仰陽館女学院
凄まじい威力の攻撃でも、斬られても、撃たれても、魂を切り刻まれても何事もなかったかのように復活するエンブリヲとヤマタノオロチにはどのような攻撃も無意味であった。
奏「北欧神話のジークフリートのように心臓を貫かれればどうだ!?」
他の装者との連携でエンブリヲの心臓辺りの鎧が脆くなったところを奏は槍でエンブリヲの心臓を貫いた。
エンブリヲ「ぐあっ!」
心臓を貫かれたエンブリヲは倒れた。しかし、すぐに復活したのであった。
エンブリヲ「ジークフリートのように心臓を貫けば死ぬと思っていたようだけど、無駄だよ」
奏「くそっ、心臓を貫いてもダメか…!」
調「エンブリヲはどんな攻撃で倒しても、すぐに復活できる…!」
切歌「これって、神の力なのデスか?」
未来「復活の仕方が違うし、何より響の攻撃でもすぐに復活するから、神の力じゃないのは間違いないと思う…」
セレナ「エンブリヲは本当に不死身なのでしょうか…?」
奏「こうなったら、ブリーシンガメンで!」
マリア「やめなさい!ブリーシンガメンを使っても、不死身のエンブリヲを相手にしたら無駄に体力を消耗するだけよ!」
エンブリヲ「君達が大技を繰り出そうとも、私はいくらでも復活できる!私を完全に殺す手段などないのだ!」
未来「エンブリヲへの対抗手段はないの…?」
エンブリヲの不死身ぶりでどうにもならなくなりつつある中、ドラゴンブレスはあと一歩のところで修理が終わろうとしていた。
創世「あいつ、肉体をグチャグチャにされても、魂を切り刻まれても復活できるなんて…!」
詩織「どういったからくりで復活しているのでしょうか…?」
パルティータ「奴はフォニックゲインを吸収していないばかりか、魂までも蘇るなんてとんでもないものよ」
創世「ねえ、弓美もあいつを倒す方法を考えてよ!」
弓美「さっきから考えているのよ!なんか、不死身のエンブリヲはあたしの見たアニメの敵に似てる気がして…」
景義「アニメの敵にかね?」
弓美「(えっと、不死身、不死身……)」
ふと、弓美はエンブリヲが訃堂を殺す際の言葉を思い出した。
エンブリヲ『私の一部も同然のヤマタノオロチを操れず、宝の持ち腐れになるだけだ』
弓美「(エンブリヲの一部も同然…。後少し、あと少しでもはまるピースがあったら…)」
そんな時、超合金玩具の雷童が転がってきた。
女子生徒「すみません、会長!せっかくの宝物の雷童を落としてしまって…」
詩織「今、弓美さんはエンブリヲを倒す秘策を考えている最中で」
弓美「(雷童…?そうだ、最後のピースがはまった!エンブリヲとヤマタノオロチは奴等にそっくりだ!)ありがとう、お陰でエンブリヲの不死身のからくりがわかった!」
女子生徒「えっ!?」
創世「それって、何なの!?」
弓美「それは…」
伝えた後、弓美達は出撃した。それと入れ替わるように清十郎も来た。
清十郎「おい、この学校の生徒を連れて行け!」
景義「君、どういう事かね!?」
清十郎「エンブリヲをぶっ飛ばすのに必要なんだよ!」
一方、地上ではいくら攻撃しても不死身であるが故に復活できるエンブリヲとヤマタノオロチに装者と魔法少女には疲弊の色が見えていた。
響「そんな…!」
静香「これじゃあ、私達の力が尽きるのが先よ……」
エンブリヲ「そうだよ。君達がどれだけ集まろうとも、永久に死ぬ事のないヤマタノオロチと私を倒す事は不可能なのだ!」
翼「これほどの化け物がいたというのか…!?」
エンブリヲ「これで君達も終わりだ。さぁ、私の愛で君達の身も心も」
