セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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182話 それぞれの戦い

荒野

 

 聖闘士と冥闘士の戦いは続いており、三巨頭と三巨頭に応戦したアイオリア達は互角の戦いを繰り広げていた。

 

アイオリア「(妙だな。ラダマンティスは何か力を隠しているように感じる…)ラダマンティス、お前はやけに獅子座の黄金聖闘士にこだわっているようだが、何か因縁でもあったのか?」

 

ラダマンティス「因縁か。お前の言う通り、俺は獅子座の黄金聖闘士、イリアスとレグルスの親子と因縁があった。冥衣の角を折られたりなどの因縁がな」

 

アイオリア「だが、その因縁はお前の敗北という形で終わりにしてやるぞ!!」

 

 黄金の獅子と冥界の翼竜はぶつかり合った。一方、星矢達は杳馬に苦戦していた。

 

紫龍「廬山昇龍」

 

杳馬「おっと!」

 

 杳馬は懐にある懐中時計のスイッチを押し、時間を停止させた。

 

杳馬「へっ、俺がその気になりゃ、そんな攻撃なんざ当たらねえよ!」

 

 時間を止めて廬山昇龍覇をかわし、懐に潜り込んで強烈な攻撃を当てるという、いくら聖闘士や他の神に仕えし闘士でも絶対にできないやり方で杳馬は紫龍を吹っ飛ばした。

 

紫龍「ぐわあああっ!!」

 

瞬「紫龍!」

 

杳馬「よそ見してる場合か!」

 

 冥闘士の中でも格別の実力で杳馬は星矢達を追い詰めていった。

 

氷河「杳馬の奴、他の冥闘士と比べても格別の実力だ…!」

 

杳馬「そうだよ、お前らが今までどうにかなったのは俺が手を抜いていただけ。その気になれば、お前ら全員サクッと皆殺しにできちゃうもんね~」

 

星矢「ふざけた事を言いやがって…!ぶっ飛ばしてやる!」

 

杳馬「ほんとお前ら、エンジンのかかりが悪いな。ま、今日はもうやるべき事は済んだから、ここんところで退いといてやるぜ。お前らはこれからも俺の計画に必要だからな。んははははっ!」

 

 終始ふざけた態度と言動をとり、杳馬は他の冥闘士と共に姿を消した。

 

星矢「あいつ…、言いたい放題言いやがってから帰りやがって…!」

 

 

 

聖域(並行世界)

 

 その後、星矢達は差はあれど負傷したため、パルティータの治療を受ける事となった。

 

星矢「いててててっ!!」

 

パルティータ「星矢、我慢しなさい!」

 

星矢「終わったから、元の世界に戻らないと…」

 

パルティータ「それは明日にして、今日はゆっくり休んで傷を治しなさい!怪我したまま向かったら、いざという時に怪我のせいで死ぬ危険性だってあるのよ!」

 

 前世の母であるパルティータには星矢も無茶はできなかった。パルティータの医療活動をサガ達は感心して見ていた。

 

サガ「まさか、医療活動を表の顔でやっている聖闘士がいたとは…」

 

沙織「彼女のお陰で星矢達や装者の皆さんの治療も迅速に、且つ的確に行う事ができます」

 

アイオロス「小宇宙錬金術で戦闘はおろか、あらゆる医療行為が行えるパルティータはまさしく、前聖戦において、医司の聖闘士として活躍した蛇遣い座のオデュッセウスの再来とも言える存在だ」

 

アイオリア「アイオロス兄さん、俺が戦ったラダマンティスは本気どころか、何か力を隠しているように感じたのだが…」

 

アイオロス「それはこっちも同じだ。アイアコスも何か力を隠していると思っている」

 

ムウ「ミーノスの方も同じようだったので、何か秘策を隠している可能性が高い」

 

紫龍「杳馬はなぜあれほどの数の冥闘士を復活させる事ができた上、まとめ上げたのか…」

 

