力はチートだが精神は一般人。そんな男の物語 (旧 面倒事は嫌なんで逃げました。) 作:クリアグラタン
C『女性には優しくしよう』
「……グスッ……スンッ…………私……スンッ……やっぱり……需要ないのかしら……」
「そんなことないですよ。オフェリアさんは綺麗ですよ?ね?芥さん?」
「……えぇ、そうね。貴女は十分綺麗。あのバカの言うことなんて気にしなくていいの。」
むせび泣いてるオフェリアを慰めているコヤンスカヤとヒナコ。コヤンスカヤはオフェリアの背中を擦り、少しでも落ち着くようにしており、ヒナコは彼女に慰めの言葉をかけつつ、深川に対してゴミを見るかのような目をむける。
オフェリアがここまで泣いてる原因は深川とのあるやり取りにあった。
時は数時間前まで遡る。それは深川が北欧の異聞帯に遊びに行った時のことである。
へー、オフェリアって魔眼持ちなんだ。すごいじゃん。
あれか?私の目を見たら死ぬとかそんな感じ?
……そこまで強くないわよ。まぁ、それなりには強いわよ。
あぁ、だから眼帯してるのか。魔眼を隠すために。
……ん?てことはオフェリアっていつもその眼帯してるってことだよね。ずっと着けてるの?
……えぇ、そうね。
……寝てる時もずっと?
…それが何?
……目の下がすごい蒸れてそう。
なんかこう……眼帯外したらむわっと臭気が漂いそうな感じがする。
もしそうならちゃんとケアした方がいいよ?こう色々と忙しいのはわかるけどさ。今時眼帯の下から臭気がする女性なんて需要ないよ?
このことが原因で冒頭に至る。
そしてその事を聞かされた男性陣の反応は
「……悪いことは言わない。謝った方がいい深川。流石に女性に対してその発言は私もどうかと思うぞ。」
「……同感だな。これはマジで謝った方がいいぜ。
オフェリアがこんなにマジ泣きしてるとこなんて初めて見るしあのコヤンスカヤでさえフォローに回るなんて相当だぞ?」
「……流石に俺もどうかと思うぞ。」
この現状に流石にキリシュタリアら男性陣も深川に謝罪を促すだが、深川の返答は謝罪ではなかった。
「お、俺が悪いってのか…………?お、俺は悪くねぇぞ!だって…………だってこんなことになるなんて思ってなかったんだ!それに普段オフェリアはいつも同じ眼帯つけてるからそう考えるのは何も不思議じゃねぇ!
大体、お前らがそのことに関して予め説明してればこんなことにはならなかったんだ!俺ばっか責めるな!」
「貴方、流石にそれは非常識ですよ?一般人とか事前の説明がどうとは関係なく。女性は繊細なんですから発言には気をつけて下さい。悪いことをしたら謝るのは基本ですよ?」
「…………貴方ってこの前の発想もそうだけど性格も酷いわね。」
どこぞの親善大使を彷彿とさせる物言いをする深川に対してこれ以上ない正論で返すコヤンスカヤ。そしてついでに深川のことも軽く非難するヒナコ
「う、うるせぇコヤンスカヤ!お前が常識を語るな!謝ればいいんだろ!謝れば!」
四方八方からの非難の眼差しに流石の深川も応え、現在体育座りになってるオフェリアの前にしゃがみこんで優しく語りかける。
「あー、その……オフェリア。」
「グスッ……グスッ……なによ…………どうせ私なんか……」
「…………本当にごめん。お前は綺麗だしスタイルもまぁいいほうだ。だからそんな泣かないでくれ。泣いてるより笑ってくれた方が俺は好きだからさ。」
「……グスッ……じゃあどうして……あんなこと言うの……?」
歯が浮くようなセリフをつらつらと並べる深川。これがニコポナデポ持ちの主人公ならここでオフェリアは完堕ちしてただろう。
「いや何かそう思ったから。」
だが、深川はどこまでも深川だった。
「…………グスッ…ウッ…ア゛ア゛゛ア゛!」
