セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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170話 崩壊の序曲

仰陽館女学院

 

 次の日、響達は生徒会室で色々作業をしていた。

 

生徒A「ありがとう、雪音さん!まとめてくれたクラブ活動費の資料、とても見やすかった!」

 

クリス「あ、ああ…。あたしでも役に立てたのなら、よかった」

 

生徒B「一年生の子達と一緒に校庭裏の草むしりをしてくれたの立花さんですよね?」

 

響「あははは、灰島友鈴ちゃん。心を無にして単純作業に勤しむのは得意中の得意なんだよね」

 

灰島「そうなんですか…?」

 

生徒C「風鳴さんl、お手伝いは助かるのですが、使った文房具は元あったところに片付けていただけると…」

 

翼「うむ、護摩堂の言う通りわかっているのだが、後でちゃんとやろうと思ってたら、そのままにだな…」

 

護摩堂「しっかりしてくださいね」

 

 その様子を弓美達は見ていた。

 

詩織「すっかりみなさん、仰陽館女学院の生活に馴染んできたみたいですわ」

 

創世「竜姫の活動だけじゃなく、生徒会の活動も助けてもらってるのは申し訳ないけどね」

 

弓美「ねー、誰かー。ちょっくら買い出しに行ってもらえないかな?」

 

生徒A「では会長、私達が」

 

弓美「ありがと。じゃあ、これが欲しい物リスト。結構かさばると思うから3人で手分けしてね」

 

灰島「お任せください」

 

護摩堂「それでは行ってまいりまーす」

 

 灰島達は買い出しに行った。微笑ましい生徒会室の様子をパルティータは気配を消して微笑みながら見守っていた。

 

パルティータ「楽しそうに学院生活を送っているわね。星矢達も運命の歯車が違えば、こうした学院生活を送っていたのかもしれない…。けど、過ぎてしまった事を気にしすぎても何も始まらないわね」

 

 そんな折、ノイズ出現の警報が鳴った。

 

パルティータ「こういった時にノイズね…。嫌になっちゃうわ」

 

 パルティータは装者達と共に出撃した。

 

 

 

特異災害対策機動部二課

 

 ノイズが大量に出てきたために装者達は出撃し、景義はその活躍をモニターで見ていた。

 

景義「やはり強いな、歌を力と変えるシンフォギア…。対ノイズ兵器としての完成度は、認めざるを得ない……」

 

創世「だけど、何かがおかしいよ!」

 

詩織「はい。今の局面であれば、一気に押し込められたはずです」

 

弓美「見て、装者の後方に」

 

 逃げ遅れた人がいたものの、直ちにパルティータが避難誘導を行っていた。

 

景義「闇音君は行動が早いなぁ…」

 

 

 

???

 

 同じ頃、エンブリヲは檻のカギを開けた。

 

エンブリヲ「出ろ」

 

訃堂「え…、エンブリヲ~~!いえきのふんあいえ~~~!!」

 

 夷荻であるエンブリヲへの憎悪で訃堂は襲い掛かったものの、先にエンブリヲの指先に触れられてしまい、今度は3万倍の感度の快感で苦しむ羽目になった。

 

訃堂「う、ああああああっ!!!わ、あしおおあせ~~~!!」

 

エンブリヲ「いきなり襲ってくるなんて、品性の欠片も感じないよ。訃堂、お前のような誇大妄想を抱く醜い老人に未来など何一つありはしない。だが、私のお情けで野望を叶えてやろう。お前の野望を叶えたければ、写真の人間を殺せ」

 

 エンブリヲは響達が写った写真を見せた。

 

訃堂「こ、おのおのをおろい、護国を……」

 

 最早、訃堂に残された選択肢はエンブリヲに従う他なかった。そんな訃堂をエンブリヲは嘲笑い、姿を消した。

 

 

 

市街地

 

 逃げ遅れた人達はパルティータが避難させ、あっという間に戦いも終わった。その時に急いで駆け付けたものの、弓美達は少し落ち込んでいた。

 

創世「最終調整を終えてやってきたけど…、ほんと、闇音さんは行動が早いね」

 

