セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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161話 明かされる清十郎の過去

すなおの家

 

 それから翌日、ちはると静香は目を覚ました。

 

ちはる「はっ!どこ!?」

 

静香「私達、どうしてここに!?」

 

翼「気がついたようだな、広江、時女。ここはすなおの家だ」

 

覇万「夫が世話になってるな。私は七井覇万だ」

 

ちはる「七井議員って…」

 

 目の前に覇万がいた事にちはるは驚いた。

 

ちはる「ええーーーっ!?今、とっても話題になっているカリスマ性溢れる女性議員の七井覇万さんがどうしてここに!?」

 

静香「その人、有名なの?」

 

ちはる「めっちゃ有名だよ!あの人が罵倒する際に言う『俗物』は子供からお年寄りまで様々な人に浸透したほどの影響力だから!」

 

静香「そうだったんだ…。ところで、そんな人がどうして?」

 

覇万「どうしても何も、悪鬼による特異災害を放っておくわけにはいかんだろう?それに、私は無能な老人共と違って現場へ行かねば気が済まないしな」

 

清十郎「ま、間に合ってよかったな」

 

ちはる「それにしても静香ちゃん、無事でよかったね!」

 

静香「そういうっていう事は、あれは本当に現実だったのね。水底に沈みかけたのも、ちゃるが浄化してくれたのも…」

 

 川底での出来事が現実である実感が湧かない静香はちはるの頬をつまんだ。

 

ちはる「いはい……」

 

調「そんな事しなくても、現実だよ。現にこうして生きてるんだし」

 

 そんな場へすなおが入ってきた。

 

静香「すなお」

 

ちはる「すなおちゃんだ!」

 

静香「じゃあ、すなおが助けてくれたんだね」

 

すなお「そう、ですね…」

 

ちはる「ありがとう!」

 

静香「私からもお礼を言うわ。ありがとう、すなお」

 

すなお「ええ…」

 

静香「何か様子が変よ、すなお…」

 

すなお「それは静香やちゃるも同じです。流されてくるなんて」

 

静香「それを言われると…」

 

すなお「……ごめんなさい、違うんです。私は助けていません…。助けたのは清十郎さん達で、私はむしろ、二人や清十郎さん達を殺そうとしていました…」

 

静香「は?何を言ってるの…?」

 

ちはる「…すなおちゃんが、私と静香ちゃんを…?」

 

翼「私達も殺そうとしたそうだ。土岐、お前の素性がどういったものか、はっきり教えてもらうぞ」

 

 一同は話をする事となった。

 

ちはる「さっき言ってた事、ほんと…?」

 

すなお「はい…。清十郎さん達が阻止しましたが、二人や清十郎さん達を殺そうとした事は事実です…」

 

ちはる「なんで、わけがわからないよ。それに、清十郎さん達を殺そうとしたのはいつなの?」

 

すなお「集落に来た初日の夜です。私には集落の意思に反する人を消す役割があります…。だから、殺そうとしていました。主に…ちゃるを…」

 

ちはる「私を…?」

 

調「やっぱり、すなおは暗殺者だったんだ…」

 

すなお「ちゃるが契約をためらって帰ると言い出せば…、神聖なユラユラサマを消そうと動くようであれば…、神社の神殿に深く近付こうとするのであれば…」

 

ちはる「!?」

 

すなお「川から静香と一緒に流れてきたのは想定外でしたが、神子柴様から聞いた条件を満たす状況は何度もありました。でも、ちゃるはその瞬間を逃れていた。静香や般若武者の介入をもってして…」

 

ちはる「(においがしなかったから気になったけど、般若武者って、ひょっとするといい人じゃ…)」

 

翼「土岐、お前がちはるを暗殺しようとしていたのはわかった。だが、なぜ私達まで?」

 

すなお「あなた達を殺そうとしたのは、神子柴様に『風鳴とそれに連なる家の者、そして風鳴に従う者は時女に災いを齎す者達。故に抹殺せよ』とおっしゃっていました…」

 

翼「風鳴が時女に災いを齎す…?」

 

調「風鳴に連なる家って…、まさか七井家は…」

 

覇万「そうだ、七井家は風鳴の分家にして、分家の中でも最も発言力を持っている家だ。といっても、一族の長たる風鳴訃堂が死んで風鳴本家が落ちぶれたのと同時に七井家が勢力を伸ばし、本家を差し置いて私の父上が風鳴一族の主導権を握る事になったがな」

 

静香「という事は…」

 

清十郎「そうだ。すなおは神子柴の手駒で、神子柴の意にそぐわん奴を殺す暗殺者だから、想定を外れるちはるとちはるを守ろうとする静香、そして神子柴が敵視している風鳴一族の翼や俺、風鳴の従者とみなされた調を狙った。って事だな」

 

すなお「はい…」

 

静香「あいつの犬だったなんて、信じたくない…」

 

