セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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111話 決死圏からの浮上

東京湾

 

 サンジェルマン達はヒュドラ型アルカノイズだけでなく、大量のアルカノイズを出していた。

 

サンジェルマン「人類がこの星の完全なる霊長となるためには支配される存在であってはならない。完全を希求する錬金の理論。シンフォギアなどに阻まれるわけにはいかない(先生は来るのか…?)」

 

 自分の師がまた邪魔をしてくるのかと警戒するサンジェルマンであった。一方、響とクリス、未来はヘリが到着した場所へ着き、そのまま3人ともヘリに乗った。

 

 

 

病院

 

 その頃、パルティータは錬金術によるステファンの足の再生治療をしていた。

 

パルティータ「(さっき、アルカノイズが大量に出てきたという知らせが入ったけど、それはサンジェルマンの仕業ね…。すぐに止めに行けない自分がもどかしいわ…)」

 

 止めに行けないもどかしさを感じつつも医者としての仕事をほったらかしにできないため、パルティータは治療を優先させた。

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 その頃、マリアとエルフナインはダイレクトフィードバックシステムを使い、最後のピースを探している最中であった。そこへ、切歌と調が来た。

 

切歌「マリアとエルフナインは私たちが見ているのデス!」

 

調「だから発令所へ。司令が呼んでいる」

 

あおい「ありがとう。2人をお願いするわね」

 

 あおいは発令所へ向かった。

 

マリア「ドクター……ウェル…死んだはず……」

 

調「何だかよくわからないけど…」

 

切歌「どうにも様子がおかしいのデス」

 

 

 

???

 

 深層意識の中でマリア達はウェルと遭遇した。

 

ウェル「フッフッフ。これもあれも多分アレですよアレ。マリアの中心で叫べるなんて…チョーサイコー!!」

 

マリア「あんな言動、私の記憶にないはずよ…」

 

エルフナイン「だとするとウェル博士に対する印象や別の記憶を元の投影されたイメージ、という事になるのでしょう」

 

ウェル「ふっふっふっふ……」

 

マリア「自分の記憶を叱りたい…」

 

エルフナイン「もしかしたらマリアさんの深層意識がシンフォギアと繋がる脳領域を指し示しているのかも知れません」

 

マリア「アガートラームの導き?だったらセレナとかもっと適役がいたはずよ」

 

エルフナイン「示しているのはウェル博士から直接想起させるもの、だとするのなら……」

 

ウェル「生化学者にして英雄!定食屋のチャレンジメニューもかくやという盛り過ぎ設定!そうとも!いつだって僕ははっきりと伝えてきた。はぐらかしたりなどするものか!」

 

マリア「だったら!」

 

ウェル「忘れているのなら手を伸ばし自分の力で拾いあげなきゃ。記憶の底の底の底。そこには確かに転がっている」

 

エルフナイン「マリアさん?あっ……」

 

 突如として霧が発生した。

 

マリア「離れないで!エルフナイン!」

 

 すぐにマリアはエルフナインの腕を掴んで離れてしまうのを阻止した。

 

 

 

東京湾

 

 敵に近づいてから、響達はギアを纏い、クリスのミサイルに乗って移動し、星矢と紫龍もミサイルに乗せた。

 

翼「気になるのは錬金術師の出方だ。カルマノイズの時と同様にイグナイト抜きで迎え撃つぞ」

 

クリス「ああ。もうイグナイト抜きでの戦いも慣れっこだ!」

 

星矢「とっととあのアルカノイズをぶっ飛ばして」

 

???「おっと、星矢と紫龍はここで退場してもらうよ!」

 

 突然、声が聞こえてきたが、その声の主は杳馬であった。

 

未来「杳馬!」

 

響「人でなしがどうしてここに!?」

 

杳馬「決まってるだろう?このまま星矢と紫龍がアルカノイズを倒したら、あっという間に勝負が着くじゃん!だから、ここで退場してもらうよ~!」

 

