セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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148話 黒い医者と3人の少女

S.O.N.G潜水艦

 

 一同が帰還して数日経過した。

 

弦十郎「今回の事件は下手をしたら並行世界絡みの事件では一番長い戦いだっただろうな……」

 

翼「そうかも知れません。何しろ、向こうの世界へ行く発端となったワルプルギスの夜はすぐには現れず、1か月後にようやく現れたのですから…」

 

マリア「それに、インキュベーターもかなりの詐欺師で、櫻井了子がいなかったら、翻弄されていたの違いないわ」

 

弦十郎「ところで、向こうの俺は了子君と結婚して体育教師をやってたそうだな」

 

翼「それが、どうしましたか?」

 

弦十郎「教師生活をしている向こうの俺の授業はさぞかし生徒達のためになる授業をやってるだろうな」

 

クリス「(そんな次元じゃねえけどな…)」

 

響「沙織さん、ブラックジャックさんは家にいますか?」

 

沙織「昨日の夜に手術の依頼が来て、早朝に見滝原へ向かいました。何の用があるのでしょうか?」

 

 見滝原という言葉を聞いた響達は驚いた。

 

切歌「見滝原デスと!?」

 

未来「そこ、並行世界で魔女との戦いを繰り広げた場所だよ!」

 

エルフナイン「こっちの世界にも見滝原市はありますよ」

 

沙織「患者は上条恭介という、天才バイオリニストです。交通事故の後遺症で左手を動かせなくなり、見滝原の病院の医師ではどうにもならないため、ブラックジャック先生が呼ばれました」

 

調「えっ!?向こうと全く同じ怪我をしてる!」

 

沙織「とすると、ブラックジャック先生が並行世界に向かったのは並行世界の上条恭介の手術で向かったのですね?」

 

響「はい」

 

 

 

病院

 

 そして、ブラックジャックはピノコと共に見滝原の病院に来た。

 

ピノコ「ちぇんちぇは並行世界ではこの病院の患者のしじゅつに来たの?」

 

ブラックジャック「ああ。まさか、この世界にも恭介がいた上、同じ症例で入院していたとはな」

 

ピノコ「治しぇるの?」

 

ブラックジャック「向こうでもできたから、今回もできる!」

 

 一方、この世界のさやかと仁美は早朝ではあったものの、恭介の病室にいて、いつものように恭介はCDをプレイヤーで聴いていた。

 

仁美「何を聞いてるのですか?」

 

恭介「…亜麻色の髪の乙女」

 

さやか「ああ、ドビュッシー?ステキな曲だよね。あ、あたし達ってほら、こんなだからさ、クラシックなんて聴くガラじゃないだろってみんなが思うみたいでさ。たまに曲名とか言い当てたらすっごい驚かれるんだよね!以外過ぎて尊敬されたりしてさー…恭介が教えてくれたから。でなきゃあたし、こういう音楽ちゃんと聴こうと思う機械、多分一生なかったと思うし…」

 

恭介「…さやかと志筑さんはさぁ…」

 

さやか「何?」

 

恭介「さやかと志筑さんはさぁ…、僕をいじめてるのかい?何で今でもまだ、僕に音楽なんか聴かせるんだ。嫌がらせのつもりなのか?」

 

さやか「だって恭介、音楽が好きだから…」

 

仁美「ご不満があるのですか?」

 

恭介「もう聴きたくないんだよ!自分で弾けもしない曲、ただ聴くだけなんて!!僕は…、僕は…!」

 

 並行世界の恭介と同じように苛立った恭介は左手をCDに振り下ろそうとしたが、病室に来たブラックジャックに止められた。

 

さやか「いつの間に!?」

 

恭介「放せ、放してよ!」

 

ブラックジャック「さっきのを止めなかったら痛い想いをしていたぞ」

 

恭介「動かないんだ…。もう、痛みさえ感じない。こんな手なんて…!」

 

さやか「大丈夫だよ。きっと、何とかなるよ!」

 

