インフィニット・ストラトス~墜ちてきた影~   作:ヴァイ

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サブタイがすんごい適当な感じですみません


第6話 開発と特訓

 IS学園のIS整備室、そこに一人の少女が呼び出されていた。セミロングの髪が内側にハネた、長方形レンズの眼鏡をかけた少女である

 その少女の名は更識簪(さらしきかんざし)。彼女は専用機の事に関してということで呼び出されていた。彼女のISは世界初のISの男性操縦者である織斑一夏の白式を開発するために人員を回してしまい完成しないと言われていた

 完成しないという事実以上になにか重要なことがあるのであろうか?と少々不機嫌な簪はIS開発室に入室した

 

 「はじめまして、更識簪ちゃん」

 

 中で待っていたのは、未完成の自分のIS打鉄弐式(うちがねにしき)と白衣を着た綺麗な女性であった

 

 「私はPT・IS開発会社シャドウミラーのレモン・ブロウニングという者よ。倉持技研から打鉄弐式を任されたの」

 

 「……倉持技研から……機体のデータはもらってないんですか?」

 

 ただの挨拶というのであれば、この場に未完成の機体がある説明がつかない。普通なら機体は開発会社で組み立てや調整等の作業を受けているはずだろう

 

 「もらっているわ。けど専用機なんでしょ?だったら直接データを取って開発しておきたいわ。"こっち"にはまだ信用できる開発会社もないものね」

 

 「じゃあ……なんで一人で?」

 

 「うちって人手不足なのよねぇ。だから人員は私一人で学園の整備室を借りさせてもらうことになってるわ。"こっち"での実績がないから回ってきた仕事みたいなものだしね」 

 

 まさか、こんなに余裕のない会社に回されるとは、やはり自分のISは織斑一夏のISよりも安く見られているようだ

 

 「だけど、安心してちょうだい。十数mや数十m規模ならともかく、IS程度なら私一人で十分よ」

 

 なにやらかなりの自信があるようであるが、それが信用に値するかどうかは確かめるすべはない。だが、お蔵入りにはならなかったのだから、希望はあるだろうと簪は自身のISをレモンに任せることにした

 

 

 

 

 「マルチロックオンシステムの誘導ミサイルに荷電粒子砲……ヴァルキュリア系のデータが使えるわね。機動性重視ならアサルト・ドラグーンのデータも使えるかしら」

 

 レモンが機体のデータを見ながら呟いている。その単語は簪には聞きなれないものが多数あった

 

 「……ヴァルキュリアとか……アサルト・ドラグーンってなんですか?」

 

 スルーしてもよかったが、やはり好奇心が勝った

 

 「うちで開発してる機体のシリーズ名よ。ここに入学してるアクセルが使ってるアシュセイヴァーはアサルト・ドラグーンのカテゴリーに入ってるわ」

 

 「……男女共用だと聞いてます……でもISに同じデータが使えるんですか?」

 

 「PTも基本はISなのよ。コアを改良して男女共用にしたり、自己進化ともいえる第二形態移行(セカンド・シフト)にリミッターをかけたりしてるけれどね」

 

 それは驚きである。いままでISコアを解析できたものはいなかったのだから。一体目の前の人物はなにものなんだろうか?

 

 「驚きだっていう顔してるわよ。ま、IS登場以前の技術で一からISを造ったことは賞賛できることだけれどね。私はあるものを解析して改良しただけよ」

 

 「……十分にすごいことだと思いますけど……」

 

 「褒め言葉は素直に受け取っておくとするわ。それにしても、開発者の篠ノ之束(しのののたばね)ってかなりの変わり者よね。女性にしか反応しないのとか絶対に遊びよコレ。どうしようもなかった仕様ならもっと苦労してたはずだもの」

 

 どうやら、世界を変えたISも篠ノ之束の遊びでしかないらしい。まぁ、詳しく人柄を知っているわけではないが、ISコアの製造を勝手にやめた経緯の話からして自由な人であることは確かであろう

 

 「……話が戻りますけど……私の機体に使われる機体について教えてもらえますか?」

 

 「自分の機体だしやっぱり気になる?」

 

 コクリと簪は頷く、やはり自身の機体にデータが使われるのだから聞いておきたい

 

 「ヴァルキュリアシリーズは足を止めての射撃戦が得意なシリーズよ。重装甲に数々の実弾兵器を搭載しているわ。そのミサイルのデータとレイブンユニット搭載型に装備されてる荷電粒子砲のデータをそれぞれ使う予定よ。この打鉄弐式の荷電粒子砲は速射型みたいだけど、サービスでレイブンの収束型の機能も付けましょうか」

