セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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112話 重なり合うもの

東京

 

 サンジェルマンの発言に装者一同は衝撃を受けた。

 

マリア「月にある遺跡を?」

 

サンジェルマン「人が人を力で蹂躙する不完全な世界秩序は、魂に刻まれたバラルの呪詛に起因する不和がもたらす結果だ」

 

カリオストロ「不完全を改め完全と正す事こそサンジェルマンの理想であり、パヴァリア光明結社の掲げる思想なのよ」

 

プレラーティ「月遺跡の管理権限を上書いて人の手で制御するには神と呼ばれた旧支配者に並ぶ力が必要なワケダ。そのためにバルベルデを始め各地で儀式を行ってきたワケダ」

 

響「だとしても誰かを犠牲にしていい理由にはならない!」

 

サンジェルマン「犠牲ではない。流れた血も失われた命も革命の礎だ!」

 

 サンジェルマンが銃を連射したため、装者達は散開して回避した。散開した際に翼は天ノ逆鱗を放ったがサンジェルマンはかわし、反撃で銃弾を放ち、しかも銃弾を錬金術で鋭い針に変えて天ノ逆鱗を貫通した。

 

翼「ああっ!」

 

 響と未来はそのまま突き進んでいった。

 

響「はああああっ!」

 

 すかさずサンジェルマンは今度は燃える銃弾を放ったものの、未来もそれに対抗して閃光を放ち、銃弾を分解したのであった。

 

サンジェルマン「相変わらず錬金術の分解は厄介だ…!」

 

 マリアの方は、カリオストロの光弾連射を回避していた。

 

マリア「はあああああっ!」

 

 かわした後、蛇腹剣で反撃したマリアであったが、カリオストロは錬金術で防御した。

 

クリス「これならどうだ!」

 

 クリスの攻撃もカリオストロの防御を貫通できなかった。

 

カリオストロ「いつぞやのお返しなんだから!」

 

 防御に使っていた風の球体をそのまま放った。

 

クリス「でかい!?」

 

マリアとクリス「ああっ!」

 

 風の球体をまともに受けたクリスとマリアは吹っ飛ばされた。プレラーティはけん玉の球を飛ばしたが、切歌と調はかわした。しかし、すかさずプレラーティは球を打ち返して調にぶつけた。

 

調「きゃあっ!」

 

切歌「調!」

 

 次は切歌目掛けて球を打ち返したプレラーティだったが、切歌はかわしたものの、着地した場所が坂であったため、足をとられて転んでしまった。

 

調「このままでは…」

 

切歌「だったらやるデスよ、調!イグナイトモジュール」

 

切歌と調「抜剣(デース)!」

 

 切歌と調はイグナイトモジュールを使ったのであった。

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 その様子を見た沙織達は驚いたのであった。

 

美衣「なんて事を!」

 

沙織「いけません!例え直接触れなくても」

 

 

 

東京

 

 イグナイトを使った2人をプレラーティは嘲笑った。

 

プレラーティ「先走るワケダ」

 

 切歌と調はそのまま攻撃した。

 

調「当たりさえしなければ!」

 

切歌「マスト…ダーイ!」

 

 すかさずプレラーティはけん玉から赤い稲妻を放った。

 

切歌「ああっ!」

 

調「きゃあっ!」

 

プレラーティ「ノリの軽さは浅はかなワケダ!」

 

 2人はイグナイトを引きはがされて吹っ飛ばされた。

 

翼「月読、暁!」

 

 サンジェルマンは照準を響に向けた。

 

サンジェルマン「明日のために私の銃弾は躊躇わないわ」

 

響「なぜ!?どうして!?」

 

サンジェルマン「わかるまい…。だが、それこそがバラルの呪詛。人を支配するくびき」

 

 サンジェルマンの脳裏には亡き母と今でも生きている育ての母ともいえるパルティータの姿があった。

 

響「だとしても人の手は誰かを傷つけるのではなく、取り合うために!」

 

サンジェルマン「取り合うだと…!?謂れなき理由に踏み躙られたことのない者が言うことだ!」

 

 そのまま2発銃弾を放ち、2発とも狼となって響と未来に襲い掛かった。

 