童虎「まとめ上げられたのはあの男の巧みな話術によるものだろうが、復活できた理由はおろか、杳馬の素性自体がよくわからんからのう。あの男は明らかに普通の人間ではない」

 

氷河「奴はリュムナデスのカーサなどのような卑怯者とも一線を画する愉快犯だ。嫌がらせをしたかと思えば、たまに俺達を支援するような事もする」

 

瞬「味方じゃないのは確かだけど、かといってただの敵だとも思えない」

 

サガ「杳馬の真意は、どこにあるのだろうな…」

 

 ことごとくちょっかいを出す上、たまに支援したりする事もある杳馬の真意が何なのか、星矢達は読めなかった。

 

 

 

 

 セレナは1人、カルマノイズと戦っていた。

 

セレナ「やっぱり、傷がすぐに治っちゃう…。これじゃ、いくら攻撃しても意味がない」

 

 

 

研究所

 

 ナスターシャは何かカルマノイズの弱点がないか考えていた。

 

ナスターシャ「(何か、弱点になるようなものでもあれば…。しかし、そんなもの、一朝一夕で見つかるようなものでは、とても…。くっ…。なんと無力なのですか、私は…。このままでは、マリアだけでなく、セレナまで…)」

 

 

 

 

 セレナ1人ではカルマノイズに太刀打ちできなかった。

 

ナスターシャ『セレナ!撤退しなさい、セレナ!やはりあなたには荷が重すぎます!』

 

セレナ「でもマム、私が逃げたら、みんなを守れない…。そんなの…、私は絶対に嫌!」

 

ナスターシャ「セレナ!」

 

セレナ「はあああーっ!!」

 

 敵わないとわかっても、セレナは戦い続けた。

 

セレナ「(たとえ一撃は小さくとも、一点に集中すれば…)」

 

 一点に集中しても、傷は塞がってしまった。

 

セレナ「(ダメ、やっぱり塞がってしまう!?)」

 

 カルマノイズは広域攻撃を行おうとしていた。

 

セレナ「(なっ、広域攻撃!?避けられない…。ごめんなさい、姉さん…)」

 

 しかし、危機一髪の状況でマリア達が駆け付けた。

 

マリア「ふう…。間一髪、ね」

 

セレナ「そ、その声は…」

 

マリア「大丈夫、セレナ?」

 

セレナ「ね…姉さん!?」

 

切歌「あたし達もいるデスよ!」

 

調「お待たせ、セレナ」

 

セレナ「暁さん、月読さん!みなさん…。来てくれたんですね」

 

マリア「もう、涙を拭きなさい」

 

セレナ「ご、ごめん、姉さん…」

 

切歌「あいつはひとまずあたし達が引きつけるデス」

 

調「2人はその間に体勢の立て直しを」

 

 切歌と調はカルマノイズに向かっていった。

 

マリア「ええ、お願いね」

 

調「セレナをいじめた子には…」

 

切歌「お仕置きの時間デスよ!」

 

 2人は得意の連携でカルマノイズを押していた。

 

セレナ「すごい、お二人とも。カルマノイズ相手に、あんなに…」

 

マリア「体勢を整え次第、私達も行きましょう。まだわれるわね?」

 

セレナ「うん、姉さんと一緒なら」

 

ナスターシャ『よく気てくれましたね、マリア』

 

マリア「マム」

 

ナスターシャ『状況は見ての通りです。相手はカルマノイズ。半端な攻撃は通じません』

 

マリア「わかっているわ。でも、今の私達ならやれる」

 

ナスターシャ『わかりました。ならば、お願いします』

 

切歌「任されたデース!」

 

調「2人とも、準備はいい?」

 

マリア「大丈夫、待たせたわね」

 

調「なら、2人一組で連携攻撃を!」

 

マリア「セレナは私にタイミングを合わせて」

 

セレナ「わ、わかった」

 

マリア「それじゃ、3人とも行くわよ!」

 

 マリアとセレナはカルマノイズを追い詰めていった。

 

