力はチートだが精神は一般人。そんな男の物語 (旧 面倒事は嫌なんで逃げました。) 作:クリアグラタン
主人公がエルキドゥに対して泥人形発言した
英雄王ギルガメッシュを一言で表すとしたら傍若無人。
お前のものは俺のもの俺のものも俺のものを地でいく人物である。しかもかなりの傲慢家
だが、それを差し引いても唸らざるをえないほどのスペックを誇っており、対英霊においてその強さはいかんなく発揮され、彼の本気に対して相手に出来るのはごく僅か。
だが、性格と宝具頼りな戦法が慢心と油断を生み、格下相手にやられることもしばしばあるため慢心王とも言われる。
本人曰く、《慢心せずして何が王か》というとこと。
しかし慢心王とも称される彼が本気を出すのは余程のことである。
本気を出せば、並の敵など相手にならず直ぐ様地に伏すことだろう。
更に、あらゆる平行世界の未来などまで見通せる千里眼を保持している。
王の財宝、乖離剣エアなどでは飽きたらず、千里眼まで持つなんてどんだけスペック盛れば気が済むんだという
気もしなくはないが、それがギルガメッシュである。
そんな彼は現在1人の男を見極めている最中だった。
その男は小者で、欲望に正直な上、性格もお世辞にも良いとは言えず何よりも自己保身を優先させる男だった。
それだけならばよく彼が口にする雑種の一言で済むのだが、今回は違った。
その者は時を止め、ブラックホール操り、限定的な未来予知など神のごとき力を持っていた。そして、何より彼は偽物を本物にするという力を持っていた。
しかもその力はこの世界ではない神から貰ったものである。おまけに元傍観者と来た。
これらの要素が合わさり、ギルガメッシュは深川に目をつけた。
最初に目をつけたのは彼が転生した時のことである。
ギルガメッシュの深川に対する印象は質の悪い謙虚な小者。
深川は自分がどういう人間かわかっている。それらを把握したうえで行動する。
世界を積極的にどうこうしてやろうというタイプの人間ではないが、ことに自己の安全に関わるものには積極的になる。
そしてギルガメッシュが場合によっては深川を殺すことも視野に入れたことがこれまでに2回ある。
1回目は、転生した当初からのことである。
ギルガメッシュに取って深川は神の加護(特典のこと)を受けていながらも相応に謙虚に生きていたことについては許容していた。力はあくまで自衛のために使うというのも大きかった。
これが下手に自分の力をいたずらに振り回し、世界に影響を与えるようなことをすれば殺すつもりだった。
例 世界征服や人類皆殺し、地球の破壊等
2回目は深川がカルデアに召還された時である。
彼は深川の全容を見抜いていた。もし深川があのまま人理修復の状態を維持させるという目的を持ったままならば直ぐ様排除していたところだった。
深川の当初の目的を要約すると以下の通りになる。
よっしゃ、人理修復の状態を維持させるで!ゲーティア倒しても人類は生き返らないようにするんや!地球に人類が甦ると色々面倒だからな!
↓
うわ、ギルガメッシュおるやん。無理だわこの計画
とこんな感じである。
そんなギルガメッシュが現在深川に対して抱いてる感情は不快感であった。
目の前の男をどうしてやろうかと思い、思考を巡らせた。
終わった。ようやく終わった。エルキドゥはもはや存在しない。途中魔獣が襲いかかってきたけど何とか対処できた。それに聖杯もゲットしたしこれで賢王様に報告出来るな。ん?これよく考れば仕事終わったんじゃね?
聖杯回収したからもう俺この特異点からトンズラしてもいいよね?
やったね。これでこんな時代とはおさらばだ!テレビもクーラーもネットもない吉幾三の俺ら東京さ行ぐだばりの田舎生活も卒業だ。
俺は大自然が溢れる田舎で過ごす生活なんかごめんだ。
そんな生活より近くに行けばコンビニがあり、クーラーが効いてる部屋で柔らかい絨毯の上でテレビを見て、レンジでチンしたご飯やガスコンロなどで調理したご飯が食べたいしふかふかのベッドでネットサーフィンしながらゴロゴロしたいんだよ。
文明の利器って最高ーー!
便利で豊かな暮らしはやっぱりやめられないわ。
いやー、それにしても本当に強かったわアイツ。短期決戦じゃなければ負けてたわ。アイツがゲイツリバイブ擬きの力に拘り続けてくれて良かった。おかげでこっちが勝つことが出来た。てかめっちゃ疲れた。早くベッドで横になりたい
「おい、雑種。」
……?気のせいかな?ギルガメッシュの声が今聞こえた気がしたんだけど……
「我を無視するとはいい度胸だな。それともこういった方がいいか?元傍観者よ。」
振り替えるとそこにはすぐキレる方のギルガメッシュがいた。
…………どうしよう。すげぇ関わりたくない。誰か胃薬くれないかな……
何が悲しくて戦い終わって疲れた後に質の悪いジャイアンの面を見なければならんのだ。せめてジャンヌみたいな綺麗でタイプな女性の方が……へ?