仁美「病院の先生方は凄腕の先生をお呼びするとおっしゃってました。諦めなければ」

 

恭介「誰が診たって結果は同じなんだ!僕の手はもう二度と動かない。奇跡か魔法でもない限り、治らない…!」

 

ブラックジャック「私に診せてみろ」

 

恭介「えっ…?」

 

ブラックジャック「診せてみろと言ったんだ、恭介」

 

さやか「何で、恭介の事を…?」

 

仁美「もしや、あなたは……!」

 

ピノコ「この病院の人に呼ばれてやってきたブラックジャックちぇんちぇなのよしゃ!」

 

 その後、診察が行われた。

 

医師「いかがでしょうか?」

 

恭介「どうせ僕の手なんか…」

 

ブラックジャック「いや、お前さんの手は治る!」

 

 並行世界の見滝原総合病院の医師達は最初はブラックジャックに不信感を持っていて反発したのだが、この世界の見滝原総合病院の医師達はどうにもならないためにブラックジャックを呼んだため、反発していなかった。

 

さやか「よかったじゃん、恭介!」

 

ブラックジャック「治療費は」

 

恭介の父親「3千万円、ですね?ブラックジャック先生を呼ぶと病院の先生方が話した後に用意しております」

 

ブラックジャック「それならば話が早い。直ちにオペを開始する!」

 

 そして、並行世界の時のように手術を開始し、1時間後に終了した。

 

さやか「ブラックジャック先生、手術は……?」

 

ブラックジャック「……成功だ」

 

 手術が成功した事にさやかと仁美、恭介の両親は喜んだ。

 

ブラックジャック「リハビリを重ねれば前のように弾けるようになる。そして、彼のリハビリが終わったら、私に彼が奏でるバイオリンの音色を聴かせてください。そうしてくれたら、1千万円値引きします」

 

恭介の母親「1千万円も!?」

 

恭介の父親「でしたら、恭介のリハビリが終わったら報告します。本当にありがとうございました!」

 

 手術が終わり、ブラックジャックは帰った。

 

 

 

車内

 

 そして、ブラックジャックはある場所へ向かっていた。

 

ピノコ「今度はどこに行くの?」

 

ブラックジャック「ちょっとな」

 

 

 

病院

 

 来た場所は、見滝原の病院とは別の病院であった。

 

ピノコ「しじゅつで来たの?」

 

ブラックジャック「いや、会いたい患者がいるんでな」

 

 病院の中を進んでいると、ある病室で入院している少女とその両親らしき大人がいた。

 

ブラックジャック「これは花寺さん一家じゃないですか。たけしさんもやすこさんもお元気そうですね」

 

たけし「ブラックジャック先生じゃないですか!」

 

やすこ「傍にいる子は子供さんですか?」

 

ピノコ「ピノコはちぇんちぇのおくたんなのよしゃ!」

 

やすこ「うふふっ、可愛い冗談を言う子ね

 

ピノコ「ほんとなのよしゃ!」

 

ブラックジャック「落ち着け、ピノコ。それよりのどか、あれからリハビリは順調なようだな」

 

のどか「病院の人やお父さんとお母さん、そしてブラックジャック先生のお陰です。あと数か月したら普通の生活を送れるようになるから、楽しみ!」

 

ブラックジャック「あと数か月か…。よく頑張ったな。それじゃ、私はこの辺で帰るから、退院したら存分に普通の生活を楽しむんだぞ」

 

 のどかの術後の経過が順調な事を確認したブラックジャックはピノコと共に帰った。

 

 

 

車内

 

 次はある場所へ向かっていた。

 

ピノコ「ちぇんちぇ、あの子とはいちゅ会ったの?」

 

ブラックジャック「そうだな……」

 

 

 

回想

 

 ある飲食店にいた時、ブラックジャックは花寺夫婦と出会った。

 

ブラックジャック『あれは数年前の事だった』

 

たけし「あの…この辺りでは見かけない人ですね」

 

ブラックジャック「はい」

 

