セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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174話 不死身のエンブリヲ

S.O.N.G潜水艦

 

 マリア達は出撃の準備を整えていた。

 

清十郎「お前ら、準備はいいか!?」

 

マリア「いつでもいいわよ!」

 

奏「翼のピンチなんだ!気合は入ってるぜ!」

 

 しかし、切歌は様子がおかしかった。

 

調「切ちゃん、どうしたの?」

 

切歌「…何だが、凄まじい悪寒がするのデス…」

 

セレナ「悪寒…ですか?」

 

未来「一体、何だろう…?」

 

 

 

市街地

 

 声と共に現れたのは、エンブリヲであった。

 

弓美「大二さん!?」

 

詩織「大二さん、あなたこそが…」

 

エンブリヲ「そう。風鳴大二とは偽りの名、私の本当の名前はエンブリヲなのだよ」

 

 デヴァステイターの件で薄々予感がしたとはいえ、大二がエンブリヲであった事は衝撃の事実であった。

 

クリス「そういや、髪型とか雰囲気が似てた…!」

 

翼「という事は、お前は風鳴の人間ではないという事か!」

 

エンブリヲ「そうだよ。血筋に囚われるなんて下らないし、そういった考えこそが時代錯誤で誇大妄想を抱く訃堂のようなバカを生み出すんだ」

 

バリガー・ダハーカ「貴様…、訃堂様をバカにしたな…!」

 

エンブリヲ「君も無様なものだな。シンフォギア以外が相手だとまともな力も発揮できやしない。訃堂もとんだ欠陥兵器を開発したものだ。さ、このまま朽ち果てるぐらいならば君も仲間の防人兵器のようにヤマタノオロチの餌となりたまえ」

 

バリガー・ダハーカ「え、餌だと!?」

 

 エンブリヲが指を鳴らすとヤマタノオロチが出現した。

 

バリガー・ダハーカ「わ、私が……餌……?」

 

エンブリヲ「ふふふ…、妄信してきた人を失い、絶望する様は実に楽しいものだ。さぁ、醜い訃堂と仲間達が待っているぞ!」

 

バリガー・ダハーカ「そ、そんな…!いやああああああっ!!」

 

 すべてを失ったバリガー・ダハーカはヤマタノオロチに捕食された。

 

クリス「ウソだろ…!?」

 

静香「あなた、仲間を餌にするなんてどういうつもりなの!?」

 

エンブリヲ「仲間?防人兵器も竜姫と同じでヤマタノオロチの餌に過ぎなかったのさ」

 

創世「餌…?」

 

詩織「竜姫も同じという事は、歴代の竜姫は…」

 

エンブリヲ「そう、デヴァステイターを使わせ、ヤマタノオロチの餌にしたのさ。君達も餌にしようとデヴァステイターを使わざるを得ない状況に持ち込んだのだけど、思ったようにいかなかったのさ」

 

弓美「餌って…、どういう神経をしてるのよ!!」

 

エンブリヲ「訃堂は君達や防人兵器を消耗品としか見てなかったんだよ。それに比べれば、ヤマタノオロチの餌にした方がムダもなくていいと思うんだけどね」

 

ちはる「消耗品扱いも餌扱いもどっちも最悪だよ!」

 

翼「そもそも、シンフォギアのデータを盗んだ理由を聞かせてもらおうか!」

 

エンブリヲ「至って簡単だよ、メックヴァラヌスの竜姫をシンフォギア装者の代用品にし、エサにする事さ。ヤマタノオロチはこう見えても意外と好き嫌いがあってね、今までの竜姫の味に飽きてきたから、シンフォギアの技術を組み込んで味を変える事にしたのさ。そして何より、君達装者や魔法少女を私の花嫁に迎えたいから、エサにしたくなかったんだよ。後、盗んだデータについては消しておいたから、悪用される危険性はもうないからね」

 

響「わ、私達を…」

 

クリス「花嫁にだと!?」

 

 あまりにも常軌を逸したエンブリヲの発言に衝撃が走った。

 

エンブリヲ「風鳴翼、その侍の如き美しさを私は求める」

 

翼「何!?」

 

エンブリヲ「太陽の暖かさと明るさを放つ美の立花響」

 

響「え?」

 

エンブリヲ「雪のように白く、美しい歌声の持ち主の雪音クリス」

 

クリス「は?」

 

エンブリヲ「由緒ある一族の本家という美の時女静香」

 

