マンション マミの部屋
翌朝、マミより先に謎の生き物が起きてマミを起こそうとした。
???「ジュジュベ、ジュジュベ」
マミ「うぅん……。誰…?1人暮らしの私を起こすのは……?」
起こされて寝ぼけているマミが見回すと、シャルロッテに似たぬいぐるみが動いている事に気付いた。
マミ「昨日、戦った魔女に似たぬいぐるみが動いている?あなた、私を食い殺そうとしているつもりね!結界を張らずにぬいぐるみを装い、油断した隙を突いて食い殺そうとする新しい手口を使う魔女が現れたなんて!」
マミは身構え、謎の生き物も身構えたが……。
???「マジョマジョ、カマンベール!マジョマジョ、カマンベール!」
マミ「……もしかして、一緒に朝ご飯を食べたいの?」
普通の人間からしたら何を言っているのかわからない謎の生き物だが、マミには何を言っているのかがわかり、一緒に朝ご飯を食べる事にした。
マミ「あなたはべべっていうのね。ただでさえ昨日はあなたに似た魔女に危うく食い殺されそうになったんだから、急に脅かさないでね」
べべ「ジュジュベ」
マミ「こうやって誰かと一緒に食事をするのって、何年ぶりかしらね。あれから、私は鹿目さん達と出会うまでずっと1人だったのだから……」
悲しそうな表情でマミは写真立てを見つめていた。
了子の家
響達が起きる前、了子は調べ物をしており、弦十郎が来た。
弦十郎「了子、何を調べてるんだ?」
了子「色々とね。マミちゃんの生還の理由とか、魔法少女と魔女の因果関係とか、色々と気になっちゃうの」
弦十郎「俺も色々とキュゥべえが気になっていたのさ。奴から生きている感じがしないし、色々と隠している事も多い予感もするからな」
了子「マミちゃん、魔女に食い殺されそうになって多少はメンタルに何かあるかも知れないから、休暇をとらせようと思っていたのよ」
弦十郎「休暇だって?」
了子「ほら、私達が魔法少女の存在を知るまではマミちゃんは1人で魔女から見滝原を護ってきたでしょ?だから、魔女退治を休ませて身も心もリフレッシュさせようと思ってるのよ」
弦十郎「確かにな。こういった事は本来、大人がやるべき事だ。だが、どうやって休みの日を過ごさせるんだ?」
了子「そこらへんに抜かりはないわ」
そう言って了子は眼鏡を光らせた。
見滝原中学校
その了子の計画は弦十郎を通してマミ達に伝えられた。
マミ「私に魔女退治を休めっていうのですか?」
弦十郎「そうだ。君は今までたった一人でよく頑張った。それに、この前、魔女に食い殺されそうになってメンタルが多少不安定になってるかも知れないと了子が言っててな」
マミ「でも、私が魔女退治をしなかったら…」
慎次「そこは響さん達や僕達にお任せして、マミさんはしっかり温泉旅館で身も心もリフレッシュしてきてください」
マミ「でも…」
今まで魔女退治をやってきたマミにとって、急に魔女退治を休めと言われてもそう簡単に受け入れられなかった。その話をまどかとさやかも聞いていた。
さやか「マミさん、しばらく魔女退治を休んで温泉旅館へ行くんですか?だったら、あたし達も行かせてください!」
まどか「さやかちゃんは温泉に入りたいんじゃ…」
さやか「てへへ、バレちゃった!?」
弦十郎「ああ、まどか君達もいいとも。マミの将来の後輩として、一緒に温泉に浸かっていいぞ!」
さやか「わかりました!ではマミさん、一緒に温泉に浸かって裸の付き合いでもしましょうよ!」
マミ「……もう、美樹さんってば……」
将来の後輩に押されてはマミも断り切れず、温泉旅館へ行くのを承諾したのであった。ちょうどその時にまどかはマミの鞄にべべが入っている事に気付いた。
まどか「マミさん、それって…この前の魔女じゃないのですか!?」