???「あたし達を忘れんな!」
現れたのは弓美達であった。
未来「えっ?」
三人娘「メックヴァラヌス、テイクオフ!」
三人娘はメックヴァラヌスを纏った。
響「もう直ったの!?」
創世「風鳴機関の人達が大急ぎで修理してくれたんだ!」
エンブリヲ「ふふふ…、君達は自らヤマタノオロチに食われに来たのかな?」
弓美「その逆よ!あんたをぶっ倒しに来たのさ!」
詩織「あなたは自分が不死身だから余裕をかましているでしょうけど」
創世「そのからくりさえわかればよゆうなんてなくなるよ!」
エンブリヲ「からくり?」
弓美「みんな、よく聞いて!エンブリヲの不死身のからくりは」
しかし、言葉は続かなかった。エンブリヲは手持ちのスイッチでメックヴァラヌスのデヴァステイターを外部から強制起動させたのであった。
三人娘「あああああああっ!!!」
響「板場さん!寺島さん!安藤さん!」
ちはる「デヴァステイターを強制起動させるスイッチを持っているなんて、汚いよ!」
エンブリヲ「この世の中に汚い綺麗なんてないんだよ。メックヴァラヌスの修理を終え、ノコノコと私の前に出たのが運の尽きだ!さぁ、怪物になった後にヤマタノオロチの餌となるがいい!!」
邪悪な笑みを浮かべるエンブリヲであった。
響「3人とも、自分達の歌をその胸に感じるんだ!!」
翼「共振、共鳴!」
クリス「振るわせて、抉り出せ!誰かの歌なんかじゃない、自分の歌を!」
響「胸の歌を!!」
創世「そ、そんな事言われても…」
詩織「以前に…、もう試しているのです…」
弓美「ヒーローになれないあたし達の胸に…歌なんて…」
エンブリヲ「無駄無駄。デヴァステイターなんて制御できるはずもあるまい。さっさと力に屈して怪物となり、食われるがいい!」
???「変態は黙っていろ!」
エンブリヲに罵声を浴びせたのは、清十郎であった。
すなお「清十郎さん!」
清十郎「お前達は歌がないとか言ってお前達を応援してくれた奴等の期待を裏切る気か?」
清十郎が言い終わったのと同時に歌が聞こえた。
エンブリヲ「これは…?」
調「この歌って…!?」
切歌「あ、あそこデス!あそこで生徒達が校歌を……」
切歌が指差した方向に仰陽館女学院の生徒達が校歌を唄っていた。そして、傍にパルティータと景義もいた。
景義「…僕を誘導し、利用するだけの説得力、恐らく、寄越された開示資料と情報は本物…。ならば…」
回想
それは、清十郎とパルティータから提案されたものだった。
景義「生徒達に歌を唄ってほしいだと?」
パルティータ「ええ。かつて、装者達は似たような状況の際に歌によって奇跡の形態になったというのを聞いています」
清十郎「ひょっとすれば、みんなの歌でエンブリヲのデヴァステイター強制起動に太刀打ちできるのではないか?」
景義「だ、だが失敗すれば…」
清十郎「その時は俺達が何とかする。だから、行かせろ!」
唄っている生徒達の様子を景義は見ていた。
景義「歌には、間違いなく力がある…。メックヴァラヌスを強くする…。仰陽館の生徒を守る竜姫であれば、仰陽館女学院の校歌こそが、やはり力であり魂…。竜姫達よ……」
デヴァステイターを強制起動させられ、今にも怪物化しそうな弓美達にも校歌は聴こえていた。
弓美「こ、この歌は……」
創世「仰陽館の校歌だよ…」
詩織「耳からは当然…何より、胸の奥底から…」
エンブリヲ「歌が何の役に立つ?そんな無駄な事をしたところで」
清十郎「どうかな?よーく見てみろ、変態野郎!」
怪物化しかかっている弓美達に変化が起きていた。