静香「えっ?」

 

エンブリヲ「まだ来ていないが、母親の如き優しさの美のマリア・カデンツァヴナ・イヴ。周囲の気持ちを明るくするお気楽な美の暁切歌。月の如き美しさの月読調。陽だまりという美の小日向未来。鷹の如き勇ましさという美の天羽奏。一点のシミもない無垢なる美のセレナ・カデンツァヴナ・イヴ。おめでとう、君達は私の花嫁に選ばれたのだよ!」

 

クリス「花嫁!?勝手に結婚した気になるな!!」

 

ちはる「そうだよ!そんなのは花嫁でも何でもないよ!」

 

エンブリヲ「花嫁になりたい子も大歓迎だよ。そして、七海やちよと梓みふゆを加えれば、完璧だ!」

 

弓美「ま、まるでエロゲーから飛び出してきたハーレム願望のエロオヤジじゃない!女を侍らせて世界征服でもするつもりなの?」

 

エンブリヲ「訃堂は世界を征服したの後の事をろくに考えていなかったけど、世界征服したって支配が面倒だから、私は世界中の人間をヤマタノオロチに捕食させるなり、皆殺しにするなりして抹殺し、私と花嫁たちによる楽園を作るんだ。さて、君達には」

 

???「エンブリヲ…、エンブリヲ……!」

 

 エンブリヲと対峙する最中に乱入者が来たが、その乱入者は清十郎によって微塵切りにされて死んだはずの訃堂で、見た目は再生しきっていないせいで身体のあちこちが崩れており、ゾンビのようであった。

 

弓美「ジ、ジジイ…!」

 

響「今、板場さんが…」

 

パルティータ「私が訃堂の悪事を教えたわ」

 

創世「だから、訃堂が殺されたのも恨んでいないよ!」

 

詩織「ですが、あのマッチョさんに微塵切りにされてもゾンビのようによみがえったなんて…」

 

訃堂「ご、護国の要…、やあたのおおち…、ヤマタノオロチ……、よこせ…!!」

 

エンブリヲ「ネフシュタンの欠片も入れていたとはいえ、こんな醜い姿になってまで護国に固執するとは凄まじい執念だ。だが、所詮は馬鹿力と権力しか能がないデク人形。そんなデク人形如きでは私の一部も同然のヤマタノオロチを操れず、宝の持ち腐れになるだけだ」

 

訃堂「だ、だあえ~~~っ!!」

 

エンブリヲ「もう顔も見たくないし、目障りだから消えたまえ、時代遅れの壊れたデク人形が!」

 

 訃堂を徹底的に見下し、エンブリヲのフィンガースナップに反応したヤマタノオロチは八つの頭全てが訃堂目掛けてビームを発射した。

 

訃堂「う、うああああああああっ!!!」

 

 ビームに呑まれた訃堂はそのまま消滅した。

 

クリス「あの凄まじい執念のジジイが、一瞬で……」

 

すなお「エンブリヲ、あなたは訃堂と何かあったのですか?」

 

エンブリヲ「この際、昔話をしよう。私はもともとはこの世界の人間ではなく、別の世界出身の人間なんだ。数十年前にちょうど、本物の風鳴大二の事件現場に遭遇したんだ」

 

 

 

回想

 

 当時のエンブリヲは交通事故に遭った大二の遺体を見つけた。

 

エンブリヲ『その死んだ男は私にそっくりだったから、そいつと入れ替われば色々な手間も省けると判断したために入れ替わり、才能に目覚めたと見せかけて訃堂に接近したのだよ』

 

 エンブリヲは大二と入れ替わり、大二として訃堂との親子の縁を戻した後、風鳴機関で頭角を現し続け、発見したヤマタノオロチの化石からヤマタノオロチを造り出した。

 

エンブリヲ『10年近くもの年月をかけ、私は不死身の生命体、ヤマタノオロチを造り上げた』

 

訃堂「大二よ、あらゆる攻撃でも死なず、圧倒的な力を以てして夷荻を制圧する護国の要たるヤマタノオロチを生み出したな!それでこそ、風鳴の者だ!」

 

エンブリヲ「はい、お父様のご期待に添える事ができて何よりです。ヤマタノオロチは護国の要として、その力を存分に発揮するでしょう」

 

訃堂「次は防人兵器を、そしてノイズを打ち破る護国の牙を造り出してみようではないか!」

 

