セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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183話 世界蛇

平光アニマルクリニック

 

 杳馬がアライグマを殺し、ヌートリアの集団をリワインドバイオで消滅させた場所はちょうどすこやか市の近くであった。杳馬に首を折られて死んだアライグマの事はニュースになっており、ひなた一家もそれを見ていた。

 

ようた「首を折られて死んだアライグマか…」

 

てるひこ「車に敷かれたり、銃弾とか刃物で動物を殺したというのは割と聞くが、アライグマほどの大きさの動物に対してそれらを使わずに首の骨を折って殺すというのは聞いた事がないな」

 

ひなた「お兄、パパ、いくら外来種とはいえ、アライグマの首が折られて死んでいたというのはひどいよ…。一体、誰がやったのかな…?」

 

めい「確かに、あのアライグマの殺し方はとても力が強くないとできない方法だから、業者さんでも到底できるものではないわ。そんな事ができるのはよほどの力持ちぐらいよ。犯人の血の痕もないから、犯人はアライグマに引っかかれたりされる前に素早く首を折ったと思うわよ」

 

てるひこ「獣医である以上、このニュースは悲しいものだな…」

 

 自然を荒らす外来種であっても、首の骨を折られて殺されていたというのは平光一家にとってはとてもショックであった。

 

 

 

旅館沢泉

 

 ちゆの家でもそのニュースは放送されていた。

 

ちゆ「アライグマが首をへし折られて殺されていたなんて、とても恐ろしいわ…」

 

なお「ええ。アライグマの首を折って殺した犯人はとても精神的に恐ろしい人物だと思うわ」

 

 

 

リディアン 学生寮

 

 響と未来は元の世界で待機していた。

 

未来「はあ…」

 

響「どうしたの、未来。ため息なんかついて」

 

未来「…うん。みんな、大丈夫かなって…」

 

響「…それなら、きっと心配ないよ」

 

未来「…でも結局、昨日はみんな戻らなかった」

 

響「ギャラルホルンのアラートだもん。1日で解決する事もなかなかないってば。心配しなくても、みんなならきっと大丈夫だよ」

 

未来「うん、そうだね…」

 

響「(そう。みんなは)」

 

未来「どうしたの?響も何か心配ごと?」

 

響「え?わ、私?何もないよ?あはは」

 

未来「…嘘」

 

響「え、えっとね…」

 

未来「私には言いにくい事?」

 

響「ごめんね、未来…。その…。やっぱり、心配なんだ、未来の事」

 

未来「私の事が?」

 

響「うん。この先、未来が一緒に戦う事がさ…」

 

未来「大丈夫だよ、私だって戦える」

 

響「神獣鏡…。でもさ、未来はあまり戦いに慣れてないし…。やっぱり心配だよ」

 

未来「心配性だなあ、響は。なんでもやらなければ慣れないでしょ?」

 

響「それは…そうだけどさ」

 

未来「それに、これでも結構激しい戦いとか訓練とかしてきたんだよ?」

 

響「うん。もちろんそれは知ってるよ…。だけど…」

 

未来「響。私ね、嬉しいんだ…」

 

響「え?」

 

未来「今まで、ずっと待つばかりだったけど、夏休みからは響と一緒に戦える事が。私、響にずっと守られてばっかりで、いつも響だけが傷ついて…。そういうの、やっぱり少し辛かった。だから…。今度は私にも響を守らせて?」

 

響「だけど…。うう…(未来が私の事を想って言ってくれるのは嬉しい。けど、素直に喜べない。うんって、頷けない)」

 

未来「みんながそれぞれ戦ってる。私にだって、今はこのギアがある。だから、これからは、私に響を守らせてほしいの」

 

響「そ、それなら、私が未来を守」

 

未来「ううん、そうじゃないの」

 

響「未来…?」

 

未来「響にはみんなを守ってほしいの。私だけじゃなくて、響が助けたいって思う人達を助けてあげて。私は、きっと響1人を守るだけで精一杯。だけど響なら、みんなを、たくさんの人達を守れるはずだから」

 

響「未来…」

 

未来「そんな響をね、もっと近くから支えられる事が本当にうれしいの」

 

響「…わかったよ。一緒に戦おう」

 

未来「うん。ありがとう、響」

 

