セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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夕暮れに舞う巫女編
176話 調神社の異変


調神社

 

 12月も終わりも同然の年末、シャカは自分達の世界の聖域とS.O.N.Gとの情報交換も兼ねて散策をしていた。散策をしているうちに夜になった。

 

シャカ「(散策してみたが、基本的に並行世界ではこういった街並みはほとんど変わらぬものだな…)」

 

 そう思いながら歩いていると、何やら気配を感じ取った。

 

シャカ「(……ん?邪悪ではないが、何かの気配を感じるぞ…)」

 

 シャカが気配を感じ、視線を向けたのは夜中の調神社であった。

 

シャカ「(気配の元があるのはあの神社か…。世の中にはオリンポス十二神やゼウスを始めとした神々がいるが、この日本にも天照大御神などといった神々が古来よりいる。そろそろ私は帰らねばならないが、あの神社に何があるのやら…。まぁ、それは次の機会にすればよい事だ)」

 

 気配の元が気になりつつも、そろそろ元の世界へ帰らないといけないシャカは次の機会にすればいいと判断し、元の世界へ帰った。シャカが去った後、狛兎が光に包まれ、どこかへ行ってしまった。

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 同じ頃、エルフナインはいつもの調子で翼達から受け取った竜姫の世界のデータを見て、ヤマタノオロチのデータに着目して調べていた。

 

エルフナイン「(そう言えば、竜姫の世界で暗躍していたエンブリヲが生み出し、使役していたヤマタノオロチの頭をよく見てみると、奏さんが生き残った世界の騒動の際に現れた怪物に似ていますね)」

 

 さらに、竜姫からもたらされたデータにより、ヤマタノオロチはメックヴァラヌスやアングィスマシリアス、防人兵器といった異端技術とは根本から異なる異端技術である事も知る事となった。

 

エルフナイン「(ヤマタノオロチはメックヴァラヌスやアングィスマシリアスに防人兵器と同様、エンブリヲがヤマタノオロチの化石から生み出したそうですが、あの片方が無事であれば即座にいくらでも復活できる相互バックアップ機能は風鳴機関はおろか、響さん達がこれまで行った並行世界ではありえない技術。どうやら、エンブリヲはフィーネやキャロル以上に高度な蘇生やアンチエイジングの技術を持っていたのが伺えます。例の怪物に似たヤマタノオロチに相互バックアップ機能、それらの技術の出所はどこなのでしょうか…?)」

 

 ギャラルホルンが異常なアラートを発した際に現れた怪物とヤマタノオロチが似ている上、エンブリヲの高度な異端技術の出所が気になるエルフナインであった。

 

 

 

マンション

 

 そして正月、マリア達は集まっていた。

 

マリア達「新年、あけましておめでとうございます(デース)」

 

マリア「こうして4人で新年を迎えられるなんて…」

 

調「おせちの準備もバッチリ」

 

切歌「調、調!この黄色いのは何デスか!」

 

セレナ「月読さん、この黒いのって苦かったりしませんか…?」

 

調「切ちゃんが指差してるのは栗きんとん。セレナ、それは黒豆。甘く煮てるから大丈夫」

 

マリア「さあ、みんなで調の作ってくれたおせちをいただきましょう」

 

マリア達「いただきまーす(デース)!」

 

 マリア達は調が作ってくれたおせちを食べた。食べている最中、TVの中継を見た。

 

レポーター『こちら現場です。見ての通り、周囲はお正月の参拝で大盛況です』

 

調「…すごい人の数」

 

切歌「そういえば、クリス先輩達も初詣に行くとか言ってたデスね」

 

調「うん。クラスのお友達と集まって行くって」

 

セレナ「初詣って…何をするんだろう?」

 

切歌「お賽銭を神様に渡して、便宜を図ってもらうデスよ」

 

調「うん、うーん…。間違ってないけど、ちょっと違うような…」

 

セレナ「なんか後ろ暗い取引のようですけど…」

 

マリア「参拝をして、その年が良い年になるように祈るのよ。今年も良い事がありますように、ってね」

 

セレナ「今年1年、良い事がありますように、かぁ……」

 

マリア「行ってみたい?」

 

セレナ「うん…。ダメ、かな?」

 

切歌「全然ダメじゃないデスよ!みんなで初詣に出かけるデース」

 