パルティータ「ええ。医者もやってる以上、放っておいたら一生の恥だからね」

 

詩織「でも、闇音さんのお陰で戦いも早く終わったのは間違いありません」

 

弓美「新生メックヴァラヌスの力を見せるのは次の機会か…」

 

パルティータ「みんな、気を抜いてはダメよ!」

 

クリス「そうみたいだな…!」

 

 視線の先に七支刀の一員である襲撃者がいた。

 

響「私達の世界で、S.O.N.G本部を襲撃した…」

 

弓美「あれが、あなた達のいう襲撃者…」

 

 弓美達はただちにメックヴァラヌスを纏った。

 

創世「やっぱり、この感じ…」

 

詩織「抑えられているとはいえ、この前と同じです…」

 

???「私の力が活性化すると、メックヴァラヌスと共振・共鳴してしまうのね」

 

創世「じゃあ、このザワザワは…」

 

詩織「あなたの仕業というわけですか…!」

 

???「私は更なる高みを目指したいの。付き合ってもらうわよ、シンフォギア!!」

 

 そう言って、襲撃者は見た事もないアングィスマシリアスを出してきた。

 

響「おおおおりゃああああっ!!」

 

 すぐに響は蛇の怪物を倒したが、復活した上に増殖し、成長までしてしまった。

 

響「ええっ!?」

 

翼「復活から増殖し、そのうえ成長までするとは!?」

 

クリス「くそっ、何をエネルギーにそんな芸当を!?」

 

 怪物は襲いかかったが、パルティータの光速拳を受けて倒された個体は復活する事はなかった。

 

???「新機能は問題なく稼働しているけど…」

 

パルティータ「遅い!」

 

???「うぐっ!」

 

 パルティータの拳を受け、襲撃者は吹っ飛ばされた。

 

弓美「(闇音さんの攻撃では再生しない…?もしかすると…)」

 

クリス「くそっ、あたしらの攻撃と違って何であいつの攻撃は」

 

弓美「その理由がわかったわ!きっと、シンフォギアの歌の力を戦う力へと変換しているに違いないよ!」

 

翼「歌の、力を…?」

 

クリス「フォニックゲインをか?だから、あいつの攻撃で倒された奴は復活しないのか!」

 

弓美「(…やっぱり、隠し通すわけにはいかないよね……)」

 

???「エンブリヲめ…、こんなにも面倒な敵をこの世界に放り込むとは……!」

 

 エンブリヲへの愚痴を言い、襲撃者はさらに蛇の怪物を出してきた。

 

パルティータ「この場は私と竜姫が中心になって迎撃するわよ!いいわね!?」

 

弓美「オッケー!」

 

創世「仮令、シンフォギアには届かなくても、私達には」

 

詩織「歌の力がなくても、メックヴァラヌスがあります!」

 

弓美「行っくぞおおおおおおおっ!」

 

 パルティータがいてくれた事もあり、弓美達はあっさりと蛇の怪物を全滅させる事ができた。

 

???「…歌の力を使わずに、アングィスマシリアスを……」

 

パルティータ「さぁ、最後は」

 

 ところが、襲撃者は誰かに口寄せされたかのように転送された。

 

クリス「とりあえずは、一段落したな…」

 

翼「メックヴァラヌス…頼もしい仲間ができたようだ」

 

パルティータ「さ、帰還しましょう」

 

 帰還する一同を杳馬は見ていた。

 

杳馬「遂に投入したか…。だが、装者への助っ人はもうじき到着だぜ…」

 

 

 

 景義は問い詰められていた。

 

景義「一体、何の事かね!?そもそもその態度、司令たる僕に向けるものかね?」

 

翼「全ては竜姫の3人から聞かせてもらった」

 

景義「何だと!?」

 

翼「メックヴァラヌスに急遽組み込まれた、歌を力に変えるというシステム…。私達からデータを採取したとはいえ、ごく短期間のうちに完成させたとなれば、それはおそらく…」

 

響「私達の本部から盗みだした、シンフォギア・システムの技術を使って!」

 

景義「……」

 

弓美「何とか言ったらどうなの!?」

 