 そんな時、通信が入った。

 

未来「あ、S.O.N.Gからの連絡…」

 

響「はい、響です」

 

弦十郎『悪い知らせだ。新たなカルマノイズがこの世界に出現した』

 

響「やっぱり、残ってたんですね…」

 

弦十郎『考えたくはなかったが、どうやらそのようだ。とにかく、すぐに現場へ向かってくれ!』

 

響「了解です!未来、それじゃ行ってく」

 

未来「もう、違うでしょ?」

 

響「あ、そうだった…。それじゃ、行こう、未来!」

 

未来「うん!」

 

 響と未来は出撃した。

 

 

 

市街地

 

 響と未来は現場に来た。

 

響「無理しないでね、未来!」

 

未来「大丈夫だよ、響と2人なら!」

 

響「わかった。なら、行くよ!」

 

未来「うん、援護する!」

 

 ロボット騒動の時のような連携で響と未来はカルマノイズを倒したのであった。

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 その様子はモニターで確認された。

 

朔也「カルマノイズの反応…。完全に消滅しました」

 

あおい「これが、2人の力…?」

 

弦十郎「ロボット騒動の時もそうだったが、まさかこれほどとはな…」

 

エルフナイン「はい、ロボット騒動の時みたいに息がピッタリでした」

 

 

 

市街地

 

 カルマノイズを倒し、響と未来はほっとしていた。

 

響「未来のお陰で勝てたよ!」

 

未来「響こそ、かっこよかったよ」

 

響「えへへ…。照れるなあ…」

 

 しかし、ほっとしたのも束の間、空に異変が起こっていた。

 

響「あれ…?そ、空が…」

 

未来「ひ…響、あれを見て!」

 

 空にヒビが入っていた。

 

響「え…、あれは…、空にヒビ!?」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 そして、ギャラルホルンのアラートが奏が生き残った世界へ初めて行った時のような激しいものになった。

 

弦十郎「何が起きた!?」

 

朔也「ギャ、ギャラルホルンのアラートが奏さんが生き残った世界へ初めて行った時のような規模のアラートを発しています!」

 

弦十郎「何だと!?ひょっとすると、あの怪物がまた来るのか!?」

 

エルフナイン「そうかも知れません!」

 

あおい「司令、空が!」

 

 モニターで空にヒビが入っているのが確認できた。

 

弦十郎「あれは、あの時と同じ亀裂?」

 

朔也「エネルギー反応は前より劣りますが、あの怪物が来ます!」

 

 

 

市街地

 

 空のヒビから再び蛇のような怪物が出てきた。もっとも、前回は星矢達が応戦しており、響と未来は初対面であった。

 

響「なに、あれは…」

 

未来「大きな影が、お日様をすっぽりと遮って…?」

 

響「大きな…怪獣…?」

 

未来「龍…。ううん、蛇みたいな形…」

 

響「ゆっくり降りてくる…」

 

 怪物は黒い煙を出した。

 

未来「何かな、黒い煙を吹き出しているみたいだけど…」

 

響「あの黒い煙は…、瘴気!?それも、ものすごい量…!その瘴気が集まって…まさか!」

 

 瘴気は集まり、2体のカルマノイズとなった。

 

未来「嘘…。カルマノイズが、2体も!?」

 

響「まさかアレがカルマノイズを生み出しているの!?何とかしないと!」

 

未来「でも、あんな大きな怪物、どうしたら…。星矢さん達もまだ帰ってきていないし…」

 

響「とにかく、やるしかないよ!これ以上、カルマノイズを増やされる前に!」

 

未来「響、待って!」

 

 響は怪物の方へ向かった。

 

響「とにかく、あいつさえ倒せば、後は何とかなるはず!邪魔するなぁあっ!」

 

 カルマノイズが立ちはだかった。

 

未来「響、危ない!」

 

 未来はビームでカルマノイズを攻撃し、カルマノイズは攻撃をやめて回避した。

 

響「ありがとう、未来!」

 

未来「あ…。ダメ!響、もう1体が後ろから!?」

 

響「え…?」

 

 背後からもう1体のカルマノイズに攻撃された。

 

響「あああーっ!!」

 

未来「響ーっ!!」

 

 急いで未来は駆け寄った。

 

