S.O.N.G潜水艦
響達が戦っていた頃、ソーニャは沙織と美衣、パルティータと今後の事を話していた。
沙織「弟さんの負傷の話は既に聞いています。入院されるのでしたら、グラード財団の医療機関でどうですか?」
ソーニャ「日本の病院に…ですか…?」
美衣「はい。設備や人材も揃っています」
パルティータ「私の錬金術による再生治療はもちろん、その後のリハビリもきっちりやるわよ」
ソーニャ「入院の費用に関しては…」
沙織「あなたがお支払いする必要はありません。そもそも、クリスさんがあのような行動をとらざるを得なかった原因を作ったプラントの管理者に大きな責任があります」
美衣「なので、責任を取らせる形でプラントの管理者の全財産を没収し、ソーニャさんとステファンさんの滞在費等に充てます」
ソーニャ「ステファンがタダで…入院できるのですか…?」
沙織「その通りです」
ソーニャ「私達のためにここまで…。本当にありがとうございます!」
パルティータによる再生治療でステファンの足を再生させてくれるどころか、入院費までも無料にしてくれた沙織の優しさにソーニャは涙を流してお礼を言った。実際はプラントの管理者の全財産を没収し、ステファンの入院費、及びソーニャの滞在費に充てたのだが。
エスカロン空港
任務から帰ってきた星矢達と響達が集合したのであった。
未来「そこまでよ、パヴァリア光明結社!」
クリス「こちとら虫の居所が悪くてねぇ!抵抗するなら容赦はできないからな!」
カリオストロ「生意気にぃ~!踏んづけてやるわ!」
星矢「ところでそこのお前、随分と声が男っぽいな。オカマなのか?」
カリオストロ「オカマなんて失礼ね!今のあーしはれっきとした女よ!」
プレラーティ「昔は私もカリオストロも男だったワケダがな」
その衝撃の発言に星矢達は驚愕した。
響「ええええっ!?」
星矢「む、昔は男だって!?」
瞬「(きっと、錬金術で女に性転換したに違いない)」
紫龍「(だが…あの2人の男だった頃の姿が想像もつかん…)」
凄まじい巨乳のカリオストロとゴスロリのプレラーティの男だった頃の姿が全く想像できない星矢達であった。そこへ、サンジェルマンが現れた。
サンジェルマン「2人共、黄金聖闘士がいる以上、私達に勝ち目はないわ。退くわよ」
カリオストロ「確かに、局長よりも強い奴が4人もいたんじゃね…」
プレラーティ「殺されるのがオチなワケダ」
星矢「お前達がパヴァリア光明結社の最高幹部ってわけか?」
サンジェルマン「そうだ。フィーネの残滓シンフォギア。だけどその力では人類を未来に解き放つことは出来ない!」
マリア「フィーネを知っている!?それに人類を解き放つって……?」
響「まるで了子さんと同じ……。バラルの呪詛から解放するって事?」
翼「まさか、それがお前達の目的なのか?」
サンジェルマン「未来を人の手に取り戻すために私達は時間も命も費やしてきた。この歩みは誰にもとめさせやしない(そして、あの人と…)」
響「未来を人の手にって!?待って!」
サンジェルマン達はテレポートジェムで撤退したのであった。
リディアン 寮
結局、響の夏休みの宿題は終わらず、夏休みが終わった後に教師から説教されたのであった。一方、水泳の方は教師から一目置かれていた。そして学校が終わり、未来と共にお風呂に入っていた。
未来「バルベルデでも大変だったね…」
響「錬金術師にも会ったし…」
未来「目的が了子さんと同じだとしたら……」
響「そうしなければならない理由があるのかも知れない。だけど、そのためにたくさんの人を傷つけていい事にはならないよ…」
他にもクリスとソーニャの件でも心配していた。幸い、ステファンの足については日本のグラード財団の医療機関でパルティータが再生治療を行う事で調整が済んでいた。錬金術による再生治療を公にしないための表向きの理由はは戦災で瓦礫によって潰され、バルベルデの医療レベルではどうにもならない足の怪我を治療する目的で。そんな響の隙を突くかのように未来は響の胸を鷲掴みし、揉んだのであった。
響「のおおおおっ!!む、胸を揉むのはやめて~~!」
未来「少しは気もほぐれた?色々あったけど、休める時は休んでおかないと」
響「それもそうだね、未来。でも…未来にお返しだぁ!」
胸を揉まれたお返しも兼ねて、響は未来の胸を揉んだのであった。
未来「ひゃっ!」
響「どうだぁ、まいったか!?」
クリスが見たら赤面待ったなしの光景を響と未来は繰り広げていたのであった。無論、互いに胸を揉まれた際は口では嫌がってはいたものの、実際はそうでもなかった。
特別機
しばらくバルベルデで調査をする事となった翼とマリアは資料等を持ってS.O.N.Gの特別機で帰る事となった。護衛に星矢と瞬をつけて。
星矢「快適な空の旅で帰るなんてな」
瞬「でも、こういった状況で敵が襲ってくる可能性もあるから、気を付けてね」
???