すなお「でも、事実なんです…。私だって嫌でした。2人を友達だと思ってたから、傷つけたくなんてなかった。この集落に来た翼さん達の事はもっと歓迎したかった。でも、不測の事態は起きた…。ちゃるは何か不思議なにおいに敏感になってしまって般若武者が出没するようになった挙句、静香はちゃるを守ろうとして、神子柴様を警戒させてしまった…」

 

ちはる「でも、殺さなかったよ」

 

清十郎「そりゃ、俺達が介入して暗殺を阻止したからな」

 

ちはる「だけど、すなおちゃんは私達を川から引き揚げて助けてくれた」

 

静香「それはどうして?」

 

すなお「清十郎さん達に阻止された直後、川で静香が口にした言葉が、殺そうという意思を消してしまったからです…」

 

静香「私が何って?」

 

清十郎「お前は覚えてないだろうが、『私も、水底の躯に』って言ってたからな」

 

静香「その言葉がすなおを止めたのはどういうわけ…?」

 

すなお「…私は清十郎さんの言う通り手駒です。自分について知っているのは日ノ本や人々の役に立つ事と、集落を脅かす事態に対処するという事だけ。自分が巫として戦った果てにどうなるかは知りませんでした…。いえ、疑問があっても考えないようにしていたんです…」

 

ちはる「疑問?」

 

すなお「はい…。巫がいずれ外に出る事は私も知っていました。でも、集落の外に住みながら…最も近い村に住みながら、私は他の巫を見た事がありませんでした…」

 

清十郎「そりゃあ、当然だ。あのババアは掟に背く奴だけでなく、掟を守っている奴でも自分にとって都合が悪ければ殺す最低最悪の屑野郎なのだからな」

 

翼「(七井さんの神子柴への憎悪、よほど抑え込んでいたのか…)」

 

 神子柴をババアと吐き捨てる清十郎に翼は強い憎悪を感じていた。

 

静香「そこで、私の言葉…」

 

すなお「はい、嫌な姿が一瞬、脳裏をよぎったんです…。外に出た人はみんな…水底の骸になっているのでは…」

 

調「それが、静香たちを殺すのをやめた理由…」

 

すなお「はい、何があったのか、その口から聞くために…」

 

静香「じゃあ、次は私が話すべきね…。裳着の儀式で聞いた事を…」

 

ちはる「それって、私が見てたやつ…?」

 

静香「うん、神子柴は臆面もなく、私にこう言ったのよ…」

 

 

 

回想

 

 それは、裳着の儀式での事だった。

 

神子柴「旅立つお前さんに真実を教えよう」

 

静香「真実、ですか?」

 

神子柴「さよう、お主ら巫についての真実じゃ」

 

静香「教えてください」

 

神子柴「巫とは、悪鬼を打ち砕く存在」

 

静香「はい」

 

神子柴「それであると同時に将来、悪鬼となる存在でもある」

 

静香「!?え、それはつまり…」

 

神子柴「言葉のままじゃ。お主らは将来悪鬼となる」

 

静香「そんな、ご冗談ですよね…?それが本当なら、どうしてそんな大切な事を」

 

神子柴「このような過酷な話、易々とできるはずがなかろう」

 

静香「…母様と村のみんなはそれを知ってるの?知ってて、私達を巫に?」

 

神子柴「知っておるのはワシら神官と舞人に限られておる話じゃよ」

 

静香「意味がわからない…。悪鬼を打ち砕く私達が悪鬼になるとするなら、いたちごっこよ。私達が巫になる意味がない」

 

神子柴「じゃが、日ノ本を救うための願いを叶える事ができる」

 

静香「!?じゃあ、その後の私達は…!?」

 

神子柴「出がらしじゃ」

 

静香「……ひどすぎる…。私達は文字通り、魂を献げただけじゃない…!」

 

神子柴「その通り」

 

静香「……そっか…ちがう…。泣くところじゃないわ…!私が文字通り、日ノ本に魂を献げたのなら…私の矜持は守れる…!たとえ悪鬼になったとしても、為し得た事だけは潰えない。それを誇りにして、いつか堕ちるまで戦える…!この真実を知って耐える事が、最後の儀式だったんですね…」

 

神子柴「違う」

 

静香「!?なら、どうしてこんな真実を!」

 

神子柴「お主はそこまで時を経たずして悪鬼になる。なぜなら、その宝石の輝きが失われる事が条件じゃからな」

 

静香「……待って…。成人になる儀式って何…?」

 

神子柴「願いを叶え、集落を守った巫を捨てて悪鬼とする事じゃ。集落から出る巫はおらぬ。そして…お主はワシが闇に葬ったはずの時女一心流裏奥義を会得してしまったのじゃからな」

 

静香「時女一心流…裏奥義…?」

 