響「ごめん、ちょっと油断しちゃった…。流石にカルマノイズはちょっと厳しいかな」

 

未来「先にカルマノイズを1体ずつ倒した方が安全じゃないかな」

 

響「うん、そうだね」

 

 また怪物は瘴気を吐き出した。

 

未来「あっ!?見て!あの怪物、また瘴気を!?」

 

響「そんな?またカルマノイズを!?止めないと大変な事になっちゃうよ!」

 

未来「私の神獣鏡なら、少しくらい遠くからでも!」

 

響「未来!?」

 

 未来はビームで瘴気を浄化し、カルマノイズ出現を防いだ。

 

未来「やった!」

 

響「未来、カルマノイズが!」

 

 気を取られている間に未来はカルマノイズの攻撃を喰らった。

 

未来「きゃあーっ!!」

 

響「未来!」

 

 今度は怪物は瘴気を口に集めた。

 

響「(怪物の口に、瘴気が集まって?)」

 

未来「うぅ…」

 

響「(未来を狙ってる!?)未来!」

 

未来「えっ?」

 

 怪物は未来の方へ攻撃してきた。それを見た響は慌てて庇ったのであった。

 

響「ああああーっ!」

 

未来「ひ…響ーっ!?」

 

 攻撃の際にギアの装着が解除された。

 

響「み…未来…。無事だった?」

 

未来「わ、私は大丈夫。だけど、響が」

 

響「こんなの…、へいき、へっちゃらだよ…」

 

 響は倒れてしまった。

 

未来「響ぃぃーっ!そんな…。しっかりして、響!(私が守るって言ったのに…。それなのに、どうして私が守られてるの!?)」

 

 あれこれ考えている間にも、カルマノイズが迫っていた。

 

未来「カルマノイズ…(私、響を助けるって…。なのに、怖くて、動けない…、なんて…。ごめん、響…)」

 

???「ちょせぇ!」

 

 そこへ、クリス達が駆け付けた。

 

クリス「無事か、2人とも!」

 

未来「ク…クリス…。みんなも…」

 

翼「すまない、遅くなった!」

 

未来「私は大丈夫です。でも響が…」

 

翼「…心配ない、気を失っているだけだ。この場を脱して治療すれば大丈夫だろう」

 

マリア「この場を、ね…。カルマノイズはともかく、あれは一体何なの?」

 

切歌「まるで怪獣デスね…」

 

調「すごい大きさ…、ネフィリムより大きいかも」

 

未来「私と響で最初のカルマノイズを倒した後に、いきなり空から現れて…吐き出した瘴気から、新しいカルマノイズが生まれてきたんです…」

 

翼「何だと!?それは本当なのか!」

 

マリア「あれが、カルマノイズの産みの親って事?」

 

クリス「なら、話は簡単だ。あいつを倒せば全部解決って事だろ!」

 

翼「待て、雪音!いきなり本丸を攻めるのは無謀だ!」

 

マリア「ええ…、将を射んと欲すればまず馬を射よ、ね」

 

未来「私達も、それで失敗を…」

 

クリス「まだるっこしいな!その間にカルマノイズが増えたらどうするんだ?」

 

切歌「大丈夫デス。あたし達が力を合わせればカルマノイズの2匹や3匹や4匹ぐらい」

 

調「切ちゃん、油断は禁物だよ」

 

クリス「ちっ!とにかく、まずはカルマノイズの対処が先か」

 

 翼達5人は連携でカルマノイズを倒したのであった。

 

クリス「よし、カルマノイズは片付いたぞ!」

 

マリア「新たなカルマノイズも増やさずに済んだようね」

 

翼「ああ…。残すは本丸のみというわけだ」

 

未来「(みんな、凄い…。あっという間にカルマノイズを2体も…。それに引き換え、私は全然役に立ってない…)」

 

クリス「戦闘中に何ボーッとしてんだ!しっかりしろ!」

 

未来「あ…、ごめん。そうだった(そうだ。クリスの言う通り、しっかりしなきゃ…)」

 

 怪物が迫ってきた。

 

調「気を付けて!」

 

切歌「こっちに向かってくるデスよ!」

 

未来「(みんなを守るって、そう決めたんだから…)」

 

クリス「しかし、呆れたデカさだな…」

 

マリア「本当ね…、一体、どこから手をつけたものかしら」

 