景義「…し、知らないのだ。ギャラルホルンに正体不明の敵、君達の言ってる事は僕にも何が何やらさっぱりで…」

 

クリス「今更信じられないのかよ!」

 

景義「本当だ、信じてほしい。僕のこの笑顔が、君達には信じられないのかね……」

 

クリス「…つまらない笑顔をしてくれる」

 

翼「まさか、あの態度…知らぬ事実を隠すために張った、つまらない見栄なのか!?」

 

景義「ぐっ、許してくれたまえ」

 

???「彼は本音で言っているのよ。許してあげて」

 

 パルティータが景義を庇うかのように言った。

 

詩織「闇音さん…」

 

 景義はデータの入ったメディアを見せた。

 

クリス「これは、奪われたデータを収めた…。さっぱりどころか、やっぱりお前の仕業だったのか!?」

 

景義「違う、誤解だ!どうやら僕も、君達同様に踊らされていたようだ」

 

創世「踊らされていたなんて、言い逃れを…」

 

詩織「男らしくないですわ」

 

パルティータ「彼の言っている事は本当よ。信じてあげて」

 

弓美「闇音さんがそういうのなら…」

 

 景義の言葉だけでは信じられない装者と竜姫であった。

 

景義「このデータチップも、外部機関より特異災害対策機動部へと供与されたものだ。シンフォギアの技術を使って、メックヴァラヌスを強化・改造せよと」

 

 そんな折、警報が鳴った。

 

創世「市街地の危機を報せるこの警報…」

 

詩織「あの怪物、アングィスマシリアスですわ!」

 

弓美「代行、話は後に回そう!何があろうとも、あたし達は竜姫で、特機部ニ。みんなの明日を救うのが、特異災害対策機動部二課の、限りなき使命だ!」

 

景義「う、うむ…そうであったな。僕はそれで毎月、給金をいただいているのだ!」

 

響「板場さん!」

 

弓美「……知らなかったとはいえ、結果的にあんた達を裏切っていた、この事実…。それでもまだ、あたし達を友達と呼んでくれるなら…、友よ、共に!」

 

響「一緒に!」

 

 装者と竜姫は出撃した。

 

 

 

仰陽館女学院

 

 パルティータは一緒に行動している際に何かを感じた。

 

パルティータ「ちょっと別行動をするわ。みんなは先に行って」

 

クリス「別行動?」

 

パルティータ「放っておいたら厄介な奴の気配を感じてね…。間に合うかどうかわからないけど、終わらせたらすぐに戻るわ」

 

 気配の所へパルティータは向かった。そんな時に通信が入った。

 

景義『竜姫と装者の諸君!聞こえているかね!!』

 

詩織「状況を教えていただけますか?」

 

景義『大きく分けて敵の出現ポイントは市街区画の35と84』

 

創世「同時攻略を行うには、竜姫と装者を、戦力を二つに分けなきゃいけないみたいだ」

 

景義『戦力の分断は兵法として下策。何より…一連の事件に何者かの思惑が絡んでいる以上、いかにもな敵の出現は罠である可能性が高いと僕は判断する』

 

クリス「ど、どうしたんだ?代行が、代行の仕事を給料分くらいには粛々と」

 

翼「伯父様が代えようとしなかったほどの…」

 

弓美「小心で、自己保身に長けているだけよ。でも、まぁ、ちょっとは見直したかな?」

 

景義『それでも…罠だとわかっていても僕は…事態収拾のため、君達に同時攻略を要請しなければならない』

 

創世「うん、罠に気を付ければいいんだよね?」

 

詩織「そう指示されるだけでも、とてもありがたいですわ」

 

響「だけどその分、ここの守りが…」

 

???「その杞憂は俺達で解決しよう」

 

 声と共に黒服達が出てきた。

 

響「黒服さん達!」

 

黒服B「通信講座で会得した必殺拳、マスターオブシナンジュとして、怒れるシヴァにも等しくなろう」

 

黒服C「あの時はすまなかった。そして、竜姫の友達になってくれて感謝するよ」

 

