力はチートだが精神は一般人。そんな男の物語 (旧 面倒事は嫌なんで逃げました。) 作:クリアグラタン
主人公の死と引き換えにロマンとマシュが生存した。
後日談です。短いです。キャラの心情が上手く描写出来てるかわかりません。
それでも良い方は進んで下さい。
嫌な方はブラウザバックをどうぞ。
人理修復はなされた。カルデア一同は世界を救えたことに元の日常を取り戻せたことに歓喜した。
ある者は嬉しさのあまり涙を流し、ある者は喜びに震えた。
カルデアでは祝勝会として連日パーティーが開かれ、今までの張りつめた空気が嘘のように弛緩し、喜びの雰囲気が流れていた。
中には沈痛な面持ちの職員もいたが多くの職員は喜びに震えていた。
だが、そんな空気とは対照的にカルデアマスターである藤丸立香は自室にて陰鬱な表情をしていた。
どうにもパーティーなどやってられる気分ではなかったからだ。
なのに皆、次々とカルデアのマスターである藤丸立香を褒め称える。よくやった。君のおかげで世界は救われたと。
次々と浴びせられる称賛に藤丸はその場では表面上は何気ない表情をしながらも内心穏やかではなかった。
(私のおかげ?違う。私は何も出来なかった。
ゲーティアをあそこまで追い詰めたのは単身1人で戦っていた深川さんのおかげ。第7特異点だってそう。
私はほとんど何も出来ず、挙げ句に怪我を負う始末。
そのせいで深川さんに大変な思いをさせた。
あの特異点があそこまで何気なく進んだのは全部深川さんが頑張ってくれたから。それに本来ならゲーティアとの戦いは熾烈を極める筈。何せ今回の異変の黒幕。
その力は計り知れない。
でも私らがゲーティアと相手した時拍子抜けした。
数多の英霊が来てくれたとは言えそれだけで勝てる程甘くはないと思ってた。なのに勝てた。
それは深川さんがゲーティアに拉致されながらもたった1人で戦ってくれたからこそ、私らはカルデアから犠牲者を出さず勝利を納められた。)
(なのに、どうしてこの人たちはそんなに手放しで喜べるの?あの人がいなかったら私達はもっと酷い結果になってたかもしれないのに。……でも私に彼らを糾弾する資格はない。だって元はと言えば私がーー)
「……先輩、今宜しいですか?」
「マシュ……」
「…………深川さんのことですよね。」
「……私何も出来なかった。今回の結果は全部深川さんがいたからこうなったの。皆は私のことを褒め称えるけど私はそんな人間じゃない。平穏な暮らしがしたかっただけの人間を殺した最低の人間。」
「…………先輩。」
「深川さんが言ってた。この世界の出来事はこの世界の住人が解決してくれって。私その場ではわかっていたのに結局わかってなかった!」
「…………」
「全部、全部深川さんに頼りきりだった!
第7特異点のことも、ゲーティアの戦いだって!
本当はもっと私が頑張らないといけないのに深川さんに任せっきりで……それで結局深川さんが死んでしまって……」
「…………」
「それでね私、さっきカルデアの職員さんから誉められた時こう思ったんだ。何でそんなに喜べるの?って。」
「…………」
「でも私に彼らを糾弾する資格なんてない。
元はと言えば私のせいなんだから。…………私が深川さんを召還しなければ……私がもっとしっかりしてれば………………深川さんを巻き込まなければこんなことにはならなかった。」
「…………」
「私、自分自身が許せない。私は罰を受ける義務がある。」
「……先輩が1人で抱え込む必要はありません。
これは私達全員の罪です。この世界の出来事に偶然とはいえ巻き込んで結果死なせておきながら何の罰も受けてない私達の。
平穏な暮らしがしたかっただけのごくありふれた人を殺した私達の背負うべき業です。」
それから二人は互いに一言も発することなく時間が過ぎていった。
《…何でだよ……何で……何でこんなことになるんだよ!俺は……俺はただ無事に生き延びて平穏な暮らしがしたかっただけなのに……》
彼につけた小型監視カメラが拾った最後の音声。その音声はカルデアの管制室のとある機械に届けられそこから彼の悲痛な叫びが聞こえる。
その音声を再生したロマンはとても素直に喜べるような気分ではなかった。
カルデアの食堂では職員らによる喧騒が響いている。
深川のことは彼自身の事情もあり、極力秘匿することにした。
知ってるのは藤丸、マシュ、サーヴァント、ロマン、ダヴィンチ、一部のカルデア職員だけ。
他の職員は彼のことを知らない。とはいえあぁもはしゃがれると少しくるものがロマンにはあった。
ー何でだよ!本来ならロマンが死ぬ筈だろ!ー
(彼のあの言葉はつまりそういうことなんだろう。
本来の歴史ではおそらく自分が死ぬ運命にあった。
それが彼というイレギュラーによりねじ曲がりあのような結果になった。)
自分のせいで彼が死んでしまった。そのことにロマンは自責の念を抱いていた。
ー平穏な暮らしがしたかったー
(その強大な力とは裏腹に彼の望みはとても細やかなものだった。
生きて平穏な暮らしがしたいというごくありふれた願いを自分たちは踏みにじった。
思えば僕らは結局彼の力ばかりに目が行き、彼の内面に踏み込んだことななかった。
僕らは彼のことを何一つわかってなかった。
彼が本当はとても臆病なことも、特異点で壊れていたことも。神にも等しい存在などではなく、どこにでもいるごくありふれた人間であるというのも。
ー君は大切な仲間なんだからー
第7特異点で自分が彼に吐いた言葉だが、改めて思い返すと何と薄っぺらいことか。
仲間と言いつつ、その実彼のことを何一つ理解していなかったのだから。
もし彼が自分に復讐することがあれば……
その時は甘んじて受け入れよう
それが僕の受けなければならない罰なのだから。)
自分の愚かさに自嘲の笑みを浮かべつつロマンはそのまま管制室を後にした。
~ここから先は蛇足です。それでも良い方はこのまま進んでください。
以下 一部より抜粋
「思い知るがいい……俺の味わった痛みを」
《ゴッドマキシマム》
「ごめんね、マシュ……これが私の受けるべき罰なの」
「先輩!」
「どいつもこいつもうざいんだよ!存在しない奴らがでしゃばりやがって!」
《不味い!あの槍1つ1つが対星宝具並の威力だ!あんなもの撃たれて地表に激突でもすればこの星が吹っ飛ぶ!》
「君の怒りは僕が全て受け止めよう。」
「……キさマラさエ……キサまラサえイナケれバぁ!」
小心者が復讐の鬼となり、カルデアに逆襲する話です。
需要があれば投稿する予定です。
気分が沈んでる時はギャグに走るのが一番です。
という訳で次回から後書きに小ネタが乗ることがあります。
さ~て次回の小ネタは
『書類仕事はコリゴリ』
『深川、地球外生命体を召還する』
『お前の胸なんて需要ないから』
の三本の内いずれかです。
え?黙れ?……すいません。