やすこ「うっかりお食事券を必要以上に買い過ぎたせいで余ってしまったので、あなたに譲りましょうか?」

 

ブラックジャック「私に?」

 

やすこ「嫌…でしょうか?」

 

ブラックジャック「別に。せっかくだからもらっておこう」

 

 ブラックジャックは花寺夫婦の好意に応え、お食事券をもらって昼食をとった。

 

ブラックジャック「なぜ、お食事券を私に?」

 

やすこ「余っていたのもあったけど、あなたは何だか、いつも一人ぼっちで近寄りがたい雰囲気をしているから、構いたくなって」

 

ブラックジャック「もともと除け者扱いされる事が多いんで、慣れっこですよ」

 

たけし「そうだとしても、何だか放っておけなくてね」

 

ブラックジャック「これからどうする予定で?」

 

やすこ「食事がすんだら、娘のお見舞いに行く予定で」

 

ブラックジャック「何か、病か怪我で入院でも?」

 

たけし「娘は病弱で長い間、病院暮らしが続いている身なんです。よかったら、あなたも一緒にどうですか?」

 

ブラックジャック「今日は何も予定はないので、そうするか」

 

 そして、ブラックジャックは花寺夫婦と共にのどかの病室へ向かっていたが、慌てて看護師が駆け付けた。

 

看護師「花寺さん、大変です!のどかちゃんの容態が!」

 

やすこ「のどかが!?」

 

 慌てて病室へ駆け付けると、発作で苦しんでいるのどかの姿があった。

 

のどか「ううっ、うあああああっ!!」

 

たけし「のどか、しっかりするんだ!」

 

やすこ「私達がついているのよ!」

 

 冷静にブラックジャックはのどかの様子を見た。

 

ブラックジャック「患っている病は大病な上、かなりの重症だ」

 

看護師「手術は来週に入っているのですが、予想よりも病気の悪化が早かったようです」

 

ブラックジャック「この容態では直ちに手術する必要がある。今すぐに手術しなければ今日中に死ぬぞ!」

 

たけし「今すぐ手術って、あなたは一体…?」

 

 ふと、顔をよく見て気付いた。

 

やすこ「もしかしてあなた、仕事の同僚が噂してた凄腕の無免許医、ブラックジャック先生では…?」

 

ブラックジャック「いかにも」

 

たけし「だったら、すぐにのどかの手術をしていただけないでしょうか…?」

 

やすこ「何千万単位の治療費をとる事も存じています。分割になりますが、必ず」

 

ブラックジャック「いや、あなた達が昼食を私に奢ってくれたので、結構」

 

やすこ「では、無料でのどかの手術をしてくれるのですね!?」

 

ブラックジャック「今すぐオペの準備だ!」

 

 すぐにのどかは手術室へ運ばれ、ブラックジャックの手術が始まった。

 

たけし「まさか、お食事券を譲った相手がブラックジャック先生だったとは…!」

 

やすこ「あの人、噂とは大違いで優しい人だわ」

 

 手術開始からおよそ2時間ほどが経過し、ブラックジャックが出てきた。

 

やすこ「どうなんですか?」

 

ブラックジャック「手術は成功しました。ですが、退院して普通の生活を送るにはリハビリを初めとした色んな事をしないといけません。そこはお分かりですね?」

 

たけし「はい。この度はのどかを手術してくれて、ありがとうございます!」

 

 目を覚ましたのどかはブラックジャックを見つめていた。

 

のどか「お父さん、お母さん…」

 

やすこ「起きたのね、のどか」

 

のどか「あの黒い服の人、誰?」

 

たけし「のどかを救ってくれた命の恩人、ブラックジャック先生だ」

 

のどか「ブラックジャック…先生…。黒い服の…お医者さん……」

 

 のどかにとって、ブラックジャックは黒い服で目立つ事もあり、他の医師以上に特別な存在だと思っていた。

 

 

 

ピノコ「しょんな事があったの」

 

ブラックジャック「まさか、お食事券を譲ってもらえるとは思ってなかったからな」

 