弓美「おそらくはここが正念場!私達は、私達の総力をもって勝利する!竜姫は35区画、装者は84区画にてそれぞれ応戦!本部の守りはエージェント達に託す!各員、持ち場につくわよ!」

 

 

 

特異災害対策機動部二課

 

 言いたかった事を言われて景義はポカンとしていた。

 

景義「(それ…、僕が言ってみたかったセリフ…。でも、確かにそうだ。僕も、僕の総力をもってして)」

 

 

 

市街地

 

 その頃、何者かに倒された七支刀のメンバー5人は致命的なダメージを負っていて、動けなかった。

 

七支刀A「お、おのれ……!」

 

七支刀B「男の方はたった一人で3人、残りの女3人も連携で2人を倒してしまった…。フォニックゲインなしで、あの強さだと……?」

 

七支刀A「異世界の人間の強さは…、私達の想像を遥かに超えているとでも…いうのか……?」

 

 自分達が完敗した事に七支刀達は衝撃を受けていた。そこへ、エンブリヲが来た。

 

七支刀C「エンブリヲ様…」

 

七支刀D「もう一度、チャンス…を……」

 

エンブリヲ「……もう君達は用済みだよ。さ、最後は私のために役に立ってくれたまえ」

 

七支刀E「ま、まさか……!」

 

 笑みを浮かべるエンブリヲの背後には、八つの頭を持つ大蛇がいた。

 

 

 

 装者達の方では、いきなりフォニックゲインを力と変えるタイプのアングィスマシリアスがたくさん出てきた。

 

クリス「いきなりフォニックゲインを吸収するタイプかよ!」

 

響「しかも、たくさんいますよ!」

 

翼「今回はパルティータ女医も竜姫もいない…!万事休すか……!」

 

 竜姫もパルティータもいないため、どんどん囲まれていく響達であった。ところが、紅い斬撃が飛んできて、蛇の怪物達を切り刻んでいった。

 

クリス「な、何だ!?」

 

翼「(この技は…?)」

 

???「遅くなったけど、翼さん達の危機に間に合ったみたい…!」

 

響「私達の危機に!?」

 

 響達のピンチを救ったのは、静香とちはるとすなお、そして清十郎であった。

 

翼「時女、広江、土岐、それに七井さんまで!」

 

クリス「こいつら、何者なんだ?」

 

翼「彼女達は私が月読と魔法少女のいる世界に行った際、一緒に戦った魔法少女とその師匠だ!」

 

響「翼さんと調ちゃんが言ってた魔法少女とその師匠!?でも、その子達が何で…?」

 

すなお「それは、1人の訪問者が訪れたのが始まりでした…」

 

 

回想

 

 神子柴がいなくなって解放された時女の集落では、ある人物が静香達と接触していた。

 

静香「つ、翼さん達が!?」

 

モノクルの男「ああ、そうだよ。このカギ、デュプリケーターを使ってその並行世界に行かないと、手遅れになっちゃうよぉ!」

 

清十郎「おい、このカギの使い方はきっちり教えろ!」

 

ちはる「それにおじさん、何だかにおうよ!」

 

モノクルの男「そ、そうか…?(ちょ~っと厄介な能力を得た子に会っちまったなぁ…)」

 

すなお「そのカギの機能が正常であれば、翼さん達の救援に行きましょう!」

 

静香「そうね。あの時の恩返しをする時がこんなにも早く来るなんて」

 

 とりあえず、モノクルの男に変装している杳馬はデュプリケーターを渡し、きちんと稼働に立ち会ってから正式に4つ渡した。

 

 

静香「帽子を被った人から、『翼の装備の力の源である歌の力を吸収する敵がたくさん現れて、翼達がピンチだ!救えるのは君達しかいない!』と聞かされて、並行世界を渡るカギを託されて来たんです!」

 

翼「並行世界を渡るカギだと!?」

 

清十郎「奴はデュプリケーターと言っていた。それを4つほど託された後に俺達はそれを使ってこの世界に到着したものの、フードを被った奴等の妨害に遭ってな」

 

ちはる「普通の人間の女の子っぽくて最初は本気で戦えなかったけど、清十郎さんとの戦闘の傷で人間じゃない事がわかって、倒せたの!」

 