調「そうだね。あ、それなら…」

 

 調達はある神社へ向かった。

 

 

 

神社

 

 星矢達は別の神社で初詣をしていた。

 

星矢「いやぁ、沙織さんの着物姿はいつもとは違う印象になるなぁ」

 

沙織「そうですか?」

 

瞬「結構印象も変わりますよ」

 

星矢「それにしても、神様が初詣っていうのも他じゃ絶対に見られない光景だろうな」

 

紫龍「そうだろうな」

 

沙織「小さい頃はお爺様に連れて行ってもらいました。といっても、その時はワガママな頃だったので着物は窮屈だとか思っていましたけど…」

 

氷河「アイオリアとシャカも初詣に来たのか?」

 

 星矢達の後ろにシャカとアイオリアがいた。

 

アイオリア「……アテナやアテナの聖闘士が初詣をしていいのか…?」

 

シャカ「そのアテナの聖闘士の中には仏教徒たる私もいるのだ。細かい事は気にせずに新年が良い年になるように祈りたまえ」

 

アイオリア「…本当にそれでいいのか…?」

 

 シャカまでも聖闘士やアテナが初詣をする事に全く疑問を持っていないため、アイオリアはポカンとした。そんな中…。

 

シャカ「アイオリアよ、この日本において、なぜ神と仏は同じ存在だとされている?」

 

アイオリア「そんなの、ギリシャ生まれの俺にはさっぱりだ……」

 

シャカ「その訳を教えよう。それは……、日本の宗教はごちゃまぜなのだからだ」

 

アイオリア「ごちゃまぜだと!?」

 

シャカ「本来、神と仏は別の存在ではある。だが、この国の宗教文化は大陸より伝わってきた仏教と元からあった神道がいつしか混ざり合い、神と仏を同じ存在とみなすようになって独自の文化となった。一応、神仏分離令で分かれはしたが、分離前の名残りは未だにあちこちに残っている。その名残りの代表ともいえるのが、神と仏は同じ存在であるという考えなのだ」

 

アイオリア「た、確かに……」

 

美衣「沙織様、例の件についてですが…」

 

沙織「繋いでください」

 

 スマホで辰巳と連絡をとった。

 

沙織「辰巳、パヴァリア光明結社との戦いの後に異変が起こっているのは間違いないのですね?」

 

辰巳『はい。神社本庁より連絡がありました。調神社を始めとしたあちこちの神社で異変が起こっていると』

 

沙織「わかりました」

 

 沙織は通話を切った。

 

沙織「(この異変。もしや、あの時のしっぺ返しともいうべきでは…)」

 

 『あの時』の行動がしっぺ返しになってしまったのではないかと思う沙織であった。

 

 

 

調神社

 

 マリア達は調神社に来た。

 

マリア「さ、行きましょうか」

 

切歌「ここに来るのも久しぶりデスね」

 

調「うん…。宮司さん、元気にしてるかな…?」

 

セレナ「えっ!?調(しらべ)神社って、月読さんと同じ名前ですね」

 

切歌「違うデスよ。これはなんと!調(つき)神社って読むのデス!」

 

セレナ「調(つき)神社…。そうなんですね。ここってどんな神社なんですか?」

 

調「前に少しお世話になった事があるの。色々と厄介な事があって」

 

マリア「ふふ、ここはウサギさんがたくさんいるのよ。きっとセレナも気に入るわ」

 

セレナ「えっ、どこどこ?」

 

調「えっと、まずそこの入り口の所に狛兎が……あれ?」

 

 入口のところの狛兎が消えていた。

 

切歌「ウサギが家出したデスか!?」

 

マリア「置物が家出はしないと思うけど…。でも変ね。前はここに狛兎がいたのに…」

 

調「…あ、境内の方にはあるみたいだよ」

 

マリア「そう。正装か何かにでも出しているのかしら。まあいいわ、それじゃそっちに行ってみましょう」

 

 マリア達は境内に入った。

 

セレナ「わぁ…。本当にウサギさんがいる。可愛いなー!」

 

マリア「でしょう(ふふ、セレナも喜んでる…。はしゃぐセレナも可愛いわね)」

 

切歌「おおー、流石の人出デスね…」

 

調「お正月だけあって、みんな参拝に来てるみたい」

 

