宿泊所
そして翌日…。
響「わあ、すごいね、シャロンちゃん。もうこんなに文字、書けるようになったんだ」
未来「私達が教えた甲斐があったね」
響達が喜んでいる様子にシャロンは嬉しい表情をした。
響「ふんふん、なるほどー」
シャロン「……」
響「へーっ!姉妹もいるんだ。え、そんなにたくさん?賑やかそうでいいなぁ。私も未来も一人っ子だったから、そういうの憧れるなー」
シャロン「……」
そこへ、クリスと翼が来た。
クリス「どうだ、調子は?」
未来「うん。もうだいぶ、文字でお話しできるようになったよ」
クリス「ま、元々こっちが話してる言葉もわかってそうだったし、文字が書けるようになってよかったな」
響「私と未来の教え方が上手いからって事は?」
クリス「バカに限って、そりゃないな、お前の教え方とそいつが優秀なだけだ」
響「そんなー……」
クリス「それで、何かわかったのか?」
響「うん。シャロンちゃんね、米国にいた時、ずっとお父さんの研究のお手伝いしてたんだって」
クリス「手伝い、ねえ…」
未来「それから、姉妹もたくさんいるんだって」
クリス「……また他にもいるのか。そいつは……心配だな」
響「それと、気になる事を言ってたの」
クリス「気になる事?」
未来「シャロンちゃんのお父さん、シャロンちゃんが物心ついたぐらいの時に変な男の人に会って、それ以来、変わってしまったんだって」
クリス「変な男?特徴はわかるのか?」
未来「それが、はっきりと顔が見えなかったからよくわからないって…」
クリス「そうか……」
響「シャロンちゃん、クリスちゃんの事もあんまり怖がらなくなったみたいだね」
クリス「そうか?大して変わってないだろ?」
そこへ、通信が入った。
響「連絡?翼さんからだ。なんだろ。はい、こちら響です」
翼『すまない、立花。すぐに二課まで来てくれないか?』
響「え~っと……」
翼『シャロンの事について聞きたい事があるそうだ。手短に済ます、とは言っているが』
響「わかりました、すぐ行きます」
響は支度をした。
未来「響、シャロンちゃんは私とクリスに任せて、用事を済ませて来てね」
クリス「お、おい。あたしに子守なんて」
未来「私も一緒だから、そこまで大変じゃないはずだよ」
クリス「そ、そりゃ…そうだけどさ…」
響「ありがとう、未来。それじゃあ、シャロンちゃん、行ってくるね」
響は出かけた。
未来「シャロンちゃん、今日はどうやって遊ぼうか?」
シャロンは首を横に振った。
未来「じゃあ、文字の練習の続きをクリスとも一緒にやろう。それでいい?」
それにシャロンは頷いた。
クリス「しょうがねえな。チビもあたしに懐いてるみたいだし、一緒にするよ」
未来とクリスはシャロンに文字の練習をさせていた。しばらくすると、響と翼が戻ってきた。
翼「今戻った」
響「ただいま~」
翼「留守中、手間をかけた」
未来「いえ」
翼「どうやら、仲良くできていたようだな」
シャロン「……」
クリス「べ、別に仲良くってわけじゃ…」
未来「はい、クリスとも仲良くやってました」
クリス「喋んなよ!」
響「ただいまー、ごめんね、遅くなって」
響が来た途端、シャロンは未来を引っ張って響の方へ行った。
未来「どうしたの?シャロンちゃん」
クリス「なんだよ。帰ってきたらそっちがいいのかよ」
翼「ふふ。やはり立花と小日向には勝てないか」
クリス「あのバカが男だったら、完全に夫婦じゃねえか」
それから…。
クリス「で、親父さんの話ってのは何だったんだ?」
翼「己に、シャロンの融合症例について、経験者としての立花からの意見聴取だった。二課としても、治療の糸口を見つけたいようだな」
響「でも、私が覚えている事だけだとあまり参考にならなくて」