すなお「フードを被った敵5体に襲われ、それと応戦したがために遅れてしまい、申し訳ありません」

 

クリス「ま、こういった時に助っ人は心強いからな!」

 

響「それに、静香ちゃん達魔法少女や清十郎さんの攻撃では復活しないよ!」

 

清十郎「さぁ、この悪趣味な蛇は1匹残らず叩き潰すぞ!」

 

 清十郎と静香達の加勢により、蛇の怪物はあっという間に全滅した。

 

静香「終わったわね」

 

翼「ああ。一段落した以上、一旦本部へ戻るぞ!」

 

 翼達は本部へ向かった。その様子を蛇の怪物を出していた七支刀の1人は怒っていた。

 

七支刀「エンブリヲの大馬鹿め!シンフォギア対策が全く通じない上、我らより強い助っ人がいたとは……!訃堂様が健在であれば、こんな事にはならなかったのに!!」

 

 エンブリヲへの恨み節を呟き、去って行った。

 

 

 

 一方、竜姫達の方は…。

 

創世「あんなに大量の敵の反応を検知していたのに、駆け付けてみれば、猫の子1匹見当たらないなんて…」

 

詩織「待ってください!あちらに倒れている方が!」

 

 誰かが倒れているためにそこへ行ってみると、たくさんの死人を発見した。

 

詩織「…あ、あああ…あちこちにたくさんの……」

 

弓美「ひどい…。街のみんなに、犠牲者が……」

 

 そんな時、ヘリの音がした。

 

創世「…ローターの音?」

 

詩織「…あれは、二課のヘリですわ」

 

 ヘリから大二が降りてきた。

 

大二「この惨状、遅かったか…」

 

弓美「大二さん!」

 

大二「どうやら、竜姫のみんなは無事みたいだね」

 

弓美「一体、何がどうなってるの!?」

 

大二「君達に知らせたい事がある!説明はヘリの中で行う!」

 

 

 

ヘリ

 

 竜姫達は大二と共にヘリに乗った。

 

大二「まずはこれを見てほしい」

 

 大二は何かを見せた。

 

創世「何、これ…?」

 

大二「ここ数日にわたる、本部データバンクへの不正アクセスの痕跡だよ。僕も色々と一連の事件を裏から調べててね、本部に侵入者、もしくは内通者がいる事が判明したよ」

 

詩織「そんな…」

 

大二「残念だけど事実だよ。恐らく、国外の特務機関所属の諜報員だろう。考えたくはないけど、並行世界からの客人という3人の…」

 

弓美「大二さん!」

 

大二「…疑っているんじゃない。可能性を考えているんだ」

 

 そんな時、何か反応があった。

 

創世「見て、データバンクへの不正アクセスが」

 

詩織「行われていますわ」

 

大二「…やっぱり、罠だったのかも知れない」

 

弓美「罠!?さっき代行も言ってたけれど、それってどういう…」

 

大二「竜姫の3人を遠くに引き離し、自由に動けるようにするためにここに敵を呼び出して一般市民を襲わせたとも考えられる」

 

 大二が語った事に竜姫達は混乱した。

 

弓美「もう、わけがわからない、わからないよ!何が本当で、知らないところで何が起きているのかなんて!」

 

創世「ユミ……」

 

弓美「だから、この目で確かめる!自分の目で、真実を見届けてやる!!」

 

大二「シンフォギアとその仲間と対峙する事になってもかい?」

 

弓美「……うん…」

 

大二「だが、メックヴァラヌスでシンフォギアに勝つのは簡単ではない。最終手段として、二代目終身名誉司令の僕の権限でDモジュールの使用を許可しよう」

 

 大二がDモジュールの使用を許可した事に弓美達は表情が強張った。

 

大二「どうやら、最終ファイアウォールも突破されたみたいだ…」

 

 

 

特異災害対策機動部二課

 

 その頃、景義はハッキング技術でハッキングしていた。

 

景義「…よし、僕のテクをもってすれば、これしきのファイアウォールなんてモノの役には…」

 

 一呼吸置いた後…。

 

景義「…受け入れ難い事態の連発と、受け入れ難い情報の連続……。すべてを詳らかにしようとも…二課を預かる司令とはいえ、代行の権限では機密の深奥には踏み込めず、目隠しをされたままに等しかった。時間はかかったけど、これで全ての機密は、明日の二課司令たる僕のものに」

 

 ところが、驚くべき事を知ってしまった。

 

景義「……な、な、な……いったいこれは、なんなのかねええええっ!!」

 

 

 

???