響「言ってる事…全然わかりません!」

 

未来「行って、響!」

 

 未来は閃光を放って分解し、響は拳で殴って押し返した。

 

サンジェルマン「何ッ!?」

 

 吹っ飛ばされそうになったサンジェルマンだが、何とか踏ん張って後ずさむ程度に留めた。しかし、目の前には拳を寸止めした響の姿があった。

 

響「だとしても、あなたの想い。私にはきっと理解できる」

 

 誹謗中傷を受けていた日々の事、そして親との確執の事を思い出していた。

 

響「今日の誰かを踏み躙るやり方では、明日の誰も踏み躙らない世界なんて作れません」

 

サンジェルマン「お前……」

 

響「それに、パルティータがあなたの事を心配しています!」

 

サンジェルマン「あの人が……?」

 

 一方、クリスは銃弾を放ったが、カリオストロは水の障壁で防御した。

 

カリオストロ「むず痒いのよ!」

 

 反撃でカリオストロは光弾を乱射した。対するマリアはすぐにクリスの肩を掴んで引き寄せた。

 

マリア「はあああっ!」

 

 バリアでカリオストロの攻撃を防いだマリアであったが、弾かれた攻撃が響と未来、サンジェルマンの方へ飛んでいった。

 

カリオストロ「あらやだっ!?」

 

響「こっち!」

 

 響はサンジェルマンの体を掴んで逃げ、未来はアームドギアの扇で防いだ。

 

サンジェルマン「…私たちは共に天を戴けないはず…」

 

響「だとしても、です」

 

サンジェルマン「思い上がるな!明日を開く手は、いつだって怒りに握った拳だけだ!そして、あの人とは既に決別した!これ以上は無用な問答。預けるぞ、シンフォギア」

 

 決別したと言っておきながら、未だに未練が残っているような表情でサンジェルマンは転移用の錬金術で退いた。

 

プレラーティ「ここぞで任務放棄ってどういうワケダ、サンジェルマン」

 

カリオストロ「あーしのせい?だったらメンゴ!鬼メンゴ!」

 

 他の2人も撤退した。サンジェルマン達が退いた後、響は月を眺めていた。

 

未来「響…」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 杳馬によって五老峰へ飛ばされた星矢と紫龍も夕方には帰ってきた。

 

星矢「済まねえ、沙織さん。杳馬に五老峰へ飛ばされちまって…」

 

沙織「いいのです。無事であっただけでも、よかったのですから」

 

紫龍「パヴァリア光明結社の目的が月の遺跡の掌握だとはな…」

 

慎次「そのために必要とされる、通称神の力を生命エネルギーより練成しようとしている、と…」

 

弦十郎「仮にそうだとしても響君の一撃で分解するような規模ではいくまい。恐らくは、もっと巨大で強大な…」

 

慎次「その規模の生命エネルギー、一体どこからどうやって…?」

 

あおい「まさかレイラインでは!?」

 

沙織「レイライン!?」

 

 その言葉に一同は反応した。

 

あおい「キャロルが世界の分解解析に利用したレイライン。巡る地脈から星の命をエネルギーとして取り出す事ができれば…」

 

朔也「パヴァリア光明結社はチフォージュ・シャトーの建造にかかわっている。関連性は大いにありそうですよ」

 

慎次「取り急ぎ、神社本庁を通じて各地のレイライン観測所の協力を仰ぎます」

 

弦十郎「うむ」

 

沙織「後は装者達の状況ですね。LiNKERは問題なく作用したようですが…」

 

 そこへ、パルティータが入ってきた。

 

弦十郎「パルティータ君か。あの少年の再生治療、お疲れ様」

 

パルティータ「ええ。これまでのデータを見て思ったのですが、やはり、イグナイトは色々と欠点が多いと私は思いますよ」

 

星矢「母さんの言う通りだな。カルマノイズ相手だと破壊衝動を増幅されちまうし、賢者の石には引きはがされちまう。とんだ欠陥機能になっちまったな」

 

美衣「これ程までに欠点が多いのであれば、イグナイトモジュールは欠陥機能といわれても仕方ないですね…」

 