切歌「マリアとセレナ、なかなか息ぴったんこデスね。さすが姉妹デス!」

 

調「切ちゃん、私達も」

 

切歌「負けてられないデス!」

 

調「やああああっ!」

 

切歌「マストダーーイ!」

 

 密度の高い攻撃はカルマノイズの再生を上回っていた。

 

マリア「確実に再生能力を上回っている。このまま畳みかけるわよ!」

 

セレナ「う、うん、姉さん!」

 

調「二度と再生できないくらいに…」

 

切歌「ギッタギタに切り刻んでやるデス!」

 

 4人で一気に畳みかけ、カルマノイズを撃破したのであった。

 

セレナ「やったの…?」

 

マリア「ええ、みんな頑張ったわね」

 

調「そうだね」

 

切歌「あたし達にかかれば、こんなもんデース!」

 

 カルマノイズとの戦闘の傷と疲労が祟ったのか、セレナはふらついた。

 

マリア「セレナ!?」

 

セレナ「ありがとう、姉さん…」

 

マリア「気が抜けたのね、セレナ。でも、無事で本当によかったわ」

 

セレナ「うん…。全部、姉さん達のお陰だよ。それにしても、カルマノイズを普通の攻撃で倒しきるなんて…」

 

切歌「へへーん。ギアのパワーアップと厳しい特訓のお陰デース!」

 

調「特訓、大変だった…」

 

セレナ「そう…、なんだ……」

 

マリア「セレナもよく頑張ったわ」

 

セレナ「う、うん…(でも…。私は姉さんについていくのがやっとだった。みんなはどんどん強くなってるのに、私は…)」

 

 自分は弱いと劣等感を感じるセレナであった。

 

 

 

研究所

 

 その後、マリア達は研究所に戻ってきた。

 

ナスターシャ「ご苦労様でした。変わりないようですね?」

 

マリア「マムこそ、元気そうで嬉しいわ」

 

ナスターシャ「それで、こちらに来たのは例のギャラルホルンのアラート絡みですか?」

 

マリア「ええ。しかも星矢達が不在の時に複数の世界に同時発生したから、この世界には私達だけで来たの」

 

ナスターシャ「複数の世界で同時に…、ですか?」

 

マリア「マム。この世界ではあの後、他にカルマノイズは?」

 

ナスターシャ「いえ、例の事件以降は一切出現していませんでした。今日までは、ですが」

 

マリア「では、先程の個体は?」

 

ナスターシャ「ええ、つい先ほどです。それも何の前触れもなく、不意に…」

 

マリア「そうだったの…」

 

ナスターシャ「以前あなた達に撃破してもらった個体は、この世界で過去に観測された個体と同一個体だと思われます。ですが今回の個体は形状も性質も異なりました。恐らくは、全く別の新たな個体なのでしょう」

 

マリア「そうね…」

 

ナスターシャ「今回はマリア達が来てくれたおかげで、発生後、即座に倒す事ができたのは幸いでした」

 

切歌「間に合ってよかったデス」

 

調「もう少し遅かったら危なかった」

 

 しかし、セレナは落ち込んでいた。

 

ナスターシャ「そうですね。ところでマリア、カルマノイズの発生条件などは判明したのですか?」

 

マリア「それは…。私達もまだ、突き止められていないの」

 

ナスターシャ「そうですか…。ならば、更に新たな個体が出現する可能性もある、という事ですね」

 

マリア「ええ…。その可能性は否定できないわ」

 

セレナ「(カルマノイズがまた発生する可能性が…?でも、いつも姉さん達が駆け付けてきてくれるとは限らない…。私はどうすれば…)」

 

 自分の無力さに悩むセレナであった。そして夜…。

 

セレナ「マム?」

 

ナスターシャ「セレナ、来ましたか。マリア達はどうしていますか?」

 

セレナ「案内したお部屋で休んでいます」

 

ナスターシャ「結構です」

 

セレナ「それで、話というのは…?」

 