神子柴「お主に裏奥義を教えた清十郎がなぜ時女一心流の裏奥義までも扱えるのかはわからん。じゃが、九頭蛇閃を会得したとなれば、最終奥義の龍閃天翔までも会得しておるはず。大君家の者を皆殺しにしてようやくワシが闇に葬った裏奥義を復活させ、会得した者を生かしておくわけにはいかん」

 

静香「!?神子柴ーーー!!」

 

神子柴「すまんのぉ…」

 

 神子柴は静香を川に突き落とした。

 

神子柴「滝つぼに飲まれ…もだえ苦しみ…次なる巫の肉となれ」

 

 

 

静香「これが私の聞いた全て…。あなたが知りたい事は教えたわよ、すなお。危惧していた通り、誰も外になんて出ていない。みんな水底から出られないでいるわ…。聞いたからもう…殺す?」

 

すなお「…殺したくない。すべてを隠されたまま駒でいるのも嫌…」

 

静香「じゃあ、私達と一緒に」

 

すなお「だけど、パパとママが神子柴に殺されるかも知れない!」

 

翼「なるほど、土岐は両親を人質にとられていて、暗殺者にならざるを得なかったのか…」

 

すなお「だから私には、殺す相手を選ぶしかなかったの…。静香とちゃる達か…パパとママか…。神子柴の急所を突けないかって、住み込んで探ってもみた…。何か書類はないか、通帳はどこかにないか、何でも脅し返すための材料を見つけようとはした…。でも、何も見つからなくて…」」

 

覇万「すなおもただ従っているだけでなく、どうにかしようとしていたのか…。だが、両親の件については心配無用だ。こんな事もあろうかと、翼の仲間を護衛につける事にしたのだからな」

 

ちはる「護衛…?」

 

 護衛は自分達ですというかのように、星矢と紫龍が入ってきた。

 

翼「星矢、紫龍!」

 

星矢「1週間以上戻ってこなかったから、来たぞ」

 

すなお「この2人が、パパとママの護衛…?」

 

覇万「そうだ。実力もかなりのものだから、悪鬼の子分はおろか、悪鬼さえも敵にならん」

 

紫龍「事情は覇万から聞いた。お前の両親が実質的な人質になっているのであれば、俺達が護衛についてお前を安心させよう」

 

すなお「私は殺そうとしたのに、私のためにここまでしてくれるなんて…」

 

弦十郎「それが、友達や大人の役目なのだからな」

 

 暗殺しようとした翼達は自分を冷たい視線で見るどころか、逆に力になってくれる事にすなおは涙を流したのであった。

 

清十郎「すなお、お前は優しいから、人を殺す時はいつも泣くほど辛かったよな…」

 

すなお「清十郎さん、あなたと会ったのは翼さん達と一緒に時では…?」

 

翼「時女達は七井さんについて色々と疑問に思っている事が多いだろう。今から、七井さんがそれについて教えてくれる」

 

静香「そう言えば、清十郎さんは時女の集落の事をよく知ってたし、神子柴が言ってた時女一心流裏奥義を使える。あなたは一体、何者なの?」

 

清十郎「俺が時女の集落の事をよく知っていたり、時女一心流を使えるのは…俺も時女一族の人間だからだ」

 

 清十郎が時女一族の人間だとわかり、静香たちは衝撃を受けていた。

 

ちはる「ええーーーーっ!?」

 

すなお「清十郎さんが…時女一族…?」

 

静香「確か、七井家は風鳴の分家って言ってたはず。なのに、清十郎さんが時女の人間だなんて…」

 

調「そこは私達も初めて聞いた時は驚いたけど、清十郎さんは婿養子で七井家に嫁いだって」

 

静香「じゃあ、本当の名前は…」

 

清十郎「七井清十郎は素性を隠すための名。俺の本当の名前は大君昴。時女の集落で外の情報を仕入れたりして本家の補佐をしていた分家の筆頭、大君家の跡取り息子だ」

 

 清十郎の本当の名前は昴、名字は大君である事に静香たちはまたしても衝撃を受けた。

 

静香「だ、大君家って言ったら、事故で一家そろって死んだって母様から聞いたけど…」

 

清十郎「あれは神子柴がついた嘘だ。本当は俺の両親や妹のせいらはあのクソババアに殺されたんだからな。これが、神子柴に家族を殺される前に撮った写真だ」

 

 清十郎が見せた写真には今とは似ても似つかないほどの中性的な見た目の少年と髪型は静香に、顔と髪の色はすなおに似た少女が写っていた。

 

翼「これが、少年時代の清十郎さん…」

 

調「今と違って背は高いけどマッチョじゃないし、割と中性的…」

 

ちはる「清十郎さんの妹のせいらちゃん、何だか静香ちゃんとすなおちゃんを合わせたような顔と髪型をしてるよ!」

 

すなお「ほんとですね…」

 

清十郎「ちなみに、性格は割とちはるに似てたぞ」

 

ちはる「私に!?」

 

静香「写真に写っている清十郎さんの両親と妹さんが、神子柴に…」

 

清十郎「あれは、俺が静香たちぐらいの時の頃だ…」

 

