セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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ギャラルホルン編 序章
181話 同時多発異変


聖域(並行世界)

 

 星矢達とサガ達は並行世界の聖域で会議を行っていた。

 

サガ「カルマノイズは自然発生したノイズではない?」

 

沙織「ええ。再生能力や戦闘力、破壊衝動を植え付ける瘴気に加え、使役する者達の存在に時に群れで出現する事。どう考えても、カルマノイズは変異種ではないというのが私の考えです」

 

星矢「確かに、実際に戦った俺達もそう思ってたところだ」

 

紫龍「俺達としては、カルマノイズは突然変異したノイズではなく、むしろ別系統のアルカノイズといった方がいいという考えだ」

 

アイオロス「別系統のアルカノイズか…」

 

童虎「わしとしても、その考えなら割とつじつまが合うぞ」

 

美衣「それと、私達はシャロンさんの世界において、天魁星メフィストフェレスの杳馬という事態を混乱させ、混沌とした状況になるのを楽しむ愉快犯のような冥闘士と遭遇しました」

 

氷河「その後、杳馬は俺達の世界にも現れ、度々俺達の妨害をして事態の混乱を楽しむようになった。並行世界を移動するのに使ったとされる代物がこれだ」

 

 氷河はカギみたいなものを見せた。

 

童虎「これはわしも見るのは初めてじゃな」

 

沙織「これはデュプリケーターといって、杳馬が並行世界の移動に使ったとされるものです。後に私達とは別の並行世界にいる魔法少女経由で我々にももたらされました」

 

パルティータ「渡した目的は、事態の混乱ではないかと推測されているわ」

 

サガ「並行世界を股にかける愉快犯の冥闘士か…」

 

パルティータ「奴は他にも、私達の世界では欠番扱いのアタバクを引き連れていた事もあったわ」

 

アイオロス「欠番の冥闘士…」

 

ムウ「そもそも、私達の世界での聖戦でも、星矢達が生き残った世界での聖戦でもメフィストフェレスは欠番扱いでした」

 

瞬「その欠番扱いの冥闘士である杳馬は何を企んでいるのか、気になるよ」

 

サガ「杳馬の狙いも気になるが、今はカルマノイズ、及びそれを使役する者と冥闘士への対処が先決だ」

 

紫龍「ギャラルホルンにも気になるところが多いな…」

 

ムウ「そうですね。並行世界の危機を察知し、アラートによってそれを知らせてその世界との道を繋ぎます。しかも、その後はシンフォギアや聖衣を纏った人間、もしくは神が自由に通れるようです」

 

星矢「ちょっと待った、俺達の世界にいる最高クラスの医者のブラックジャックは一般人なのに通れるぞ」

 

紫龍「恐らく、何者かがギャラルホルンを通して通れるようにしたんだろう」

 

沙織「さらに、神となった魔法少女の干渉のケースを除き、ギャラルホルンがアラートを発した時には必ずといっていい程、カルマノイズが出現しています。私としては、ギャラルホルンとカルマノイズには何らかの関係があると思います」

 

アイオロス「我々の世界にも3年前にカルマノイズと思わしき黒いノイズが出現した事例があり、アテナの推測は的中しているのではないかと我々も思います」

 

サガ「神話世界では終末の始まるを告げる角笛とされるギャラルホルン…。そちらにカルマノイズを超える並行世界を股にかける脅威に心当たりは」

 

 話している最中に従者が来た。

 

従者「教皇、聖域に冥闘士と思わしき軍勢が迫っています!」

 

サガ「冥闘士が!?対処は黄金聖闘士、及びそれに匹敵する聖闘士で行う!」

 

従者「はっ!」

 

 指示を聞いた後、従者は部屋を出た。

 

沙織「敵が現れたようですね」

 

アイオロス「そのようです、アテナ」

 

星矢「さてと、俺達の出番だな!サクッと片付けてやる!」

 

サガ「いくら並行世界の同一の相手だからといって、実力も同じとは限らない!各自、油断はするな!」

 

 油断大敵である事を告げ、サガは星矢達を戦場に送り出した。

 