 

 「……いいんですか?」

 

 このままいくと、自社製品のデータを大盤振る舞いしそうなレモンに本当に良いのかちょっと不安になる

 

 「いいのよ、製作シャドウミラーってことにしてやるわ。実際倉持技研の仕事はガワだけみたいなものだしね」

 

 どうやら、手柄は持っていく気満々らしい。実際倉持技研には白式にかまけて自機をほっぽり出されたも同然なので簪としては問題ない

 

 「話を戻すわよ。アサルト・ドラグーンは高機動の強襲を得意としたシリーズね。武装は標準的で使いやすいものがそろっているわ。搭載されてるビット兵器に目が行きがちになるけど、真価は航空戦闘機の発展型を目指したその機動性ね。その機動データとユニットを打鉄弐式に使おうと思ってるの」

 

 「……夢現(ゆめうつつ)の方は?」

 

 「超振動の刃の薙刀だったわね。零式斬艦刀のデータが使えるわね。15には参式ベースの機体を与えようと思ってたから、零式の斬艦刀のデータが役に立つとは思わなかったわ」

 

 もう、倉持技研開発の面影を残すつもりはないらしい。しかし、ここまで聞いて少し気がかりなことがある

 

 「……頭脳労働は……レモンさん一人で十分だと思いますけど……組み立ての作業はどうするんですか?」

 

 「心強い助っ人がこっちにいるのよね。そろそろ来る頃だと思うわ」

 

 レモンがそう言った矢先に扉が開き、これまた美女と言っていい女性が入ってきた。制服を着ているところから生徒のようである……セクシーすぎて全然生徒には見えない

 

 「ラミア・ラヴレス、参上いたしましたりしまする。しかし、ISの組み立ての仕事を受けたとはいえ、護衛もなしに動かれるのはまずいのでは?」

 

 「"ここでは"まだ私は無名なのよ。気にすることはないでしょう?それに、ソードブレイカーをいつでも展開できるようにしてあるわ。私の腕は知ってるでしょ?」

 

 「問題ないと言わないこともなかったりしちゃいますがわかりました……ゴホンッ、作業を手伝います」

 

 どうやら助っ人とはこの人のようである。なにやら物騒なことを言っていた気もするが、簪は聞かなかったことにした

 

 「アクセルはこっちでどうしてる?」

 

 「以前の隊長からは考えられない行動をしています。本当に隊長かどうかが疑わしいくらいで……今頃はISの特訓に付き合っている頃かと」

 

 「あら、性格が変わっても割りと面倒見がいいのね」

 

 そこからしばらくはレモンとラミアの身内話になり、簪はしばらく蚊帳の外だったがしっかり身体は作業を続けており、順調に打鉄弐式は完成に近づいていった

 

 

 

 

 ISのアリーナを使用し、アクセル、一夏、セシリア、箒が特訓をしていた。準備運動がてらの基本機動は終わり、今は対戦形式である。現在一夏がセシリアのビット相手に悪戦苦闘している。しかし、一夏も健闘しているようでセシリアもなかなか一夏を捉えられないでいる

 

 『セシリアちゃん。癖が出てきてるぜ一夏に覚えられてるぞ』

 

 『一夏!もっとばっ、と行って、ぎゅーん、という感じでだな!』

 

 観戦している残りの二人は対戦している二人にアドバイスを送っている。箒のアドバイスは何を言っているのかさっぱりだが……

 

 『擬音じゃ何言ってるのかわからねえよ箒!俺にもアドバイスくれよアクセル!』

 

 『いや、一生懸命にアドバイス送ってる箒ちゃんの面子もあるからさ……部屋で復習ってことで勘弁してくれ』

 

 『裏切り者~~~~!』

 

 この会話の間もビットを避け続けているあたり、一夏の反射神経とセンスはなかなかに良いようである

 

 『なかなか、癖が抜けなくて困ってるかい?表情に出ちゃってるぜ』

 

 『ええ、どうしてもいつもの癖が出てしまいまして』

 

 『だったら、思い切って変えていこう。隊列を組ませて、部隊を指揮する感じでいこうか』

 

 セシリアのビットの動きが変わり、規則正しく隊列を組みながら一夏襲い始めた

 

