を変える事も可能だが、無駄な事は行っていない。
「それより先生は住む所があるカ?」
「えっと、木乃香さんのお部屋に住むようにと言われたんですが……」
「それは駄目なのです。いいですか、教師と生徒が同じ部屋なうえましてや異性となるのは絶対に駄目です」
「で、でも……ボクには住む所が……」
「タカミチ、アスナをこちらで引き取りますからネギ君を住まわせてあげるのです」
「確かにそれならいいか」
「タカミチと一緒に住むの! それは嬉しいかな……」
「そうですね。教員寮なら私も居ますから手伝えます。そうしましょう」
「その方がいいか。ボクもこの頃出張はあまりないし……」
「家事が面倒なら丁度いいのがあるじゃないか」
マナが会話に参加してきた。それはある意味ではとんでもない物だ。
「綾瀬コーポレーションのメイドサービスを使え。それで解決だ」
「確かに先生になら安めにしてあげてもいいです」
「メイドサービス?」
「なんだいそれは?」
「茶々丸のシスターズ、通称茶々という量産型ロボットなんだが、彼らには家事能力も与えメイドとして従業員に貸出したりもしているのだ」
「容姿も自由自在でお年寄りのいるご家庭や小さな子供のいる家庭には大喜びされているのです」
「後は独り身の人もですね」
「そ、それは便利ですね……」
「そうだね。だが、アスナ君は平気かい?」
タカミチは我関せずという感じで無表情のまま頬っぺたを膨らませて肉団子をもきゅもきゅと食べているアスナに声をかける。
「……平気。夕映達やのどかが居る……」
「そうか、わかった。悪いけど頼めるかな?」
「任せてくれていいのです」
(これで色々とやりやすくなるのですよ)
黒い夕映も健在だ。どちらにしろアスナの魔法無効化能力の解析は必要になってくるのだ。もちろん、アスナは密かに戦闘訓練を受けている。既に夕映との契約を終えて