美衣「迫っている冥闘士は、杳馬の差し金の可能性が高いと思います」

 

サガ「私も同じ考えだ。こちらやそちらでは冥闘士は全滅している。となれば、迫っている冥闘士は並行世界の冥闘士で間違いない」

 

 

 

荒野

 

 聖域周辺では冥闘士とスケルトンに代わる奇妙な戦闘員がおり、星矢達が迎え撃っていた。

 

星矢「あいつら、スケルトンじゃないぞ」

 

紫龍「しかも、奴等からカルマノイズの瘴気のような感じの小宇宙を感じるぞ!」

 

アイオリア「だが、カルマノイズと関係があっても、倒すだけだ!ライトニングプラズマ!!」

 

 脳筋思考でアイオリアは先陣を切り、奇妙な戦闘員と弱い冥闘士をなぎ倒していった。

 

ゼーロス「ぐげえっ!」

 

ギガント「ぐはっ!」

 

カノン「ギャラクシアンエクスプロージョン!!」

 

 他の黄金聖闘士も次々と冥闘士を倒していった。

 

氷河「あとは」

 

???「んははははっ、随分と盛り上がっちゃてるねえ!」

 

 不気味な笑い声と共に、杳馬が姿を現した。

 

星矢「杳馬、お前の仕業なのか!?」

 

杳馬「ピンポーン!蘇った冥闘士の運動も兼ねて、ここを攻めに来たのさ!」

 

瞬「だけど、あなたの思い通りにはならない!」

 

杳馬「(やっぱ、一致団結している聖域の連中は厄介だな。ま、本当の狙いは聖域の連中への挨拶とこいつらの足止めだけどな)」

 

 杳馬の狙いは星矢達を倒す事ではなく、足止めする事であった。

 

 

 

市街地

 

 星矢達が足止めされているせいで、装者だけでカルマノイズに応戦する事となり、6人がかりで倒す事に成功した。

 

切歌「やったデス!」

 

調「S2CAやエクスドライブ、星矢達の助けなしでもカルマノイズに勝てた」

 

クリス「ああ。これもギアの出力が上がったお陰って奴か?」

 

マリア「それだけじゃない。私達の連携の精度も確実に向上しているわ」

 

翼「所々は危うい面もあったがな。ひとまずは及第点と言えるだろう」

 

切歌「えへへ。あたし達、どんどん強くなってるデース!」

 

響「そうだね」

 

マリア「カルマノイズ自体にも個体差があるから、油断は禁物よ。より強力なカルマノイズが出現する事も考えられるわ。それに、並行世界では今回のように全員で戦うというわけにもいかないのだから」

 

切歌「……そうデスね…」

 

翼「だが、正攻法による攻略の糸口も見えてきた。これは大きな収穫だろう」

 

クリス「ああ。S2CAやエクスドライブは発動条件が厳しいからな…」

 

 通信が来た。

 

響「あ、師匠から連絡みたいです」

 

弦十郎『お前達、よくカルマノイズを撃退してくれた』

 

切歌「へへん…。それ程でもないデース」

 

弦十郎『ああ…。ともかく、至急S.O.N.Gへ帰還してくれ』

 

響「はい、了解です」

 

 そこで通信を切った。

 

響「なんか、師匠の口調、少し変じゃなかったですか?」

 

翼「ああ。どことなく歯切れが悪かったな」

 

マリア「とりあえず、早く帰るとしましょう」

 

 装者達は帰還した。

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 帰還した装者達は発令所に来た。

 

弦十郎「お前達。ご苦労だった」

 

翼「未だに戦闘配備を解いていないというのは…、また何か問題でも?」

 

弦十郎「実はギャラルホルンのアラートが鳴りやまなくてな」

 

切歌「さっきのカルマノイズが倒しきれていなかったんデスか?」

 

弦十郎「いや、先程お前達が交戦したカルマノイズは確かにこちらでも撃破を確認している」

 

翼「では、他にもアラートの原因があると?」

 

弦十郎「ああ、どうもあの1体だけではなかったようだ」

 

響「まさか、もう1体!?」

 

クリス「そんなの、どこにいるってんだ?」

 