 

 

回想

 

 中学生ぐらいの頃の昴は時女の集落で暮らして、妹のせいらに時女一心流を教えつつ、己の腕も磨いていた。

 

清十郎『俺は子供の頃から剣術において、集落では誰も敵わないほどの天才だった。そんな俺の楽しみは自分の剣術の腕を磨きつつ、巫になって日ノ本を平和にしたいのが夢である妹のせいらを鍛え上げて最強の巫にする事だった』

 

昴「せいら、こんなものでは巫になっても悪鬼には勝てないぞ!」

 

せいら「うん、まだ私はいけるよ!お兄ちゃんの指導はとっても勉強になるから!」

 

 昴の指導は厳しいものだったが、せいらにとっては自分の夢を実現させるためであり、厳しい指導は兄の深い愛情でもある事がわかっていたために辛いとは思わず、兄の期待に応えて剣術の腕を磨いていた。そんなある日の事…。

 

せいら「お兄ちゃん、本当に巫は外へ出て行くのかな?」

 

昴「知るかよ、そんな事。ただ、親父とおふくろは神子柴に疑念を抱いてて、信用するなと言ってたしな」

 

せいら「だったら、ちょうど今日は裳着の儀式があるから、見に行こうよ」

 

昴「そうだな…。ま、どういったのか俺も興味があったし、盗み見してもバレなきゃ大丈夫だろうしな」

 

 せいらと共に裳着の儀式を見に行く事にした昴であったが、2人は恐ろしい光景を目の当たりにしてしまった。

 

神子柴「すまんのぉ…」

 

 そう言って神子柴は巫を川に突き落とした。

 

せいら「お、お兄ちゃん…」

 

昴「こ、これが裳着の儀式だって…?急いで親父たちに伝えないと!」

 

 裳着の儀式を目の当たりにした2人は急いでその場を離れたが、神子柴は昴兄妹が隠れていた方へ視線を向けた。

 

 家に帰ってきた昴兄妹は裳着の儀式の様子を両親に伝えた。

 

昴の母「何ですって!?」

 

昴の父「神子柴は怪しいと思っていたが、巫を殺し、悪鬼に変えていたとは…!昴、お前はせいらと共に我が家の家宝の刀と秘伝書とCDを持って集落から逃げなさい!」

 

 昴の父親は昴に刀と秘伝書、CD入りのCDケースを持たせた。

 

昴「これは…?」

 

昴の母「これは、時女一心流裏奥義が書いてある秘伝書よ」

 

昴の父「以前から神子柴に疑念を持っていて、不在の時の隙を突いて秘伝書を盗み出し、そのついでである闇取引の証拠となるデータもCDにコピーした。集落から逃げたら、私達と家族ぐるみでの付き合いがある七井家にお世話になるんだ」

 

せいら「でも、お父さんとお母さんは…?」

 

昴の母「私達はあなた達を逃がすための囮になるわ!」

 

昴の父「神子柴に疑念を抱いた時から、いつか殺されるのではないかと思っていたんだ。一家皆殺しにされるぐらいなら、お前達だけでも逃げて生き延びてほしい!」

 

せいら「嫌だ!お父さんやお母さんと一緒に逃げたい!」

 

 親と一緒に逃げたいというせいらに対し、親の意を汲んだ昴は手を引いた。

 

昴「せいら、俺達だけでも逃げるぞ!」

 

せいら「お兄ちゃん、お兄ちゃんはお父さんとお母さんを見捨てる気なの!?」

 

昴「俺だって本当は一家そろって逃げたいさ!けどな、みんな神子柴に殺されたら元も子もないじゃないか!」

 

せいら「お兄ちゃん…」

 

昴の父「その通りだ、昴。新しい時代を作るのは老人ではない、未来ある子供のお前達なんだ!」

 

昴の母「せいら、あなたは久兵衛様に巫にしてもらってから昴と一緒に逃げるのよ!あなた達が生きてくれれば、いつかはこの集落の闇を駆逐できる時が来るのだから…!」

 

せいら「お父さん…、お母さん…」

 

昴「……親父とおふくろから託されたものを無駄にするな。行くぞ、せいら…!」

 

 せいらも決心し、昴と一緒に逃げた。そして、せいらはキュゥべえと契約し、巫になったのであった。

 

せいら「これが、巫…」

 

昴「よし、準備は整った!急いで集落を出るぞ!」

 

 自分達を逃がすために囮となった両親の犠牲を無駄にしないため、急いで逃げる昴兄妹であったが、逃げている最中に悪鬼と複数の悪鬼の手下が現れ、囲まれたのであった。

 

昴「しまった、追いつかれたか!」

 

舞人「あなた達は知ってはいけない事を知り過ぎてしまった。抵抗しなければ、先に逝ったご両親にお会いできますわよ」

 

昴「そんな手に乗るか!俺達の両親は俺達に希望を託し、逃がしてくれたんだ!」

 