エンブリヲ「それと、護国の牙を消耗品として扱うのであれば、役に立たなくなればヤマタノオロチに食わせてもよろしいでしょうか?」

 

訃堂「好きにするがいい」

 

 ヤマタノオロチを使い、エンブリヲは中国やロシアなどを蹂躙し始めた。

 

エンブリヲ『ヤマタノオロチを使った脅迫外交によって、他国に奪われた領土を取り戻した時は訃堂は喜んだよ』

 

訃堂「よくやった、大二!夷荻に盗まれし国土を取り戻した功績は大きいぞ!」

 

エンブリヲ「では、今度はワガママし放題の朝鮮半島二か国を滅ぼしましょう」

 

 それから、様々な領土を始めとした問題は全て、ヤマタノオロチによる他国蹂躙で解決していった。

 

エンブリヲ『その後はヤマタノオロチの圧倒的な力で訃堂は上機嫌になり、私と良好な関係を築いた。しかし、次第に奴は自分の手でヤマタノオロチを使い、この世界はおろか、全ての並行世界を支配下に置こうとする誇大妄想を抱くようになった。それが、1年前に起こった私と奴の決裂の時だった』

 

 野心が芽生えた訃堂は次第にエンブリヲと対立し始めた。

 

エンブリヲ「よしてください、お父様!ヤマタノオロチは私だけしか使役できません!」

 

訃堂「黙れ!ヤマタノオロチという護国の要は勤烈な意気と偉力を備えたるこのワシが使ってこそ、全ての世界を統治して護国を担えるのだ!」

 

エンブリヲ「ですが!」

 

訃堂「大二、ワシに歯向かうのであれば、死ねい!」

 

 エンブリヲは訃堂に銃弾を何発も浴びせられ、息途絶えた。

 

訃堂「これで、ヤマタノオロチはワシの…」

 

 ところが、エンブリヲは何事もなかったかのように元通りに復活した。これには訃堂も驚愕した。

 

訃堂「な、何じゃと!?」

 

エンブリヲ「ふふふ…、時代遅れのデク人形を煽てて利用したが、どうやら煽て過ぎて下らない誇大妄想を抱くまでに至ってしまったようだ」

 

訃堂「何ッ!?子息の分際でワシをデク呼ばわりしおって!」

 

エンブリヲ「お前は全てを支配するのが野望だけど、支配した後は政治、福祉、経済、治安ととっても面倒で大変な事だらけなんだよ。それらが全くわからないなんて、所詮は子供の考える世界征服なんだよ」

 

訃堂「だ、黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!!!!」

 

エンブリヲ「それに、並行世界にはお前を簡単に殺せるほど強い奴等がゴロゴロいるんだ。自分は並行世界を渡る手段を持ってない上、自分以上に強い奴がいる事も知らずに全ての並行世界を支配しようだなんて、そんな誇大妄想を抱くお前はまさしく井の中の蛙だよ」

 

訃堂「黙れ黙れ黙れ黙れ!!」

 

エンブリヲ「やれやれ、風鳴の長が見た目だけ老いて権力を持つだけのとんだ子供大人だったとは。言い返せない事をぶつけられるとまともな反論さえできないのかい?」

 

訃堂「黙れ黙れ黙れ黙れ!!!」

 

エンブリヲ「これじゃあ、子供を通り越してロボットじゃないか。ネタばらしするけど、私は事故で死んだ風鳴大二と入れ替わっただけ。本当の名前は…エンブリヲだ」

 

訃堂「大二と入れ替わったじゃと!?」

 

エンブリヲ「もう少し利用できるかと思ったけど、ここらが潮時のようだ。今日から風鳴機関も特異災害対策機動部二課も私が頂く事にするよ」

 

訃堂「笑止!何十年もワシを欺き続けた夷荻にこの国を渡すものか!!」

 

 訃堂は襲い掛かったが、いつの間にかエンブリヲは背後におり、エンブリヲに触れられると訃堂の身体に異変が起こった。

 

訃堂「う、う……ぬわあああああっ!!!か、身体に凄まじい痛みがぁああああっ!!」

 

エンブリヲ「痛覚を3万倍に増幅させた。どうやら、護国の鬼もこれには耐えられないようだ。これはどうかな?」

 

 痛みで苦しむ訃堂に再びエンブリヲは触れた。すると、今度は別の異変が訃堂を襲った。

 

訃堂「う、う、う、うああああああああっ!!!」

 