ナスターシャ「今日の出撃についてです。何が言いたいかは、わかりますね?」

 

セレナ「はい…。命令を無視して出撃した事…」

 

ナスターシャ「そうです。それがどれだけ危険かは、今回身に染みたでしょう?実際、マリア達が来なければ、取り返しのつかない事態になるところでした。もう、あんな無理をしてはなりませんよ…」

 

セレナ「はい。でも…」

 

ナスターシャ「何か不満ですか?」

 

セレナ「不満とか、そういうのじゃなくて。でも、でも…」

 

ナスターシャ「セレナ…?」

 

セレナ「私じゃ、守れないのかな…?私だけの力じゃ、マムやこの世界のみんなを、守る事はできないのかな?」

 

ナスターシャ「今のあなたと彼女達とを比べてどうするというのです?マリア達のギアは以前より出力が上がっているようです。それに、詳しい事は聞かないとわかりませんが、例の事件から、彼女達はよほどの激しい戦いを潜り抜けてきたのでしょう。あちらはあちらで、それだけ厳しい世界という事です。それを潜り抜けたからこそ、今の彼女達の強さがある。あなたもいくつかの戦いを切り抜けたとはいえ、それでもマリア達ほどに戦いの経験があるわけではありません。あなたは今のあなたにできる事をやっていけばいいのです。焦らず、少しずつ力をつけていきなさい」

 

セレナ「はい…(焦ってはいけない…それはわかってる。だけど、事態はきっと、私の準備ができるのなんて待ってはくれない…。だから、少しでも早く姉さん達みたいに戦える力を見に付けないと…)」

 

 そして翌日…。

 

セレナ「もう帰ってしまうの?」

 

マリア「ええ。本当はゆっくりしていきたいところだけどね」

 

調「今は複数の並行世界で同時に異変が起きているから」

 

切歌「こっちの報告と他の世界の状況確認のために一旦帰らないといけないんデスよ」

 

セレナ「そうなんですか…」

 

マリア「そんな顔しないで、セレナ。私も帰りにくくなってしまうわ」

 

セレナ「ごめんなさい、姉さん…。もう少しだけ残ってもらうわけにはいかないの?」

 

マリア「どうかしたの?何か話があるなら言ってごらんなさい?」

 

セレナ「…。実は、姉さん達に特訓をつけてもらいたくて…」

 

調「特訓?」

 

セレナ「はい…。私、もっと強くなりたいんです」

 

マリア「急にどうしたの?」

 

セレナ「今回も、姉さん達が来てくれてなかったら、どうにもならなかった。でも…。それじゃ、いつまでたっても一人前にはなれない。私、姉さん達に頼るんじゃなくて、私自身の力でみんなを守れるようになりたいの」

 

調「セレナ…」

 

切歌「気持ちはよくわかるデス」

 

調「うん。私達も力の足りないもどかしさをずっと味わってたから…」

 

切歌「こんなあたし達でよければ、いくらでも協力するデスよ!」

 

セレナ「本当ですか?」

 

調「もちろん」

 

切歌「当然、マリアも参加するデスよね?」

 

マリア「で、でも…。セレナと戦うだなんて…私は…」

 

ナスターシャ「私からもお願いできますか、マリア」

 

マリア「マム?」

 

ナスターシャ「ここにいるセレナはいままで、あなたなしでも戦ってきました。そして、これからも1人で戦い続けなければならないのです。あなたも本当に彼女のためを想うなら、セレナを1人の装者として認めるなら、手加減抜きで相手をしてあげてくれませんか?」

 

マリア「…わかったわ、マム」

 

セレナ「姉さん!」

 

マリア「セレナ、やるからには手加減はなしよ?」

 

セレナ「うん、ありがとう」

 

 

 

荒野

 

 大人達とカルマノイズの戦いは続いていた。

 

弦十郎「(たった5分を、こんなに長いと思ったのは初めてだ…)民間人の避難状況はどうなってる!?」

 

部隊隊員A『ダ、ダメです!』

 