創世「誰かのなんかじゃない…。この胸の歌があれば、Dモジュールを…」
詩織「今ならば、デヴァステイターを…!」
弓美「制御を、やってみせる!!行くわよ、2人とも!」
三人娘「咆哮、デヴァステイター!!」
胸の歌で竜姫達はデヴァステイターを再起動させ、制御に成功した。制御した事により、メックヴァラヌスは新たな姿となっていた。
エンブリヲ「そ、そんなバカな!?デヴァステイターを制御しただと!?こ、こんな事はあり得ない!!歴代竜姫が為し得なかった事を、なぜ為し得たんだ!?」
静香「歌が、あの子達の歌がそれを成し遂げたのよ!」
エンブリヲ「歌だとォ!?」
弓美達がデヴァステイターを制御したという事実は、デヴァステイターを制御できない事を逆手にとった強制起動スイッチという策に溺れたエンブリヲには信じられない出来事であった。
翼「あれが、制御下に置かれた荒ぶる蛇竜の咆哮、デヴァステイターモード…」
クリス「あの子らが携えた弓と剣と槍を、戦う力を組み替えて、鎧と纏うオーバーアーマー……」
響「みんな、この歌の力を使って私達も!」
未来「うん!」
マリア「この際、私達も使いましょう!行くわよ、セレナ!」
セレナ「はい、姉さん!」
仰陽館女学院の生徒の歌の力を使い、響達もシンフォギアのエクスドライブを起動させた。
詩織「これまた、シンフォギアにこんな機能があったなんて…」
弓美「いいじゃないの、一緒にあの変態野郎をぶっ飛ばさなきゃ!」
すなお「静香、天羽々斬を使いましょう!」
静香「ええ!」
静香は持ってきた天羽々斬を取り出した。
エンブリヲ「おのれぇ、次から次へと!!だが、私は不死身だ!!どう足掻こうとも」
弓美「そう言っていられるのも今のうちだよ!エンブリヲ、あんたの不死身のからくりは雷童のファルガ皇帝とエックスの関係のように、ヤマタノオロチと相互バックアップの関係にあるからだ!」
エンブリヲ「な、何ぃいいいいっ!!!」
エンブリヲが驚愕し、落ち着きをなくしたために一同にはそれが図星だとわかった。
弓美「やっぱりね。あんた、ジジイを殺す際に身体の一部も同然とか言ってたけど、自分でも気づかないうちに自分の墓穴を掘ったみたいだね!」
翼「相互バックアップだと!?」
マリア「なるほど、どちらか一方が無事であれば心臓を貫かれても、消滅しても、魂を切り刻まれても、魂ごと元通りに復活できるという仕掛けだったのね!フィーネやキャロルを凌駕する復活の技術よ!」
詩織「私達もそれに行きついた時は驚きました!」
弓美「正直言って、アニメの知識がなかったらあんたの不死身のからくりには気付けなかったよ!」
創世「だけどエンブリヲ、自慢の不死身の秘密を暴かれたお前は無敵じゃない!」
エンブリヲ「おのれぇ、エサの分際で私を愚弄したなぁ!!竜姫は念入りに叩き潰し、ヤマタノオロチの餌にしてくれるっ!!」
余裕ぶった態度をかなぐり捨て、エンブリヲはヤマタノオロチと共に襲い掛かった。
弓美「エンブリヲはあたし達がやるわ!奴を完全に倒すには、ヤマタノオロチと同時に倒す必要があるのよ!だから、ヤマタノオロチをお願い!」
響「わかりました、板場さん達!」
シンフォギア装者達と魔法少女はヤマタノオロチ、竜姫はエンブリヲと交戦した。
ヤマタノオロチ「グオオオン!!」
エンブリヲの余裕のなさと同じようにヤマタノオロチもビームの乱射で無差別破壊を行っていた。
景義「な、なんて無茶苦茶な光景だ!怪獣映画そのものではないか!!」
景義の発言も最もであった。