デュプリケイターを使い、シャロンの世界からこの世界に杳馬はやってきた。
杳馬「ここがパルティータちゃんのいる世界か…。一見したら、大差ねえがな…」
???「おや、あなたは誰なのですか?」
ちょうどエウロパとミラーと遭遇した。
杳馬「俺は杳馬。君達の名は?」
エウロパ「僕の名前はエウロパ、そしてもう1人はミラーだよ」
ミラー「君、さっき凄い登場をしたようだね」
杳馬「俺、実を言うとこの世界とは似て異なる世界から来たんだ」
エウロパ「似て異なる…。俗に言う、並行世界の事ですね?」
杳馬「そうだよ。君達は俺を排除しに来たのかな?」
ミラー「とんでもない、君と会ったのはたまたまだよ。それに、僕達はあの方の元へ帰らないといけないんだ」
エウロパ「では、さようなら」
エウロパとミラーはその場を去って行った。
エウロパ「ミラー、あの杳馬という男はあの方に力の感じが似てませんでしたか?」
ミラー「似てたよ。でも、どうしてなんだろうね…?」
エウロパ「気になりますけど、その事はあの方にお話しすればいいじゃないですか」
ミラー「それもそうだね」
ホテル
一方、どこかのホテルではサンジェルマンがティキを起動させる準備を進めていた。
サンジェルマン「(ティキは惑星の運行を製図と記録するために作られたオートスコアラー。機密保護のために休眠状態となっていても…アンティキィラの歯車によって再起動し…、ここに目覚める)」
アレキサンドリア号事件にて手に入れたアンティキィラの歯車をティキに入れると、突如として空中に天球儀が現れ、ティキが動き出したのであった。しかし、サンジェルマンは誰かに見られているような気配に気付いた。
サンジェルマン「(誰かが私とティキを見ている…!)」
ティキ「うぅ……、ふう!」
サンジェルマン「久しぶりね、ティキ」
ティキ「サンジェルマン?」
ティキはサンジェルマンを眺めた。
ティキ「あー…400年近く経過してもサンジェルマンはサンジェルマンのままなのね」
サンジェルマン「そうよ。時は移ろうとも何も変わってないわ」
ティキ「つまり、今もまだ人類を支配のくびきから解き放つとかなんとか、辛気臭い事を繰り返しているのね。よかった、元気そうで」
サンジェルマン「お前も変わらないのね、ティキ」
ティキは周りを見回した。
ティキ「ん?ん?ところでアダムは?大好きなアダムがいないと……あたしはあたしでいられない~!」
そんな中、ベランダに電話が出現した上、鳴っていたためにサンジェルマンが出た。
サンジェルマン「局長…」
ティキ「え?それ何?もしかしてアダムと繋がってるの?」
サンジェルマン「あ……」
ティキが電話に出た。
ティキ「アダム!いるの?」
アダム『久しぶりに聞いたよ、その声』
ティキ「やっぱりアダムだ!あたしだよ!アダムのためなら何でもできるティキだよ!」
アダム『姦しいな相変わらず。だけど後にしようか、積もる話は』
ティキ「アダムのいけずぅ。つれないんだから!そんなところも好きだけどね」
次はサンジェルマンが電話に出た。
サンジェルマン「申し訳ありません、局長。神の力の構成実験には成功しましたが維持に叶わず喪失してしまいました」
アダム『やはり忌々しいものだな。フィーネの忘れ形見シンフォギア。そして、あの女の息子の生まれ変わりであるペガサス。いや、今はサジタリアスの黄金聖闘士』
アダムの言う『あの女』にサンジェルマンは反応した。