 

 パルティータは聖衣を纏ってから単独行動で人気のない廃ビルへと入り、調査を行っていた。

 

パルティータ「(ここに邪悪な小宇宙を感じたわ。きっと、何かがある……)」

 

 奥へと進んでいると、何やら巨大なスペースを見つけた。

 

パルティータ「(邪悪な気配が残っている…。さっきまではいた証拠だわ…。そして……)」

 

 開けられた檻を発見した。

 

パルティータ「(あの檻、暴れて鉄格子のあちこちに傷がある。きっと、猛獣か何かを閉じ込めていたんだわ…)」

 

 探りを更に入れようとした途端、地面から出てきたワームにパルティータは体を拘束された。

 

パルティータ「うっ!これは…、ワームの冥闘士、ライミの!」

 

???「ひひひひっ、これでお前も終わりだ!」

 

 地面からライミが出てきた。

 

パルティータ「ここに来るのがわかってたから、口封じで私を始末する気なのね?」

 

ライミ「その通り!今からお前の美しい体をバラバラに」

 

 しかし、そこから先は言えなかった。なぜなら、ライミは錬成陣から出てきた光の鎖に拘束され、首も絞められて声が出せなかったのであった。

 

ライミ「(な、何だこれは…!?千切れない……!)」

 

パルティータ「私も拘束技を使えるのよ。しかも、この光の鎖は賢者の石の力によるものだから、あなたのような雑魚冥闘士では引きちぎる事はできない。バラバラになるのはそっちよ!」

 

 パルティータの光の鎖に縛られ、拘束自慢のライミはバラバラに引き裂かれたのであった。

 

パルティータ「(ライミを送り込んだのは杳馬しか考えられないわね…。さて、調査を)」

 

 そんな時、通信が入った。

 

パルティータ「司令代行、どうしましたか?」

 

景義『闇音君、僕だ!大変なものを発見してしまった僕だよ!』

 

パルティータ「それで、何を発見したの!?」

 

景義『二課のデータバンクの最奥にアクセスできたのだが、そこにとんでもないものが隠されていたのだ!』

 

パルティータ「とんでもないもの?」

 

景義『そう、ヤマタノオロチの化石のデータがあった上、メックヴァラヌスの力の源となる竜の化石は』

 

 しかし、通信が強制遮断された。

 

パルティータ「司令代行、司令代行!?(ヤマタノオロチの化石にメックヴァラヌスの力の源となる竜の化石…?ヤマタノオロチの化石の方は、あの子達が言ってた八つの頭を持つ大蛇と一致している…!やはり、大蛇の正体はヤマタノオロチよ!)」

 

 遂に確信へと変わり、パルティータはその場を出ようとしたが、杳馬が後ろにいる事に気付いた。

 

杳馬「パルティータちゃん、1人じゃない時は竜姫やクソジジイの置き土産との戦いには介入すんじゃねえぞ。けど、訃堂のクソジジイについては完全に息の根を止めていいぜ」

 

パルティータ「わかってるわ。そういう杳馬こそ、介入はしないのでしょう?」

 

杳馬「もっちろん!」

 

 返事を聞いたパルティータは急いだ。

 

 

 

ヘリ

 

 竜姫達はDモジュールについて聞いていた。

 

創世「じゃあ、Dモジュールって…」

 

詩織「私達を救ってくれた、先代竜姫の命を奪ったのは…」

 

大二「そうだよ、Dモジュールだ。Dモジュール…。竜姫に取り付けられた『デヴァステイター』は、メックヴァラヌスの出力を増幅して戦闘能力を上げる決戦機能だよ。だけど制御は難しく、制御できなかったら増幅したメックヴァラヌスの力に取り込まれる。実際、これまでデヴァステイターを制御できた竜姫は誰一人としていなかった(歴代竜姫の命を奪った原因は別にあるのだがね)」