エンブリヲ「痛覚を全て快感に変換した。これに耐えられるかな?」

 

 感度3万倍は護国の鬼たる訃堂でも心が完全に壊れるほどであった。

 

エンブリヲ「快感に呑まれ、絶頂に至ったか。所詮、お前は権力と馬鹿力しか取り柄のないデク人形なんだよ。許してほしければ、私に終身名誉司令の座を譲り、エンブリヲ様と呼ぶ事だ」

 

訃堂「だ、だえが…」

 

エンブリヲ「そうしないと、君は発狂してこのままあの世行きだ。さぁ、私の名前を言ってごらん。エンブリヲ様って」

 

 感度3万倍の快楽の嵐によって戦いどころではなくなり、徹底的に煽り、頭を踏みつけてグリグリするといったエンブリヲの挑発に訃堂は抵抗できなかった。

 

エンブリヲ「どうしたの?快楽に負けて言えなくなったのかな、エンブリヲ様って」

 

訃堂「エ…エンブリヲ……」

 

エンブリヲ「聞こえないよぉ。さぁ、もっと声を大きくしてね」

 

訃堂「エ…エンブリヲ様…エンブリヲ様ぁあああっ!!」

 

 護国の鬼と呼ばれた訃堂が夷荻たるエンブリヲに心から敗北した瞬間であった。しかし、エンブリヲは約束を守らず、訃堂を実験動物のように扱った。

 

 

 

 エンブリヲによって語られた過去に一同は驚愕した。

 

静香「訃堂がヤマタノオロチを手に入れようとしたから、エンブリヲは訃堂と対立して終身名誉司令の座から蹴落とした…」

 

翼「お前のような奴が風鳴を名乗り、穢してきたというのか!?」

 

エンブリヲ「穢したのは訃堂の方だ。私は利用しただけに過ぎないよ。さて、話はここで終わりだ」

 

クリス「まずはヤマタノオロチを使役しているお前からだ!」

 

エンブリヲ「私が何の力もない人間だと思ったかい?」

 

 突如、エンブリヲの身体からカルマノイズの瘴気が出た後、顔を隠す際に使う仮面といかにも邪悪な鎧が特徴の戦闘形態へと姿を変えた。

 

弓美「あいつ、何なのよ!」

 

響「あの瘴気、カルマノイズの…!」

 

エンブリヲ「君達はカルマノイズと呼んでいるのか。まぁいい、この姿になるのも久しぶりだ」

 

ちはる「あいつのにおい、さらに強くなったよ!」

 

すなお「それだけ、エンブリヲの悪意が強い証拠ですね」

 

パルティータ「行かなければいけない場所があるから竜姫達は私に任せて、あなた達は戦うのよ!」

 

創世「行かなければいけない場所って…」

 

 急いでいるパルティータはそれに答えず、弓美達と共にテレポートで姿を消した。

 

エンブリヲ「何の用で離脱したのかは知らないが、もう竜姫に用はない。君達を花嫁にするのが先だ」

 

翼「エンブリヲ!貴様の幾多の狼藉、絶対に許さんぞ!」

 

静香「日ノ本を守る風鳴と時女が、成敗します!」

 

エンブリヲ「ここだと少し味気ない。場所を変えるよ」

 

 そう言ってエンブリヲが指パッチンすると、一同は全員その場から消えた。

 

 

 

仰陽館女学院

 

 消えた一同は、仰陽館女学院の近くにいた。

 

すなお「ここは…」

 

クリス「仰陽館女学院だ!」

 

エンブリヲ「そう、こここそが私達にとって相応しい舞台。さぁ、始めようか!」

 

ヤマタノオロチ「グオオオン!」

 

 エンブリヲとヤマタノオロチが襲い掛かってきた。

 

翼「私達はエンブリヲと戦う!時女達はヤマタノオロチを!」

 

静香「わかりました!」

 

 静香たち魔法少女がヤマタノオロチと、響達がエンブリヲと交戦した。

 

 

 パルティータのテレポート先はなんと、仰陽館女学院の地下であった。

 

弓美「あたし達をここに連れてきたのはどうして?」

 

パルティータ「ある人にここに連れてこいと言われてね」

 

詩織「ある人って…」

 

???「僕である」

 

 その『ある人』とは、死んだはずの景義であった。

 

創世「代行、死んだはずじゃ…?」

 