エルフナイン「その事に関連してなのですが、今回のアラートの発生時に普段と異なる点が見受けられました」

 

響「普段と異なる点?」

 

マリア「どういう事?」

 

エルフナイン「皆さんも知っての通り、ギャラルホルンのアラートは、複数の並行世界に繋がるゲートと連動しています。その事もあり、アラートの発生時には必ずどこの世界かを示す、空間座標の情報が同時に現れるんです」

 

クリス「そういえば出撃前にも座標を確認してるって言ってたな」

 

エルフナイン「はい。その座標を照合して、それが過去に訪れた世界なのか、新たな場所なのかなどを判断できていたのですが…」

 

翼「今回はそれが異なっていたと?」

 

エルフナイン「はい。今回発生したアラートでは空間座標が目まぐるしく変わり、明らかに異常な状態だったんです」

 

調「空間座標が目まぐるしく変わる?」

 

切歌「それってつまり、どういう事なんデスか?」

 

響「壊れちゃったとか?」

 

エルフナイン「僕もその可能性を考えましたが、どうも違うようです。先程、ちょうど皆さんがカルマノイズを倒した辺りで、改めて空間座標が表示されたのですが…」

 

マリア「どこの世界なの?」

 

エルフナイン「それが…どうやら、発生源は一つではないようなんです」

 

響「ええっ!?」

 

 

 

研究所

 

 セレナの世界では、警報が鳴っていた。

 

ナスターシャ「…この反応は?」

 

セレナ「どうしたんですか、マム?」

 

ナスターシャ「…カルマノイズが出現したようです」

 

セレナ「カルマノイズって…、あの時の黒いノイズ…?」

 

ナスターシャ「ええ。あのノイズの強力な変異体です。まさか、この世界に再び現れるとは…」

 

セレナ「私が何とかしてみせます」

 

ナスターシャ「いけません。通常のノイズとは比較にならない攻撃力と、何より強力な再生能力…。とてもあなた1人では」

 

セレナ「私も昔のままの私じゃありません。出撃します!」

 

ナスターシャ「セレナ、待ちなさい!」

 

 ナスターシャの制止も聞かず、セレナは出撃した。

 

ナスターシャ「しょうがない子……、無理をするのではありませんよ」

 

 

 

荒野

 

 フィーネが健在な並行世界では、弦十郎がカルマノイズと応戦していた。

 

弦十郎「くそっ、やはりこの程度では削りきれんか!」

 

フィーネ『シンフォギアシステムと異なり、RN式回天特機装束では位相差障壁の調律は不可能。つまり、力押しにならざるを得ない』

 

弦十郎「悔しいが、その火力が圧倒的に足りないという事か!」

 

フィーネ『ええ、そうよ。その上、RN式回天特機装束は効果時間は限られている。注意が必要だわ』

 

弦十郎「言われなくても承知している!」

 

 そこへ、ウェルが助太刀に来た。

 

ウェル「はーはっはっ!この万能の天才にして無敵の英雄が助力しているのです。心配など一切無用!」

 

フィーネ『…大口に見合った働きを期待するわ。ただ、あれの瘴気には気を付けなさいね』

 

ウェル「言われるまでもありません。この天才である僕が、二度も同じミスをするなどあり得ませんからね。ヒット&アウェイは戦術の基本。瘴気に触れないように闘えばいいだけの事です。それより、あなたこそ弱点のひとつでも見つけたらどうなんです?この天災とネフィリムの力をもってしても、カルマノイズの再生能力は少しばかり厄介なんですから」

 

弦十郎「住民の避難状況はどうなっている!?」

 

部隊隊員A「周辺住民の避難完了まであと5分はかかります!」

 

部隊隊員B「それまで何とか時間を稼いでください!」

 

ウェル「やれやれ。何で僕の栄えある英雄部隊がそんな小間使いをしなければならないのやら…。上司としては、彼等にもっと華々しい活躍をさせてあげたいものですがね?」

 

部隊隊員A「地味な雑事で結構ですよ!」

 

部隊隊員B「我々にカルマノイズの相手なんてできませんからね!」

 