マリア「エンブリヲ、圧倒的な火力と相互バックアップというからくりを組み込んだ怪物を生み出したあなたは強い上、科学者としても優れている!」
調「だけど、欠けていたものがある!」
切歌「それは…!」
セレナ「人と人との絆の力です!!」
F.I.S組の装者の連携にヤマタノオロチは4つも頭を失った。
響「繋がりがあるから!」
未来「信じあえる人達がいるから!」
ちはる「人はそのために頑張ろうとするんだよ!」
すなお「それがないあなたは…!」
クリス「この程度なんだよ!!」
エクスドライブの装者達と魔法少女にヤマタノオロチは押されていた。しかも、天羽々斬の攻撃が一番効いていた。
翼「奴の弱点は神話と同じように天羽々斬か!」
静香「となれば、私と翼さんがメインですね!」
奏「行ってこい、2人とも!」
一方、エンブリヲの方もデヴァステイターモードの竜姫達に押されていた。
エンブリヲ「おのれぇ、餌如きが私と花嫁の新世界を作り出す邪魔を!!」
詩織「何が花嫁との新世界ですか!!」
弓美「そんな新世界とかいう理由をつけてあんたがやろうとしてるのは、自分に都合のいい世界を創るのと気に入った女とヤろうとしていたエロゲー顔負けの事じゃない!!」
創世「それは訃堂がマシに見える程のレベルだ!」
エンブリヲ「餌の分際でぇえええっ!!!」
エンブリヲは肩のアーマーを展開して強烈なビームを放ったが、竜姫達は回避した。そのチャンスを見逃さず、創世と詩織は接近した。
創世と詩織「喰らえ!」
剣と槍を受け、エンブリヲの鎧の肩アーマーは破損してしまった。
弓美「そらぁ、もう1発!!」
続いて、弓美の矢を受けたため、エンブリヲは吹っ飛ばされた。
エンブリヲ「ぐああああああっ!!」
清十郎とパルティータはもう勝ったと確信した。
景義「(あれこそが、メックヴァラヌスに秘められ志力…。僕達も全貌を解明しきれていない、デヴァステイター…。日本政府に接触した風鳴機関よりもたらされし異端技術…。世界を敵にまわしかねないほどの、危険な力…)」
生徒A「頑張れ!頑張ってください、会長!」
生徒B「負けるな、和服の戦士!!」
景義「(それでも今は…、暗い闇を引き裂く朝日…。僕達がすがる希望の光である事は間違いないだろう)」
一同の猛攻でエンブリヲとヤマタノオロチはボロボロになった。
エンブリヲ「お、おのれ……!」
響「これで決めるよ!」
弓美「オッケー!」
詩織「板場さん!」
創世「ユミ!」
弓美「三つの命が一つに燃えれば、一つの歌声、冷たい夜を突き抜ける!絆の赤射ッ!」
弓美達は3人での連携技、NEXUAFLAMMAを放った。
翼「行くぞ、時女!」
静香「はい!時女一心流最終奥義、龍閃天翔!!」
翼の天ノ逆鱗と静香の龍閃天翔が竜姫の連携技と同時に放たれ、エンブリヲとヤマタノオロチは同じタイミングで命中した。
ヤマタノオロチ「グオオオン!!!」
エンブリヲ「ぐああああああっ!!わ、私の新世界がぁああああっ!!!だが、私を殺しても、いずれはあの女が使役する世界を喰らい尽くす怪物が来るぞ~~!!」
攻撃の際に千切れ飛んだ腕だけを残し、エンブリヲとヤマタノオロチは同時に絶命し、消滅したのであった。
響「どっちも消滅した…」
弓美「あたし達、勝ったんだよね!?」
静香「ええ!エンブリヲとヤマタノオロチも消滅した以上、私達の勝利よ!」
パルティータ「(そして、訃堂の怨念も切歌ちゃんがエンブリヲの魂を切り刻んだ際にたまたま傍にいたから、一緒にぶった切られて消えたみたいだわ)」