さやか「わわわわわっ!!食べられちゃう!!」
マミ「大丈夫よ、べべはいい子で私達を食べたりなんかしないわ」
べべ「コンテ、コンテ」
さやか「何を言ってるのかわかんないよ」
マミ「よろしく、って言ってるわ」
まどか「マミさんはべべの言ってる事がわかるんですか?」
マミ「ええ。まだ出会って間もないけど、あの子の言ってる事がわかっちゃうの」
さやか「そうなんですか、マミさん」
弦十郎「マミ君を支えてくれる同居人が見つかってよかったな」
温泉に一緒に行ける事を喜びべべであったが、まどかの肩に乗っているキュゥべえを警戒していた。
魔女の結界
弦十郎に言われてマミは魔女退治を休み、魔女退治は響達がやる事となった。
響「マミちゃんは当分の間、魔女退治を休むんですね?」
弦十郎「ああ。気持ちが不安定なまま魔女退治に向かわせるわけにはいかないからな」
未来「そうした方がいいと思います」
慎次「その間は僕達が魔女を何とかしないといけません」
クリス「だったら、さっさと魔女をぶっ飛ばしてやらねえとな!」
翼「いざ、推して参る!」
使い魔を蹴散らしていき、響達は結界の主の魔女と対峙した。暗闇の魔女、ズライカ。その性質は妄想。闇が深ければ深いほどその力は増す。完全な暗闇の中においてはほぼ無敵だが 灯りの多い現代ではそれほど恐れる魔女ではない。
翼「雪音と小日向の攻撃の後、私と立花、そして叔父様が攻撃を仕掛ける!」
クリス「喰らいやがれ!」
未来「やあっ!」
クリスはミサイルを発射する技、MEGA DETH PARTYを放ち、未来も高出力ビーム技、流星を放った。作戦ではその後に響達の攻撃が続くのであったが、クリスのミサイルでダメージを受けた直後に未来のビームでズライカはあっさり撃破されたのであった。
響「私達の出番、なくなっちゃった…」
翼「まさか、魔女にも神獣鏡の攻撃が有効だとは…」
弦十郎「不思議じゃないだろう。魔女は呪いから生まれた存在。魔を祓う神獣鏡は天敵ともいえるのではないか?」
その推測に響達は納得した。そして、グリーフシードを回収した際に魔女の結界は崩れたのであった。
了子の家
温泉旅館へ行く当日、了子の家にはとんでもない客が来ていた。
マリア「セレナ、いつの間に来たの!?」
セレナ「マリア姉さんがいなかったから、マリア姉さんは並行世界へ向かったと聞いて、私もこの世界に来たの」
マリア「私を追って並行世界まで来るなんて……」
切歌「セレナも一緒に旅館に連れて行くのデス!」
調「そうしよう」
セレナ「やったぁ!」
温泉旅館に魔女が現れた時に備えてマリア達も向かう事となったが、セレナも一緒に来る事になった。
まどかの家
そして、まどかは温泉旅館へ行く準備を整えていた。
詢子「それじゃあ了子、まどかの事を頼むわね」
了子「まっかせなかい!」
知久「それでは、行ってらっしゃい、まどか!」
まどか「行ってきます!」
まどかは了子の車に乗り、そのまま了子はさやかとマミを迎えに行った。その様子をほむらは見ていて、しかも洗面グッズを持っていたのであった。
車内
さやかとマミも車に乗せて温泉旅館へ向かっている了子だが、さやかはセレナの存在に気付いた。
さやか「やだ、この子!めっちゃ可愛い!」
セレナ「私はマリア姉さんの妹のセレナといいます。よろしくお願いします」
まどか「よろしくね、セレナちゃん!」
マミ「それにしても、マリアさんとセレナさんは下手をすると親子に見えるぐらい年齢が離れているように見えるわ」
マリア「そ、そうかしら?」
切歌「マミも年不相応な母性を持っているのデス!」
さやか「わかるわかる!制服を着ていない今の状態だと、下手をしたら大学生にも見えちゃうぐらいの雰囲気だよ!」