ウェル「やれやれ、欲がありませんね。しかしまあ仕方ありません。いくら我が英雄部隊とはいえ、英雄そのものではない。歴史の舞台へと上がれるのは、僅かに選ばれた者のみ。そう…例えば、この僕のようにね!」

 

弦十郎「無駄口をたたいている暇があったら、カルマノイズを叩いてくれ!」

 

ウェル「僕にあれこれ指図をしないでいただきたい!英雄とは自らの意志のみに従うものなのですよ!」

 

弦十郎「(相変わらず扱いにくい人物だ。それでもあの腕の力は本物…。だが、我々2人分の攻撃をもってしても、カルマノイズの再生速度を上回る事はできんか…。了子君にアスガルドへ連絡し、神闘士に来てもらおうように出撃前に要請したが、間に合うか…?いや、間に合わせてみせなければならん!)」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 エルフナインの説明に一同は衝撃を受けた。

 

響「それってつまり、複数の並行世界で同時に大変な事が起きているって事?」

 

エルフナイン「はい。しかも、アラートは時間と共にどんどん強くなっていってます」

 

弦十郎「アラートを放置すればこちらの世界にも影響が及びかねん。星矢達不在の状況で検討した結果、お前達には手分けをして、それぞれの世界へ救援に向かってもらいたい」

 

翼「はい」

 

クリス「それで、向かう先と配分は?」

 

エルフナイン「現在、異常事態の発生が確認できているのは、セレナさんの世界と、フィーネさんやウェル博士のいる世界の二つです」

 

弦十郎「そこで、セレナ君の世界にはマリア君、調君、切歌君に行ってもらいたい」

 

マリア「ええ、わかったわ」

 

切歌「セレナを助けに行くデス!」

 

調「うん、早く行こう」

 

弦十郎「そして、もう片方の世界には翼とクリス君に向かってもらいたい」

 

クリス「……ああ、わかった」

 

翼「了解しました。向こうの司令の指示の下、対処にあたります」

 

弦十郎「頼んだぞ。ただ、状況的にどんな危険があるかもわからない。星矢達もいない以上、無理はせず、必要なら一時撤退も視野に入れ、慎重に事を進めてくれ」

 

翼「はい」

 

マリア「わかったわ」

 

響「あ、あの、師匠…。私はどうすれば?」

 

弦十郎「響君にはここで待機してもらいたい」

 

響「待機って…。つまり留守番ですか?」

 

弦十郎「ああ。今回は星矢達が不在な上にカルマノイズの直接実体化やギャラルホルンの異常な反応など、イレギュラーな点も多い。この後、さらなる緊急事態が発生しないとも限らん以上、こちらの世界を完全に空にするわけにもいくまい」

 

響「…わかりました」

 

クリス「そんな不景気な顔すんな。すぐ片付けて戻ってくるって」

 

翼「ああ、銃後の守りをよろしく頼んだぞ」

 

響「はい。翼さんもクリスちゃんも気を付けて」

 

翼「わかっている。行くぞ、雪音」

 

クリス「そんじゃ、ちょっくら行ってくる」

 

マリア「私達も出発しましょう」

 

調「うん」

 

切歌「急ぐデスよ!」

 

 響以外はそれぞれ向かうべき並行世界へ出発した。

 

響「みんな…。気を付けて」

 

 その後、未来が来た。

 

未来「失礼します」

 

響「あれ、未来?どうしてここに?」

 

弦十郎「ああ、俺が呼んだんだ」

 

響「師匠が?」

 

弦十郎「万が一のためだ。星矢達不在の時に深刻な事態が発生した場合、響君1人では手に余るかも知れん。装者は大いに越した事はあるない」

 

響「(星矢さん達、帰りが遅いけど何があったのかな…?)」

 

 星矢達の帰りが遅い事を響は気にしていた。 

 

 

 

荒野

 

 その頃、星矢達は三巨頭を初めとした上級クラスの冥闘士と交戦していた。

 

アイオリア「(何だ?目の前にいるラダマンティスは俺が以前に戦ったラダマンティスよりも実力が上だ!)」

 

ラダマンティス「どうやら、俺達が以前戦った同じ名の冥闘士より上だと思っているようだな」

 