マリア「時期が時期だからね。さあ、まずは参拝を済ませましょうか」

 

 まず、最初に調が参拝した。

 

切歌「おお…。調、カッコイイデス」

 

マリア「ニ礼二拍手一礼ね。そんな作法、よく知っているわね、調」

 

調「この前来た時、宮司さんに教わって、それから自分でも調べてみたんだ」

 

切歌「調、調!あたしにも教えてほしいデス!」

 

セレナ「私にも教えてほしいです」

 

マリア「ふふ、それじゃみんなで調に教わりましょうか」

 

調「う、うん。えっと、最初はこうして2回礼をして…」

 

切歌「こうデスか?あ、お賽銭はいつ入れればいいんデスかね」

 

セレナ「あの、お願いっていつするんでしょう……?」

 

調「お賽銭は最初に。お願いは最後の一礼の時に」

 

宮司「ほうほう。このご時世、お若いのに正式な参拝のやり方を心得ているとは……。あなた達を見ていると、生き別れになった娘夫婦の孫を思い出しますな」

 

セレナ「そ、そうなんですか?生き別れになったお孫さんが…」

 

切歌「セレナ、これは違うデスよ」

 

調「うん。これは神社ジョーク」

 

マリア「…しかも前は事故で亡くなったって言ってたわよね」

 

セレナ「え?え?」

 

宮司「おお、これは皆さんでしたか。相変わらずお元気そうで何よりです。ところで、こちらのお嬢さんは…?」

 

マリア「…私の妹なんです。普段はちょっと遠くに住んでいるんですけどね」

 

切歌「(本当は遠いどころじゃないデスけど…)」

 

調「(うん…)」

 

セレナ「セレナって言います。よろしくお願いします」

 

宮司「おお、これはご丁寧に。せっかくです。少し家の方でおもてなしをさせてもらえませんかな?」

 

セレナ「え?でも…」

 

マリア「いえ、私達はお参りに来ただけなので、そんなおもてなしを受ける事なんて……」

 

宮司「実は、これでも天涯孤独の身でしてな。神社の事もあり、毎日寂しさで枕を濡らしているのです。孤独な老人に束の間の団欒を味わせるボランティアと思って、少しだけでも寄っていってもらえませんかな…?」

 

調「天涯孤独……?」

 

切歌「結局孫はいるのかいないのかどちらなんデスかね…?」

 

セレナ「マリア姉さん、少しくらいなら…」

 

マリア「…もう、仕方ないわね。それじゃ、少しだけ寄らせてもらいましょうか」

 

宮司「おお、それはそれは。では、こちらへどうぞすぐにお茶とカヌレを用意しますからな」

 

調「そこは和菓子じゃなくてカヌレなんだ…」

 

切歌「おいしければ何でもいいデス!」

 

 マリア達が宮司の言葉に甘えて上がる事にした。

 

セレナ「うわぁぁ…。おいしいね、マリア姉さん」

 

宮司「喜んでいただけて何よりですぞ。これでもフランス料理には少々自信がありましてな」

 

マリア「日本の宮司さんがどうしてフランス料理に明るいのかしらね…?」

 

宮司「それは企業秘密という事で」

 

切歌「企業関係ないデス」

 

調「でも、おいしい事はたしか」

 

切歌「確かに、前のキッシュもおいしかったデス!」

 

宮司「おお、それならこの次はそれもご用意しましょう」

 

マリア「それにしても、流石に盛況していますね。お正月はいつも?」

 

宮司「ええ。お陰様で儲かっておりますよ」

 

切歌「生々しいデス…」

 

宮司「ですが、少々困った事も…」

 

調「困った事?」

 

宮司「ええ。実は色々とよくない事がありましてな。もう連日働きづめです」

 

セレナ「大丈夫ですか…?」

 

宮司「ありがとう、大丈夫ですよ。こんな風にお茶とお菓子を食べつつ、団欒を楽しむのが一番の休息ですから。実は神社での盗難に加え、お正月のアルバイトをお願いしていた巫女さん達が一斉に謎の体調不良を訴え出ましてな」

 

マリア「盗難…?警察には?」

 

宮司「もちろん届けましたが、一体狛兎なんてものをどうやって盗んだのか、まったく見当もつきませんでねぇ」

 

