魔王探偵夕映   作:ヴィヴィオ

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19話

 

 

 

 あれから時が経ち、ネギ・スプリングフィールドは正式な先生となった。そして、同時に夕映達が3ーAとなった。そして、学園長から依頼があったエヴァンジェリンも動き出す。

 

「で、どうするかな……」

「依頼の件なのですか……」

「ぶっちゃけ面倒だ。私には夕映が居れば何時でも抜け出す事も可能だしな」

「私の血でも……というか、結界を上書きしてしまえば問題はないです」

 

 エヴァンジェリンにとって、既に結界はどうとでもできる物でしかない。つまり、依頼すらどうでもいいのだ。そんな事よりも目の前にあるケーキの方が気になるのだ。

 

「いや、そうか……いっそ茶々丸だけを出すか」

「実戦テストなのですか?」

「それもいいが……小僧が死ぬな」

「ええ、間違い無く死ぬのです」

「茶々丸の武装は殲滅兵器ヨ。人間に向ける事事態間違ってるヨ。マスタークラスでも無ければ対抗できないネ」

 

 鈴音が追加のケーキをのどかと共に運び込んでくる。

 

「ああ、そうだ。夕映、お前が行けよ。一応、師匠の息子だろ」

「面倒な……子供の世話をしろと……いえ、いいでしょう。確かに師匠に関係する存在なのです。この夕映が叩きのめしてやるのですよ」

「おい、流石に問題があるぞ」

「というか、夕映って手加減できるカ?」

「……(ぷい」

 

 目をそらす夕映に全員が白い目をする。

 

「す、素手で……」

「撲殺カ。非道い殺し方ネ。可哀相なネギ坊主はミンチ確定ヨ」

「夕映の身体能力は既に桁が違うから……普段ですら私達が世話をしないと直ぐ物を壊しちゃうんだから……」

「くっ……なら、愛衣が行くのです!」

「私ですか? 燃やしていいのならいけますが……レアですか、ウェルダンですか?」

 

 可愛く小首を傾げる愛衣。その口元にはクリームが少しついている。ケーキに夢中になっている辺り、子供だが、その言葉はおかしい。半精霊である愛衣はありとあらゆる火の魔法を無詠唱で発動できる。その気になれば麻帆良学園を燃やし尽くす事すら片手間で可能なのだ。なにせ不死鳥と火の大精霊が融合しているのだから。

 

「愛衣なら蘇生までしっかりとすれば大丈夫ではないか?」

「じゃあ、愛衣で決定だな。じゃあ、後はパートナーを用意するべきだな」

「パートナーですか……確かに愛衣が相手じゃ瞬殺されちゃいますね。そういえば、宝具を解析して特殊な装置を作成したとか……」

「ああ、アレネ。待てよ、英雄の子供に英雄をあてがうのはアリでは無いカ?」

「勿体無いと思うですが……」

「いや、実験に丁度いいネ。天馬の羽も手に入れてあるヨ。どうせならくれてやるネ。失敗しても成功しても美味しいネ」

「まあ、そこまで言うのなら別に構わないのですが……」

「じゃあ、生成に入るネ。そっちは任せるヨ」

 

 鈴音が楽しそうに出かけていく。

 

「でだ。どんな事件を起こすんだ?」

「騒ぎになればいいのなら、手っ取り早く悪魔化とか……」

「それは後遺症がまずいよ、夕映。んーそうだね……記憶を奪うとか?」

「それではつまらん」

「じゃあ、悪魔を実際に出してやるのです。あの石化させる悪魔でいいか……」

 

 夕映が指を鳴らすと夕映の影から年老いた老人が現れる。かの姿はヴィルヘルム・ヨーゼフ・フォン・ヘルマンだ。だが、その瞳に意思は無い。完全に夕映へと吸収されたからだ。

 

「いや、こっちよりも……そうだな。よし、決めた。これだ」

 

 もう一度夕映が指を鳴らすと老人の身体が崩れて無数の小さな悪魔になる。

 

「愛衣、お前はフェネクスも入れていたから大丈夫だろう。この小悪魔達を使って学園中で悪戯を行え」

「ああ、そんな簡単な方法にするのか。事件はいいが、被害は爺に行くようにしておけよ」

「任せてください。だから、もっとお菓子をください」

「ほら、あ~んなのです」

「あ~ん。ん~~~~~」

 

 夕映からケーキを貰って至福の表情をする愛衣。その周りに夕映が作り出した小悪魔達が飛んでいる。

 

「おい、どうせならこの牙を付けて吸血鬼みたいにするか?」

「コスプレですね。でも、私には似合いません。それに自前の翼とか色々とありますから」

「そうか。しかし、どうせならこれを着ていけ」

 

 エヴァが私たのは赤ロリと言われるドレスだ。まあ、動きやすく設定もされているが。

 

「どうせならこのぬいぐるみも持っていくといいよ。ハカセから実験を頼まれた奴だから」

「か、可愛いですが……似合うか心配です……」

 

 大きめのうさぎのぬいぐるみを渡された愛衣は着替えさせられた。それらの揃った姿は幼い可愛いらしい姿だ。だが、中身はかなり物騒な物だ。綺麗な花には刺があると言われるが、致死性の猛毒が仕込まれているのだ。

 

「では、愛衣に頼んでいいとして……坊やは死ぬかな?」

「平気だろう。愛衣が入れば死体から1時間以内なら蘇生が可能なのです。それに英雄がつくのです。そこまでやって死ぬのなら後は知らないのですよ。それより、ちょっと奪いすぎてる感がありますので、鈴音にはネギ先生と釣り合いが取れる子にするようお願いするです」

 

 携帯で連絡を入れる夕映。こうしてある意味では大変だが、ネギのパートナーはかなり凄い存在がつくことになった。パートナーシステムを利用して作成される存在はかなり危険だ。

 

「英雄相手なら私のレグナム・カエロラム・エト・ジェヘナも使っていいですよね」

 

 愛衣の手にはいつの間にか真紅の剣が握られている。原初の火(アエストゥス・エストゥス)を使って鍛えられたこの剣は愛衣のお気に入り武装だ。

 

「構わないぞ」

「思う存分暴れるのです。ほら、アレですよ、アレ」

「?」

「例え相手が倒れてもチャンスをもう一度やろうとか言って、完全回復させて愛衣が満足するまで戦えばいいのですよ」

「そうですね! そんな素晴らしい方法がありました! たっぷり実験できます!」

「おい、本当に大丈夫か?」

「問題ないのです。ネギ先生の身体は……」

「精神は死ぬんじゃないか?」

「……へ、平気なのです。きっと、多分……」

「まあ、構わないが……」

 

 頑張れネギ君。君の明日は燃える的な意味では明るいが実際は暗いぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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