舞人「そうですか…。なら、苦しんで死んでもらうしかないですね!」

 

 悪鬼の手下達と悪鬼が襲い掛かってせいらが応戦したものの、巫になったばかりで悪鬼との戦闘経験がなく、固有魔法が強固な結界でまだ応用もできないせいらは苦戦していた。

 

せいら「これが悪鬼と悪鬼の手下…。怖いし強い…。でも、お兄ちゃんを守らないと…!」

 

 悪鬼と悪鬼の手下達の強さと恐怖に怯えるせいらは勇気を出して応戦していたが、見ていられない昴は木刀で助けに入った。

 

昴「兄である俺がせいらを守らないでどうするんだ!」

 

 昴が助けに入っても数が多いが故に苦戦し、その隙を突かれて悪鬼の攻撃が迫った。

 

昴「しまっ…」

 

 しかし、せいらが庇い、普通の人間であれば致命傷の傷を負った。

 

昴「せいら!」

 

せいら「お兄…ちゃん……。私、もうダメ…。だから…お兄ちゃんだけでも逃げて…」

 

昴「何を言ってるんだ!?お前も一緒に逃げろって言われたじゃねえか!」

 

せいら「だけど、私はもうダメなの…。私の全ての力をこの家宝の守り刀に入れるわ…。例え私は死んでも、私の力を全て注いだ刀がお兄ちゃんを守るから……」

 

 もう自分はここまでだと察したせいらは全魔力を家宝の守り刀に注いだ。注ぎ終わった直後、悪鬼の攻撃でソウルジェムが砕け、せいらは死亡した。

 

昴「せいら…、せいら~~~~っ!!」

 

 攻撃の余波で昴は守り刀と秘伝書、CDを持ったまま川へと落っこちた。

 

舞人「これで逃げた大君家の子供二人の始末も終わった。後はこの事を神子柴様に報告するだけね」

 

 昴とせいらの始末が終わったと判断した舞人は集落へ帰った。しかし、昴は守り刀の結界に守られ、生きたまま川に流されていた。

 

 

 

清十郎「それから、俺は何とか刀の結界によって生き延び、七井家にお世話になる事となった」

 

すなお「清十郎さんの家族はみんな殺されたなんて…。でも、どうして七井清十郎って名乗ったのですか?」

 

清十郎「決まってるだろう?神子柴に狙われないようにするためさ」

 

覇万「そもそも、清十郎という名は神子柴から素性を隠すため、偶然同じ日に事故で死んだ私の婚約者であり、清十郎と瓜二つの容姿であった本物の七井清十郎と入れ替わる形で七井清十郎と名乗っているのだからな」

 

ちはる「入れ替わってたなんて…」

 

調「それを聞いた時、私はどこかロボットアニメに出てくる仮面の人の過去ににてると思ってた」

 

静香「清十郎さん、あの刀は…」

 

清十郎「そう、この刀は我が家の家宝の哲学兵装であり、妹のせいらの力と遺志が込められた形見でもあるんだ…」

 

 清十郎の使っている刀が家宝であり、妹の形見である事に静香たちは言葉を失った。

 

静香「だとすると、刃こぼれがないのは…」

 

清十郎「せいらが注いだ力と哲学兵装と化した刀の相乗効果による強固な結界によるコーティングだ。俺が静香と翼に教えた時女一心流最終奥義、龍閃天翔を受けた際、俺が無傷で吹っ飛ばされたのも、俺の意思とは無関係に刀に宿るせいらの意思で張られた結界で守られていたからだ」

 

静香「時女一心流最終奥義、龍閃天翔…。清十郎さんが授けてくれた秘策が、最終奥義…?あれ?あなたが龍閃天翔を受けたって…どういう事?」

 

翼「ネタばらしをしよう。あの般若武者の正体は七井さんだったんだ」

 

 今まで出没していた般若武者の正体が清十郎だと知り、静香たちは凄い衝撃を受けた。

 

ちはる「ええ~~~っ!?清十郎さんが般若武者!?」

 

静香「何のために般若武者として私達を襲っていたの!?」

 

清十郎「そりゃあ、すなおにこれ以上、人殺しをさせないためと、来たるべき日に備え、お前達を鍛えるためだ」

 

すなお「人殺しをさせないため…?そう言えば、私が巫になってから般若武者が現れた…」

 

覇万「私がヤクザを更生させてから、その1人に指示を出して時女の集落の様子を見張らせていたのだ」

 

清十郎「それで、すなおや静香が心配になった俺は般若の面を被り、ある時はすなおの暗殺を妨害し、ある時は鍛え、ある時は助けに入ってお前達を支えていたのさ」

 

静香「私達のために…」

 

調「まるで、清十郎さんは静香たちの師匠みたいだね」

 

静香「ええ、そうね」

 

ちはる「ちょっと、哲学兵装って何?わけわかんないんだけど」

 