部隊隊員B『カルマノイズの瘴気を浴びた民間人が暴れていて、避難にはまだ時間が必要です』

 

弦十郎「くっ!我々が駆け付ける前に、瘴気を浴びた者達が…(一般人は瘴気を浴びたらひとたまりもないからな…)戦線と避難路が近いのも問題だな…。こうなれば、この場から奴をどかすしかない。ウェル博士、手を貸してくれ!」

 

ウェル「簡単にいってくれますが、こちらも奴には容易に近づけない事をお忘れなく。全身をカバーできる聖遺物とは違い、僕は腕以外は生身ですからね。流石にあれに触れたらタダじゃすまない」

 

弦十郎「そうだったな、お前は瘴気への耐性が…」

 

ウェル「そう!瘴気で正気を失うだなんて、高貴なる英雄の僕にはとても耐えられません!」

 

 その後も交戦は続いたが、カルマノイズはウェルへ攻撃を集中させた。

 

弦十郎「(む。奴の意識がウェル博士に集中した。でかいのを叩き込むなら、今だ!!)はああーっ!!」

 

 強烈な一撃を叩き込んだ。

 

弦十郎「どうだ!?」

 

 しかし、再生してしまった。

 

弦十郎「くそ、これでも倒しきれないのか!?」

 

フィーネ『単発の威力は大きいものの、再生不能の陥らせるには不十分、というところかしら。損傷していない周囲の組織が、損傷ブイの再生を即座に補っているようね』

 

弦十郎「威力だけでなく同時に攻撃面積も広げろと?」

 

フィーネ『どうも決め手に欠けるようね。私も出ましょうか?』

 

弦十郎「いや、結構。こういうのは男の役目だ」

 

フィーネ『相変わらずいう事がむさくるしいわね』

 

ウェル「来なくて結構!あなたが来たら僕の活躍が薄くなるじゃないですか!」

 

 そうこういっている間にも、RN式回天特機装束の限界が近づいていた。

 

弦十郎「(RN式回天特機装束の威力もだいぶ弱まってきている…。神闘士の救援や民間人の避難を完了させるまで保たせられるか…?)いや、なんとしても保たせてみせる!」

 

???「手を貸してやろうか?オッサン!」

 

弦十郎「その声は…?」

 

 声の主はクリスと翼であった。

 

翼「救援に参上しました!」

 

クリス「ずいぶんと苦労してるみたいだな」

 

弦十郎「君達は!?」

 

ウェル「窮地に助けが入るとは、これも全て僕の人徳の賜物ですね!」

 

クリス「はぁ?まあ、いいけど…」

 

弦十郎「2人共、救援に感謝する」

 

翼「いえ、当然の事です。それでは、現刻より司令の指揮下に入ります」

 

弦十郎「では、民間人を避難させるためにカルマノイズを誘因、可能であれば撃滅したい。手伝ってくれるか?」

 

翼「承知しました」

 

クリス「なら牽制はあたしに任せろ!」

 

ウェル「任せました!さあ、思う存分やっておしまいなさい!」

 

 翼とクリスも加えた上で戦闘を再開したが、なかなかカルマノイズはやられなかった。

 

クリス「やっぱ、簡単にはやられねえか…」

 

弦十郎「(後少しで限界か…)カルマノイズを倒すまで保ってくれよ…」

 

???「ドラゴンブレーベストブリザードッ!」

 

 突如、別の強烈な攻撃がカルマノイズ目掛けて飛んできて、その攻撃が当たったカルマノイズは完全に消滅した。

 

ウェル「誰ですか!?英雄たる僕から手柄を横取りする形でカルマノイズを倒したのは!?」

 

翼「この攻撃は、もしや…!」

 

弦十郎「間一髪で間に合うとはな、ジークフリート!」

 

 攻撃したのはジークフリートであった。

 

ジークフリート「風鳴司令、私はヒルダ様の命によって日本へ向かったものの、アスガルドからの長旅と途中の任務もあって遅れてしまいました」

 