ピノコ「ちぇんちぇ、これからどこに行くの?」

 

ブラックジャック「どこって、ピノコが自由に動けるようになってから初めて行ったあそこだぞ」

 

ピノコ「もしかして、しゃわいじゅみ!?」

 

ブラックジャック「ああ、そうだ。その前に、お前の好きなあそこのカフェにでも寄るか?」

 

ピノコ「あそこのジュース、おいちいのしゃ!」

 

 

 

カフェ

 

 旅館沢泉へ行く前にブラックジャックとピノコは平光アニマルクリニックの傍にあるカフェに来た。

 

女「ピノコちゃん、ジュースはどう?」

 

ピノコ「おいちい!」

 

???「またまたブラックジャック先生が来たの!?」

 

 声の主は学校から帰ってきた落ち着きのない女子中学生であった。

 

ブラックジャック「ひなたか。もう少し落ち着いたらどうだ?」

 

ひなた「落ち着いてなんかいられないよ!お兄じゃ手に負えない症状のペットが来た時はいっつもお世話になってるんだから!」

 

ブラックジャック「あのな、私の専門は人間で、動物は専門外だ」

 

ひなた「お兄やお姉から聞いたよ、ブラックジャックがすこやか市のある岬の診療所を開業した後の最初の患者はシャチだって!それって、動物も治せるって事じゃん!全然専門外じゃないよ!」

 

ブラックジャック「全く、あのテンションにはついていけん。お代は置いて行くので、また来ますよ」

 

 ブラックジャックはジュース代をひなたの姉、めいに渡し、沢泉へ向かった。

 

 

 

沢泉

 

 ブラックジャックとピノコは沢泉の前に来た。

 

ブラックジャック「ここへ来た時も波乱だったな…!」

 

 

 

回想

 

 ピノコがまともに動けるようになってブラックジャックの助手を務められるほどに医療知識を身に付けた後、ブラックジャックはひなたの兄、ようたに頼まれてあるお金持ちのペットの手術をしていた。手術が終わり、ブラックジャックは出てきた。

 

貴婦人「リチャードの手術は成功ザマス?」

 

ブラックジャック「…はい、あなたの愛犬の手術は成功です」

 

貴婦人「おお、よかったザマス!手術代の3千万円を受け取るザマス!」

 

 手術が終わった愛犬を貴婦人は抱き締め、手術代として3千万円をブラックジャックに渡した。

 

ようた「すみません、ブラックジャック先生。僕では手に負えなかったので、あなたに来てもらって…」

 

ブラックジャック「まあ、依頼人が金持ちだったので、専門外ではありましたが、引き受けましたけどね」

 

ようた「また手に負えない事態になったら、呼んでもいいでしょうか…?」

 

ブラックジャック「構わないが、私の条件を呑まないと引き受けはしないぞ」

 

 そんな時、ひなたが帰ってきた。

 

ひなた「お兄、その人って誰!?」

 

ようた「ブラックジャック先生で、世界一ともされる凄腕のお医者さんなんだ」

 

ひなた「世界一!?ちょー凄いじゃん!!お兄はその人をよく呼ぶ事ができたね。めっちゃ凄いよ!!」

 

ブラックジャック「(な、何なんだ……?このハイテンションぶりは……!)」

 

 ひなたのテンションにブラックジャックはドン引きしていた。カフェで休息した後、ブラックジャックはピノコと共に沢泉の前に来た。

 

ピノコ「ここって…?」

 

ブラックジャック「ここは旅館だ。温泉も湧いてるぞ」

 

ピノコ「おんしぇん!?ピノコもちゅかりたい!」

 

ブラックジャック「だが、お前は泳げないから、深いところへ行くんじゃないぞ」

 

 入ろうとすると、黒髪の少女が出てきた。

 

少女「ようこそ、沢泉へ!」

 

ブラックジャック「お前さんはこの旅館の若女将か?」

 