パルティータ「私としては、奏ちゃんのあのギアの方がデメリットも少なくていいと思うわ」

 

弦十郎「確かにな。だが、制御は大変だと聞いている上、ブリーシンガメンのような完全聖遺物を発見し、手に入れるための時間はない」

 

パルティータ「そうね…。今の状況ではどうにかしてイグナイトを無力化されないようにするしかないわ…」

 

 一方、装者達は…。

 

切歌「ごめんなさいデス…」

 

マリア「えっ?」

 

調「マリアとエルフナインが命をかけてLiNKERを作ってくれたのに…」

 

マリア「それは私も同じ。戦う事さえできればどうにかなると思っていた。けど、甘かったわ…」

 

 クリスも苛立っており、響達も落ち込んでいた。

 

クリス「くそっ、何なんだよ!」

 

 一方、エルフナインはラボに篭り切りであった。

 

弦十郎「エルフナイン君は?」

 

沙織「無理は禁物と言ったのですが、ずっとラボに篭り切りです…」

 

紫龍「賢者の石の対策でも考案しているのだろう」

 

星矢「俺達が出張ると杳馬が妨害してくるだろうからな。あの錬金術師3人相手に響達だけでどうにかする方法は…」

 

 ふと、紫龍は響と未来は他の装者に比べて善戦しているのを見つけた。

 

紫龍「響と未来は他の装者に比べて善戦しているな。それに、神獣鏡の凶祓いが錬金術にも有効とは…」

 

星矢「もしかすると、未来って錬金術師との戦いでは活躍できるんじゃねえか?」

 

紫龍「だろうな。神獣鏡のギアにイグナイトは搭載されていないが、凶祓いがそれを補って余りある活躍ができるかも知れん。それに、ユニゾンも有効だろうな」

 

星矢「ユニゾンか…」

 

沙織「神獣鏡の凶祓いにユニゾン…。ほんのちょっとだけ、光が差し込んだ感じがしますね」

 

 

 

リディアン 寮

 

 響達は寮に帰った。

 

響「未来、何かを手に入れたいと思ったら他の何かを手放さなきゃならないのかな?」

 

未来「…急にどうしたの?」

 

響「全部なんとかしたいって思うのはワガママなのかな?」

 

未来「私、響のワガママ好きだよ」

 

響「え?」

 

 

 

回想

 

 未来は中学の頃を思い出していた。

 

未来『中学の頃、短距離走の記録に伸び悩んでいた私にとって…周りはみんなライバルで誰かを思いやる事なんて簡単にはできなかった。』

 

 中学時代の時、響は風船を取ろうと木に登っていた。

 

未来「響、なにしてるの!?危ないよ!」

 

響「へいき、へっちゃら…あ!な、とぉー…!」

 

 風船をキャッチできたものの、響は木から落っこちた。

 

響「あだっ!」

 

 結果的に響は風船を女の子に渡す事ができた。

 

女の子A「ありがとう、お姉ちゃん」

 

女の子B「ありがとう」

 

母親「どうもねえ」

 

 響に感謝し、母親と子供二人は帰った。

 

未来「大丈夫?」

 

響「うん。泣いている子がいたからちょっと頑張り過ぎちゃったよ」

 

 響の鞄にはひどい落書きがあった。沙織が響を始めとしたツヴァイウイングのライブの惨劇から生き残った被害者の支援に乗り出すまで、響は誹謗中傷に苦しんでいた。

 

未来『本当は誰よりも泣きたくて、救ってもらいたいはずなのに…それでも誰かのために無理をする。誰かの背中なんて見たくなかったあの頃…。でも、私の前を行く優しい背中だけは特別だった。誰かの前を行くのではなく、ずっと並んで歩いて行きたいと思った、あの日…』

 

 

 

未来「(そして私は中学卒業と同時に陸上をやめた。私の胸の内はきっと誰にも打ち明けられないだろう。それでも想いを形にしたくていつかピアノを習いたいと願った)」

 

 響は夕食を食べ終わった。

 

響「ごちそうさまでした」

 

未来「お粗末様でした」

 

 それから、2人仲良く食器を洗った。

 