翼「ちょうどいい、立花。小日向と一緒に一度、S.O.N.Gへ戻って聞いてから、パルティータ先生を呼ぶのはどうだろうか?」
クリス「パルティータっつったら、すげえ腕のいい医者でもあるしな」
翼「その上、何千年も生きていて聖遺物の知識も豊富で最強の錬金術師であり、聖闘士でもある。彼女がいれば、小日向の神獣鏡を使わなくても何とかなるかも知れない」
未来「もともとパルティータさんはこの世界に来る予定だそうなので、カルテを渡すのも兼ねて今から連れてきます」
響「それでは翼さん、クリスちゃん、シャロンちゃんをお願いします」
翼「ああ。それに、今回は過去に同じような事を経験している立花の意見が一番参考になると思う」
響「でも、ちょっとシャロンちゃんが心配だなぁ…」
クリス「心配すんなよ。あたしらに任せな」
翼「ずっと傍にいてやる事だけが愛情ではないぞ?」
未来「だから、パルティータさんを連れてこよう、響」
響「……そうだね。それじゃあ、行ってきます!」
響と未来はパルティータを連れてくるため、元の世界へ向かった。
クリス「やれやれ。子離れできない母親かよ」
翼「情に厚い立花らしいといえばらしいが、な」
クリス「そうか?ちょっと行きすぎじゃないのか?」
翼「まあ、少々な」
響の事を悪く言ってるとシャロンは解釈したような目で見ていた。
クリス「別にあいつの事悪く言ってるわけじゃないって。そんな顔するなよ」
翼「そうだな。少しばかり頑張り過ぎじゃないかと心配しているだけだ」
シャロン「……」
クリス「ともかく、あいつが戻ってくるまでの間、よろしくな」
シャロンは頷いた。そして夕方…。
クリス「やっぱり、あのバカとあいつがいないと元気がないか」
翼「そのようだな。だが、いずれ慣れてもらうしかあるまい。立花も私達も、ずっとこの世界にいるわけにはいかないのだからな」
クリス「まあ…しょうがない。じっとしてても仕方ない。トランプでもやるか?わかるか、トランプ。ポーカーとかブリッジとか」
シャロンは頷いた。
クリス「よっしゃ、それなら話が早い。早速やるぞ」
シャロンは頷き、トランプをやる事となった。
クリス「くっ。またお前の勝ちか。強いじゃねーか」
シャロン「……」
クリス「こういうの、たまには姉ちゃんや妹達ともやってたのか?」
シャロンは頷いた。
クリス「そっか。またすぐ会えるといいな」
シャロン「……」
そんな時、通信が入った。
翼「む?二課からの通信か。はい、こちら翼です」
八紘『近隣の工場地帯にオートマシンが現れた。出撃してもらえるだろうか』
翼「承知しました。ただちに向かいます」
オートマシン出現を聞いた翼は通信を切った。
翼「立花と小日向がいない間に本当に来るとはな。残っていて正解ではあったが……」
クリス「じゃあ、ちょっと行ってくる。トランプの続きは帰ったらだ」
シャロンは頷いた。
クリス「それからあたしらが帰ってくるまで絶対にここから出るなよ。わかったな?」
工場地帯
翼とクリスは出現したオートマシンと交戦したが、堅い装甲に苦戦していた。
クリス「くっ!やっぱり銃弾程度じゃ弾かれるか。それなら、こいつでどうだ!」
ミサイルも発射したが、やはりダメだった。
クリス「くっ!?これもダメか!おい、こいつら、戦う度に堅くなってやがる!」
翼「ああ、最早私の斬撃もほとんど歯が立たない……(それに何だ?誰かが悪意溢れる視線で私達を見つめているような気がする…)」
クリス「先輩、何やってんだ!?」
翼「ああ、すまん!誰かに見られているような気がして、気が散っていただけだ」
クリス「誰かって……」
そんな中、翼は何かに気付いた。
翼「むっ!?雪音、あそこ!」
クリス「何だ?」
なんと、シャロンが来たのであった。
クリス「って、チビ!?なんだってこんなところに!?」
翼「私達を追って来たのか」