エンブリヲとヤマタノオロチを倒した事で、勝利の歓声に包まれたのであった。
未来「あれ…?」
ふと、未来は千切れ飛んだエンブリヲの腕に何やら蛇の模様がある事に気付いた。しかし、すぐに消滅したためにそれを深く気に留めず、響達と共に勝利の喜びに浸ったのであった。
そして翌日…。
弓美「もう帰っちゃうんだ…」
パルティータ「もう長い事、この世界に滞在したから元の世界の人達が心配しているからね」
清十郎「俺達には俺達の務めがあるしな。そんじゃ、行くぞ」
清十郎はデュプリケーターを取り出した。
弓美「あの…」
清十郎「ジジイを殺した事については、お前らが恨んでも仕方なかったからな。俺はそん時のお前達を恨んでなどいない」
詩織「やっぱり、優しいお方ですね」
弓美「それと、日ノ本とか言ってたけど…」
静香「私達は並行世界の日ノ本を支え続けた魔法少女の一族、時女一族の人間よ。一族の間では巫って呼ばれてるけどね」
創世「魔法…少女…?」
弓美「並行世界ではアニメみたいな魔法少女が実在してたんだ…。あたし、それを知らずに…」
すなお「わかってもらえれば、それでいいのです」
ちはる「そうそう。すぐにはわかってもらえない事ぐらい予想済みだもんね!」
響「板場さん、いつになるかはわからないけど、また会おうね!」
弓美「うん…」
創世「みんな、元気でね」
清十郎「さぁ、元の世界に帰るぞ!」
清十郎はデュプリケーターを起動させ、この世界から姿を消した。
弓美「(色々と謝ったりしなきゃいけない事を言いそびれちゃったけど、また会えるよね……)」
そう思う弓美であった。
弓美「代行、歴代竜姫と防人兵器のお墓を作る手伝いをしてくれないかな…?」
景義「お墓…?デヴァステイターに取り込まれた挙句、ヤマタノオロチに食い殺された歴代竜姫ならともかく、なぜ防人兵器まで…?」
創世「例えあの子達が兵器だっとしても、あの子達と共に仰陽館女学院で過ごした日々は忘れられないから…」
詩織「歴代竜姫も七支刀も訃堂とエンブリヲの争いの被害者なのです。お願いできますか?」
景義「……わかった…」
竜姫達の想いを景義は汲み取った。
市街地
数日後…。元の世界ではカルマノイズが出現した。
クリス「久方ぶりのカルマノイズか!」
マリア「厄介である事に変わりはないから、すぐに終わらせるわよ!!」
???「ちょっと待ったぁ!」
突然、声がしたためにその方向を向くと、そこにはメックヴァラヌスを纏う並行世界の三人娘の姿があった。
響「ええっ!?」
未来「並行世界の…板場さん達!?」
弓美「あたし達のとこのギャラルホルンが起動して異変の調査のためにゲートを通ったら、この世界に来ちゃったんだ!」
翼「だが、メックヴァラヌスで通るのは…」
詩織「最初はダメでした」
創世「だけど、この前の戦闘の際に壊れたけど、デュプリケーターっていうカギがあったから、それを直接メックヴァラヌスに組み込んで移動できるよう、風鳴機関の人達が改修してくれたんだ!」
弓美「けど、壊れてないものと違ってギャラルホルンのゲートを経由しないとダメだけどね」
調「だから、通れたんだ」
弓美「さぁ、すぐにあの黒いノイズをやっつけるよ!」
響「うん!」
竜姫の加勢もあり、カルマノイズはすぐに倒せた。
弓美「終わった終わった!さて、戻らないと司令が色々言うからね」
翼「ところで、その後はどうなんだ?」
詩織「戦いの後、訃堂とエンブリヲの悪行が明らかになって風鳴機関を始めとした各国の聖遺物研究機関は国連の管理下に置かれました」