切歌「狛兎……って、あの入口のやつデスか!?」

 

宮司「ええ。そうなんですと。気づいたら忽然と。由緒正しき狛兎でして、ずっと大事に磨いてきたんですが…」

 

セレナ「かわいそう…」

 

宮司「…おっと、神社が盗みやら不幸やらなんて縁起でもないですな。参拝客にはぜひ内緒でお願いします」

 

調「私達も参拝客ですけど…」

 

宮司「それはそれで。いや、あなた達はもう他人とも思えませんので」

 

マリア「狛兎が盗難ね…。確かにあんな重い物盗むなんて…」

 

 そんな時、悲鳴が聞こえた。

 

調「今の…」

 

切歌「境内の方デス!」

 

 マリア達は外へ出た。すると、奇妙な怪物がいたのであった。

 

切歌「な、何か変なのがいるのデス!」

 

セレナ「みんなを助けないと!」

 

マリア「宮司さん、あなたは参拝客の避難をお願い!」

 

宮司「わかりました」

 

調「マリア、S.O.N.Gには知らせたよ!」

 

マリア「ありがとう。私達はあれを何とかするわよ」

 

調「うん」

 

 マリア達はギアを装着し、戦闘を開始した。

 

 

 

神社

 

 星矢達がいる場所でも、怪物が出現していた。

 

星矢「あの怪物は何だ!?」

 

アイオリア「わからん。だが、敵である事は間違いない!」

 

 そこへ、沙織に通信が入った。

 

沙織「はい、沙織です。……何ですって!?」

 

氷河「何があったんだ?」

 

沙織「他の神社でも私達が目の当たりにした怪物が出現しています!」

 

星矢「他の神社でもだと!?」

 

紫龍「ならば、手分けして対応する他、あるまい!」

 

シャカ「そうした方が効率がいい」

 

瞬「では沙織さん、美衣さん、避難をお願いします!」

 

美衣「わかりました!」

 

 星矢達もそれぞれ分散し、他の神社へ向かった。

 

沙織「司令、状況は?」

 

弦十郎『調神社を始めとした、周辺の神社群で怪物の出現が発生している!調神社にいるマリア君達の他にも、響君達も向かわせた!』

 

沙織「私の方も星矢達が迎撃に向かっています!」

 

弦十郎『何が起こっているのかはわからんが、敵はノイズやアルカノイズではない事は確かなようだ。そちらでも敵の対処を続けてくれ!これから、自衛隊に民間人の退避と各神社周辺の封鎖のために協力を要請する!』

 

沙織「わかりました!」

 

 沙織は通信を切った。

 

美衣「沙織様、あの敵は未知の敵というべきでしょうか…?」

 

沙織「今はそうとしか言えません」

 

 星矢達は怪物をどんどん倒していった。

 

 

 

調神社

 

 一方、装者達の方は怪物に苦戦していた。

 

セレナ「何だか、凄く戦いにくい感じがします…」

 

調「…閉鎖空間で戦った時に似てる気がする。上手く調律できなくて、攻撃が当たりにくい感じ……」

 

マリア「だとすれば、取れる手段はそれ相応の大火力で一点突破かしら」

 

調「うん。でも…」

 

切歌「避難が間に合ってないデス!下手な攻撃をすると、参拝客に当たっちゃうデスよ!」

 

マリア「…そうね。全く、やりにくい相手だわ…」

 

 そう言ってると、怪物が参拝客の方へ向かった。

 

セレナ「姉さん、敵が参拝客の方に!」

 

調「させない!」

 

 調は1人、飛び出した。

 

マリア「調、1人で突出しては」

 

 突出して参拝客は逃せたが、今度は調が怪物に包囲されてしまった。

 

調「参拝客は逃がせたけど…」

 

切歌「調、今行くデスよ!」

 

マリア「くっ、邪魔をしないで!」

 

セレナ「月読さん!」

 

 マリア達は怪物に邪魔され、進めなかった。

 

調「みんなが来るまで、何とかやってみせる!」

 

 しかし、怪物には攻撃が効きづらいために苦戦した。

 

調「そんな…!」

 

切歌「調!!」

 

 調に怪物の攻撃が飛んできた。しかし、何かに防がれてしまった。

 

調「…え、今のは……?」

 