サンジェルマン「疑似神とも言わしめる不可逆の無敵性を覆す一撃。そのメカニズムの解明に時間を割く必要がありますが…」
アダム『無用だよ、理由の解明は。シンプルに壊せば解決だ。シンフォギアをね。サジタリアスについても殺せば済む話だ』
サンジェルマン「しかし、黄金聖闘士は我々はおろか、局長ですら手に負えない存在。その者はどうやって…?」
アダム『ちょうど黄金聖闘士にも匹敵する我々の協力者が見つかったんだ。彼を使うといい。もう来ているはずだよ』
サンジェルマン「了解です」
サンジェルマンは電話を切った。
サンジェルマン「しかし、協力者は…」
???「俺の事だよ、サンジェルマンちゃん!」
声の主はなんと杳馬であった。
サンジェルマン「何者だ!?」
杳馬「そう怒らない怒らない。俺は杳馬。アダムに言われて君達では手に負えない黄金聖闘士をどうにかするために来たのさ。ま、今後ともよろしくね」
サンジェルマン「(この男は何者なんだ…!?局長にも匹敵する…いや、それ以上ともいえる邪悪な感じがする…!)」
杳馬を警戒するサンジェルマンであった。
特別機
空港に着こうとするとき、ネビュラチェーンが反応した。
瞬「星矢!」
星矢「ああ、俺達の出番だ!」
翼「この場は星矢と瞬に任せるか…」
星矢と瞬は聖衣を纏い、外へ出た。
瞬「無防備な時を狙ってきたようだけど、僕達がいる事を忘れてもらっては困るよ!」
星矢「このまま一気に全滅だ!ペガサス流星拳!」
早速、星矢は聖衣の羽で空を飛び、ペガサス流星拳でアルカノイズを全て一掃した。
瞬「ネビュラチェーン!」
瞬も応戦し、あっという間にアルカノイズは全滅した。
翼「よかったな、マリア」
マリア「ええ。彼等のお陰で無事に着けるわ」
空港
アルカノイズがあっという間に全滅したのをカリオストロとプレラーティは見ていた。
カリオストロ「やっぱり、黄金聖闘士がいたんじゃアルカノイズではダメね…」
プレラーティ「サンジェルマンが合流してから作戦を考えなければならないワケダ」
S.O.N.G潜水艦
装者や星矢達は集まっていた。
響「無事だったんですね、星矢さん!」
星矢「ああ。アルカノイズが来たけど、返り討ちにしてやった!」
未来「流石は星矢さん」
翼「星矢と瞬が活躍したから、私の出る幕はなかったがな」
沙織「安心してばかりはいられませんよ」
弦十郎「これを見てほしい」
朔也がティキの映像を見せた。
紫龍「これは…?」
あおい「私達がバルベルデ政府の秘密施設に潜入した際に記録した人形の映像よ」
氷河「となれば、オートスコアラーだな」
弦十郎「前大戦、ドイツは化石燃料に代替する燃料として…多くの聖遺物を収集したという。そのいくつかは研究目的で当時の同盟国の日本にも持ち込まれたのだが…」
響「私のガングニール…」
美衣「ネフシュタンの鎧やクリスさんのイチイバルもそうであったと」
慎次「戦後に亡命したドイツ高官の手により南米にも多くの聖遺物が渡ったとされています」
エルフナイン「おそらくこの人形もそうした経緯でバルベルデに辿り着いたと推測されます」
慎次「全てを明らかにするには、このバルベルデ政府が保有していた機密資料を解析するしかありません」
弦十郎「翼達が襲われた事から、パヴァリア光明結社の錬金術師が日本に潜入している事は明らかだ。くれぐれも注意を怠らないでほしい」
クリスは集中していなかった。
沙織「司令、機密資料の件で鎌倉へ行ってきます」
弦十郎「鎌倉だと?まさか…」
風鳴邸
沙織は星矢達を連れて風鳴訃堂のいる鎌倉へ来た。