止めの一撃に堰を切ったかのように涙が溢れ出すオフェリア。
「……最低ですね。貴方、オフェリアさんに何か恨みでもあるんですの?」
「これだから人間は……」
この後深川は数時間に渡ってコヤンスカヤとヒナコから説教されたそうな。
B『親しき仲にも礼儀あり』
とある一室ではこれまでにないほど重い空気が漂っていた。
その部屋にいるのはロマンと深川。今、この二人はあることで揉めていた。
「ロマン、お前さ……俺言ったよね?」
「…………」
「人の大切なものを奪うようなことはやめろってさ。」
「すまない……」
詰問するかのような口調で喋る深川にただ謝罪の言葉を並べることしか出来ないロマン。そのことに対して深川の怒りのボルテージが少しずつ上昇する。
「俺さここ最近結構大変な目にあったけどそれを何とかお前らの力を借りて乗り越えられた。ゲーティアのこととかね。それは感謝してるよ。でもさ……何でこんなことするかね……」
「…………」
そう、深川はゲーティアに拉致され、そのまま戦闘になり、ゲーティアを後一歩まで追い詰めるも制限時間の関係で窮地に陥った。そこにカルデアが深川を救出し、力を合わせてゲーティアを倒すことで深川は危機を回避することができた。
このことを受けて深川はカルデアに対して心を少しずつ
開き、今ではロマンとは深い交流をしている。
そんな彼がここまでロマンに対して怒ってるのには理由があった。
「何で人のもんに手を出すかね……何で、何で……」
「何で俺の最高級メロンを食べるんだよ!?」
「お前ふざけんなよ!?あれ俺がめっちゃ楽しみにしてんだぞ!」
「百歩譲って一口だけならまだいいよ??でもさ普通全部食うやつがいるか!」
「……とても美味しかった。この世のものとは思えないぐらい甘かったよ。」
「ぶっ飛ばすぞお前!マジで顔面にブラックホールかましてやろうか!?」
「すまない……本当は全部食べるつもりはなかったんだ。一口だけもらおうと……ただ魔が差してしまって……気がつけば全部食べていた。」
「尚悪いわ!あれめっちゃ高いメロンなんだぞ!」
「こう……甘味の誘惑には勝てず……僕としたことが……」
「カッコつけてるけどお前めっちゃしょうもないこといってるのわかる?!」
「僕だって……僕だって甘いものを食べて至福の一時を味わいたいんだ!
君のメロンを食べてしまうのもしょう⤴️がないじゃいか!」
「えな◯か◯きの真似すんな!開き直るとかお前ホント……」
「お詫びと言ってはなんだけど君の書類仕事減らしとくよ。」
「いや、お詫びにすらなってないからな!?この上まだ書類をやれと?!しかも免除ではなく減らす?鬼か!!俺は忘れんからな!疲れたとこに2つほどの山がある書類を捌けと言われたこと!」
「だって君書類を捌くスピードが異常に早いじゃないか。2つの山の書類を30分で捌くし。だからそれだけ君に頼らざるを得なくて……」
「……あれは俺がゲイツリバイブ擬きの力を使ったから……書類のことはまぁいい。それよりメロンだよ!メロン返せ!」
「返したいのは山々だけど生憎メロンは僕の胃の中で溶けてるから無理だ。ごめんね?」
「もういいし!藤丸に言いつけてやるわ!藤丸~!」
d『深川、大事なもんを盗まれる。』
とある世界。そこで深川は平和に暮らしていた。
深川はスペースストーン擬きの力を使って平行世界に移動した。
そこは正義の味方がご飯を作ってそれを色んな人が美味しく食べる世界。
だがある日、そんな平和な世界で深川はあるトラブルに巻き込まれていた。
「これがスナップするだけで絶大な効果をもたらすインフィニティガントレットの擬きか。中々いいお宝だね。」
「…お、お前は……海東大樹!何でこんな所にいる!?てか返せ!ディケイドにチクるぞお前!」