未来「ね、響」

 

響「ん?」

 

未来「響が響のままやりたい事がワガママなら、私、響のワガママを応援する。響のワガママわね、きっと困ってる人に差し出された手なんだよ」

 

響「未来…ありがとう」

 

未来「うん」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 エルフナインは賢者の石の対策を探していたが、そこへパルティータが来た。

 

エルフナイン「パルティータさん」

 

パルティータ「あの子の再生治療も終わったし、私も手伝うわよ」

 

エルフナイン「ですけど…」

 

パルティータ「私はあなたの生みの親であるキャロルよりも更に長生きしている世界最強の錬金術師だもの。1人より2人の方が負担も軽くなるでしょ?」

 

エルフナイン「やっぱり…僕なんかよりもパルティータさんの方がこの仕事が向いているんじゃないですか?」

 

パルティータ「こういったのは私には務まらないわよ。シンフォギアに関してはチンプンカンプンだし、医者や聖闘士としての仕事もあるし、そこはエルフナインでないとダメだわ」

 

 そこへ、弦十郎が書類をたくさん持ってきた。

 

弦十郎「異端技術に関する資料らしき資料はかき集めてきたつもりだ。他にも必要なものがあったら何でも言ってほしい」

 

パルティータ「ありがとう」

 

 パルティータが引率してやっているため、エルフナインもやろうとしたが、ふらついてパルティータに抱えられた。

 

パルティータ「根を詰め過ぎよ。少しは休みなさい」

 

エルフナイン「ご、ごめんなさい。でも…キャロルからもらった体です。2人で1人。だから2人分頑張らないと…」

 

パルティータ「あのね、頑張り過ぎて体調を崩したら意味ないわよ」

 

 医者としての観点でもエルフナインの働きすぎに注意したパルティータであったが、そんな時にエルフナインはある資料を見つけた。

 

弦十郎「どうした?」

 

エルフナイン「これは……」

 

 

 

ホテル

 

 その頃、アダムは入浴していた。

 

アダム「確かに言ったはずだよ、僕は。シンフォギアの破壊をね」

 

サンジェルマン「申し訳ありません」

 

カリオストロ「は!?前は邪魔したくせに」

 

プレラーティ「いけ好かないワケダ」

 

ティキ「聞こえてるわよ、三級錬金術師ども!アダムの悪口なんて許さないんだから!」

 

 そんな中、アダムはワインを飲み干した。

 

アダム「アスペクトはついに示された。ティキが描いたホロスコープにね…」

 

サンジェルマン「ならば祭壇設置の儀式を?」

 

 アダムはティキを抱えた。

 

ティキ「ほ?えへへ」

 

アダム「この手で掴もうか。神の力を」

 

ティキ「いやー!ティキ飛んでっちゃうー!」

 

 そして、アダムは風呂から出た。

 

サンジェルマン「完全世界の実現のために…」

 

カリオストロ「嫌味な奴…。あんなのが結社を統べる局長ってんだからやりきれないね」

 

プレラーティ「そうだね。だけど私達がついていくのはあいつでも結社でもないワケダ」

 

 2人はサンジェルマンに視線を向けた。

 

サンジェルマン「2人とも…」

 

カリオストロ「これ以上アダムにでかい顔させないためにも本気出さなくっちゃね」

 

サンジェルマン「しかし、私は祭壇設置の儀式に取り掛からなくてはならないわ」

 

プレラーティ「だったらシンフォギアの破壊はこちらに任せてほしいワケダ」

 

 サンジェルマンは祭壇設置の儀式に取り掛かる事となった。3人とも寝たのだが、あるサンジェルマンの寝言を2人は聞いてしまった。

 

サンジェルマン「お母…さん……」

 

カリオストロ「ん?さっきサンジェルマンが何か言わなかった?」

 

プレラーティ「確かに言ったワケダ」

 

サンジェルマン「お母さん…。バラルの呪詛を解いて、もう一度……」

 

カリオストロ「このサンジェルマンの寝言、何なのかしら?」

 

プレラーティ「わからない。でも、サンジェルマンの言うお母さんとは何者なワケダ?」

 