クリス「バカ、こっちにくるな!」
オートマシン達はシャロンの方へ来た。
クリス「やっぱ、チビが狙いのようだな!」
翼「間に合えーー!」
2人が急ぐ中、シャロンは再び光を放った。
クリス「な、何だ!?この光は!」
翼「これは、先日の立花と小日向が言っていた!?」
シャロンの力で翼とクリスのギアに浮遊している武器が追加された
クリス「こいつは確か」
翼「ヤントラ・サルヴァスパの!?」
クリス「お前がやったのか?」
シャロン「……」
翼「話は後だ、雪音!」
クリス「ああ、そうだったな」
翼「このギアならば、オートマシンの装甲をも貫通できるかも知れない!」
クリス「ああ。これなら!」
先日の響と未来と同様に翼とクリスはシャロンによって変化したギアでオートマシンを蹴散らしていった。
クリス「お前で最後だーーっ!」
最後の1体をクリスは撃破したのであった。
翼「やったか!?」
クリス「ああ!それよりも先輩、さっき誰かに見られているような気がしたって言ってたな」
翼「ああ。実際に見られているのかどうかはわからないが」
クリス「どうしてなんだろうな…。おっと、それよりもだ」
シャロン「……」
クリス「ったく。あれ程部屋を出るなって言っただろう?」
シャロン「……!?」
クリス「本当に無茶しやがって……ヒヤヒヤした。まさかあのバカ、文字だけじゃなくて、無茶まで教え込んだのか?」
シャロン「……」
クリス「けど、ありがとうな」
シャロン「……?」
翼「その通りだ。シャロンのお陰で助かった。このギアでなければオートマシンは倒しきれなかった」
クリス「そういう事だ」
2人はギアの装着を解除した。
クリス「それじゃ、部屋に帰るとするか。トランプも途中だったしな」
シャロンは頷いた。
クリス「言っとくけど今回のあたしの手札はかなり良いからな。覚悟しとけよ?」
負けん気があるのか、シャロンは頭を横に振った。
クリス「お。こいつ、生意気な」
翼「ふふ……」
翼達が帰って行く様子を男は通信をしながら見ていたのであった。翼が感じていた通り、男に一部始終を見られていたのであった。
男「ぬふふふふっ、今回もシャロンちゃんは力を使ったぞ!」
???『そうか。二課の連中に気付かれずにシャロンの様子を監視できるのはお前ぐらいなものだからな』
男「で、あとどのぐらいシャロンちゃんが力を使ったらカギとして熟した事になるんだ?」
???『それはシャロンの様子次第だ。あと何回なのか具体的な事は言えん。シャロンの様子を見ておくんだぞ』
そう言って男との通信を切った。
男「あいつもやってくれるなぁ。さあ、これからもどんどん力を使うんだよぉ、シャロンちゃん」
邪悪な笑みを浮かべ、男は姿を消したのであった。
S.O.N.G潜水艦
元の世界に戻った響と未来は事情を説明した。
弦十郎「なるほど、な。事情は理解した」
沙織「でしたら、パルティータを行かせるべきでしょう」
弦十郎「だが、提供する情報は極力絞らせてもらう」
響「え?」
弦十郎「いくらシンフォギア・システムのある世界とはいえ、こちらの情報で技術レベルが上がっては問題だからな」
エルフナイン「はい。実は、響さん達から融合症例の子の事を聞いた後、S.O.N.Gの方でも少し調べてみたんです」
未来「そうなんですか…」
エルフナイン「平行世界という問題はありますが、その子を助けたいという気持ちは、僕達S.O.N.Gも同じですから。できる限り、お手伝いさせてください」
響「うん、ありがとう!」
弦十郎「では、情報をまとめるのと向こうからもらってきたカルテをパルティータ君に見せ、彼女の支度が整うまでの間、響君と未来君はしばし休んでくれ」
響「いえ、師匠。すぐに戻ります!」
弦十郎「む?」
未来「響、もう今日は遅いから休もう」