 攻撃を防いだのは、狛犬がつける首飾りをつけた茶色のウサギと白いウサギという二羽のウサギであった。

 

調「……ウサギ?」

 

切歌「ウサギが調を助けたデス!?何の恩返しデスか!?」

 

セレナ「義理堅いウサギさんなんですかね?」

 

調「うーん…。ウサギに恩を売った覚えはないけれど…」

 

マリア「とにかく詮索はあとよ!避難も済んだみたいだし、一気に片付けましょう!」

 

 避難が完了したため、一気にマリア達は攻め込んだ。

 

 

 

神社

 

 他の神社では…。

 

アイオリア「ライトニングプラズマ!!」

 

 光の筋のようにしか見えない光速拳、ライトニングプラズマでアイオリアは怪物を一掃した。

 

アイオリア「何だか、ノイズや海闘士、スケルトンや冥闘士といった、俺が今まで戦った敵とはどこかが違うな…」

 

 脳筋ながらも、持ち前の直感で怪物の異質さを感じたアイオリアであった。一方、シャカの方も圧倒的な力の差で怪物を倒していた。

 

シャカ「オーム!!」

 

 黄金聖闘士の中でも一、ニを争う実力者のシャカの前には怪物は無力であった。

 

シャカ「この怪物はやはり異質な存在だ。そもそも、この怪物は何者で、どこから来たのやら…。ん?」

 

 わずかながら、何かが地面に吸い込まれるのをシャカは目撃した。

 

シャカ「さっきのは…邪気?どうやら、あの怪物は単なる生き物ではないようだ…」

 

 神に最も近い男であるが故、シャカもアイオリアとは違った視点で怪物の異質さを感じ取っていた。そして、怪物を倒し終わってから星矢達は合流した。

 

星矢「そっちは終わったか?」

 

紫龍「ああ」

 

瞬「僕達やアイオリア達の方も終わったよ」

 

氷河「それにしても、あの怪物は何者だったんだ…?」

 

沙織「今の時点ではわかりません」

 

美衣「なので、エルフナインが解析にあたっています」

 

アイオリア「アテナ、再びあの怪物が出ても、俺達が1匹たりとも残さずに倒してみせます!」

 

シャカ「待ちたまえ、アイオリア。あの怪物は単に倒せば万事解決という怪物ではなさそうだ」

 

アイオリア「何ッ?どういう事だ、シャカ!」

 

シャカ「言葉の通りだ。あの怪物は単に倒せばそれで済む怪物ではないようだと言っているのだ。何やら、邪気に関連していると私は推測している」

 

アイオリア「単に倒せばそれで済む怪物ではない、だと…?」

 

星矢「どういう事なんだ?シャカ!」

 

シャカ「今の段階では邪気に関連しているとしかいう事ができない。だが、これだけは怪物との戦う時でも頭の隅に留めてほしい」

 

紫龍「邪気か……」

 

アイオリア「お前の言う通り、どこかが違うのは直感で感じてはいたのだが…」

 

 今回出現した怪物はノイズなどとは異なる『何か』をアイオリア達も薄々感じていた。その『何か』故にシャカの言葉を聞いた星矢達は色々と悩んだのであった。

 

瞬「とりあえず、マリアさん達と合流して情報交換をしよう」

 

シャカ「そうだな。そこへは私が向かうとしよう」

 

星矢「シャカがか?」

 

シャカ「何となく、その方角へ向かいたくなったのだ。では、行ってくるぞ」

 

 マリア達の方へはシャカが向かう事となった。

 

シャカ「(あの方角から、怪物共とは異なる力を感じるぞ。それに今、私が感じている力は年末にあの神社で感じた力に似つつも、異なるものだ。やはり、何かがある…)」

 

 年末に来た際、自分が感じた力に似て異なる力を調神社の方角から感じ取ったシャカはそれが何なのか気になり、調神社へ向かう事にした。




これで今回の話は終わりです。
今回は調神社を始めとした神社で謎の怪物が出現するという異変が起こるのを描きました。日本の宗教がごちゃ混ぜというのは、カルラ舞うという漫画で語られた事が元ネタです。
また、シャカが神に最も近い男であるが故に邪悪ではないが、何かの気配を感じるというのもありますが、それが何なのかはまだ秘密です。
次は怪物の正体と出現した原因が明らかになります。

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