弦十郎「いや、ナイスタイミングだったぞ。ジークフリートが来てくれたおかげでカルマノイズを倒す事に成功した」

 

ジークフリート「ありがとうございます」

 

ウェル「どうして神闘士が僕を差し置いてカルマノイズを倒したのですか!?北欧神話の英雄の名を冠しているから、英雄たる僕を蔑ろに」

 

 しかし、ジークフリート達はカルマノイズを倒したために戻っていた。

 

ウェル「コラァッ、僕を無視して置いて行くな~~っ!!」

 

 無視されて置いて行かれた事に激怒したウェルであった。そのウェルを部隊隊員達は見つめていた。

 

 

 

特異災害対策機動部

 

 その後、情報交換をする事となった。

 

弦十郎「そうか、複数の世界でギャラルホルンのアラートが…」

 

翼「はい。私達の知る限り、この世界も含めて少なくとも3つの世界で異変が発生しています」

 

クリス「あたし達の世界、それにこの世界、あともう一つだな」

 

フィーネ「ふうん…。そのもうひとつの世界とは、どういう世界なのか聞いてもいいかしら?」

 

翼「聖闘士や神闘士のような戦士が確認されておらず、二課の代わりにF.I.Sが台頭し、唯一の装者を有している世界です。そちらにはマリア達が行っています」

 

フィーネ「F.I.Sね…米国の犬が生意気な事。並行の可能性とはいえ、低い確率が選択されたものだわ」

 

ジークフリート「私達のような戦士がいない世界もあるのか…」

 

 実際はセレナの世界には天闘士がいるのだが、一輝以外はこの事実を知らなかった。

 

翼「それより、この世界の異変は先程のカルマノイズの発生の他にありましたか?」

 

弦十郎「いや、知る限りでは今回のカルマノイズの出現が初めてだ」

 

フィーネ「カルマノイズの反応も、先程撃破した1体のみのようね。だいぶお疲れのようだから、今日はこの世界で休みなさい」

 

翼「そうさせていただきます」

 

フィーネ「あと、帰る前にシミュレータルームでデータを取らせてくれないかしら?」

 

クリス「データがどうした?」

 

フィーネ「前から検討してた戦力増強のためよ」

 

翼「戦力増強…?」

 

 それが何なのか、翼達には見当もつかなかった。

 

フィーネ「(これは、新しいRN式回天特機装束の開発が必要になりそうだわ…。もっとも、開発と同時に装着できる人間の確保も必要になるのだけど…)」

 

 新しいRN式回天特機装束が必要になると思っているフィーネであったが、それを開発するという事は、装着できる人間を探さなければならないという事でもあった。

 

 そして翌日、データをとる事となり、戦闘が終わった。

 

クリス「で、いいデータはとれたか?」

 

フィーネ「ええ、とれたわ。そういえば、ギアも前と形態が変わっているかしら?計測値を見たところ、出力も上がっているようだけど」

 

クリス「まあ、色々あってな…。ところで、ジークフリートは?」

 

フィーネ「用件が終わってアスガルドへ帰ったわ。ま、彼等もこの世界の悪と戦うから忙しいのだろうけどね」

 

翼「用件が終わったので、私達はこれで引き上げさせてもらいます」

 

クリス「ああ、他の世界でも問題が起きている状況だからな」

 

フィーネ「それもそうね。彼なら宴をやりたさそうにしてたから、今度来た時に宴をしてあげたらどうかしら?」

 

クリス「それもそうだな」

 

フィーネ「今回は助かったわ。早く元の世界に帰って、異変を解決してきなさい」

 

 フィーネは翼とクリスが帰るのを見送った。

 

フィーネ「神闘士の救援が間に合ったお陰で事態は収束したわね。今回も装者2人が来てくれなければ危なかったわ…。下手をしたら神闘士が間に合わない可能性もあった事だし…」

 

 その後、考えを整理していた。

 