訃堂「何?資料を複製して複製を松代に、原紙をグラード財団に保管するだと?」
沙織「これが万一の事も想定した最も安全なやり方だと考えました」
訃堂「ならん!複製も、貴様らの元に資料を置く事も許さん!」
星矢「な、何だと!?このクソジジイ!」
沙織の提案を拒否した訃堂に星矢は怒ったが、紫龍と瞬に止められた。
訃堂「そもそも、ワシの護国に反論した城戸の忘れ形見の意見など聞けるものか!攘夷である事も気に食わん!」
沙織「お言葉ですが風鳴訃堂、あなたの護国は間違っています!ある漫画の国王の名言を拝借させていただきますが、国とは人によって成り立っています。人を蔑ろにする護国など、護国とは呼べません!」
訃堂「何!?ワシの護国が間違っているだと!?」
パルティータ「頭がおかしくなってて沙織様のおっしゃる事がわからないようなので、私からも言わせていただきます。国とは人の集まりなのです。平気で人を犠牲にする護国なんて、どこぞの忍者漫画の老害と同等のお笑いものですわよ。人がいなくなったら何が残るのですか?」
訃堂の護国を痛烈に皮肉ったパルティータの言葉に訃堂は激怒した。
訃堂「たわけが!ワシをうつけ呼ばわりするばかりか、護国を愚弄するなど許さん!!防人たるワシがここで成敗してくれるっ!!」
愛用の刀の群蜘蛛を抜き、パルティータを斬りつけようとした訃堂だったが、パルティータに容易く止められた。
訃堂「ふぬう、ぬぐぐぐぐっ!!100年以上生きたワシがこんな小娘に…!」
パルティータ「私もあなたのようなバカは大嫌いだし、先に手を出したのであれば、容赦しないわよ!」
いくら怪物呼ばわりされている訃堂でも黄金クラスのパルティータには敵わず、腕を簡単に捻られてしまった。
訃堂「ぬおおおおおおっ!!」
パルティータ「少し黙ってなさい。そして、私は小娘じゃなくて、もう数千年は生きているのよ。私から見たら、あなたは防人ごっこをしているお子ちゃまなのよ!」
そして、パルティータは光速拳で訃堂を何発も殴った。
訃堂「ぬおおおおおおっ!」
パルティータ「今回は命までは奪わないから、今までの自分の所業を反省してなさい!」
そのまま訃堂はボコボコにされて立てなくなった。その様子を従者が驚いた様子で見ていた。
星矢「母さん、とても怖いな…!」
紫龍「ああ…。だが、訃堂がボコボコにされたのは先に手を出した訃堂の自業自得だ(やはり、パルティータは星矢の母親とだけあって性格の方も一見すると星矢とは正反対の冷静沈着で穏やかに見えて、根っこは星矢に似てるな…)」
訃堂にも容赦なく皮肉をぶつけるパルティータの姿に紫龍はやはり星矢とパルティータは親子だと思ったのであった。
沙織「訃堂が先に手を出してしまったための防衛とはいえ、このような騒動を起こして申し話ありませんが、資料はコピーしてコピーを松代に、原紙をグラード財団に保管する事でよろしいですか?」
従者「は、はい…。沙織様のやり方の方がリスクも小さくてすむので…」
従者から承諾をもらい、沙織は星矢達と共に鎌倉を去った。
従者「しかし…あの方に恐れを抱かないばかりか、皮肉を言ったり、先に手を出されると容赦なくボコボコにするとは…。やはり、沙織様や聖闘士は度胸が違うな…」
沙織と星矢達の様子に従者は衝撃的だった。
飲食店
響と未来は飲食店で話をしていた。
未来「クリス、あれからずっと落ち込んでるね…」
響「なんとか元気づけてあげたいんだけど…」
クリス「余計なお世話だ!」