 そう言って杳馬は目の前に黒い渦を発生させた。

 

星矢「何だ、あれは!?」

 

紫龍「す、吸い込まれて」

 

 星矢と紫龍は黒い渦に吸い込まれた。

 

響「星矢さん、紫龍さん!」

 

翼「2人を殺したのか!?」

 

杳馬「殺しちゃいないよ。ただ、どっかへ移動させただけだ。君達はこのまま死んでもらっては困るしなぁ。じゃ、俺はこの辺で!」

 

 再び杳馬は黒い渦を発生させ、どこかへ移動した。

 

クリス「あのクソ野郎の妨害に遭うなんてな…」

 

翼「やむを得まい、我々でどうにかするしかない!」

 

 響達はそのままアルカノイズの大群を蹴散らしていった。

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 あおいは発令所に来た後、端末やモニターで状況を把握した。

 

あおい「アルカノイズ、残存数68%」

 

朔也「それでも出てこない錬金術師」

 

美衣「しかも、杳馬によって星矢さんと紫龍さんがどこかへ飛ばされてしまうとは…」

 

あおい「星矢と紫龍の反応がキャッチできました!」

 

沙織「どこですか?」

 

あおい「中国の五老峰です!」

 

弦十郎「五老峰だとぉ!?」

 

 

 

五老峰

 

 杳馬によって星矢と紫龍は五老峰に飛ばされてしまった。

 

星矢「あれ?確か、俺達は東京にいたはずじゃ…?」

 

紫龍「ここは五老峰だ!」

 

星矢「五老峰!?俺達、あの渦によって五老峰へ飛ばされてしまったのかよ!」

 

紫龍「そうとしか考えられない。こういった技を大した負担なしで使える杳馬は俺達の想像以上に恐ろしい敵なのかも知れない」

 

星矢「何しろ、並行世界にいた時は互いに本気じゃなかったとはいえ、母さんと渡り合った野郎だからな」

 

紫龍「星矢、杳馬があのまま居座っていたら響達に勝ち目はない!急いで日本に戻るぞ!」

 

 急いで星矢と紫龍は日本へ戻る事にした。もっとも、杳馬は既にその場を去っていたが。

 

 

 

東京

 

 アルカノイズを蹴散らしていき、響達はヒュドラ型アルカノイズと相対した。

 

クリス「こうも奴らをうじゃつかせているのはアイツの仕業か!」

 

翼「つまりは狙い所」

 

響「ぶっ放すタイミングはこっちで!トリガーは翼さんに!」

 

 響と翼はミサイルから降り、ヒュドラ型アルカノイズに攻撃を加えた。

 

クリス「そしたあたしらは……」

 

未来「片付けられる女よ!」

 

 続いてクリスはMEGADEATHINFINITYを、未来は流星を放ち、二つの攻撃はヒュドラ型アルカノイズの3つに分断した。撃破したかのように見えたが、ヒュドラ型アルカノイズは再生した上、3体に分離した。

 

翼「まさか、仕損じたのか?」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 アルカノイズが分裂した様子はモニターに表示されていた。

 

朔也「分裂した巨大アルカノイズ、個別に活動を再開しました!総数3!」

 

慎次「それぞれが別方向に侵攻」

 

弦十郎「ぬぅ!敵の狙いは装者の分断か!」

 

あおい「司令!入間基地より入電。必要であれば応援を寄越してくれると」

 

朔也「無理だ!相手がアルカノイズでは空自の装備品じゃ足止めだってままならない。下手すれば被害が…」

 

弦十郎「いや、入間基地にはコード814を要請してくれ」

 

あおい「ハリヤーをここにですか?了解しました」

 

 

 

東京

 

 響達はそれぞれ巨大アルカノイズの方へ向かう事となり、余った未来は響と行動を共にする事にした。

 

響「狙いが私達の分断だとしても…」

 

未来「分裂後のサイズならそれぞれで対応できます!」

 