翼「広江達は初めて聞いたから簡単に説明するが、長年に渡る迷信や噂などのせいで力を持った呪いのアイテムだと思えばいい」

 

すなお「噂などで力を持った呪いのアイテム…」

 

ちはる「それって、ヤバイんじゃ…?」

 

清十郎「安心しろ。この守りの刀は戦国時代に偶然戦場で武士が持っていた刀によって銃弾が急所に当たらずに生還した結果、持っていると守ってくれる刀という噂によって誕生した、結界を張る力を持つ刀だ。ムラマサなんかに比べればめっちゃ安全だぞ」

 

ちはる「な~んだ、それなら安心だよ」

 

翼「そして、妹の魔力が注がれ、妹の意思を持つ上により強力な結界を張れる異能の刀になるとは…」

 

清十郎「せいらの魔力だけではこうはならなかっただろう。きっと、『お兄ちゃんを守りたい』というせいらの強い想いがそれを実現させたのだろうな…」

 

 そう言って、清十郎は守り刀を見つめた。

 

静香「その後、清十郎さんは覇万さんの家にお世話になってから、時女一心流裏奥義習得の修業に入ったのですね?」

 

清十郎「ああ。親父と知り合いの剣術道場の師範の助けも借りてな」

 

 

 

回想

 

 七井家にお世話になる事となってから、清十郎は乱場道場の師範に裏奥義習得の協力を依頼する事にしたが…。

 

清十郎「何で親父に頼まれたのに協力しないんだ!?」

 

師範「確かに、裏奥義会得の協力をしてほしいと君の父親に頼まれた。だが、今の君に裏奥義を習得させるわけにはいかない」

 

清十郎「俺は神子柴が憎い!あのババアと舞人を皆殺しにして、家族の仇をとるために裏奥義が必要なんだ!」

 

師範「復讐の事しか頭にないのなら、尚更会得させるわけにはいかん。復讐を終えた後の事を考えろ」

 

 そう言って、師範は裏奥義習得に協力しようとしなかった。

 

 師範が協力してくれない事で清十郎は雨の中、公園で不貞腐れていた。そこへ、高校の同級生で、お金持ちの家の御曹司であり、かなりの美形でクラスでも人気者の正人が来た。

 

清十郎「猿尾正人か…」

 

正人「清十郎、何を不貞腐れているんだい?といっても、高校入学当初から近寄りがたかったけど…」

 

清十郎「道場の師範が『復讐を終えた後の事を考えろ』って言って、剣術の会得を手伝ってくれないからさ…」

 

正人「復讐か…。師範の言っている事は正しいと思うよ。復讐を成し遂げたって、残るのは虚しさだけなんだから…」

 

清十郎「じゃあ、俺に復讐を諦めろっていうのか!?」

 

正人「違う違う!僕は復讐を諦めろって言ってるんじゃなくて、その師範の言う通り、『復讐を終えた後の事』を考えるのが大切だって言いたかったんだ」

 

清十郎「復讐を終えた後の事か…。言われてみたら、俺は家族を殺されてから、復讐の事しか考えてなかった…」

 

 正人の言葉で清十郎は頭が冷え、自分が復讐の事しか考えていない事に気付いた。そして、父親の言葉も思い出した。

 

清十郎「決めたぞ!親父が逃した際に言った、新しい時代を作る未来ある子供達を1人でも多く守る!それが、復讐より大切な俺の戦いだ!ありがとな、正人?」

 

正人「えっ?僕はそんな風には…」

 

 未来ある子供達を守るという、復讐より大切な戦いを決めた清十郎は師範の元へ来た。

 

師範「なるほど、未来ある子供達を守るのが君に決めた戦いか。よかろう、裏奥義会得に協力するとしよう!」

 

 そして、秘伝書に書かれている裏奥義会得の修業が始まった。

 

清十郎『それから、俺は裏奥義習得に入った。だが、一度途絶えた奥義を会得するのはとても困難だった。壁にブチ当たって悩んでいる時、俺は愛読している漫画の剣術が時女一心流裏奥義と非常に似ている事に気付き、漫画の剣術を参考にして次々と裏奥義を会得していった』

 

 元々の天才ぶりもあり、清十郎は1年ほどで裏奥義をほとんど会得し、最終奥義会得も目前に迫っていた。

 

師範「漫画通りに私は真剣を使うぞ。1歩でも間違えれば、君は死んでしまうが覚悟はいいか!?」

 

清十郎「ああ、俺はとっくにできてるぞ!」

 

師範「では…行くぞ!」

 

 師範は真剣で九頭蛇閃を放った。清十郎の方は生と死の狭間の境地に達し、龍閃天翔で師範の九頭蛇閃を打ち破った。

 

師範「ぬおおおおっ!!」

 

 清十郎が使ったのは竹刀であったものの、それでも師範を大きく吹っ飛ばす威力であった。

 

師範「み、見事だ…。君は晴れて、時女一心流免許皆伝となった…」

 