マミ「もう、美樹さんったら…!」
さやか「マリアさんも母性が半端じゃないから、ママリアというあだ名をつけたくなりそう!」
マリア「ママリアですって!?」
ふと、マリアはべべに気付いた。
マリア「あの時の魔女!?マミ、その魔女はすぐに」
マミ「大丈夫よ。べべはいい子で人を食べたりしないわ」
切歌「それはよかったのデス!」
調「私にも触らせて」
そんな中、マリアはある事に気付いた。
マリア「マミ、キュゥべえはどうしたの?」
マミ「用事があって旅館には行けないと言ってました」
了子「(用事ねえ。どうせあの胡散臭いウサギの事だし、何か悪い事でも企んでるに決まってるわ)」
騒がしくなる中、目的地の温泉旅館に到着した。
温泉旅館
温泉旅館に到着した事でさやかは浮かれていた。
さやか「うわあっ、ここの温泉にすぐ入りたいぐらいだ!」
了子「でしょ?それじゃ、入りましょうか!」
しかし、旅館へ入ろうとした際にある話し声が聞こえた。
???A「言い訳とかさせちゃダメっしょ稼いできた分は全額きっちり貢がせないと。女って馬鹿だからさ。ちょっと金持たせとくとすっぐ下らねぇことに使っちまうからねぇ」
???B「いや~ほんと女は人間扱いしちゃダメっすね。犬かなんかだと思って躾けないとね。アイツもそれで喜んでる訳だし、顔殴るぞって脅せば、まず大抵は黙りますもんね」
???A「けっ、ちょっと油断するとすぐ付け上がって籍入れたいとか言いだすからさぁ、甘やかすの禁物よ。ったくテメーみてーなキャバ嬢が10年後も同じ額稼げるかってーの。身の程弁えろってーんだ。なぁ?」
???B「捨てる時もさぁホントウザいっすよね。その辺ショウさん巧いから羨ましいっすよ。俺も見習わないと」
了子「ちょっとあなた達、女を人間扱いしないなんてどういう事かしらぁ?」
ホスト2人に了子はプレッシャーを感じられる言葉で威圧した。
ホストA「こ、これはついつい口走っただけで悪気はなくて…」
了子「これだけは言っておくわ。女から搾り取っているあなた達はいつか、女絡みの事で大変な目に遭うわよ」
ホストB「そ、それではさよなら~~!!」
了子の威圧感に恐れをなしたホスト2人は逃げて行った。
さやか「もう、あいつらは弦十郎先生達とは真逆の最低な大人ね!」
了子「そうね。まどかちゃん達もああいった大人にだけはなっちゃダメよ。さてと、お風呂に入りましょうか」
まどか達は温泉に入るため、脱衣所で服を脱いでいたが、マミの年不相応なグラマラスボディはまどかとさやかの視線を釘付けにするほどだった。
さやか「うわあっ…、マミさんの胸はボリュームが凄い…!」
マミ「美樹さん、そんないやらしい目で私の胸を見つめないで…!」
さやか「だって、女子中学生でマミさんほど胸が大きい人なんていないんですよ。ちょっと触らせてください」
マミ「ちょっと美樹さん!」
まどか「ダメだよ、さやかちゃん。マミさんが嫌がっているし…」
さやか「まどかだって本当はマミさんの胸を触りたいんでしょ?だったら、変に理性を優先させないで欲望のままに触っちゃえ!」
まどか「ちょっと待って!」
まどかの制止も聞かず、さやかはまどかの手を握って自分の手と共にマミの胸を触ったのであった。
マミ「ひゃん!」
さやか「やっぱりマミさんの胸はボリュームがあるし、柔らかくて最高だなぁ…」
まどか「(マミさんの胸、いつまでも触っていたいほど感触がいい…)」
さやか「マミさん、これ程の巨乳なら、クラスでも人気者かなぁ?」
マミ「胸が大きいのは自慢じゃないの。クラスのみんなにはからかわれたり、下着も大きめのを買わなきゃいけないし、色々と不便なのよ」