 クリスはボートに乗って分裂した1体を追いかけていた。

 

クリス「4人で3体を仕留めりゃいいんだろ」

 

 翼も分裂した1体を追いかけていた。

 

翼「確かに、そうかも知れないが…」

 

 分裂したヒュドラ型アルカノイズは口から赤いものを吐き、アルカノイズを召喚した。

 

響「これ以上みんなを巻き込むわけには!」

 

 響はヒュドラ型アルカノイズを殴りつけて頭を吹っ飛ばし、未来は召喚されたアルカノイズを倒していたが、ヒュドラ型アルカノイズは2人を攻撃して吹っ飛ばした。

 

響「うわああっ!」

 

未来「きゃああああっ!」

 

 それから、ヒュドラ型アルカノイズは再び小型のアルカノイズを召喚した。

 

未来「キリがない…」

 

 翼の方はヒュドラ型アルカノイズを追いかけていた。

 

翼「はあああっ!」

 

 ヒュドラ型アルカノイズの首を一つ切り落とした翼だったが、すぐに再生してまた分裂した。

 

翼「やはり、更なる分裂!」

 

 一方、クリスの方はヒュドラ型アルカノイズの尻尾の攻撃を回避していた。そして、その反撃でMEGA DETH PARTYを放って命中させたものの、また分裂した上、ビームを放ってきたのであった。

 

クリス「うわっ!」

 

 慌ててクリスは回避した。

 

クリス「どこまで頑張らせるつもりだ!?」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 一方、マリアとエルフナインのピース探しはまだ続いていた。

 

調「頑張って、2人とも」

 

切歌「みんなも頑張っているデスよ」

 

 

 

???

 

 マリアとエルフナインは深層心理の中に来ていた。

 

マリア「ここは?」

 

エルフナイン「心象が描く風景…ではなさそうです。あっ!?」

 

 何かが光っているのを見つけた。

 

???「強く…なりたい……」

 

マリア「今の声は、私?」

 

???「弱い自分は見せたくない。誰に嘘をついてでも、自分の心を偽ってでも……。でも本当は嘘なんてつきたくない!」

 

エルフナイン「ここは……マリアさんの内的宇宙?」

 

マリア「私の心の闇。受け入れられない弱さに怯えて誰かと繋がる事すら拒んでいた、あの頃の……」

 

エルフナイン「マリアさん?」

 

マリア「誰かと手を取り合いたければ自分の腕を伸ばさないといけない。だけど……その手がもし振り払われてしまったら……」

 

 そんな時、エルフナインの足が消えていった。

 

エルフナイン「マリアさん!?マリアさん!マリアさん!」

 

 エルフナインは手を伸ばしたが、マリアは遠ざかっていった。

 

エルフナイン「マリアさーん!!」

 

 

 

東京

 

 分裂したヒュドラ型アルカノイズとの戦闘はまだ続いていた。

 

翼「勝機!」

 

 翼は千ノ落涙を放ってヒュドラ型アルカノイズを撃破した。ところが、その死体からアルカノイズが出てきた。

 

翼「はあ、はあ…。消耗戦を仕掛けてくると踏んでいたが、なかなかどうして…」

 

 クリスの方もヒュドラ型アルカノイズとの戦闘は終わりに近づいていた。

 

クリス「全発全中…もってけ全部だ!!」

 

 MEGA DETH FUGAを放ち、ヒュドラ型アルカノイズを撃破した。

 

クリス「はあ、はあ、はあ…。増殖の元を断ちさえすれば…」

 

 やはり、ヒュドラ型アルカノイズの死体からアルカノイズが出てきた。

 

クリス「あとはかを撃つばかりだってーの…」

 

 響と未来はまだ戦っている最中であった。

 

未来「分裂したって、増殖したって…!」

 

響「何度だって叩き潰す!」

 

 響と未来の同時攻撃で倒したかのように見えたが、尻尾が分裂して逃げて行った。

 

響「何度だって…!」

 

 

 

???