カリオストロ「あーしに聞かれても…」

 

 ふと、ある女の姿が思い浮かんだ。

 

カリオストロ「まっさか、あの女なわけないわよね?」

 

プレラーティ「そう思うワケダ」

 

 心当たりはあったものの、断定できなかった2人であった。

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 そして翌日、装者達は集合していた。

 

マリア「これは?」

 

エルフナイン「以前ガングニールと融合し、いわば成体核融合炉と化していた響さんより生成されたガーベッジです」

 

 それを見た響と翼、クリス、未来は大きく反応した。

 

未来「響、これって…!」

 

響「あの時のかさぶた!」

 

翼「とはいえ、あの物質にさしたる力はなかったと聞いていたが?」

 

パルティータ「エルフナインの解説では難しいから私が解説するわね。このガーベッジは賢者の石とは真逆のエネルギーを持っているの。エルフナインが立案するシンフォギア強化計画ではこのガーベッジを使って賢者の石の力を相殺する対消滅バリアコーティングを作る事が決まったの」

 

調「賢者の石の力を相殺する。という事は……」

 

切歌「イグナイトが使えるのデスね!?」

 

クリス「余計な説明がないから助かるぞ。それとその物質、どこぞのバカの中から出たってんだから、さしずめ愚者の石ってところだな」

 

響「愚者とはひどいよクリスちゃん…」

 

弦十郎「うむ。なるほど、賢者の石に対抗する愚者の石」

 

響「ああっ!?まさかの師匠まで!?」

 

未来「その石はどこにありますか?」

 

あおい「一通りの調査を終えた後、無用不要のサンプルとして深淵の竜宮に保管されていたんですが……」

 

 それを聞いたクリスに気まずそうな表情になった。そこへ、沙織達も来た。

 

沙織「海となれば、氷河の出番のようですね」

 

翼「氷河の?」

 

氷河「ああ。だからこそ、施設の防衛を星矢と交代する事となった。俺も海に潜ってその愚者の石とやらを探す(まさか、マーマに会うために度々海に潜った経験がここで役に立つとは…。この辺りの海でなら、数時間ぐらいは潜れる。カミュ、誰かのためであれば、あなたも責めはしないでしょう…)」

 

 

 

海上

 

 早速、発掘が開始され、氷河は海に潜った。

 

弦十郎「愚者の石の回収はまさに泥の中から一粒の砂金をさらう作業だ。長丁場になるが頼んだぞ」

 

翼『了解』

 

 潜水艇には響、翼、マリアが乗り込み、海上ではクリス、切歌、調、未来の4人がいた。

 

切歌「あちゃー…」

 

調「思っていた以上に…」

 

切歌「ぺちゃんこデスよ」

 

クリス「……(あの時も…、バルベルデの時も…今思えば、もう少し冴えたやり方があったのかもな…)」

 

 そんなクリスに未来は手を置いた。

 

未来「クリス、いつまでも後悔してたって何も始まらないよ」

 

クリス「けどな…」

 

未来「とにかく、今はやるべき事をやらないと」

 

 マリアが潜水艇を操縦して泥を吸い込むと、その泥は海上に送られ、作業員が探していた。

 

クリス「こんなんでほんとに見つかるんだろうな?」

 

未来「でも、他に方法がないからやるしかないよ」

 

作業員「うわあああっ!」

 

 作業員の悲鳴をクリス達が聞き、そこへ視線を向けると、アルカノイズが出現していた。

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 アルカノイズ出現は本部でも検知されていた。

 

朔也「アルカノイズの反応を検知!」

 

あおい「反応座標絞り込みます!敵は……我々のほぼ真上です!」

 

弦十郎「まさか!?」

 

沙織「こちらの動きに合わせて?」

 

 

 

海上

 

 アルカノイズが出現したため、クリス達はギアを纏って応戦した。調はα式 百輪廻を放ち、切歌は次々と切り刻み、クリスと未来は次々と撃ち抜いていった。

 

切歌「大丈夫デス!落ち着いて避難を!」

 

 そこへ、カリオストロが来た。

 

カリオストロ「大丈夫なんて簡単に言ってくれるじゃない?このお気楽系女子!」

 