「思うのは勝手だが、程々にしておけ。次はないぞ?」
横を見ると宝物庫から取り出して射出したであろう刀剣が地面に突き刺さっていた。何で考えてることわかるんだよ。エスパーが何かか?
「我を誰だと思っている。貴様の考えてることぐらい手に取るようにわかるわ。」
…………千里眼にエア、しかも読心術とかどんだけぶっ壊れスペックなんだよ。インチキスペックもいい加減にしろ!
「貴様に言われたくはないがな。人の身でありながら神のごとき力と視点を持つ貴様からすればこの世界に生きる者らはさぞ滑稽に見えるだろうな。」
…………やっぱりこっちのギルガメッシュも俺のこと全部わかってるか。まぁ、当然と言えば当然か。
「ふん、大して驚いてないところを見るとこうなることは予め想定していたらしいな。まぁそれほどの力を持っていながら自分からこの世界に影響を及ぼすようなことをしなかったことについては褒めてやろう。」
……?褒めてるの?もしかして認めてやる的な感じか?
……でも何かこのパターン前にもあったような……
「無論気に入らん点の方が多いがな」
やっぱり上げて落とすパターンじゃないですか。
「特に貴様、エルキドゥに止めをさす前に何と言った?」
……ヤバい。まさか聞かれてた?これもしかしなくてもこれ泥人形のくだり聞かれてた?
そうだとしたらヤバいのはちょっとどころじゃない。
下手したらここで死ぬ。
「……泥人形風情が手間かけさせんなよさっさと死ねって言いました。本当にすみませんでした。」
「…………」
ちょっと……無言は勘弁してくださいよ。無言が一番怖いんですから。誰か助けてくんないかな……
「……本来なら紛い物とはいえ我が友を愚弄した貴様にそれ相応の処分を下す所だが、今の貴様は違う我から必要とされてる。今の所は貴様の処遇を保留しといてやろう。」
…………お?これは何とかなるか?
「だが我は貴様を認めた訳ではない。それをよく覚えておくのだな。」
……別にいいんだけどな……俺ギルガメッシュに認められたくて人生送ってる訳じゃないし。
俺は生き残ればそれでいいから。今回の異変が解決してこの星から脱出する準備が出来たらとっとこんな星おさらばするから。
まぁ、それまではお互い持ちつ持たれつの関係で。取り敢えずドクターに報告するか。
《エルキドゥの消滅を確認。お手柄だよ深川君、よくやってくれた!これで戦況は大分変わる筈だ!何せ魔獣の総司令官を倒したんだ。これで少なくとも魔獣は統率が取れなくなる。それに聖杯を回収するなんて初めてとは思えないくらいの働きぶりだ!本当によくやってくれた!》
喜んでるとこ悪いけどまだ3女神がいるんだよね。
プラスイシュタル。
ゴルゴーン、エレシュキガル、ケツァルコアトル。
エレシュキガルとケツァルコアトル、イシュタルは協力してもらうのは確定として問題はゴルゴーンだな。
クロノスライドウォッチ擬きを使えば余裕だろうけど
ゴルゴーン倒したらティアマトが復活するんだよね……
俺に取ってこの特異点で一番最悪なのはティアマトが復活し、エレシュキガル、イシュタル、ケツァルコアトルが敵に回ることだ。
いくら俺でもこのメンバーを一度に相手するのは無理。
クロノスならいけるかもしれないが、それはあくまで最終手段。さて、どうしたものか。
まぁ、聖杯回収したからもうそんなこと関係ないけどな!第七特異点完!アハハハハハハ……ん?何この音?地震?…………まさか
。
「……ふむ。久方ぶりの地上に出てみれば面白い者がおるではないか。我が子がいないのを見ると大方既に殺られたと考えるのが妥当だな。」
…あ、これ確実に目をつけられたな。勘だけど案外馬鹿にならん。つーかタイミング悪すぎない?