景義「ぬふふ、凄い顔をして驚いているようだね。僕が生きているのは、バリガー・ダハーカが僕の挑発に乗ってしまい、闇雲に撃って仕事を切り上げてしまったからだ」

 

詩織「ですが、攻撃を受ければ…」

 

景義「二課本部のデータバンク最奥をハックするという事は、謎多き昏い淵を覗くに等しい行為だ。想定容易な『もしも』に備え、スーツの下に対刃、防弾、ABCベストを着こんでいてもおかしくあるまい」

 

弓美「用意周到ね…」

 

景義「こう見えても、身体を鍛えるのが僕の趣味でね。他にも、生き延びていた二課職員やエージェント達、無事な仰陽館女学院の生徒達もいるぞ!」

 

 いつの間にか、生き延びていた黒服達がいた。

 

弓美「みんな…」

 

景義「他にも、風鳴機関は訃堂以上に横暴なエンブリヲと決別してこの大一番に協力してくれるのだ!」

 

弓美「風鳴機関が協力してくれるって事は…」

 

パルティータ「そう、ドラゴンブレスを修理してくれるわ」

 

創世「やったぁ!」

 

詩織「修理が終われば、私達も助太刀に行けます!」

 

景義「だが、エンブリヲは防人兵器を力で従わせ、訃堂さえも誇りを完全にへし折られて実験動物にされた程の男だ。簡単には倒せない」

 

弓美「簡単に倒せないって…」

 

景義「奴を簡単に倒せない原因、それは…」

 

 

 

 地上の方では、魔法少女達は不死身のヤマタノオロチの火力に押され、響達もエンブリヲに押されていた。

 

エンブリヲ「喰らうがいい!」

 

 エンブリヲは肩のアーマーを展開し、強烈な威力のビームを放った。このビームを見た響達は慌てて回避した。

 

クリス「な、何て威力だ!?」

 

翼「おまけに、防御力もかなり高い!今の状態では倒せそうにない…」

 

響「だったら、S2CAで行きましょう!」

 

クリス「…奴をぶっ飛ばすには、それしかねえみたいだな…」

 

翼「行くぞ、エンブリヲ!」

 

 響達は絶唱を唄ったが、エンブリヲは警戒するどころか、避けようとする素振りを見せない事に翼は疑問に思っていた。

 

翼「(どういう事だ?なぜ、警戒すらしない…?)」

 

 そして、絶唱を唄い終わった。

 

響「S2CA、トライバースト!!」

 

エンブリヲ「ぐ、ぐああああああっ!!」

 

 トライバーストが命中し、エンブリヲはその威力に耐え切れず、完全に消滅した。

 

クリス「案外、あっけなかったな…」

 

響「あとは、ヤマタノオロチを倒せば…」

 

???「終わりだとでも思っているのかい?」

 

 しかし、衝撃的な事態が起こった。なんと、トライバーストを受けて消滅したはずのエンブリヲが何事もなかったかのように元通りに復活したのであった。

 

翼「バカな…、ヤマタノオロチと同じく、エンブリヲも不死身だと!?」

 

クリス「ウソだろ…!?」

 

エンブリヲ「本当だよ」

 

翼「そうか!不死身だから、トライバーストを避けなかったのか!」

 

 

 

 エンブリヲの不死身ぶりは弓美達も衝撃を受けていた。

 

弓美「そんな!あいつも不死身だなんて!」

 

景義「これが、エンブリヲを簡単に倒す事ができない要因なのだ。頭や心臓を貫こうとも、燃やそうとも、毒殺しようともしても、奴は何事もなかったかのように元通りに復活できるのだ!」

 

創世「不死身だったら、訃堂でも防人兵器でも奴に勝てないのがよくわかるよ!」

 

詩織「何か、打開策はないのでしょうか…?」

 

景義「僕も奴の不死身についてはよく知らないのだ。何か、不死身のからくりがわかればいいのだが…」

 

 エンブリヲの不死身ぶりに弓美達はどうすれば倒せるのかわからなかった。

 

弓美「(不死身、不死身…。何か、アニメで奴への打開策があるような気がするけど……)」

 

 持ち前のアニメの知識にエンブリヲへの打開策があるような気がし、必死で弓美は考えていた。

 

 

 

 魔法少女の方は不死身のヤマタノオロチには手の打ちようがなかった。

 

ちはる「不死身の怪物はどう倒せばいいの!?」

 

すなお「大技を出しても、無駄に体力を消耗するだけです!」

 

静香「一体、どうしたら…」

 