覇万「清十郎、1年で裏奥義を全て会得するなんて、正真正銘の天才よ!」

 

清十郎「これも俺の天才ぶりだけでなく、覇万達の支えや師範の協力あって…、ううっ、うわあああっ!!」

 

 ところが、清十郎は苦しみだした。

 

覇万「どうしたの?清十郎!」

 

師範「いかん、病院へ連れてゆくぞ!」

 

清十郎『だが、裏奥義を会得しても現実は甘くなかった』

 

 清十郎は正人の姉で、美人ではあるが病院内ではいつも特徴的なマスクを着用している医師の猿尾恵に診てもらった。

 

恵「これは、あなたが会得した時女一心流裏奥義とかいう技による負荷の蓄積によるものよ」

 

清十郎「裏奥義の負荷の蓄積だと!?」

 

恵「時女一心流裏奥義という技、あなたの愛読している漫画に出てくる飛翔御剣流に非常によく似ているのよ。恵まれた体格に鍛え抜かれた筋肉の鎧を纏って使う、超人の剣術。清十郎は体格は恵まれているけど、筋肉は一般人並だから裏奥義会得の際に大きな負荷が身体に蓄積してしまい、最終奥義の会得で限界に達してしまってこのような状態になったのよ」

 

覇万「裏奥義の大きな負荷だと!?」

 

清十郎「じゃあ、もう裏奥義を使うなとでもいうのか!?」

 

恵「今のままでは、そう言わざるを得ないわ。けど、使い続けるための方法はないわけではないの」

 

清十郎「それは何だ?」

 

恵「それは、筋肉を鍛え上げる事よ。あなたは体格の条件は満たしているから、後は鍛え抜かれた筋肉という条件を満たせば時女一心流裏奥義を何の反動もなく使う事ができるようになるわ」

 

清十郎「次の目標は筋肉か…!」

 

恵「弟の正人はファッションデザイナー志願だから、筋肉を鍛え上げるためのギプスや重り付きの服でも作成してもらうように頼んでおくわ。デザインはあなたの望むものでいいわよ」

 

 その後は、正人デザインのギプスや重りつきのマントを身に纏い、時女一心流裏奥義を扱うために筋肉を鍛え上げる事となった。

 

清十郎『それから、俺は普段の実力を抑えるのと同時に筋肉を鍛え上げるための重りやギプスのついた特注の服を着て、日常生活や守り刀を使いこなすための修業の過程で筋肉を鍛え、20歳の頃には今の体格となり、完全に裏奥義を扱える体を手に入れた』

 

 筋肉を鍛え上げた事で、清十郎は中性的で華奢な見た目の美少年からいかにも男前でマッチョな男へと変わり、悪鬼の子分はおろか、悪鬼さえも容易く蹴散らせる実力を手に入れ、自分の実力がどれほどのものか試すため、悪鬼の結界に乗り込み、刀から発する強固な結界を刃状に変えて刀にコーティングする事で防御用の力を攻撃に使い、悪鬼を撃破した。

 

清十郎「よし、これなら悪鬼にも勝てる!神子柴への復讐はその時になってからだ…!」

 

 この時はまだ神子柴の情報を手に入れる準備ができておらず、当面の間は妻の護衛や悪鬼を倒し、人々を1人でも多く助ける事が優先であった。

 

 

 

 清十郎が色々な苦難を経て、時女一心流裏奥義を完全に使いこなせるようになった事に一同は感心していた。

 

翼「まさか、いつも着ている服が普段の実力を抑え、日常でも鍛えるための代物であったとは…」

 

静香「時女一心流裏奥義を使いこなすには、マッチョにならないといけないのは驚きでした…」

 

清十郎「いや、この裏奥義は本来は巫専用の剣術で普通の人間が扱うのは想定してなかった事が後で判明したのさ」

 

すなお「つまり、この裏奥義は本当は巫が会得すべき技だったのですね?」

 

清十郎「ああ」

 

静香「それ、わかるよ。龍閃天翔を出した時の負荷は普通の人では身体が壊れてしまうほどだったから…」

 

調「巫専用の技を会得して何のリスクもなく使えるようになった清十郎さんは正真正銘の天才としか言えない…」

 

 本来であれば、巫しかまともに扱えない時女一心流裏奥義を何のリスクもなしに扱えるようになった清十郎は誰から見ても正真正銘の天才であった。

 

弦十郎「さて、話が終わったのであれば、これからどう動く?」

 

ちはる「それなら、先制攻撃だよ!」

 

覇万「先制攻撃か…」

 

ちはる「オババは私達が無事なのは知らないんでしょ?それなら、今から戻ってこっそりとっちめてやろう!そして全部聞き出すんだよ!巫と悪鬼の事も、巫を沈めちゃう理由も。すなおちゃんの事だってぜーんぶ!それで、全部救っちゃえばいいよ!」

 