フィーネ「それにしても…並行世界の異変、事態の同時発生…。ギャラルホルン…。可能性の世界で起きる事件、ね…。全く、どうしてこの私が当事者でなく傍観者の役割を押し付けられているのかしら?不愉快極まりないわね。」

 

 しかし…。

 

フィーネ「……いえ、違うかも知れないわね。可能性の世界、それはどこまでの可能性を内包するものなのか。もし、有史以来の人の可能性を内包するとしたら、先史文明期の帰結そのものにまで変化が及んでいるのかも知れない。ならば、私は傍観者ではなく…」

 

 そして、ある事にも気付いた。

 

フィーネ「この異変は私達の知らない世界にも悪影響を与えているのかも知れないわね…」

 

 

 

???

 

 フィーネの考えは的中していた。カルマノイズの同時出現とは別の異変の兆候が秘密の異世界で起きていた。

 

ウサギ「地球に黒いノイズがどんどん出てきているラビ…」

 

猫「こりゃあ、やばい事態になりそうだな…」

 

ペンギン「テアティーヌ様、これって何かの異変の前触れペエ?」

 

テアティーヌ「その可能性が高いでしょう。これは、地球を蝕む以前に星の命を喰らい尽くす悪魔、世界蛇の活動が活発になってきている証拠です」

 

猫「星の命を喰らい尽くす…。確かに、その世界蛇ってのはビョーゲンズよりタチが悪そうだな…」

 

ペンギン「そ、それって…世界の終わりペエ!?」

 

ウサギ「落ち着くラビ!まだ世界が終わると決まったわけじゃないラビ!」

 

テアティーヌ「その通りです。まだ世界の終わりだと決まったわけではないのです(しかし、世界蛇の活動が活発になってきているのであれば、恐らくビョーゲンズの復活も予定より早くなるかも知れません。そうなった時は、ラテの事を……)」

 

ラテ「アン…?」

 

 世界蛇の活動が活発になった事でビョーゲンズの復活を警戒するテアティーヌであった。その様子を杳馬は気配を消した上で見つめていた。

 

杳馬「ここがヒーリングガーデンか…。ほんと、つまらねえ事しかなさそうな世界だな…。早く薄汚いバイキン共に目覚めてもらわなけりゃならねえのによぉ…。ま、バイキン共も用が済んだら俺にしかできない殺菌法で殺菌しねえとな」

 

 『薄汚いバイキン』が目覚めてほしいと考える杳馬は存在を悟られないよう、姿を消したのであった。

 

 

 

 

 響達の世界の日本に来た際、杳馬は足元にいたアライグマが襲い掛かってきたために掴み、首の骨を折って殺したのであった。

 

杳馬「人間に限らず、他の動物もいっぺんきりのクソ人生だからな」

 

 ヌートリアの集団を見かけ、不快に思った杳馬は手をかざした。

 

杳馬「汚ねえドブネズミはバイキンすら残さずに消えな!」

 

 リワインドバイオで時間を生まれる前に戻され、杳馬の目の前にいたヌートリアは全て消滅してしまった。これまで暗殺や乱入等で幾たびの騒動を混乱させ、混沌とした状況にするのを楽しんで来た杳馬であったが、人間はおろか、動物たちの命まで笑いながら平気で奪うその行動は正真正銘の悪そのものであった。




これで今回の話は終わりです。
今回はそれぞれの並行世界での戦いとヒーリングっどプリキュアの話の前日談的な話を入れました。
今回、杳馬はアライグマの首を折って殺し、ヌートリアの集団をリワインドバイオで消滅させていましたが、聖闘士星矢の邪神であればこういった事をしてもおかしくない上にハーデスに至っては地上全ての命を根絶やしにしようとしていたため、邪悪な杳馬ならばこういった事をしてもおかしくないと思いました。
ヒーリングっどプリキュアの話はいくらか話が進んでから始まります。
次の話は響達が世界蛇の名を知る事になるのと、ミーナと対面する事になります。
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