響「そんな…」
沙織「未来さんの言う通りです。今日のところはこちらでお休みになり、明日、パルティータと共に再び並行世界へ向かえばいいのです」
響「でも…」
未来「でもじゃないの」
美衣「こちらもまだ時間がかかるので、そうしていただけると助かります」
未来「だって。ほら、帰るよ。響」
響「う、うん……」
響と未来はもらってきたカルテを沙織に渡し、リディアンの寮で休む事となった。
病院
それから、カルテはパルティータに渡された。
パルティータ「なるほどね」
沙織「どうですか?」
パルティータ「神獣鏡という最終手段を用いなくても治せます、アテナ様。でも、あの子達からの報告を聞いて思いましたが、予想以上に時間は残されていないのかも知れません」
沙織「響さんと未来さんのギアを変化させたという、並行世界のシャロンの力の事ですね?」
パルティータ「はい。響ちゃんがS2CAを始めとしたさまざまな要因が重なり、融合症例が悪化したように、シャロンが力を使うたびに侵食が悪化している恐れがあります。しかも、響ちゃんに比べて幼いので、侵食の悪化も早い可能性も否定できません」
美衣「これは大変な事になりますね…」
パルティータ「最善は尽くします。では、支度をしますので」
パルティータはずっとペンダントとしてかけていたハート型の黄金の宝石を見つめていたのであった。
???
翌日、男は響達が並行世界に来るのを見ていた。
男「やっぱりパルティータちゃんが来たんだ!しかも、あの頃と同じ若い姿じゃねえか!やったぞ!」
大喜びする男だが、パルティータが持っている鞄に気付いた。
男「もしかして、並行世界のパルティータちゃんはお医者さん?だったら、面倒な事になりそうだなぁ…。そうだ!いい事思いついた!」
ある事が思いついた男であった。
市街地
そして同じ頃、再び現れたオートマシン相手に翼とクリスが交戦していた。
翼「ヤントラ・サルヴァスパから力を得たギアで、オートマシンに対抗できるようになったのはいいが」
クリス「今度は数で押してくるとはな!」
倒しても倒してもオートマシンは湧いてきた。
翼「キリがないな。一体どこから現れているんだ?」
クリス「二課が突き止めてくれればいいんだけどな」
翼「そうだな……。それまでは泥縄でも現れる端から潰していくしかないか」
クリス「ほんと、骨が折れる」
翼「装者が私達2人きりなんだ。仕方あるまい」
クリス「あいつら、いい加減戻って来いって」
言ってると、パルティータがテレポートで響と未来を連れてきた。
翼「噂をすれば来たか」
響「お待たせしました」
パルティータ「待たせたわね。私も色々と準備などがあって遅くなったわ」
響を見た途端、シャロンが近寄ってきた。
響「シャロンちゃん!今帰ったよ!」
未来「あれ。でも、どうしてシャロンちゃんもここに?」
翼「オートマシンが出現したと聞いて、どうしてもついてくると言ってな…危険だとは言ったんだが」
響「もしかして、それで翼さんとクリスちゃんもそのギアになれたんですね!」
翼「それもこれもこの子のお陰だ」
クリス「そういう事だ」
パルティータ「(これが、ヤントラ・サルヴァスパの力で変化したギア…)」
響「そっか。ありがとうね、シャロンちゃん」
響にお礼を言われてシャロンは頷くと、再び響と未来のギアを変化させた。
未来「私と響のギアもまた変化した!?」
クリス「このギアが4人揃い、パルティータもいれば怖いものなしだ」
翼「ああ。一気に殲滅する。行くぞ、立花、小日向!」
響「はい!」
響達に加え、パルティータもいたためにオートマシンはあっさりと全滅した。
クリス「殲滅完了、っと」
翼「毎回こうだといいんだがな」
響「これもシャロンちゃんのお陰だね」
未来「ありがとう、シャロンちゃん」