さやか「うっそだぁ!」
マミ「もう……」
未来の後輩2人に胸を触られてマミは表向きは嫌がりながらも、後輩に慕われているのがわかっているためにまどか達になら触られてもいいとまんざらでもない様子であった。まどかの方もさやかのようなやましい心はないものの、マミの胸の柔らかさと大きさにすっかり虜になっていた。ふと、さやかは温泉に入るために服を脱ぎ、豊満なナイスバディが露わになった了子やマリアにも目を向けていた。
さやか「マリアさんもマミさんぐらいの時から胸が大きかったんですか?」
マリア「私がマミぐらいの頃はそうでもなかったわ。7年間の間にここまでなったの」
さやか「なるほど…」
マリア「まぁ、胸の大きさをどう思うのかは本人次第よ。マミはあまり胸の事を言われるのが好きじゃないようだから、程々にね」
まどか「セレナちゃんは年齢はいくつなの?私達と同じぐらいかちょっと年下だと思うけど…」
セレナ「本来の年齢は20歳ですけど、コールドスリープで体と心の年齢は13歳です」
その言葉にまどか達は衝撃を受けた。
さやか「ええ~~~っ!?本当は20歳!?信じられない!!」
マミ「コールドスリープのせいでセレナさんはマリアさんと歳がだいぶ離れた姉妹のように見えたのね」
まどか「セレナちゃんも並行世界から来たの?」
セレナ「はい。私は元の世界のマリア姉さん達が亡くなって私だけが生き残った世界から来ました」
さやか「マリアさん達が死んで、セレナだけが生き残った世界!?」
まどか「じゃあ、マリアさん達がいる世界のセレナちゃんは…」
調「まどか達が思っている通りよ」
そこから先を言わなくても、まどか達には理解できていた。
了子「みんな、温泉に入るんじゃなかったの?」
切歌「あ、そうだったのデス!」
一同は温泉に入った。そんな中、べべはシンフォギアクリスタルに目を向けていた。
さやか「あ~、生き返る~~!」
まどか「さやかちゃん、言い方が女の子っぽくないよ」
さやか「だけど、温泉旅館なんて滅多に行けるものじゃないはずだよ」
まどか「了子さんも凄く綺麗だよね?」
さやか「うんうん。マリアさんもそうだけど、スタイル抜群でまさに大人の女性って感じ!そんな2人と混じっても違和感のないマミさんは凄いなぁ!」
マミ「そうかしら?私はあまりそういう実感が湧かないのだけど…」
さやか達の視点から見ればマミは大人の女性であるマリアと了子と傍にいても違和感がないように見えていた。
了子「せっかくの裸の付き合いだし、普段では言えない事を色々言ってみたら?もっと打ち解け合えるかも知れないわよ」
さやか「早速、そうさせていただきま~す!ねえねえ、切歌達の学校ってどういう学校なの?」
切歌「それはデスね…」
温泉で楽しく会話するさやかたちであった。
さやか「そうだ!せっかくだからマミさんに聞きたい事がありま~す!」
マミ「聞きたい事?」
さやか「マミさんって、どういう願い事で魔法少女になったんですか?」
その事を聞くと、雰囲気が変わり、マミは暗い表情になった。
まどか「やっぱり、何かよくない事だったのでしょうか…?」
マミ「いいのよ。もう過ぎた事だし、話すわね」
マミが自分の過去を話す事にマリア達も凝視した。
マミ「私も数年前まではちゃんとした家族がいたわ。その時はクラスメイトとも一緒に遊んだりしてて、1人ぼっちじゃない、普通の暮らしを送っていたわ。だけど…家族で帰りに飲食店で夕食をとろうとしていた時に交通事故に遭ったの。その時に私の両親は死んだわ…」
了子「やはりね」
調「やはりって、どういう事ですか?」