ちゆ「いえ、私は看板娘の沢泉ちゆといいます。若女将は母の方です」

 

ピノコ「早くおんしぇんにちゅかりたいのよしゃ!」

 

ちゆ「あの…この子は子供なのですか?」

 

ピノコ「ピノコはおくたんなの!」

 

ちゆ「奥さん…?と、とりあえずどうぞ」

 

 ピノコが奥さんと自称した事にちゆは戸惑いつつもブラックジャックとピノコを案内するために旅館に入れたが、そんな時に誰かが来た。

 

ちゆ「川井さん?」

 

川井「お嬢さん、若女将が!」

 

ちゆ「お母さんが!?」

 

 川井についていくと、倒れている上に苦しんでいるちゆの母、なおの姿があった。

 

なお「ううっ、ああああっ!!」

 

ちゆ「お母さん!」

 

 苦しんでいるなおの姿を見たブラックジャックはすぐに駆け寄り、なおを抱えた。

 

ブラックジャック「空いている部屋はあるか?」

 

川井「はい、空きの部屋はあります」

 

ブラックジャック「だったら、そこで診察を行う」

 

川井「あの、診察とかおっしゃったのですが、あなたは」

 

ブラックジャック「私は医者だ!」

 

ちゆ「医者!?」

 

 空いている客室でブラックジャックはなおの診察を行った。

 

川井「すみませんが、救急車を呼び、到着を待った方が」

 

ブラックジャック「それでは間に合わん!そうしている間に若女将は死ぬぞ!ここで手術する!」

 

ちゆ「死ぬって、あなたは一体」

 

 ふと、顔を見てちゆはある事に気付いた。

 

ちゆ「もしかして、あなたはあのブラックジャック先生なのでは…!?」

 

ブラックジャック「いかにも、そうだ」

 

川井「ブラックジャック先生といったら、凄腕ではあるが、途方もない治療費をとる医者だ!」

 

ちゆ「ブラックジャック先生、お母さんの手術費はいくら払えばいいのでしょうか?一括で払えない額であっても、分割で必ず支払います!」

 

ブラックジャック「本来ならば3千万、といいたいところだが、今回は私とピノコの宿泊代をタダって事にしておこう」

 

 あまりにも意外な言葉にちゆと川井は開いた口が塞がらなかった。

 

川井「宿泊代を……、タダ……?」

 

ちゆ「本当にそれで…いいんですか……?」

 

ブラックジャック「何だ?ちゃんと払わないと気が済まないのか?」

 

川井「いえ、あまりにも意外だったので…」

 

ちゆ「この事は他の人達にも伝えます。とにかく、すぐに手術をお願いします!」

 

ブラックジャック「ピノコ、無菌室の準備だ!」

 

ピノコ「アラマンチュ!」

 

 無菌室を展開した後、ブラックジャックはただちに手術に取り掛かった。ブラックジャックの手術の様子をちゆは無菌室の外から見ていた。

 

ちゆ「(凄い…、こんな場所で手術できるなんて…)」

 

 それから1時間後…。

 

ブラックジャック「よし、これで終わりだ」

 

ちゆ「もう終わったのですね?」

 

ブラックジャック「ああ。後は病院で安静にしてればいい」

 

川井「縫合の言葉を聞いた時に救急車の手配をしておきました」

 

ブラックジャック「助かりました」

 

 そして翌日、病院に運ばれたなおは目を覚ました。

 

なお「ここは…?」

 

ブラックジャック「病院ですよ、若女将。あなたは病で倒れ、泊まりに来た私がその場で手術し、病院に運ばれたんです」

 

なお「すみません、お客様に助けていただいて」

 

 特徴なブラックジャックの顔を見たなおは気付いた。

 

なお「もしや、あなたはあのブラックジャック先生なのでは?」

 

ちゆ「そうよ、お母さん。ブラックジャック先生がその場で手術してくれたおかげで助かったの。その日の宿泊代をタダにするという条件だったけど、ダメだったかしら…?」

 