創世「そして、国連直属の特異災害対策チームの創設が決まって、司令がそのチームの司令を務める事になったんだ」
切歌「S.O.N.Gみたいな組織デスかね…?」
弓美「そして、ヤマタノオロチの被害を受けた中国とかロシアをはじめとした国々から日本政府は賠償金代わりとして、メックヴァラヌスの技術を無償で提供する事になったんだ」
クリス「こんな動きになったのを生きているジジイが見たら、きっと猛烈にショックを受けていただろうな」
マリア「という事は、各国で竜姫の選抜が行われるのね」
詩織「はい。ですが、第二第三の訃堂やエンブリヲが現れないよう、各国でどのようにすればいいのか、対策を話し合いを行っているところです」
響「色々と大変だね…」
弓美「それと、司令はある事を言ってたんだ」
クリス「ある事?」
詩織「今回の一連の事件の黒幕だったエンブリヲの背後には、より巨大な悪が潜んでいるらしいのです」
翼「エンブリヲよりも巨大な悪だと!?お爺様を徹底的に弄び、ヤマタノオロチを以てあちこちを荒らしまわったあのエンブリヲを従える巨大な悪がいるのか!?」
弓美「そこはあたしも信じられないのよ。まぁ、司令の話はRPGでいえば魔王の背後に大魔王とかの真の魔王がいるようなものだけどね」
未来「エンブリヲが巨大な悪の手下だというのが本当だとしたら、その巨大な悪はどれほどのものなのかな……?」
創世「そこは私達もわからない」
弓美「だけど、その時はあたし達が力を合わせて戦う他ないのは間違いないよ!さて、あたし達も謝ってから」
???「あ!」
しかし、予想外の事が起こった。なんと、元の世界の弓美達三人娘と竜姫の世界の弓美達が対面したのであった。
響「あ……」
未来「並行世界の同一人物が対面しちゃった…」
長い時間、双方は沈黙してしまったのであった。
潜水艦
景義は1人、考え事をしていた。
景義「(風鳴機関からの話では、エンブリヲが生み出したヤマタノオロチはメックヴァラヌスやアングィスマシリアス、そして防人兵器といった異端技術とは根本から異なる異端技術が使われていたという報告を受けた。奴自身が話した事を考えても、あの男は装者達とは別の並行世界から来たのは間違いないだろう)」
それから、エンブリヲの経歴を見た。
景義「(エンブリヲが死ぬ間際に言った言葉から推測すれば、恐らくエンブリヲは組織の親玉ではなく、組織の幹部、それも能力が非常に優秀な最高幹部クラスなのだろう。板場君の言葉を借りればエンブリヲは魔王で、奴の言う『あの女』がエンブリヲの背後にいる大魔王とでもいうべき存在かも知れない。これは恐ろしい事態に巻き込まれたかも知れないのだ……)」
ただでさえこれからいろいろと忙しくなる中、エンブリヲの背後にいる大魔王ポジションの巨悪に頭を悩ませる景義であった。
???A
その頃、ある世界にいたベアトリーチェは杳馬からある報告を聞いていた。
ベアトリーチェ「なるほど、エンブリヲが死んだというのね?」
杳馬「その通りさ」
???「杳馬、それは本当なのか?我らの組織の面汚しともいえる存在だったとはいえ、ヤマタノオロチを使役し、我々にさえわからない不死身のからくりで単純な実力であれば私をも凌駕するあのエンブリヲが死んだのは信じがたいのだが…」
杳馬「ああ、本当さ。エンブリヲは竜姫と装者達との戦いに敗れ、死んじまったのさ」
杳馬の報告にベアトリーチェの組織の構成員達は衝撃を受けた。
戦闘員A「あ、あのエンブリヲが死んだだと!?」