 エンブリヲの不死身によってトライバーストが事実上の空振りをしてしまい、響達に体力は残っていなかった。

 

エンブリヲ「あの技は負担が大きいようだから、もう使えないだろう。さて、まずは響君、君からだ…」

 

 S2CAの反動で動けない響にエンブリヲは近寄った。

 

響「エ、エンブリヲ…」

 

エンブリヲ「君達シンフォギア装者はとても美しい…。さぁ、私と共に新たな新世界を創ろう!」

 

響「言ってる事、全然わからないから断る!」

 

エンブリヲ「ならば、君を精神から浄化しよう!私の愛で!」

 

 なんと、エンブリヲは眼力で響のシンフォギアを吹っ飛ばして響を全裸にし、シンフォギアクリスタルを弾き飛ばした。

 

クリス「なっ!?」

 

翼「シンフォギアを眼力で!?」

 

エンブリヲ「美しい…」

 

響「嫌っ!!」

 

 慌てて響は胸を隠そうとしたが、両手足を蔓で縛られた。

 

エンブリヲ「立花響、胸といい、体つきといい、君はなんと発育のいい体型をしているのだろうか」

 

響「嫌ッ、離して!!」

 

 

 

 弓美達の方でもカメラで戦闘を見ていたが、エンブリヲの行動に衝撃を受けていた。

 

創世「あいつ、服を破って女の子を裸にするなんて!」

 

詩織「風鳴の血が濃い子孫を残すためならば、平気で子供や親戚の人の奥さんさえも寝取る風鳴訃堂もただの鬼ですが、エンブリヲはその鬼を飛び超えて悪魔です!」

 

弓美「あの眼力脱がしゲス男め!ドラゴンブレスの修理さえ終われば、あいつを叩きのめしてやれるっていうのに!!」

 

 訃堂が護国の鬼であれば、エンブリヲはそれを凌駕する悪魔というのが竜姫達の認識であった。

 

 

 

 響を助けようとしている翼とクリスであったが、S2CAの反動でまともに動けなかった。

 

翼「いかん…、立花が…!」

 

エンブリヲ「君達も私の愛で浄化してあげるから、待っておいてくれたまえ」

 

クリス「ふざけんな!あたしらをぽんぽんすーにしてヤりたいだけだろうが!!」

 

 そんな中、扇がブーメランのように飛んできたため、エンブリヲはかわした。

 

響「誰なの?」

 

???「響!」

 

 響の危機を救ったのは未来であり、他の装者達も来ていた。

 

 

 

 地下では、響達の仲間が来た事に弓美達が驚いていた。

 

詩織「あれが、立花さん達のお仲間…」

 

創世「大人や小学生ぐらいにしか見えない子まで、年齢も結構バラバラだね」

 

景義「だが、彼女達が来ても、エンブリヲの不死身のからくりが難問だ……」

 

 弓美は1人、エンブリヲの不死身のからくりに何か心当たりがあるため、必死で何なのか考えていた。

 

 

 

 残りの装者達の登場にエンブリヲも気付いた。

 

エンブリヲ「他の装者達も来たか」

 

翼「マリア、奏!」

 

クリス「後輩達も一緒じゃねえか!」

 

マリア「清十郎さんに送ってもらったわ!清十郎さんはやる事があると言って、別行動しているけど」

 

切歌「やっぱり、悪寒の原因はあいつなのデス…!」

 

 切歌の悪寒の原因は、エンブリヲであった。

 

調「あの男が、響さんをぽんぽんすーに…!?」

 

奏「人様を裸にするなんて、まともな感覚じゃねーな!」

 

セレナ「あの人は最低最悪です!」

 

未来「エンブリヲ、響を裸にして辱めたからには、その苦しみを何百倍にもして返してあげるわ!」

 

エンブリヲ「いやはや、君達はそれぞれ違ったタイプの美女揃いで最高だよ!母親の如き優しさの美のマリア・カデンツァヴナ・イヴ」

 

マリア「えっ?」

 

エンブリヲ「周囲の気持ちを明るくするお気楽な美の暁切歌」

 

切歌「うぅ…」

 

エンブリヲ「月の如き美しさの月読調」

 

調「……」

 

エンブリヲ「陽だまりという美の小日向未来」

 

未来「……!」

 

エンブリヲ「鷹の如き勇ましさという美の天羽奏」

 

奏「何だとォ!?」

 