アイオリア「ラダマンティス、お前はさらに力を付けて蘇ったのか!?」

 

ラダマンティス「蘇ったというのは正解だが、俺達はお前達の時代の聖戦で戦った冥闘士ではない。お前達の世界とは別の世界での前の聖戦で活躍した冥闘士だ!」

 

 目の前にいる冥闘士は現代の冥闘士ではなく、並行世界の前の聖戦での冥闘士である事には前聖戦経験者の童虎も驚いた。

 

童虎「前の聖戦の冥闘士…じゃと?」

 

紫龍「老師、ラダマンティスの言った事が本当だとすれば、俺達の目の前にいる冥闘士達は…」

 

童虎「奴の言っている事は本当じゃろうな。わしが経験した聖戦では、グリフォンの冥闘士はフェルメールでガルーダの冥闘士は水鏡だった。という事は…」

 

紫龍「奴等は並行世界から来た前聖戦の冥闘士、になる…」

 

 ガルーダのアイアコスはアイオロスと対峙していた。

 

アイアコス「この時代の射手座は兄弟持ちか」

 

アイオロス「アイアコス、その口ぶりだと前の聖戦では射手座と縁があったようだな」

 

アイアコス「いかにも。この時代でもどうやら射手座は聖闘士のリーダー的存在らしいな。聖闘士のリーダーと冥闘士のリーダー、どちらが上か勝負だ!」

 

アイオロス「望むところだ、アイアコス!」

 

 ミーノスはムウと交戦していた。

 

ミーノス「この技、その特徴的な眉、あなたは牡羊座のシオンの弟子か何かですね?」

 

ムウ「ご名答。私はムウ。牡羊座の黄金聖闘士にして、牡羊座のシオンの弟子だ!」

 

ミーノス「強力なサイコキネシスの使い手ともなれば、私も油断はできませんね…」

 

ムウ「それはそっくりそのまま私も返してあげましょう!」

 

 シャカの視線の先には因縁のあるアタバクがいた。

 

シャカ「やはり、アタバクもいたか…」

 

アタバク「シャカよ、お前も我らの意図に気付いているとは思うが」

 

シャカ「そこから先は不要だ。冥界へ帰りたまえ!」

 

 あまり言葉を交わさず、シャカとアタバクは激突した。星矢達は因縁のある杳馬と対峙していた。

 

星矢「お前はとてもしつこいし、嫌な時にいつも出てくるな、杳馬!そんなに事態を混乱させるのが好きか!?」

 

杳馬「ふっふ~ん!大正解~!俺はそういうタイミングで出てくるのが好きだし、事態がもっとぐ~るぐる回って混乱した方が面白いしなぁ!」

 

瞬「じゃあ、事態が混乱するのが好きなのにどうして竜姫の世界に響達が行った時は孤立しないようにしたんだ!?」

 

杳馬「俺は事態が混乱してる方が好きだけど、あいつらやお前らにはある時まで野垂れ死にしてほしくねえのさ。だから、フォニックゲインを力の由来としない魔法少女とその師匠にデュプリケーターを渡し、事態の混乱も兼ねて送り出してやったのさ」

 

紫龍「自分の思惑のために利用していたのか…」

 

氷河「こんな奴とは話をするだけ無駄だな」

 

星矢「だったら、今度こそぶっ飛ばしてやるまでだ!」

 

 並行世界から来た前聖戦の冥闘士も三巨頭以外でも現代の冥闘士に比べると黄金クラスの実力者が多く、それぞれで聖闘士と冥闘士はぶつかり合った。

 

 

 

???