「君にそんなことが出来るのかい?生憎彼は君の用事でわざわざここに来るほど暇じゃない。」
「うっせバーカ!お前窃盗罪で訴えるぞ!返せ!人のものを盗んだらいけないというのは子供でもわかる常識だぞ!」
そう言いつつ深川はライドウォッチ擬きを起動させ、
『エボルブラックホールフォーム』
「そっちがそう来るならしょうがない。」
それに対して海東はネオディエンドライバーを構える
『カメンライド』
「変身」
『ディエンド!』
エボルブラックホールフォーム擬きとなった深川はディエンド目掛けて迫り来る。
「いきなりエボルトの力か。なら、これならどうだい?」
『カメンライド!メテオ!』
『カメンライド!クローズ!』
仮面ライダーディエンドとなった海東は二枚のライダーカードをディエンドライバーに装填した。
「さ、どうぞ。」
ネオディエンドライバーの銃口から放たれ実体化した仮面ライダーメテオと仮面ライダークローズが深川に襲いかかる。
クローズがその拳でブラックホールフォーム擬きの胸のアーマーを殴り付け、メテオが背後から蹴りを放つ。
『アタックライド!インビジブル』
そしてそうこうしてる内にディエンドは姿を消した。
「あの、ヤンホモ野郎ーーーーー!」
それと同時にクローズとメテオが消え、深川の悔しさを含んだ叫び声がこだました。
b『過去の所業はついてまわる。』
とある会議室そこでは重苦しい空気が流れていた。そんな中ある男が切り出す。
『現在カルデアが北欧の異聞帯に侵攻している。既にワルキューレらは撃破され、その勢いは留まることを知らない。このままではオフェリアが負けるのも時間の問題だ。そこで諸君らにはカルデアを確実に仕留めるための足止めをしてもらいたい。だがそれにあたって、何か具体的な案が欲しい。』
『もういっそのこと深川がまとめて殺ればよくねぇか?それならサクッと終わるだろ。』
「めんどいからパス。俺今リンボとジェンガしてるから。」
だが、我らが主人公深川はリンボとジェンガすることに夢中でまともに取り合おうとしない。
『………貴方復讐するんじゃなかったの?』
「いやー、復讐もあれだけどさ。やっぱり自堕落な生活が一番だよ。ここでグータラするの最高だし。お前らのとこの異聞帯に遊びに行ったらご飯出てくるし。」
そんな様子を見たヒナコは呆れの表情を浮かべるも特に深川はそれを気にすることなくジェンガを続けている。
『……ニート思考の深川はさておきペペロンチーノ、なんかいい案はないか?』
最早深川のニート的な考えは今に始まったことではないためこの男はそういうものだと考えるようになったキリシュタリア。
彼は当初深川のことを認めていた。単身ティアマトを撃破したその手腕は見事という他なかった。
そんな男が自陣営に入ると聞いた時は歓喜に溢れた。
が、実際はどうだ。
あれだけの力を持ちながら特に何をするまでもなく、ただぶらぶら異聞帯を満喫する日々。
食っては出掛けて、帰ったら寝る。
そんな様子を見たキリシュタリアは自分の中での深川に対するイメージが音をたてて崩れていくのかわかった。
『…………やっぱり深川ちゃんに行ってもらうのが一番じゃないかしら?それに貴方この前オフェリアちゃんを泣かせたのだからその責任として助けに行ってあげたら?』
「げ。そうくる?……俺オフェリアの異聞帯行くと蕁麻疹が出る病気に今掛かってるからちょっと……」
思わぬ展開に少し焦り何とか適当に理由をつけて行かないようにする深川だが……
『決まりだな。』←キリシュタリア
『決まりだな。』←ベリル
『決まりね。』←ペペロンチーノ
『同じく』←ヒナコ
満場一致で深川がオフェリアのもとに向かうこととなった。
「お前ら俺の扱い酷くない?」