エンブリヲ「一点のシミもない無垢なる美のセレナ・カデンツァヴナ・イヴ」

 

セレナ「……」

 

エンブリヲ「残りの装者も来てくれて私は喜びに満ちている!さぁ、私と共に新世界を創り上げようではないか!」

 

マリア「そんなのはお断りよ!」

 

切歌「エンブリヲ、お前はドクターが可愛く見えるぐらいとんでもなく気持ち悪いのデス!」

 

調「そんな奴は切り刻んであげたい…!」

 

エンブリヲ「やはり、君達を私の愛で浄化しないといけないのか…」

 

未来「響を裸にして辱める事のどこが愛よ!?」

 

奏「そんなのはただの醜い欲望だ!」

 

セレナ「私達はそれに屈しません!」

 

エンブリヲ「だが、君達は不死身の私を倒す事はできない。同じく、不死身のヤマタノオロチも倒す事はできないのだからね」

 

響「だとしても、倒してみせるッ!!」

 

 シンフォギアクリスタルを手にし、響は再びギアを纏った。そして、ヤマタノオロチとの戦闘中、体勢を立て直すために静香達が来た。

 

調「静香、ちはる、すなお!」

 

静香「あなた達が翼さんと調の仲間なの?」

 

マリア「ええ。あなた達が翼と調の言ってた時女一族の魔法少女ね。この間は翼と調がお世話になったわ」

 

すなお「それはお互い様です」

 

ちはる「女の子を裸にして辱める最低野郎をやっつけて、この世界に平和を取り戻そう!」

 

 マリア達が来たものの、それでも不死身のエンブリヲとヤマタノオロチとの戦況は変わらなかった。

 

マリア「いくら倒しても復活する不死身の人間と怪物がいるなんて!」

 

エンブリヲ「ふふふ、君達がいくら攻撃しようとも、私は蘇る事ができる。攻撃するだけ無駄だよ」

 

切歌「いくらでも復活するなら、魂を切り刻めば!」

 

 リインカーネーションでいくらでも復活できるはずのフィーネの魂を切り刻んで消滅させる事ができたのであれば、不死身のエンブリヲの魂を切り刻めば復活しないと考えた切歌は絶唱を唄い、エンブリヲに斬りかかった。対するエンブリヲはやはり、避けようとすらしなかったが。

 

切歌「これで終わりデス、エンブリヲ!」

 

 切歌は絶唱による一撃でエンブリヲを一刀両断した。両断されたエンブリヲの魂は消滅した。

 

調「終わったの…?」

 

クリス「流石に魂を切り刻まれれば…」

 

 しかし、魂を切り刻まれたのにも関わらず、エンブリヲはまたしても元通りに復活してしまった。

 

セレナ「そんな…!」

 

奏「魂を切り刻まれても復活できるだと!?」

 

エンブリヲ「フィーネと同じようにイガリマで私を殺せると思ったら大間違いだよ。私は魂を切り刻まれても復活できるのだからね」

 

切歌「うぅ……、イガリマでも全然ダメだったデス…」

 

翼「どうすれば、奴を倒せる…?」

 

 魂を切り刻まれても復活するエンブリヲに戦慄する一同であった。




これで、今回の話は終わりです。
今回はエンブリヲがヤマタノオロチと共に響達に襲い掛かるのと、マリア達が来るのを描きました。
エンブリヲの装者達の美しさを褒めるシーンはスパロボVのエンブリヲが拉致したヒロイン達に対して言った事が元ネタで、このネタを執筆するためにわざわざスパロボvの50話を見てから考えました。翼を第一夫人にすると言っておきながらエンブリヲは一番最初に響を眼力で脱がせましたが、これはたまたま近かったためだと思ってください(オイ!)
また、竜姫世界の訃堂は全並行世界の支配を考えていたものの、それは実現不可能である事をエンブリヲに突き付けられ、ジェットマンのトランザのようにエンブリヲに徹底的に痛めつけられ、罵られ、挙句の果てにはプライドを完全に打ち砕かれて『エンブリヲ様』と言わされるのを描いていますが、トランザと違って訃堂であればこれくらいやってもトラウマにもならず、むしろスッキリするシーンになると思い、挿入しました。エンブリヲの言い方もラディゲに比べると穏やかにしています。
次の話はいよいよ、竜姫達も復帰してエンブリヲとの最終決戦となります。そして、今まで苦戦の原因となったエンブリヲの不死身のからくりも判明します。
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