 

 ある場所では、冥闘士の1人は今回の戦いに出撃しないで待機していた。そこへ、ベアトリーチェとその側近が来た。

 

ベアトリーチェ「あら、あなたは出撃しないの?」

 

???「杳馬が蘇らせた冥闘士の中でも屈指の実力だというのに、なぜ戦いに赴かないのですか?天暴星ベヌウの輝火よ」

 

輝火「ふん、ああいったのは俺の性に合わん。俺は俺の好きにやらせてもらおう」

 

???「何をおっしゃるのですか!あなたが赴けば、戦況をひっくり返せるかも」

 

 自分に命令する事に苛立った輝火はベアトリーチェの側近に黒炎を放った。当ててはいないものの、それでも脅しを超えているレベルであった。

 

輝火「惰弱なガキとオッサンがこの俺に命令するな!俺に命令していい権利を持っているお方はただ1人、ハーデス様を置いて他にはいない!俺に命令すればお前らでも焼き尽くすぞ!」

 

???「な、何て性格なのですか…。杳馬が蘇らせた冥闘士は我々が聖闘士に対抗できる戦力ではあるものの、実力者は一癖も二癖もあって杳馬なしではとてもまとめきれないのですが、輝火はこれ程のものとは…」

 

ベアトリーチェ「だったら好きにさせてあげましょ?命令して拗らせ、聖闘士の味方になってしまったらそれこそ損害になるじゃない」

 

???「ベアトリーチェ様のおっしゃる通り、そうするしかありませんな…」

 

 他の冥闘士も杳馬抜きでは纏める事ができる、その中でも屈指の実力者ではあるものの、一匹狼気質でハーデス以外の命令に聞く耳を持たない輝火についてはベアトリーチェとその側近も輝火の好きにさせる他なかった。

 

 

 

特異災害対策機動部二課

 

 その頃、奏は元の世界で訓練をやっていた。

 

奏「ふう…。今日はこのくらいにしとくか」

 

了子『お疲れ様。ブリーシンガメンとの適合率も安定してるようね』

 

奏「ああ、お陰さんで何とか扱えてるよ。ところで、返さなくていいのか?」

 

了子『それが、ブリーシンガメンを貸してくれた研究者にブリーシンガメン関連のデータを見せたら『これは素晴らしい!もっとデータを提供してほしいから、このまま二課の方で扱ってくれ』って言われちゃったの。つまり、もっと使ってくれって頼まれちゃったのよ』

 

奏「そうか。そて、と。あたしはぼちぼち帰るけど、了子さんは?」

 

了子『まだ仕事がね、ちょっと調べたい事もあるし』

 

奏「そっか。じゃ、お先に」

 

了子『ええ、お疲れさま』

 

 奏は先に帰った。

 

了子「ふう…。やれやれ。奏ちゃんのシミュレーションデータの解析も終わったし、こっちのデータの整理も進めておこうかしらね」

 

 了子はレポートの整理を進めた。

 

レポート「カルマノイズの分析レポート。カルマノイズとはノイズの変異種、もしくは何らかの浄拳で発生する、強力な呪いを帯びたノイズである。その出現は神出鬼没。ただし、人が多い場所やフォニックゲインの高い地域に現れやすい傾向あり。個別個体に思考能力などはなく、通常のノイズ同様、人間を殺すために自律反射的に作動している模様。この世界に確認されていた個体を倒したものの、後に新たな個体も出現。後者はアダムスフィアと呼ばれる高エネルギー結晶を取り込んでより強力な個体へと進化した。また当該事例では、瘴気により汚染された錬金術師と融合する現象まで見受けられ、更なる研究と対策の必要があるだろう」

 

了子「奏ちゃんや王虎君にアイザック君もいて、今は何かあったら翼ちゃん達も来てくれるから何とかなってるけど…。もしも並行世界を複数巻き込んだ、同時自体の発生、なんて事が起きたりしたら大変よね…」

 

 奇しくも、了子が思っている通りの事態になってしまっていた。

 

 




これで今回の話は終わりです。
今回は星矢達の前に並行世界の前の聖戦で活躍した冥闘士達が立ちはだかるのと、複数の並行世界で同時にカルマノイズが出現し、翼達が手分けして向かうのを描きました。
並行世界の前の聖戦で活躍した冥闘士はロストキャンバスの冥闘士ですが、既に出ている杳馬やアタバクはもちろん、一輝の前世である事に相応しい一匹狼気質で出撃していないものの、輝火も出しました。今回は出撃しなかったものの、近いうちに気が向いて出撃するかも知れません。
次は各並行世界の出来事を描きます。
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