しかし、シャロンの顔色が悪くなっていた。
響「…シャロンちゃん?」
未来「なんか、顔色が」
シャロン「ーーー!?」
響「シャロンちゃん、どうかした?」
顔色が悪くなったシャロンは倒れてしまった。
響「シャロンちゃん!?」
未来「シャロンちゃん、しっかりして!」
パルティータ「急いで二課に運んでメディカルチェックを受けてもらいましょう!」
急いで響達はシャロンは二課へ運んだ。
特異災害対策機動部二課
そして、パルティータも医師であるためにメディカルチェックに携わり、メディカルチェックの結果が出た。
八紘「待たせた。メディカルチェックの結果が出た」
響「シャロンちゃんの容態、どうなんですか?」
パルティータ「こうなるのは予想してたけど、深刻よ」
未来「そんな!」
翼「具体的にはどの程度なのですか?」
八紘「全身に聖遺物の侵食が増大し、既に重要器官にまで及びだしているそうだ。立花君から先程もらった情報と比較しても、かなり危険な症状だ」
響「そんな……」
クリス「でも前回のメディカルチェックじゃ、そこまでじゃなかったんだろ?」
パルティータ「ここでのデータを見る限り、数日で急速に進んだみたいよ」
響「でも…、どうして急に……」
パルティータ「響ちゃんの融合症例が進行したのは何が原因だった?」
翼「立花の融合症例が進行した原因は、ギアの力を使った事で……!?まさか…!」
クリス「何か心当たりがあるのか?」
翼「私達のギアを変化させたあの力…」
クリス「あの力が侵食を加速させたって事かよ!」
パルティータ「そういう事よ」
未来「それじゃあ、私達を助けるために…」
パルティータ「そうなるわね…。私は二課の医療スタッフと一緒にあの子を診なきゃいけないから」
パルティータは医師としての仕事があるため、シャロンのところへ向かった。響達は自分達がシャロンの融合症例を悪化させていた事を責めていた。
響「シャロンちゃん…まだ目が覚めないのかな……」
翼「すまない、立花、小日向。私達がシャロンに頼ったばっかりに、彼女の侵食を悪化させる事になるとは……」
クリス「あたしもだ。あいつの事任されてたのに逆に助けられて。挙句、あいつをこんな風にしちまって……」
未来「ううん。元はといえば、私と響のギアを変化させたりしたから……」
響「……」
翼「今は、今後どうするかを話すべきだろうな」
響「これ以上はシャロンちゃんの身体が持たないよ」
クリス「ああ。だったら、手遅れになる前に神獣鏡でチビの聖遺物を除去してしまうべきだ」
翼「雪音?」
響「(クリスちゃん、アリシアさんが手遅れになって死んだから、シャロンちゃんの体内の聖遺物を……)」
未来「でも、神獣鏡はあくまでも最終手段だってパルティータさんが言ってたから、今はパルティータさんを信じよう」
クリス「……仕方ねえ、当面の間は力を使わせない事で決まりだな」
翼「ああ。パルティータが来てくれれば、カルマノイズやオートマシンの対処も楽になる」
響「けど、オートマシンってどんどん強くなってるんですよね?」
翼「そうだな。手に負えなくなる前に根本的な対処をとらねば、パルティータがいないと手づまりになるだろう」
そう言ってると、パルティータがシャロンを連れてきた。
未来「シャロンちゃん!」
響「大丈夫?苦しくない?」
シャロンは頷いた。
パルティータ「響ちゃん、ここで騒いでも迷惑だから部屋に戻りましょう」
未来「シャロンちゃんをちゃんとした部屋で休ませないとね」
響「そうだね、未来。じゃあ、帰ろうか」
シャロンは頷き、響達と一緒に帰った。
宿泊所
そして、宿泊所の部屋に帰ってきた。
響「シャロンちゃん……病気の原因が、聖遺物だってわかる?」
シャロンは頷いた。
未来「シャロンちゃんの力のお陰で何度も助けてもらった。それは心から感謝してるよ」