切歌「誰がお気楽デスと!?」

 

カリオストロ「決まってるでしょ!」

 

 カリオストロは攻撃を放ったが、その攻撃は未来の攻撃で分解された。

 

カリオストロ「またあの忌々しい紫のシンフォギアなの!?」

 

未来「あなた達のファウストローブがイグナイトの天敵なら、私のギアはあなた達が使う錬金術の天敵よ!」

 

クリス「いいぞ、その調子でどんどん言ってやれ!」

 

調「さすがで」

 

 ところが、今度はクリスと調にプレラーティの攻撃が飛んできて吹っ飛ばされた。

 

クリス「ああっ!」

 

調「きゃあっ!」

 

プレラーティ「ダインスレイフを抜剣できないシンフォギアなんてチョロすぎるワケダ」

 

カリオストロ「警戒するのはあの錬金術を分解する紫のシンフォギアだけ。ここでぶち壊されちゃいなさい」

 

クリス「連中の狙いはシンフォギアの破壊?」

 

切歌「愚者の石ではないのデスか?」

 

クリス「だったら派手に行くぜ!いっけえええ!」

 

 

 

潜水艇

 

 海上の施設が襲われているのはマリア達も知った。

 

マリア「水上施設が攻撃を受けている!?」

 

翼「何だと!?」

 

響「すぐ浮上します!」

 

あおい『このまま作業を続けてください』

 

響「え?」

 

弦十郎『奴等は愚者の石の事は知らないようだ。回収作業の事を知られれば邪魔されかねない』

 

響「でも、賢者の石の力が相手では…」

 

慎次『未来さんの神獣鏡とユニゾンです。未来さんの神獣鏡で錬金術を無力化し、切歌さんと 調さんの歌を重ねれば……』

 

弦十郎『抜剣せずとも対抗できる!』

 

 

 

海上

 

クリス「だったら、埒をこじ開ける!行くぞ!」

 

未来「うん!」

 

 まず、クリスが銃弾を放ったが、カリオストロは水の障壁で防いだ。それを待っていたかのように未来は即座にビームで水の障壁に穴を開けた。

 

カリオストロ「えっ!?」

 

 そして、クリスと未来は接近した後に銃身と展開した扇を突き付け、クリスの方は銃を弓に変えた。

 

カリオストロ「(ベーゼ可能なゼロレンジ!だけど、あーしの唇は安くない)」

 

 至近距離からの矢をカリオストロはかわしたが、狙いは別にあった。

 

カリオストロ「ドッキンハート!?」

 

 本当の狙いは切歌の鎌に矢をくっつけ、調の元へ送る事だった。そして、カリオストロは気をとられた隙に未来の至近距離の閃光を受けて吹っ飛ばされた。

 

カリオストロ「いやあん!」

 

 プレラーティに押されている調の元へ切歌が到着した。

 

切歌「さあて、いっちょやらかすデスよ!」

 

調「切ちゃん!」

 

 調の手を取って切歌は助け起こした。そして、二人のユニゾンによる猛攻が始まったのであった。

 

プレラーティ「くっ!」

 

 切歌の災輪・TぃN渦ぁBェルや調のヨーヨーを始めとした猛攻の前には今までの優勢とは一変し、劣勢に陥った。

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 フォニックゲインの変化も本部でモニタリングされていた。

 

あおい「調ちゃんと切歌ちゃんのフォニックゲイン、飛躍していきます!」

 

慎次「この出力でなら!」

 

 

 

海上

 

 ユニゾンによるフォニックゲインの飛躍によって切歌と調はロボの反乱以来の活躍をし、プレラーティを逆に追い込んでいた。

 

プレラーティ「うだつの上がらない詐欺師まがいだった私達に…完全な肉体と真の叡智、そして理想を授けてくれたのはサンジェルマンなワケダ!だから、彼女のために負けられないワケダ!」

 

カリオストロ「プレラーティ!」

 

 助けに行こうとしたカリオストロであったが、クリスと未来が妨害して来た。

 

プレラーティ「楽しいこと気持ちいいことだけでは理想にはたどり着けないワケダ!」

 