調「蒲焼き何万人分取れるかな」

 

切歌「し、調?まさか食べるつもりデスか!?」

 

翼「煮て食えるか焼いて食えるかは、まず下ろしてみなければわかるまい」

 

マリア「そうね。これ以上カルマノイズを増やされる前に仕留めましょう!」

 

翼「ああ…。先手必勝だ」

 

クリス「それなら、あたしが串打ちしてやる!」

 

 クリスは攻撃したものの、弾は突き抜けてしまい、怪物にダメージはなかった。

 

切歌「デデデース!?弾が突き抜けてるデスよ!?」

 

調「まさか、実体がない?」

 

マリア「いえ。今、弾丸通過時に微かに影が揺らめいたわ」

 

翼「ならば完全に物理法則の埒外にあるわけではなさそうだ」

 

切歌「この世界に最初に現れたカルマノイズみたいなものデスかね?」

 

マリア「かもね。少しでも手応えがあるのなら…」

 

翼「ああ…。この歌を信じて斬り続けるのみ!」

 

 翼とマリアは向かっていった。

 

切歌「あたし達もマリア達に続くデス!」

 

調「うん。行こう、切ちゃん!」

 

 切歌と調もマリアと翼に続いた。

 

クリス「あたしらは遠距離から援護するぞ!」

 

未来「……」

 

クリス「…おい、聞いてるのか!?」

 

未来「う、うん、わかった!(た、助けなきゃ、響を。みんなを。今度こそ!)」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 怪物に手間取っている最中、星矢達が帰還したのであった。

 

沙織「遅くなって申し訳ありません、司令!」

 

弦十郎「沙織お嬢様!それに星矢達も帰ってきたか!」

 

沙織「並行世界の聖域での情報交換、及びカルマノイズやギャラルホルンの謎について話し合っている最中に冥闘士の襲撃を受け、遅くなりました!」

 

弦十郎「それならば仕方あるまい。それより、ちょうどいい時に帰ってきてくれた!」

 

 星矢達は怪物に衝撃を受けていた。

 

星矢「あの化け物、ギャラルホルンのすげえアラートが鳴った際に出た奴じゃねえのか!?」

 

エルフナイン「以前と比べてエネルギー反応は小さいのですが、見た目は間違いありません」

 

氷河「どうやら、俺達との戦いの傷がようやく癒えたみたいだな」

 

 そして、怪物によって未来達が蹂躙されるのを目の当たりにした。

 

星矢「未来やマリア達が!」

 

紫龍「ならば、前にあの怪物を撃退した経験のある俺達の出番だ!」

 

弦十郎「済まない。直ちに出撃してくれ!」

 

瞬「わかりました!」

 

 急いで星矢達は出撃した。

 

 

 

市街地

 

 翼達は怪物に敵わずに蹂躙され、未来は自分が役に立っていないという想いが強くなっていた。

 

未来「(みんなも私もこんな目に…。私、またみんなの足を引っ張って…)」

 

???『未来さんに装者の皆さん、もうすぐ星矢達が救援に来ます!後少し持ち堪えてください!』

 

翼「星矢達が救援に来るだと!?」

 

クリス「ナイスタイミングじゃねえか…」

 

マリア「全く、おいしい所で来るんだから…」

 

 そんな中、怪物はまたビームを放とうとしていた。

 

切歌「またあの一撃が…」

 

調「来る…!」

 

怪物「グオオオン!」

 

???「アトミックサンダーボルト!!」

 

 突如、怪物の攻撃を妨害するかのように光速拳の乱打が飛んできた。光速拳には流石の怪物もダメージを受けて痛がった。

 

星矢「遅くなってすまなかったな、未来」

 

未来「せ、星矢さん!」

 

瞬「冥闘士の襲撃で遅くなって君達の救援にすぐに行く事ができなかったんだ」

 

クリス「そっちも大変だったみたいだな…」

 

氷河「だが、もう大丈夫だ」

 

紫龍「あの怪物は俺達が倒す!翼達を痛めつけてくれたお礼も兼ねてな!」

 

 星矢達は怪物の方へ視線を向けた。

 

星矢「今度は俺達が相手だ、蛇の化け物め!」

 