響「でも、その力が、シャロンちゃんの病気の進行を早めているかも知れないの。だから、私達はもうシャロンちゃんに二度と聖遺物の、ヤントラ・サルヴァスパの力はもう使わないでほしい」
響の頼みにシャロンは頭を横に振った。
未来「嫌みたい…」
クリス「お前…死ぬかも知れないんだぞ!」
シャロン「!?」
パルティータ「落ち着きなさい、クリスちゃん」
クリス「……ごめん。怒鳴っちまって」
翼「だが、私も同意見だ。みんな、シャロンを心配してるんだ……」
シャロン「……」
響「シャロンちゃん。もし言いたい事があるなら、書いてみて。ね?」
シャロンは言いたい事を書いた。
シャロン『わたし…やくたたず?』
未来「シャロンちゃん…」
響「そんな事ない!役立たずなんかじゃ、ない……。シャロンちゃんから、私達はちゃんとたくさんのものをもらってるよ?シャロンちゃんが傍にいると、とても温かい気持ちになる。それがあるから、私達は戦えるんだ」
シャロン「……」
翼「(誰かの役に立つか立たないかだけでしか己の価値を計れぬとは……不憫な子だ)」
そこへ、二課から通信が入った。
翼「二課からの緊急通信だ」
八紘からその内容を聞いた。
翼「…はい。わかりました、ただちに出撃します。雪音、立花、小日向。ノイズが出現したそうだ」
クリス「ノイズ?こんな時に…」
未来「そうだけど、放っておくわけにはいかないよ」
響「ごめんね、シャロンちゃん。大事な話の最中なのに…」
シャロン「……」
パルティータ「あなた達、この子を連れて行ってあげなさい」
クリス「な……、正気なのかよ!?」
パルティータ「正気よ。シャロンちゃんは待てと言われても、絶対にあなた達を助けに行くわ。だったら、初めから連れていった方がいいと私は思うわ」
自分のやりたい事を伝えてくれたパルティータに、シャロンは嬉しい表情になった。
パルティータ「ただし、力を使うのは今回だけよ。使った後は絶対に私の手術を受ける事。それがあなたを響ちゃん達と同行させるための絶対条件よ」
聖遺物を取り除かれるのではないかという不安にシャロンは怯えたが…。
パルティータ「大丈夫よ。あなたの聖遺物を除去したりなんかしないわ。だから、響ちゃん達を助けたら私の手術を受けてね」
それにシャロンは頷き、一同は出撃した。
???
その頃、オズワルドは怪しい男に会っていたのであった。
オズワルド「お前の見立てでは、そろそろという事か?」
男「そうだよ。もうすぐ、熟すからね」
オズワルド「ならば、シャロンは私が引き取りに行こう」
支度をするオズワルドであった。
男「さ~てと、パルティータちゃんがお医者さんならオズワルドのやり方では手遅れになっちまうだろうし、俺がシャロンちゃんをいただきに行こうっと!」
まるでパルティータの行動を予測したかの如く、オズワルドに無断で男は行動した。
公園
ノイズはあっという間に片付いたのであった。しかし、今度はオートマシンの大群が来たのであった。
クリス「オートマシンかよ…!」
オートマシンが来たため、シャロンは響達のギアを変化させた。
翼「シャロンは命を削って私達を助けてくれている。一気に行くぞ!」
未来「はい!」
シャロンの体調の問題もあり、響達は急いでオートマシンを全滅させた。
響「これで終わった…」
ところが、シャロンの発作が起こったのであった。
響「シャロンちゃん!?」
パルティータ「発作よ!急いで二課に連絡して、手術の準備を!」
響達は二課に連絡し、手術の準備をしてもらうように頼んだ。
特異災害対策機動部二課
帰還したパルティータは手術の準備をしていた。
八紘「パルティータ君、君は本当にあの子の治療ができるのか?」