翼「そうだな。ちょうど、土岐の護衛として星矢と紫龍も来た。2人が来れば、土岐も安心できるだろう」

 

静香「待って、私も懲らしめるのは賛成だけれど、今回の構図は、もう少し複雑だと思ってるわ」

 

ちはる「どういう事?」

 

静香「清十郎さんが蹴散らした悪鬼の子分がいたでしょ…?」

 

調「うん。結界がないのに現れた子分」

 

静香「そう、清十郎さんが蹴散らした時は私もそう思ってたんだけど、今は逆にね、本当は結界があるんじゃないかって思ってる」

 

ちはる「なかったのにある…。あっ…」

 

清十郎「お前達、なかなか鋭いぞ。真実ってもんは案外、近いところに転がってる事も多いからな」

 

ちはる「近いところにある…」

 

翼「という事は時女、集落は既に結界に覆われているって言いたいのか?」

 

すなお「そんな、まさか…!」

 

静香「ううん、翼さんの言う通りよ。清十郎さんの過去の話もそれを裏付けたけど、いつからか悪鬼は時女の集落を呑み込んでいて、神子柴達に影響を与えながら、私達巫の力を食っていた…。それなら、私達をいずれ殺すという構図も、すなおを脅して抱き込んで不要なものを排除するという悪行も、清十郎さんの家族を殺した事も、結界もなく子分が出てくる事も説明がつく気がする」

 

調「それなら、説明がつく気がする…」

 

すなお「でも、それなら集落の中だけでサイクルさせておくべきだった…。真実を知った清十郎さんのような人に逃げられたり、私やちゃるのようにしきたりに疎い人を招き入れると、今回のように不測の事態が起きるんですから」

 

静香「そのあたりは悪鬼の頭が悪かったのかも知れないし、何か焦りがあったのかも知れないわ。とはいえ、推測の域は出ないんだけれど…」

 

弦十郎「だが、静香君の推測はかなり合ってると俺は思うぞ」

 

 ちはるはスマホを出した。

 

静香「この板は?」

 

ちはる「スマホだよ」

 

静香「それが噂の電話ね…」

 

ちはる「これね、地図なんだけど、時女の集落って写真に写らないの」

 

清十郎「ああ。俺や覇万、そして元ヤクザ達のスマホにも写らない。つまり、集落は悪鬼の手に落ちているも同然だろう」

 

翼「まさしく、敵は時女の集落にあり!」

 

静香「スマホの事はわからないけど、みんなが確信した事なら信じるわ。急ぎましょう!」

 

すなお「星矢さん、紫龍さん、パパとママをお願いします」

 

星矢「任せとけって!」

 

紫龍「お前を脅してきた神子柴という老婆を倒す時が来た。その不安に縛られず、存分に戦え!」

 

すなお「はい!」

 

覇万「私や元ヤクザの支援者も集落へ向かう。後方にいるのは落ち着かない上、夫の家族や多くの巫を殺した神子柴は私も許せんからな」

 

弦十郎「基本、口先だけの国会議員と違い、危険な現場へ赴く覇万はとても肝も据わっているな」

 

静香「それでは、集落に急ぎましょう!」

 

 すなおの両親の護衛を星矢と紫龍に任せ、一同は集落へ急いだ。

 

 




これで今回の話は終わりです。
今回は静香が神子柴に何を言われたのかが明らかになるのと、清十郎の過去が判明する話となっています。
清十郎という名前は同じ日に事故で死んだ瓜二つの男の戸籍を手に入れて名乗った偽名であり、本当の名前は大君昴という名前にしたのは、ガンダムでおなじみのシャアの本名と瓜二つの見た目の本物のシャアを謀殺する形でシャアと名乗った経歴が元ネタです。
清十郎の学生時代の頃の中性的で華奢な容姿の元ネタはるろうに剣心の緋村剣心が元ネタで、時女一心流裏奥義を反動なしで扱うために筋肉を鍛え上げ、今の男前でマッチョな体になったのを描きました。ちなみに、道場の師範の元ネタはランバ・ラルで、正人がガルマ、恵がキシリアが元ネタですが、ガルマとキシリアは日本人風の漢字に当てはめるのが難しかったので、正人の名前はガルマと中の人が同じセーラームーンのネフライトの偽名の三条院正人が由来で、恵の方はるろうに剣心の高荷恵が元ネタで、仕事中は感染防止のためにいつもキシリアのマスクをしていると思ってください。星矢と紫龍はすなおの両親の護衛で戦いに参加しないものの、ある意味でガンダム強キャラオールスターズっぽくなってしまいました。
時女一心流については表がるろうに剣心の神谷活心流ポジションで、裏奥義が飛天御剣流ポジションにしており、裏奥義のマッチョか巫以外が使うと反動が蓄積し、やがて裏奥義が使えなくなってしまうというのは飛天御剣流の設定が元ネタです。
次の話はいよいよ時女の集落で神子柴との戦いになりまう。

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