 

 一方、マリアは深層意識の中に沈んでいた。

 

マリア「(私は自分で作った闇に溺れて掻き消されてしまうの…?)」

 

ウェル『シンフォギアとの適合に奇跡というものは介在しない。その力、自分のものとしたいのなら手を伸ばし続ければいい』

 

 ちょうど目の前に来た光をマリアが掴むと、眩い光を放った。そして、気が付くと別の場所にいた。

 

エルフナイン「マリアさん!」

 

マリア「ここは…白い孤児院。私達が連れて来られてF.I.Sの……」

 

 幼い自分とセレナに研究員は微笑んで手を差し出し、幼いマリアは手を取ろうとしたが、ナスターシャに鞭で叩かれた。

 

ナスターシャ「今日からあなた達には戦闘訓練を受けてもらいます。フィーネの器となれなかったレセプターチルドレンには涙より血を流す事で組織に貢献するのです!」

 

 幼いマリアはセレナと共に怯えていたが…。

 

ウェル『本当にそうなのかい?』

 

マリア「(本当に私の記憶はマムへの怖れだけだったの?)」

 

 ナスターシャの表情を見たマリアはある事に気付いた。

 

マリア「(そうだ…。怖れと痛みから記憶に蓋をしていた。いつだってマムは私を打った後は悲しそうな顔で…)」

 

 そして、今までの過酷な実験や訓練の時でもナスターシャは非情な行動や言動の後で悲しそうな表情をしているのを思い出した。

 

マリア「(そうだ…。私達にどれほど過酷な訓練や実験を課したとしてもマムはただの1人も脱落させなかった。それだけじゃない。私達が決起する事で存在が明るみに出たレセプターチルドレンは全員保護されている。すべては私達を生かすために…いつも自分を殺して……。そして、向こうの世界のマムも私とセレナが警察に捕まらないように怪盗の訓練も一切手を抜かなかった)」

 

 ふと、おばあさんの言葉を思い出した。

 

おばあさん『トマトを美味しくするコツは厳しい環境に置いてあげる事。ギリギリまで水を与えずにおくと自然と甘みを蓄えてくるもんじゃよ』

 

マリア「大いなる実りは厳しさを耐えた先にこそ。優しさばかりでは侠魔で生きて来られなかった。私達に生きる強さを授けてくれたマムの厳しさ。その裏にあるのは…」

 

 その言葉の後にマリアはアガートラームを纏った姿となった。そして、目の前にナスターシャと幼いマリア姉妹の姿があった。

 

ウェル『ナスターシャにも、マリアにも、いつだって伝えてきた。そう、人とシンフォギアを繋ぐのは……』

 

エルフナイン「可視化された電気信号が示すここはギアと繋がる脳領域。誰かを思いやる熱くて深い感情を司るここにLiNKERを作用させる事ができれば…!」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 ようやくエルフナインは目を覚ました。

 

調「あっ、エルフナイン?」

 

切歌「どうなったデスか?」

 

エルフナイン「もうひと踏ん張り。その後はお願いします!」

 

 部屋を飛び出そうとしたが、そこに麻森博士が待っていた。

 

エルフナイン「麻森博士…」

 

麻森博士「沙織お嬢様に言われてきました。開発にとても時間はかかるものの、負担がとても少ないLiNKERの技術と組み合わせれば、負担の少なさと作りやすさを両立させたLiNKERを作れるかも知れない」

 

エルフナイン「では、行きましょう!」

 

 2人は急いだ。そして、マリアの方も目が覚めた。

 

調「マリア!」

 

マリア「ありがとう、マム…」

 

 

 

東京

 

 分裂するヒュドラ型アルカノイズに響と未来は手を焼いていた。

 

未来「何度分裂したって!」

 

 しかし、分裂したせいで1体に逃げられてしまった。

 

響「しまった!」

 