「そこの人間、貴様は何者だ?この世界の者ではないのはわかる。だが何故人の身でありながらそれほどの力を持っている?人間など所詮は私の行動1つで死ぬ脆弱な生命体で、取るに足らぬ弱者だが貴様は違う。」
いや、俺もアンタの行動1つで死ぬ人間なんですけどね……
つーかやっぱりコイツら面倒だな。
神様には何でもお見通しって奴?てか初手本気モードか。
まぁ戦うにしてもジオウⅡ擬きじゃ火力が足りない。となると厳しいな
コイツには確か石化の魔眼があったな。後は蛇の口から出される光線とか。
石化の影響を受けないのが大前提。となるともし倒すとしたら対抗策は限られる。
しかも確かコイツ再生機能があったな。こういう手合いが相手ならそれを上回る火力をぶちこめばいい。
でもまぁ今ここで倒すのはなしだな。
殺るなら最低でもイシュタルとケツァルコアトルの協力を得てからではないと。
ティアマトと戦うのにその前に女神共の説得に回ってる時間はない。
仮にそうなった場合その間ティアマトを食い止める役割は必然的に俺になるだろうな。それはいくらなんでも勘弁してほしい。
よし、このままジオウⅡ擬きでやり過ごすか。
「この世界の人間を皆殺しにする前に貴様から先に消してやろう。貴様、名はなんという?」
「人に名前を訪ねるならまずは自分から名乗ってくれませんかね……」
「我はティアマト。原初の神にして貴様らを屠る者だ。」
嘘乙。お前のホントの名前はゴルゴーンだろ。
ティアマトはお前みたいな奴じゃないし。取り敢えずジオウⅡ擬きで時間稼ぐか。
「俺はギャラージュ・コラージュ・ミラージュ。唯の小者だよ。」
え?何だその名前?って?馬鹿正直に自分の名前名乗るわけないじゃん。
因みにこの名前は秒で考えた。
一方その頃カルデアはケツァルコアトルに苦戦を強いられていた。
カルナやアルトリアらが果敢に攻め、キャスター陣営が後方支援に徹するも、ケツァルコアトルにこれといったダメージを与えられずにいた。カルデアらはケツァルコアトルを倒すための決め手に欠けていた。
「ドクター、深川さんは今何をしてるの?出来れば増援が欲しいんだけど。このままじゃ………」
《彼は今エルキドゥを倒して聖杯を回収した後ティアマトと交戦している。悪いけどしばらくそちらに行けそうにない。》
「ティアマト?」
「……あの男キングゥを倒したのね。で、ティアマトを今相手にしてると。」
すると突然ケツァルコアトルが距離を取り、戦闘の意思がないことを示す。
その様子にマシュは警戒した様子でケツァルコアトルに訪ねる。
「…………どういうつもりですか?」
「キングゥが倒された今私がここに留まる理由もないもの。私が今回の作戦に参加したのはあくまでキングゥがきっかけ。まぁ、あの男が危険であると思ってるのには変わりはないけど。この場は退散するとしましょう。」
そう言ってケツァルコアトルはその場から退散した。
右からは巨大な尻尾による凪ぎ払いの後、無数の蛇の口からの光線、地鳴らしで動きを数瞬止めたら衝撃波による攻撃、更に石化の魔眼で動きを止めて魔弾の嵐。
その後尻尾の凪ぎ払いの予備動作をフェイントにし、口から光線。
それらの未来をジオウⅡ擬きで予知し悉くかわしていく。
「見事なものだな。人間の身でありながら未来を予知出来るとは。その奇怪な鎧のおかげか?」
前言撤回。これやり過ごしてどうにかなる相手じゃないわ。想像以上に不味い。
このまま持久戦になれば間違いなく負ける。俺としたことが選択を誤るとは。聖杯回収してヤキが回ったかな……
それに何かを抱えながら戦うなんて始めてだからどうしても慎重にならざるをえない。
しかもそれが聖杯ともなれば尚更だ。コイツに奪われたら現時点で勝ち目がなくなる。
エルキドゥが死んだ今コイツはこのままウルクを滅亡させる可能性が高い。
これはもうこの場で殺せるなら殺した方がいいな。
ティアマト復活するかも知れんけどでもこのままじゃね……そう考えるとエルキドゥ殺したのは失敗だったな
もう少し生かしとくべきだった。
つーかギルガメッシュ何してんの?少しは手伝ってくれませんかね……
今ここでエアとか天の鎖使わないでいつ使うんだよ。
宝の持ち腐れするぐらいなら俺に譲ってくれよ……
取り敢えずドクターや藤丸らにこのことを知らせるか。
《立香ちゃんらが今そっちに向かってる。それまでに何とか持ちこたえてくれ!》
「……貴様と戯れるのも少々飽きてきた所だ。次は本気で行こう。」
……今まで本気じゃなかったとか冗談でも笑えないんですが。これ使いたくなかったんだけどな……
でも出し惜しみして勝てる相手じゃないし。
いよいよ俺も腹を括らなければならないか。
《クロノス》