 勝負を着けるために切歌と調はジャンプし、互いの武器を合体させて放つユニゾン技、禁合β式・Zあ破刃惨無uうNNを発動させ、互いに手を握り合って突撃した。

 

プレラーティ「理想のために!!」

 

 対するプレラーティもけん玉で対抗したが、次第に押されていった。

 

プレラーティ「何ッ!?うわあああっ!!」

 

カリオストロ「!?ここまでにしてあげるわ!」

 

 プレラーティを助け、カリオストロは撤退した。その直後、氷河が海から出てきた。

 

未来「氷河さん!」

 

氷河「フジツボまみれで一つだけだが、愚者の石を見つけたぞ!」

 

 氷河の手には、フジツボがひっついていたものの、愚者の石が一つだけ握られていた。そして夕方…。

 

調「重ね合ったこの手は…」

 

切歌「絶対に話さないデス」

 

クリス「そういう事は家でやれ」

 

 施設には杳馬の襲撃に備えて紫龍が目立たない場所で待機していたが、戦いが終わって出てきた。

 

氷河「杳馬は出てこなかったな」

 

紫龍「だが、奴は愉快犯染みた男で神出鬼没だ。警戒しなければならない事に越した事はない。もっとも、俺達が錬金術師を倒しても装者達の成長に繋がらない」

 

氷河「確かに、今回の戦いを見ればそうだろうな」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 今回の勝利に発令所の面々も安心した。

 

慎次「やってくれましたね」

 

弦十郎「ああ、今日のところはな」

 

沙織「しかも、氷河は一つだけ海底から愚者の石を回収できたようです」

 

弦十郎「1個だけとはいえ、よく回収できた(ユニゾンは切歌君と調君の専売特許ではないからな。あの2人もできたとなれば……)」

 

 弦十郎が見ている過去のデータに、響と未来が初めてユニゾンを成功させたのを見て、何かを閃いたのであった。

 

 

ホテル

 

 水に浮かんでいるティキは目からホロスコープを映し出していた。

 

アダム「順調に行っているようだね、祭壇設置の儀式は」

 

サンジェルマン「はい。ですが、中枢制御の大祭壇設置に必要な生命エネルギーが不足しています」

 

アダム「じゃあ生贄を使えばいいんじゃないかな?あの2人のどちらかを…」

 

サンジェルマン「!?」

 

アダム「十分に足りるはずさ。祭壇設置の不足分だっていうんなら完全な肉体より練成される生命エネルギーならば…。2人がダメというのなら…あの女を使ってもいいんじゃないかな…?」

 

 その言葉にサンジェルマンは動揺した。

 

アダム「あの女の完全な肉体ならば、不足分を帳消しにできるどころか、おつりもたくさん出るはずだよ」

 

サンジェルマン「局長…あなたはどこまで人でなしなのか……!」

 

アダム「あの女への未練は捨てたんじゃなかったのかい?選択してもらおうか。君の正義を」

 

 

 

???

 

 一方、杳馬は別の場所でオートスコアラーを製造していた。

 

杳馬「んはははははっ!アダムのダンナが何のためにあの人形を作ったのかがわかっちゃったもんね~!サンジェルマンちゃん達でさえも知らない本当の理由が!」

 

 杳馬が作業している場所は、滅茶苦茶に破壊されてもう使われていない軍の基地であった。

 

杳馬「この世界の世界最悪のテロリストに滅ぼされた国にこんな宝物があるなんて!あれと神の力を組み込めば、例え神の力を打ち破ったとしても…!んふふふふっ!ぬはははははっ!!」

 

 そう、杳馬のいるもう使われていない軍の基地には核弾頭があった。

 

 




これで今回の話は終わりです。
今回は再びサンジェルマン達と装者達がぶつかり合うのと、愚者の石の捜索、そして切歌と調がユニゾンでプレラーティに勝利するのを描きました。
カリオストロとプレラーティはサンジェルマンのある寝言を聞いてしまいましたが、それがどのようになっていくのかはこれから描かれます。
そして、杳馬は何やら物騒なオートスコアラーを製造しているようです。
次はOTONAが直々に訓練をつける事となります。
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