なお「ダメじゃないわ。ブラックジャック先生が法外な手術費を請求するという話は既に耳にしていたから、宿泊代をタダにするだけで命が助かったと思えば、とっても安いものよ」

 

ちゆ「お母さん…」

 

ブラックジャック「旅館沢泉の温泉は最高でしたよ。手術の疲れが吹っ飛んで、気持ちもほぐれました」

 

ピノコ「とっても気持ちよかったのしゃ!」

 

なお「喜んでいただけて何よりです。あの、ちゆや他の従業員の方が怪我をしたり、病気になったりした時は手術を頼んでもいいでしょうか?」

 

ブラックジャック「いいですよ。その代わり、手術1回につき、宿泊代は1回タダというのでどうでしょうか?私もここの温泉が気に入りましたので、海外出張が終わった時とかには度々疲れを癒やしに来ますよ」

 

なお「はい、よろしいですよ」

 

 

 

 初めて来た時の事でブラックジャックは思い浸っていた。

 

ピノコ「ちぇんちぇ、おんしぇんにちゅかりたい!しゃいきん、ペットも入れるおんしぇんがあるって聞いたから、ラルゴも連れてきたのよ!」

 

 ピノコは旅館沢泉にペット湯ができたために、早速ラルゴを連れてきたのであった。

 

ラルゴ「クゥン…」

 

ブラックジャック「わかったわかった、行くぞ」

 

 ブラックジャックはピノコと共に旅館に入った。

 

なお「ようこそ、ブラックジャック先生」

 

ちゆ「ブラックジャック先生、またお泊りに来たのですね?しかも、犬まで飼っているなんて」

 

ブラックジャック「ピノコの強い要望で飼う事にしたのさ。では、料金を」

 

 ブラックジャックは料金を支払い、指定の部屋へ向かった。

 

ピノコ「おんちぇんおんちぇん!」

 

ブラックジャック「(今日は何かと縁のある1日だったな…。温泉にでも浸かって疲れを吹き飛ばした後、また励まないとな)」

 

 

 

???

 

 ある秘密の異世界では、ウサギとペンギン、猫が集まっていた。

 

ウサギ「ブラックジャック先生に会ってみたいラビ…」

 

ペンギン「テアティーヌ様はブラックジャックの事を人間界一のお医者さんで、素晴らしい医者だと褒めていたペン」

 

猫「ブラックジャックの名はヒーリングアニマルならだれもが知っているほど轟いているしな。どんな医者なのか、俺も一目だけでも見て、話をしてみたいぜ」

 

 ウサギ達が話をしながら見ている先には、女性の銅像の隣に本間丈太郎の銅像、そして女性の像を挟むようにもう一方の方にブラックジャックの銅像があった。そのブラックジャックの銅像を服を来た犬と子犬が見ていた。

 

子犬「アンアン!」

 

犬「ラテ、あなたはそんなにブラックジャック先生に会いたいのですか?」

 

ラテ「アン!」

 

犬「ブラックジャック先生、あなたは本当に素晴らしい医者です。今は亡きあなたの恩師、本間丈太郎先生の遺志を受け継いだ名医の中の名医ですから…」




これで今回の話は終わりです。
今回はブラックジャックメインの話で、元の世界の恭介の手術とヒーリングっどプリキュアの話の前日談的なものを描きました。
ヒーリングっどプリキュアが放送されてからまどかマギカの話の最後辺りにヒーリングっどプリキュアの前日談的な話をやろうと考えていて、それをやる事にしました。
ヒーリングっどプリキュアは医療をテーマにしてるのに医療漫画の元祖ともいえるブラックジャックとのコラボの絵がないと思っていたので、小説でブラックジャックとのどか達は過去に接点があったのを描いてみる事にしました。
ヒーリングっどプリキュアはまだ始まったばかりなので、ある程度進んでから話を執筆し、ある程度区切って執筆していく予定です。
これで歌と魔法の物語編は終わり、次は並行世界のサンジェルマン達が主役のアルケミックオーダー編になります。
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