了子「私はこのニュースが報じられた際、状況を考えてもマミちゃんが単なる奇跡の生還をしたとは思えなかったのよ。今回の魔女の事件に遭遇してキュゥべえの契約とかを聞いた際、パズルが全てはまったの。マミちゃんが奇跡の生還を果たせたのは…」
マミ「了子さんの言う通り、その時にキュゥべえが現れて魔法少女との契約と引き換えに助かったのよ…」
両親を失い、孤独になったマミの過去に一同は言葉を失った。
マミ「そして、私は魔法少女として戦わなければならなくなって、友達との遊びの誘いも断らなければならなくなったの」
マリア「だから、まどかとさやかにはちゃんと考えて願い事をしてほしいと言ったのね?」
マミ「そうです」
まどか「マミさん、あの魔女と戦った時も言いましたけど、もう1人じゃないんです」
さやか「そうそう、あたし達もいるしさ!」
セレナ「私やマリア姉さん、暁さんと月読さんも親がいないけど、親代わりの人と一緒に家族の絆で結ばれているから1人じゃないんです。マミさんだって、そうじゃないですか」
マミ「みんな……」
まどか「マミさんの知らない事を知る事ができて、もっと打ち解けられた気がします」
さやか「あたし達も願い事を決めて魔法少女になるから、その時は頼みますよ、マミさん!」
一同の温かい態度と言葉にマミは涙を流した。そこへ、べべが来た。
べべ「べべ、ジュジュベ!」
マミ「べべも一緒なのはわかっているわ」
笑い合う一同であったが、突如として何かが刺さったような音がした。
調「何?」
音がした方を見ると、グリーフシードが刺さっていた。しかも点滅していたため、孵化直前であった。
切歌「グリーフシードデスと~~!?」
マミ「まずいわ!孵化しかかっている!」
孵化しかかっていたためにマミ達はそれをどうする事もできず、魔女の孵化と同時に結界に取り込まれた。
魔女の結界
その結界は、トンネルみたいな風景でスピードメーターがあちこちの浮かんでおり、見慣れない文字まである場所であった。
セレナ「マリア姉さん、ここって…」
マリア「魔女の結界よ!まさか、魔女がこんな温泉旅館で現れるなんて!」
急いでマリア達はバスタオルを体に巻いた。
まどか「あっ!マリアさん達はシンフォギアを脱衣所に置いたままだった!」
切歌「デデデース!!」
さやか「これじゃあ、戦えるのはマミさんしかいないよ!」
べべ「マジョマジョ、カマンベール!マジョマジョ、カマンベール!」
そんな時、べべはシンフォギアクリスタルを4つ見せた。
了子「シンフォギア…。まさか、あなたが持っていたの?」
べべ「べべ、ジュジュベ!」
マミ「偉いわ、べべ!」
調「気が利いてて、マミの相棒にうってつけ」
早速、マリア達はべべからシンフォギアクリスタルを受け取った。
マミ「みんな、行くわよ!」
マリア「Seilien coffin airget-lamh tron」
切歌「Zeios igalima raizen tron」
調「Various shul shagana tron」
セレナ「Seilien coffin airget-lamh tron」
マミはソウルジェムで変身し、マリア達はギアを纏った。そして、マミは非戦闘員のまどか達をリボンのバリアで覆った。
セレナ「マリア姉さん達のギア、3人の特徴がそれぞれ出てる!」
マリア「これは魔法少女ギアという、新しい心象変化のギアよ。マミ、セレナのギアも魔法で変えてあげて」
マミ「わかったわ」
そう言ってマミはセレナのギアは変化させた。すると、セレナのギアは妖精の羽が生えたオーソドックスな魔法少女の服装へ姿を変えた。
セレナ「わああっ、とっても可愛い!」
切歌「いかにもオーソドックスで本物の魔法少女みたいデス!」
マリア「感想はここまでにして、早く魔女と使い魔を倒すわよ!」