 

創世「メックヴァラヌスに取り込まれちゃうと、どうなるの?」

 

大二「メックヴァラヌスは、ドラゴンと総称される超生命体の化石から造られている。取り込まれてしまうと、怪物になってしまうのだよ」

 

 その言葉に3人娘は衝撃を受けた。

 

詩織「では、あの日あの時あの場所で…私達が目撃した、炎を纏った怪物とは…」

 

大二「デヴァステイターに取り込まれ、成れの果てと化した先代の竜姫だ……」

 

詩織「そんな、危険なデヴァステイターを…、Dモジュールを使えるようにするという事は……」

 

弓美「そ、そ、そ、それでも…みんなの明日を救うために必要なら…」

 

創世「ユミ、ダメだよ!絶対に!」

 

弓美「だ、大丈夫だから、きっとあたし達なら…」

 

大二「使用の許可はするが、あくまでもDモジュールは最終手段だ。手を尽くして、他にどうにもならない時以外は決して使ってはいけないよ」

 

 Dモジュールの危険性に三人娘は動揺していた。そして、大二は懐にあるスイッチに目を向けた。

 

弓美「本部に、仰陽館女学院に急いで戻ろう!あたし達が望んだ結末は、きっとそこにあるはずだから!」

 

 

 

特異災害対策機動部二課

 

 通信が切れたのは停電によるものであり、その中でも景義はブラインドタッチを行っていた。

 

景義「こうも暗いとキーを叩くのすらままならないものだが、そこはそれブラインドタッチというものである。さすがの僕。予備電源の供給経路をちょろまかし、この部屋に繋げる事で、これ、この通り!」

 

 停電が解除されたが、そこに残りの七支刀の一員がいた。

 

景義「ひわわわわわわっ、何かでたあああっ!!?僕も思わず何かだしてしまったあああああっ!!!」

 

七支刀「あんたは道化の役割を充分に果たしてくれたわ。だからもう、おやすみなさい」

 

 七支刀の1人は光学兵器で景義を攻撃した。

 

景義「ぐはっ!?うううっ、人の身で光学兵器を使うとは、まさか君は…メックヴァラヌスと同じく、アジ・ダハーカの化石から造られた…」

 

 機嫌が悪くなったのか、また攻撃を仕掛けた。

 

景義「ぐふっ!…正体不明の、アングィスマシリアス…。その名はラテン語にて『悪意の蛇』を意味するが…」

 

 今度は連続で攻撃してきた。

 

景義「なるほど…、君や蛇たちと…メックヴァラヌスが共振・共鳴していたのは、そういう事か…。そして、道化は僕だけでなく、竜姫や君達、訃堂様までも」

 

七支刀「えええい、くどい!晩節を汚すな!そしてあの夷荻の名を語ろうともするな散り際ぐらいは美形でいろ、速やかに死ぬがよい!!」

 

 七支刀の1人は怒り狂って連続で攻撃し、この辺り一面を使いものにならなくなるまで破壊したのであった。




これで今回の話は終わりです。
今回はいよいよ敵が大々的に動き出すのとメックヴァラヌスとアングィスマシリアス、そして自律型兵器の七支刀の1人にアジ・ダハーカの化石が使われているのが判明するのとヤマタノオロチの化石の存在の判明、そして深碧の巫編に出てきた静香達時女一族が響達の助っ人に来る話です。
静香達時女一族の参戦については、フォニックゲイン吸収というシンフォギア対策が全く通じない助っ人には魔法少女が持ってこいな上、メックヴァラヌス編では響達が並行世界で孤立してしまうため、不利になりすぎないようにする上に時女一族とはいつか再び一緒に戦える日が来るのではという予想もあったため、それに応える形にしました。
次の話は解放された訃堂が響達に襲い掛かりますが、その後に竜姫達とも敵対してしまう羽目になります。そして、Dモジュールを使用したらどうなるかも実際に判明します。
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