 急いで響は戦っている個体を撃破し、未来の方も流星を叩き込んで撃破した。

 

響「今逃げた奴を追いかけなきゃ……」

 

未来「響、上を見て!」

 

 未来に言われた通りに上を見ると、そこにはバルベルデで破壊したはずの戦艦が浮いていた。

 

響「あれは…バルベルデで落とした!?」

 

 その戦艦はクリスと翼にも見えていた。

 

クリス「くっ!」

 

 クリスの目の前にはまだアルカノイズがおり、翼も戦艦から距離が離れていた。

 

カリオストロ「いくらシンフォギアが堅固でも…」

 

プレラーティ「装者の心や容易く折れるワケダ」

 

カリオストロ「サンジェルマンの師匠は来ないし、黄金聖闘士の方も杳馬がどっかへやったみたいだし、案外何とかなるんじゃない?」

 

プレラーティ「杳馬は胡散臭いが、局長と違って仕事してくれるからそこは評価するワケダ」

 

サンジェルマン「総力戦を仕掛けるわ」

 

 更にアルカノイズが出てきた。

 

あおい『アルカノイズ、第19区域方面へと侵攻!』

 

未来「そこって…、リディアンの方だよ!」

 

響「リディアン!?」

 

 そこへ、クリスから通信が入った。

 

クリス『ボサッとしてねえでそっちに向かえ!』

 

響「クリスちゃん!?」

 

クリス『空のデカブツはあたしと先輩でなんとかする!』

 

響「でも、それじゃあ…」

 

クリス『あたしらに抱えられるもんなてたかが知れてる!お前はお前の正義を信じて握り締めろ!せめて自分の最善を選んでくれ!』

 

 そんな不安な響に未来はそっと肩に手を添えた。

 

未来「この場は私が何とかするわ。だから響、リディアンに向かって」

 

響「未来…。ありがとう、クリスちゃん、未来。だけど、私…」

 

 響がイグナイトを使おうとしているのに未来は気付いた。

 

未来「響、イグナイトを使っちゃダメ!」

 

 そのタイミングはサンジェルマンにとっても絶好のタイミングであった。 

 

サンジェルマン「待っていたのは、この瞬間」

 

 未来の制止を振り切って響はイグナイトを使おうとした。

 

響「イグナイトモジュール…」

 

切歌『その無茶は後にとっておくのデス!』

 

未来「この声って…」

 

 2機のハリヤーが上空を通過した。

 

調「わがままなのは響さん1人じゃないから!」

 

 後部座席が射出された後、切歌と調はギアを纏った。そして、調は落下している間にヨーヨーでアルカノイズを蹴散らし、α式 百輪廻を、切歌は切・呪リeッTぉを放ってアルカノイズを更に一掃してから着地した。

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 その様子は発令所でもモニターで表示されていた。

 

朔也「シュルシャガナとイガリマ、エンゲージ!」

 

慎次「協力してもらった入間の方々には感謝してもしきれないですね」

 

あおい「バイタル安定。シンフォギアからのバックファイアは規定値内に抑えられています」

 

弦十郎「こっちもよく間に合わせてくれた。感謝するぞ、エルフナイン君!」

 

 ギリギリでエルフナインはLiNKERを完成させたのであった。しかも、麻森製のとても負担の少ないLiNKERの技術と組み合わせ、負担の少なさと作りやすさを両立させたLiNKERに仕上げたのであった。

 

エルフナイン「ふぅー。LiNKERの感性に必要だったのはギアと装者を繋ぐ脳領域を突き止める事。その部位が司るのは…自分を殺してでも誰かを護りたい無償の想い。それを一言で言うならば…」

 

 

 

リディアン

 

 マリアの方はリディアンにいた。

 

マリア「愛よ!」

 

 早速、リディアンに分裂したヒュドラ型アルカノイズが来たため、マリアが応戦した。

 

マリア「はああああっ!」

 