マリア達は魔女と使い魔の軍団と対峙した。銀の魔女ギーゼラ。その性質は自由。高速で移動する結界の中に潜んでいるが魔女自身は非常に愚鈍。残念ながら科学的な力は一切使えない。かつては全身目も眩むほどの銀色であったが、海岸線の夕日を眺めているうちにずいぶんと錆びてしまった。
マリア「行くわよ、みんな!」
使い魔達が襲い掛かったが、マリア達F.I.S組の装者の連携と心身共にリフレッシュしたマミの前には全く歯が立たず、ある使い魔は銃弾に撃ち抜かれ、ある使い魔は切り刻まれ、ある使い魔はべべの本体に捕食されて葬られていった。
マリア「あの魔女にそっくりなべべが味方というだけでも頼もしいわね」
マミ「私が食べられるのは嫌なのだけどね」
切歌「使い魔がいくらいたって、あたし達の敵ではないデス!」
調「残るは魔女だけ」
一同は魔女に視線を向けた。すると、錆びだらけの体だったギーゼラの錆がとれて銀色のバイクのような姿が露わになった。
マリア「これが魔女の真の姿…!」
そう言ってる間にギーゼラは突進を仕掛けた。一同は慌てて回避し、ローラーによる高速移動が可能な調がギーゼラとのスピード勝負を繰り広げた。
調「スピードなら負けない…!」
攻撃を仕掛けようとした矢先、ギーゼラに無数の銃弾が命中した。
調「何?」
???「私よ」
声の主はほむらであった。
調「ほむら…」
ほむら「まさか、温泉旅館に魔女が現れるなんて思ってなかったわ。まどかを護るために私も共に戦うわ」
マミ「暁美さん…」
さやか「転校生、また獲物を横取りしに来たな!?」
ほむら「今はそういう場合じゃないでしょ?もうこの際、一気に片付けるわ」
ほむらはバズーカを構えると、いつの間にか無数のバズーカの弾がギーゼラに命中した。
切歌「何が起こったのデスか!?」
セレナ「それより今は魔女を倒しましょう!」
切歌とセレナは動きが止まった魔女へ続けて攻撃を仕掛けた。
マミ「月読さん、魔女の動きを封じるわよ!」
調「うん!」
調は攻撃をかわしながら魔女に接近し、ヨーヨーで拘束した。
マミ「拘束は私の得意技よ!」
マミもリボンで拘束し、ギーゼラは身動きがとれなくなった。
マリア「マミ、一気に決めるわよ!」
マミ「ええ!」
マリアは左腕のアーマーを変化させ、マミは締めに使う銃を魔法でマリアの左腕のアーマーと合体変化させ、巨大なビームの大砲へと変えた。
マミとマリア「ホリゾン・フィナーレ!」
マミとマリアの合体技、ホリゾン・フィナーレが放たれ、凄まじい威力のビームがギーゼラを粉砕したのであった。
温泉旅館
そして、ギーゼラが撃破された事で魔女の結界は崩れ、元の露天風呂に戻った。そして、一同は変身を解除したのであったが、ほむらもバスタオル一枚だけであった。
マミ「ありがとう、明美さん。この前はあなたの教えようとしていた事を無視して危うく死にかかったから、謝るわ」
ほむら「別に。ただ、あなたが死んだらまどかが契約しそうになるからそうしただけよ」
まどか「ところで…ほむらちゃんも温泉を楽しみに来たの?」
まどかの言った事は正しく、ほむらの足元の持ってきた洗面グッズがあった。
ほむら「そうね。そして、まどかを護るためでもある」
さやか「ちょっとちょっと、あんたはまどかがいるところなら、どこでもついてくるストーカーなのか!?」
ほむら「ストーカーと言われても仕方ないわね」
さやか「って、あっさり認めてるし!」
切歌「ほむら、ストーカーは悪い事なのデスよ!」
調「下手したら、警察行き」
十代組は大いにはしゃぐ中、マリアと了子は考え事をしていた。
マリア「そういえばあのグリーフシード、なんであんなところにあったのかしら?」