響と未来の席の隣にクリスがいたのであった。おまけに翼までいた。
響「うぅいっ!?」
翼「その言い草はないだろう、雪音。2人はお前を案じているんだ」
響「ええっ!?翼さんもいるー!」
翼「私達だけでなく、みんな、雪音の事を心配している」
クリス「わかってる!けどほっといてくれ。あたしなら大丈夫だ。ステファンの事はああするしかなかったし、同じ状況になればあたしは何度でも同じ選択をする」
翼「それが雪音にとっての正義の選択というわけか」
クリス「ああ」
響「正義の、選択?」
そんな響に未来は厳しい視線を向けた。
未来「響、宿題の提出がまだだよ!」
響「げっ!そうだった!」
未来「早く終わらせないと、誕生日に」
すると、通信が入った。
響「はい、響です」
弦十郎『アルカノイズが現れた。位置は第19区域北西Aポイント!そこから近いはずだ、4人で急行してくれ!』
4人は現場へ向かった。
道路
車でグラード財団の施設へ向かう星矢達であったが、そこへ何者かが現れて運転手は車を止めた。
星矢「危ないじゃねえか!道のど真ん中で止まるな!」
道の真ん中にいる何者かに怒る星矢であったが、パルティータが反応した。
パルティータ「お前は…杳馬!」
瞬「パルティータさん、さっきは何って…」
星矢「杳馬って言ってたぞ…。杳馬!?」
響達が向かった並行世界にいた杳馬という男の話を既に聞いていたため、星矢達はシルクハットにスーツという特徴的な服装をしている目の前の男が杳馬だとわかった。
氷河「まさか、並行世界を渡ってくるとは…!」
紫龍「(この男、今まで感じた事もない邪悪な気配を放っている…!あの悪人格のサガがまるで赤子に見えるほどの邪悪さだ…!)」
沙織「(それに、あの杳馬という男と直接対面していると、何だか人間のものとは思えない小宇宙を感じる…!この男、何者なの…?)」
杳馬「どうもどうも初めまして。既にパルティータちゃんから聞いてるけど、俺の名は杳馬。星矢、お前はパルティータちゃんを『母さん』って言ってるけど、一応俺は並行世界のお前の父親だから、『父さん』って言ってくれてもいいんだぜ」
星矢「ふざけんな!お前のような邪悪の化身を親となんか認めないぜ!」
沙織「杳馬、お前がここに来たのはバルベルデの機密資料を処分しに来たのですか!?」
杳馬「機密資料?そんなもんに興味はねえな。ここに来たのは……テンマが生まれ変わった姿の星矢がどれほどやれるのかを確かめに来たのさ!」
星矢「要するに、俺に用があるって事か。上等だ、叩きのめしてやるぜ!」
星矢は前に出た後、黄金聖衣を呼び寄せて聖衣を纏った。
杳馬「おっと、アテナに忠告しとこう。ここで突っ立ってると、サンジェルマンちゃん達が資料を消しにやってくるかも知れないぞ」
沙織「資料を?」
紫龍「奴は邪悪だが、言ってる事はハッタリとは思えない。急ごう!」
パルティータ「星矢、くれぐれも奴相手に油断しないで!」
このまま立ち止まっているとサンジェルマン達が資料を処分しに来るかも知れないと判断し、沙織達は急いでグラード財団の施設に向かった。
星矢「これで1対1の勝負ができるな、杳馬!」
杳馬「俺が神話を編集する前にお前の実力もどれほどのもんか見ておかなけりゃな。そっちからかかってきな!」
星矢「望むところだ!」
杳馬の方も冥衣を纏い、互いにぶつかり合った。
星矢「ペガサス流星拳!」
流星拳を放った星矢だが、杳馬は軽々と全て受け止めた。
星矢「やはり、簡単にはいかないか…!」