パルティータ「可能です。私は医学だけでなく、聖遺物を始めとした異端技術にも詳しいので、こういった手術も可能です」
八紘「済まない…、我々の技術では手の施しようがないあの子を救える医者が並行世界から来てくれたとは…」
パルティータ「本来でしたらあの子の根本的な治療法があるのですが、本人が聖遺物が体内から消えるのを嫌がっているので、侵食段階を初期に戻す手術を行います」
根本的な治療法とは、神獣鏡でヤントラ・サルヴァスパを分解して消滅させる事であった。
八紘「君は患者の意向を優先させるタイプの医者か…」
パルティータ「そうです。患者の意向を可能な限り尊重します」
響「パルティータさん、手術をお願いします!」
クリス「チビを救えるのはあんたしかいねえんだ!」
パルティータ「わかってるわ。絶対にあの子を」
???「おっと、パルティータちゃん、シャロンちゃんの手術なんかさせないよぉ!」
未来「何なの?この声!」
見回すと、いつの間にかシルクハットにスーツ姿の男がいたのであった。その男を見たシャロンはオズワルドの時と同様かそれ以上に怯えていた。
八紘「いつの間に!?警報装置に探知されないでどうやって侵入した!?」
男「警報装置とかなんて、俺の侵入を阻むものにはならないのさ!」
翼「勝手に侵入するとは!貴様、名を名乗れ!」
杳馬「これは自己紹介がまだだったね。俺は杳馬、天魁星メフィストフェレスの杳馬さ」
翼「天魁星…とすれば、貴様は冥闘士なのか!?」
杳馬「ピンポ~ン!正解だよ!」
クリス「冥闘士なら、パルティータがいりゃ楽勝だろ?」
しかし、いつもと違ってパルティータは真剣な様子だった。
未来「響、パルティータさんが真剣な表情だよ。あの杳馬って人…、普通じゃない気がする…」
響「(あの人、今までの敵よりも不気味な人だ…。でも、絶対にシャロンちゃんを渡したくない…!)」
パルティータ「私の名前を知ってるなんて意外ね、杳馬」
杳馬「いやぁ、この世界の君は俺の奥さんだったんでね、姿がそっくりだったから、名前がパルティータちゃんって思ったんだよ」
その杳馬の衝撃的な発言は響達を震撼させた。
クリス「この世界のパルティータが…あのクソ野郎と夫婦だって!?冗談だろ!?」
杳馬「ほんとだよ。じゃあ、シャロンちゃんをこっちに渡してもらおうか」
響「シャロンちゃんはあなたに渡さない!」
響達は杳馬を阻もうとした。
杳馬「俺の邪魔をするのか。でも、用があるのはシャロンちゃんだけ。君達には今は用なんてないんだよ~!」
そう言って杳馬は響達を小宇宙を軽く放出して吹っ飛ばした。
響達「きゃあああっ!」
そのまま響達は壁に叩きつけられた。
杳馬「リアルマーベラス!」
杳馬は攻撃技を放ったが。パルティータは軽々と防御壁で防いだ。
杳馬「やるねえ、パルティータちゃん。でも…、シャロンちゃんは貰っていくよ~!」
杳馬がシャロンを捕まえているのを見たパルティータは、さっきの攻撃自体が敵の目を欺くためのものであったのが理解できた。
響「シャロンちゃんを……シャロンちゃんを返せ~~っ!!」
杳馬「や~だね。じゃ、俺はここで失礼させてもらうよ!」
そう言って杳馬はシャロンを抱えたまま、姿を消したのであった。その際、シャロンは響に助けを求める目をして手を伸ばしたが、届かなかったのであった。
八紘「逃げられてしまった…」
翼「敵に侵入された挙句、シャロンが攫われてしまうとは……」
響「うぅっ…、シャロンちゃん……シャロンちゃ~~~ん!!」
杳馬にまんまとシャロンを攫われてしまい、凄まじい悔しさで響はシャロンの名前を叫ぶしかなかった…。
これで今回の話は終わりです。
今回はシャロンが力を使って症状が悪化するのと、遂に杳馬が動き出してシャロンを攫って行くのを描きました。
次の話は響達がこれからどうするのかを考えます。