了子「おかしいわね。マミちゃんが食い殺されそうになった魔女のグリーフシードもぽつんと病院にあった。これは単なる偶然とは思えないわ」
マリア「別の魔法少女が使い終わった後のグリーフシードをバラ撒いたとでもいうの?」
了子「そこは不明よ。この辺りに魔法少女がいるというのはまだ聞いてないし、マミちゃんはもちろん、ほむらちゃんも決して使い終わったグリーフシードをポイ捨てするような子とは思えない」
マリア「とすると…どこかにグリーフシードをバラ撒いている張本人がいるって事ね。でも、何のために孵化直前のグリーフシードを温泉旅館に置いていったのかしら?」
了子「そこはまだわからないわね(こんな場所に実質的に魔女を放ったなんて、敵は何を考えているの?もしかすると、真実を突き止めようとしている私の暗殺かしら?随分と厄介な黒幕に狙われちゃったわね)」
今回の魔女は黒幕が自分を暗殺するために放ったのが目的ではないかと推測する了子であった。そんな了子やマリア達をキュゥべえは気付かれないところから見つめていた。
キュゥべえ「暗殺は失敗か。思ったようにうまくいかないものだ」
そこへ、杳馬が現れた。
杳馬「キュゥべえのダンナ、櫻井了子の暗殺は失敗しちまったが、これからどうするんだ?」
キュゥべえ「また次の機会にするよ。それより、シンフォギア装者や大人達が厄介だ。マミとの絆も今回の件でより深まったし、どうやら君の見せた予知通りに彼女を呼び寄せる必要があるみたいだね」
杳馬「けど、応じてくれるのか?」
キュゥべえ「彼女を見滝原に呼び寄せる方法はいくらでもある。そのための口実も考えているよ」
杳馬「次は俺の見せた予知通りに行くよいいな」
キュゥべえ「そうだね」
手を組んでいる杳馬とキュゥべえであったが、杳馬はキュゥべえにわからないようにニヤッとした。
杳馬「(こいつ、ほんとつまんねえ野郎だな。感情もねえし、楽しむ事にも興味がねえし、生き物の癖に機械みたいな奴だ。ま、あんなつまんねえ奴でも使い道はあるか)」
そして翌朝、朝食を食べたマリア達は見滝原へ帰る事となった。
まどか「ほむらちゃんも一緒に朝ご飯を食べてよかったのに…」
さやか「あの転校生にはそう言っても無駄だよ」
マミ「2人とも、急かさないからしっかり願い事を考えて契約するのよ」
マミ達の様子を銀髪の小学生ぐらいの少女が見つめていた。
???「マミ、当分の間はよろしくなのです」
マミ「べべ、そろそろ帰るわよ!」
そう言ってると、べべがどこからともなくやってきた。
マミ「もう、勝手に出歩いちゃダメよ」
べべ「ジュジュベ!」
マリア「(マミ、今回の温泉旅館での経験で身も心もリフレッシュした上、まどか達とさらに距離を縮められたみたいね)」
了子「みんな、そろそろ帰るわよ!」
一同は車に乗り込み、見滝原へ帰った。
これで今回の話は終わりです。
今回は水着回の代わりにギャグとお色気が多い温泉回となっています。
この話のアイデア元となったのはピクシブのまどか達が温泉に浸かっているイラストが元ネタで、それを見てこの話を執筆したくなりました。今小説では響への一方的な憎悪が目立つほむらですが、今回はストーカーである事を認めたり、しれっと洗面グッズを持って温泉旅館に向かったりするなどのギャグキャラめいた事もしています。
なお、本編からしたらかなり前倒しされる形でホスト2人組が出ていますが、2人が逃げる際に了子が言った事は伏線になるかも知れません。
次の話はブラックジャックが並行世界を渡り、並行世界での患者第1号の手術を行う事となります。その患者第1号は誰なのかは自ずとわかるはずです。そして、本編とは違う願い事でさやかは契約する事となります。