杳馬「そりゃ、そうだよ。今度はこっちの番だ!」
対する杳馬も連打の拳を放ち、星矢はそれを受け止めたのであった。
杳馬「やるじゃねえか!それでこそ、神殺しの聖闘士だよ!」
星矢「杳馬、お前の目的は何だ!?」
杳馬「それは言えないなぁ。今知っちゃったら、どうなるかわからないんだぞ~!今度は俺がお前に問うけど、お前は何でバルベルデでサンジェルマンちゃん達が作り出した神の力の怪物を倒せたか?」
星矢「そんなの、知るわけないだろ!」
杳馬「そうかそうか。ところで、星矢は哲学兵装って知ってるか?」
星矢「ああ。要は人々の想いなどが積み重なって生まれた呪いの道具ってとこだろ?」
杳馬「知っていれば話が早い!星矢と響ちゃんがあのヨナなんとかっていう神の力の怪物を倒せたのはな、それに由来しているんだ!」
星矢「何だって!?なら、詳細を教えろ!」
杳馬「それ以上は教えないよ~!知りたかったら、アテナや博学な童虎の弟子に仲間達と共に考えてみたら?それじゃ、今日は挨拶程度って事で帰るね~!」
星矢「待ちやがれ、杳馬!」
杳馬は姿を消した。
星矢「全く、あいつは今までの敵と違ってヘラヘラしてて腹の立つ野郎だ…!」
実際に対面し、杳馬は今までの敵とは違うと思った星矢であった。一方、杳馬は考えていた。
杳馬「(神の力を打ち破れるのはあれしかねえ。となれば……響ちゃんの拳を俺が受けてたら、大きな力の差もあるから即死ではねえが、少しはダメージを受けてただろうな…。アームドギアがなかったから、初めて響ちゃんを見た時は俺もあれについて失念しちまった)ま、それはそれでいいか。アダムにとっても忌まわしいあれがあれば、これから面白くなるぞ!ぬははははははっ!」
市街地
同じ頃、響達は亜空間に引きずり込むアルカノイズに苦戦していたが、力を合わせて倒したのであった。その様子をサンジェルマン達は見ていた。
カリオストロ「あーあ、あわよくばって思ったけれど仕方ないわね。でも、目的は果たせたわ」
そこへ、ティキが来た。
ティキ「へーぇ?そんな呑気でいいの?」
サンジェルマン「ティキ、アジトに残るように言ったはず」
ティキ「だぁってぇ、アダムに会えるかと思ってぇ。っでも怒らないで。いい事がわかっちゃったの」
サンジェルマン「なに?」
ティキ「なんと!ここはあたし達が神様に喧嘩売るのに具合がよさそうなところよー!これ以上ないってくらいね」
そうして、ティキの目に映った天球儀を浮かびあがらせたのであった。
これで今回の話は終わりです。
今回は星矢達の出番を多くしており、星矢達が訃堂と揉め事を起こした挙句、訃堂が先に手を出したためにパルティータにボコボコにされてしまうのと、杳馬の再登場を描きました。
風鳴のクソジジイこと訃堂が少し前出しする形で出てきましたが、今後は星矢達とはウマが全く合わず、ボコボコにされる役回りになっています。しかも、TV本編のような意気消沈して牢屋にぶち込まれたままフェードアウトよりも悲惨な末路が待っています。
杳馬は並行世界から渡ってきて再登場しましたが、今後も星矢達の前に立ちはだかる他、その愉快犯染みた行動をとってもっと混乱を撒き散らす上、神話の編集と称して誰かを殺し、その誰かにすり替わって暗躍するかも知れません。その誰かというのは考えてみてください。
次はサンジェルマン達のファウストローブが出てきますが、もうすでにこれまでの話の流れでバレバレではあるものの、サンジェルマンの師匠が誰であるのかも判明します。