力はチートだが精神は一般人。そんな男の物語 (旧 面倒事は嫌なんで逃げました。)   作:クリアグラタン

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前回のあらすじ

ブラックホールフォームが弱体化された

このルートはこの話で最後です。


今回はほとんどセリフです。後いつもより短めです。



置き土産

いやー、何とか宇宙船に乗り込めたわ。

 

これで後はトンズラするだけだな。

 

でもその前に目の前にいるこの人間擬きどうしようかな……

 

 

殺るのは簡単だけどそしたらアイツ本気で俺のこと殺しに来るだろうしな……

 

 

面倒いけど適当に流すか。

 

準備が終わればそこらへんにポイすればええし。

 

 

 

 

「……貴方は一体何がしたいんですか?」

 

 

 

「逃げたいだけだよ?この星で起きる厄介事から。この星はホントに厄介事がゴキブリのように湧いてくるからさ。聖杯戦争然り、人理焼却然り、今回の事態然り。俺はさそんな事に巻き込まれたくないのよ。やるなら勝手にどうぞ。但し俺を巻き込まないでねって話で。」

 

 

「それだけの力があってもですか?」

 

 

「うん。だって世の中に不測の事態は付き物だろ?先程のキリシュタリアの能力で俺のブラックホールフォームが弱体化されるなんて思いもしなかったし。俺はどこまで行こうがチキンなんだわ。だから君とこうして話すのも自分に取って絶対的に有利な状況だから話すのよ。

その証拠に君、身体を動かすこと全く出来ないでしょ?」

 

 

 

「…………」

 

 

 

「まぁ、それも当然だけどね。君には人質に取った時にこの星には存在しない毒を流し込んだから。神経毒の類いだけど。いくらデミ鯖とは言っても身体が動かせな状態なんて怖くないし。

当然解毒剤もないよ?まぁ、口は動かせるようにしといたからそれで勘弁ね。」

 

 

「取り敢えず大人しくしててね。じゃないと君は酷い目に遭うよ?二重の意味で。女性が捕虜になるということはどういう意味か君ならわかるよね?」

 

 

 

 

「…………先輩の返答は待たないんですか?」

 

 

 

 

「え?捕虜の下りはスルー?……待たないよ?アイツの答えなんてどうでもいいし。俺はそんなん興味ないもん。だから君が大人しくしてれば俺がこの星を脱出する前に外に放置しとくから。あんまり暴れるならちょっと身体に色々教えないといけないけど。」

 

 

暗に逆らうとお前の未来はないと脅しにかかる深川。

彼はマシュが逆らう意志を取れば即座に対応出来るようにハイパームテキライドウォッチ擬きを手にしている。

 

 

 

 

 

 

それから一言も発することなく互いに無言の時間が続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫くしてマシュが目を覚ましたのはシャドウボーダーの治療室だった。

 

その様子を見た藤丸は安堵の表情を浮かべて彼女に駆け寄る。

 

「マシュ、大丈夫?アイツに何かされてない?」

 

 

 

 

「宇宙船内でこの星にはない神経毒を流されました。」

 

 

 

 

「…………え?」

 

 

そことを聞いた藤丸は思わず硬直する。大切な人が毒を盛られたのを聞いて思わず固まるのも無理はない。

 

 

「ですが、今は何ともありません。身体は至って正常です。」

 

 

「……そうなの?」

 

 

「はい、心配をかけてすみませんでした。私のことは大丈夫です。それよりここは?」

 

 

「シャドウボーダー内の治療室だよ。マシュが宇宙船の近くで倒れてたのをキリシュタリアが発見したんだ。」

 

 

 

「……キリシュタリアさんは?」

 

 

「自分の異聞帯に帰ったよ。なんでも今回はこのまま手打ちにするが、次会うときは君らと雌雄を決する時だって。」

 

 

 

 

「……そうですか。」

 

 

 

 

「失礼するよ。マシュ、具合はどうだい?」

 

ノックの後に治療室に入って来たのはダヴィンチとホームズ。マシュが宇宙船の付近で倒れてるとの報を最初なやキリシュタリアから聞いたのがこの二人だった。

 

 

 

「何ともありません。身体は正常です。」

 

 

 

 

そこから暫しの談笑をした後、ホームズが本題を切り出す。

 

 

「さて、単刀直入に言おう。君は彼に何をされた?」

 

 

 

「…………この星には存在しない神経毒を盛られました。」

 

 

その言葉を聞いた彼らは絶句する。

 

 

「……他には?」

 

 

 

「それだけです。後はただ彼と話しただけです。」

 

 

 

「ふむ、その内容は?」

 

 

「どうして逃げるのか?と質問したところ彼はチキンだから逃げるといってました。ホームズさんの言う通り彼は自己保身さえ確保できれば他はどうでもいいという考えでした。そう言えばその本人は?」

 

 

「……おそらく逃げたのだろう。宇宙船が跡形もなくなくなってることからこの星から脱出したと思われる。」

 

 

「………そう言えば聖杯反応があの宇宙船からあったはずなのですがそれは……」

 

 

「どうしようもない。何せ彼が逃げた先は宇宙だ。広い宇宙の中から彼を手がかりなしに探すなど途方もないことだ。それによしんば居場所がわかったとしても我々には移動手段がない。おまけにあの宇宙船は現代のテクノロジーを凌駕している。今頃我々の手の届かないところにいるだろうね。」

 

 

 

話が一段落したのを見てダヴィンチが別の話題を切り出す。

 

 

「少し私と二人きりにして欲しい。聞きたいことがあるからね。」

 

ダヴィンチの意図の大方を察したホームズは藤丸を連れて治療室から退室した。

 

 

退室した二人を見計らってダヴィンチが本題に入る。

 

 

 

「本当に他には何もされてないのかい?君は女性だ。捕虜となった女性が辿る末路は大体想像がつくよね?

そのような行為は彼から受けた?」

 

「いいえ、彼からは毒を盛られただけです。彼を庇っているというのではなく本当にそれだけです。」

 

 

 

「……そうか。病み上がりで悪いけれどこの後バイタルチェックをするからね。この星には存在しない毒を盛られたということが本当なら検査しなければならない。後遺症が発生するようなことを防ぐためにもね。」

 

 

「わかりました。心配をかけて申し訳ありません。ですが、少し休んでからでよろしいでしょうか?」

 

 

「あぁ、構わない。藤丸君、少し彼女を一人きりにしてあげよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

治療室に残されたマシュは懐から1つの手紙とライドウォッチ擬きを取り出す。

 

 

 

 

それは眠っているマシュを外に放置する際に深川が彼女の懐に入れたものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―それはすごく危険な力だけど使いこなせれば君の助けになるかもね。どうしても危ない時やマスターをなんとしてでも守りたいときに使うといい。使い方はスイッチを押した後身体に組み込むだけ。―

 

 

 

手紙の内容と一緒に添えられていたのは左右対称に赤と青の複眼があること以外黒の顔が特徴の漆黒のライドウォッチ擬きだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




番外編はその内投稿します。

思いの外続いたので短編から連載にしました。
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