 (なんか、ビットがすごいチームワークで攻撃してくるぞ!アクセルめ~~~)

 

 一夏は恨みを込めた眼差しをアクセルに送ったが当のアクセルはそっと目をそらしてしまった。その後、一発ビットの直撃を受けた一夏はそこから立て続けにビットの攻撃を受け敗北した

 

 

 

 

 戦闘終了後やはり一夏はアクセルに対してご立腹のようだ

 

 「セシリアばっかりずるくないか?アクセル」

 

 「お前には私がアドバイスをしていただろう!」

 

 「どういうアドバイスかわからないアドバイスがあるかっ!」

 

 口論に発展してしまった。幼馴染であり、最近行動を共にすることも多いだけあって、もう遠慮もないのだろう

 

 「お二人は仲良くやっていらっしゃるようですし、わたくしたちはもう行きませんか?」

 

 「次回は武道場で生身で訓練といこうぜ。次にアリーナが取れたら一夏VSセシリアちゃんのリベンジマッチな。そのときは俺は箒ちゃんと対戦するから試合中のアドバイスはなしだぜ」

 

 去りぎわに二人に特訓の予定を伝えアクセルはセシリアと共に退散した。伝わってない可能性もあるが、アクセルと一夏は相部屋なのでどうとでもなる

 

 「先ほどはアドバイスありがとうございました」

 

 「大したことはしてないさ。次は隊列の種類を増やして、自分もビットと連携を取れるようにしていってみようぜ」

 

 「はい、よろしくお願いします」

 

 「じゃ、部屋までエスコートするぜ」

 

 そう言われ腰を抱かれたセシリアの顔は紅かった

 

 

 

 

 アクセルと一夏の部屋では二人がさっきの約束通りに今日の特訓の復習をしていた

 

 「といっても一夏の武装が刀一本じゃそこまで言うこともないんだな、これが」

 

 「オイオイ、そりゃないだろ」

 

 「冗談さ。あの手の武装は撃たせないっていう手があるんだが、よーい始めで始まる以上それは難しいんだな、これが」

 

 それはそうだ。実際今回セシリアは始めからビットを展開していた

 

 「それで一夏の武装でできるのはやっぱり攻撃パターンの穴を見つけてパイロット目掛けて突撃するくらいだな」

 

 「それができたら苦労はしないぞ」

 

 「やるしかないんだから仕方ないだろ。あとは、ビットに攻撃して数を減らすようにしな」

 

 「それも簡単にはいかないぜ?」

 

 そもそも、簡単にビットが破壊できるのなら苦労はしない

 

 「ビットに攻撃するのは連携を崩して、そこから相手の攻撃の穴を作る目的もあるんだぜ。ビットが破壊できればラッキーだよ。射撃武器をもってたら積極的に破壊するのもありなんだけどな」

 

 「そういうことか、だけど俺にできるもんかな?」

 

 「連敗してるから自信がなくなるのはわかるけど自信を持てよ。無意識でセシリアちゃんの癖をつかんでたからな。あとは意識してパターンを読めるように練習するだけさ」

 

 「ああ、頑張ってみるよ」

 

 なんだかんだでネガティブ気味だった一夏は復活した

 

 「あと今回、セシリアちゃんには隊列を作るパターンを教えたんだが、隊列には形によって長所、短所があるもんだ。その隙を突いての攻撃も効果的だぜ」

 

 「ああ、あの動きが急に変わったときのだな」

 

 「そ、フォーメーションごとの特徴も教えてやるからキチンと攻略しな」

 

 それを聞いた一夏はやってやるとはりきっている。当のアドバイスしたアクセルは―

 

 (ま、一夏が隊列を攻略したら、セシリアちゃんにランダムアタック織り交ぜるように指導するんだけどな)

 

 先のことを考えていた

 

 「そうだ。箒ちゃんにも今の教えてやれよ」

 

 「え?なんでだ?アクセルが直接教えた方がいいんじゃないのか?」

 

 「お前が教えた方が箒ちゃんが喜ぶんだよ」

 

 「……?もしかして箒と話しづらいとかか?雰囲気は堅いかもしれないけどいい奴だぞ」

 

 鈍感な一夏にアクセルはため息をつくしかなかった。だが、アクセルはまだ知らない。一夏絡みで気を使う相手がまた一人現れることを……




更識姉妹を出すと決めたが夏休み編挟むと原作なぞる展開を終わらせる気なんで簪ちゃんをここで出すことにしました
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