戦闘員B「信じられないぞ!曲がりなりにも奴は我が組織の実質的なNo3の男なんだぞ!」
戦闘員C「ああ。実質的に立場はNo3だが、ヤマタノオロチやベアトリーチェ様でさえわからなかった不死身ぶりによって実力だけはNo2だというのに、あのエンブリヲが死んだなんて…」
杳馬「で、エンブリヲの敵討ちでもやるか?」
ベアトリーチェ「エンブリヲは結構面白かったけど、別に殺されたところで敵討ちをしたくなるほどの男でもなかったしねぇ」
杳馬「そうかそうか!」
???「次はどこの世界へ向かいますか?」
ベアトリーチェ「急かさないでよね。今、面白い事を考えている最中なんだから。それに、私達でさえわからない不死身のからくりを持つエンブリヲを殺したシンフォギア装者にも少し興味が出てきたわ」
???「そうなのですか……」
面白い男という認識ではあるものの、エンブリヲが殺されても何の感情も抱いていないベアトリーチェであった。
杳馬「(さぁて、そろそろベアトリーチェちゃん達が本格的に動くぜぇ!星矢、お前らはどうするのかなぁ?)」
ベアトリーチェが本格的に動く日が近いのを知り、ますます事態の混乱を楽しむ杳馬であった。
???B
エンブリヲが死んだ事はスクルドにも伝わる事となった。
ミーナ「何ですって!?あの不死身のエンブリヲが死んだ!?」
ユリウス「仲間達の話では、本当にエンブリヲは死んだらしい」
ミーナ「エンブリヲ…、あの男はあの組織一の科学者であり、どこにでも呼び出せる不死身の怪物、ヤマタノオロチ使役する上に高い実力を持ち、あらゆる攻撃を受けてもすぐに復活するのに、そんな化け物の息の根を止めたなんて…」
ユリウス「エンブリヲを倒したのは、シンフォギア装者と魔法少女、そしてメックヴァラヌスを纏う竜姫だそうだ」
ミーナ「シンフォギア装者が、エンブリヲを…?」
ユリウス「しかも、助っ人たる魔法少女の師匠がデュプリケーターまで持っていたそうだ」
ミーナ「デュプリケーターまで!?」
ユリウス「最近、奴等の新しい一員として杳馬なる愉快犯が暗躍しているというのを聞いた。恐らく、奴がデュプリケーターを奪い、量産して渡したのだろう」
ミーナ「よりにもよって、愉快犯の手に渡ってしまった挙句、量産されてしまってたなんて…」
ユリウス「あちらには原料が山ほどあるんだ。量産できてもおかしくない」
ミーナ「いずれはアテナとも話し合う必要があるわね」
スクルドもまた、動きだそうとしていた。
これで今回の話は終わりです。
今回はデヴァステイターの制御とエンブリヲとの決着を描きました。
今小説のエンブリヲはクロスアンジュのエンブリヲとガンダムSEEDのクルーゼ、電童のガルファ皇帝とゼロの要素を詰め込んで思いつきました。
電童のガルファ皇帝とゼロの要素はヤマタノオロチと相互バックアップによる不死身となっています。
XD本編のメックヴァラヌス編と違って今小説の訃堂一派はエンブリヲによって全滅していますが、これは世界蛇との戦いで収束させて終わらせるために再び暗躍する伏線を排除するために全滅させる事にしました。
作中でエンブリヲの背後にベアトリーチェという巨大な悪がいるというのは、ドラクエのゾーマによって定番となった『魔王の背後に真の魔王がいる』でわかりやすく表現しました。ソードマスターヤマトと異なり、エンブリヲの死に組織の戦闘員達は弱いと見下すどころか、逆に動揺するのを入れています。
これでメックヴァラヌス編は終わり、次は夕暮れに舞う巫女編となります。