 マリアはEMPRESS†REBELLIONを放ち、ヒュドラ型アルカノイズを真っ二つに切り裂いた。

 

マリア「最高、なんて言わないわ。あなたは最低の最低よ、ドクター・ウェル」

 

 

 

東京

 

 切歌と調は引き続きアルカノイズを撃破し、空中戦艦に乗っていた。そこへ、プレラーティが攻撃を仕掛けてきたために調は攻撃をかわした。その次にプレラーティは両手から炎を出して投げつけて、調も小型の回転鋸を発射して相殺させた。その直後に切歌は攻撃を仕掛けてその攻撃をプレラーティが回避した直後にカリオストロが攻撃し、切歌はそれを鎌で受け止めた。

 

カリオストロ「ふふっ、結局お薬頼りのくせして」

 

切歌「LiNKERをただの薬と思わないでほしいデス!」

 

調「みんなの想いが完成させた絆で!」

 

 調のヨーヨーの攻撃を防いでからプレラーティは攻撃を仕掛けたものの、調はそれをかわしてΔ式 艶殺アクセルを叩き込んだ。

 

プレラーティ「くっ!」

 

 調の攻撃を防いでから、プレラーティは後ろに下がったが、調は追撃をかけた。一方、カリオストロは切歌が仕掛けた攻撃を防御壁で防ごうとしたが、防ぎ切れずに吹っ飛ばされた。

 

カリオストロ「くっ!」

 

 それから切歌と調はジャンプし、手を繋いでから調の足のギアが巨大な回転鋸に、切歌の足のパーツは鎌に変形した。

 

切歌「きっと勝利を、勝ち取るデス!」

 

 2人は合体技を放ったが、そこへサンジェルマンが来て防御壁を展開し、合体技とぶつかり合った。

 

サンジェルマン「くっ!」

 

切歌と調「はああああああっ!!」

 

 そのまま切歌と調は防御壁を破り、空中戦艦を貫いて破壊したのであった。貫いた後、2人は着地した。

 

切歌「あいつらはどこデスか!?」

 

 そんな中、銃の照準が切歌に向けられ、銃弾が2発放たれた。

 

調「切ちゃん!」

 

サンジェルマン「その命、革命の礎に」

 

 ところが、1発目は響が受け止め、もう1発は未来の攻撃で掻き消された。

 

サンジェルマン「何ッ!?」

 

切歌「響さん、未来さん!」

 

未来「間に合ったわね」

 

響「間違ってる…。命を礎だなんて間違ってるよ!」

 

カリオストロ「4対3になってからって…」

 

プレラーティ「気持ちが大きくなってるワケダ」

 

 今度は矢の雨が降ってきたため、3人は避けた。

 

クリス「いいや!これで7対3だ!」

 

響「翼さん!クリスちゃん!」

 

切歌と調「マリア!」

 

翼「いい加減に聞かせてもらおうか、パヴァリア光明結社。その目的を!」

 

響「人を支配から解放するって言ったあなた達は一体何と戦っているの?あなた達が何を望んでいるのか教えて!本当に誰かのために戦っているのなら私達は手を取り合える!」

 

サンジェルマン「手を取るだと?傲慢な…!我らは神の力を以てしてバラルの呪詛を解き放つ」

 

 その言葉に一同は衝撃を受けた。

 

翼「神の力でバラルの呪詛をだと!?」

 

未来「バラルの呪詛…あの人がパルティータさんと喧嘩別れした原因になった…」

 

サンジェルマン「月の遺跡を掌握する!」

 

 




これで今回の話は終わりです。
今回はヒュドラ型アルカノイズとの戦いと、LiNKERの完成を描きました。
星矢と紫龍を五老峰へ飛ばした杳馬ですが、今後もこういった妨害や暗躍をしてきます。もっとも、サンジェルマン達は怪しんではいるものの、アダムよりは評価されているようですが。
また、怪盗の事についても挿入しました。
次の話はラピスへの打開策となるある代物を見つける話となります。

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