 星矢達の乱入に怒ったのか、怪物はさっきより強大なエネルギーを溜め始めた。

 

翼「なん…だと…?」

 

マリア「まさか…、さっきより強大なエネルギーを!?」

 

紫龍「司令、あの怪物はどれほどのエネルギーを溜めている!?」

 

弦十郎『計算によれば、首都近郊がまとめて焦土となるほどのエネルギーだ!』

 

紫龍「このまま放たれるのは危険だが…」

 

氷河「あの時ほどの威力はない!」

 

翼「星矢達、まさかあの攻撃を受け止めるつもりなのか!?」

 

星矢「ああ、俺達は前にもあの化け物と戦って、日本全土が焦土となる攻撃を押し返した事があったのさ!」

 

調「日本全土が焦土となる攻撃を…」

 

切歌「5人で押し返したデスと!?」

 

クリス「あの化け物と戦った事があっただって!?」

 

紫龍「奏が生き残った世界へ初めて行った時に発生したすさまじいアラート、あの時にあの化け物が現れたんだ」

 

氷河「姿を見せない間に傷を癒やしたようだが、今度こそ息の根を止めるまでだ!」

 

未来「(星矢さん達にまで迷惑をかけて…)」

 

星矢「行くぞ、みん」

 

 意気揚々と怪物に挑もうとした星矢達であったが、横やりを入れるかのように青い雷のような攻撃が怪物目掛けて放たれ、怪物の攻撃を相殺した。

 

星矢「さ、さっきのは何だ!?」

 

瞬「僕に聞かれても…」

 

未来「え…何が、起きたの…?」

 

紫龍「さっきの光は何だったんだ…?」

 

星矢「それはこっちが…」

 

 ふと後ろを見ると、星矢には見覚えのある人物がいた。

 

星矢「あんた…、ミーナさんじゃないか!」

 

ミーナ「久しぶりね、星矢。こんな場所で再会するとは思ってなかったわ」

 

マリア「星矢を知っている…?」

 

翼「名はミーナだそうだな。何者だ!?」

 

ミーナ「あなた達は下がっていて」

 

星矢「ミーナさん、あの化け物は俺達が」

 

ミーナ「星矢と仲間達に、さっきの攻撃をもう一度見せるわ。私達の攻撃手段を見せたいからお願いできるかしら?」

 

 どういった攻撃なのかを間近で見たい事もあり、星矢達はミーナに怪物の相手を任せる事にした。ミーナが手を上げると、再び青い雷が放たれて怪物に命中した。

 

瞬「またさっきの電撃攻撃だ!」

 

調「怪物に向かって!」

 

 雷による攻撃は星矢達の攻撃と同じように怪物に効いていた。

 

翼「効いてる!?」

 

紫龍「見ろ、奴が消えていくぞ!」

 

 怪物は消え、空の亀裂も元通りになった。

 

クリス「何だったんだ…?」

 

氷河「どちらにせよ、あの怪物を倒したのは事実だ」

 

 そこへ、通信が入った。

 

エルフナイン『怪物の反応消滅。ギャラルホルンのアラートも停止しました。でも、今のは…』

 

ミーナ「あれはこの世界に投影された、ただの影に過ぎない。本体は一度はこの世界に来た事もあったけど、その際に深い傷を負い、今はその傷を癒やすために別の次元にいるわ」

 

瞬「影…?」

 

紫龍「本体は一度はこの世界に…?まさか、俺達が前に戦った怪物は!?」

 

ミーナ「その通り、あなた達聖闘士が以前に戦った方が本体よ」

 

星矢「ミーナさん、あんたは一体何者なんだ?」

 

ミーナ「詳しく話している時間はないんだけど、敵ではないかな。ねえ、あなた達『ギャラルホルン』って持ってる?」

 

 その言葉に一同は驚いた。

 

ミーナ「うんうん、その反応で充分。やっぱり持ってるみたいね。ところで、後ろで倒れてる子は大丈夫?」

 

未来「響!」

 

星矢「落ち着け、未来。この様子なら母さんに診てもらえば大丈夫だ」

 

ミーナ「それにしても、装者が7人もいるなんて驚いた。あと、聖闘士の存在もね。それと、情報収集でわかったんだけど、この世界の弥生時代辺りには」

 

 何かを言おうとした途端、ミーナの方へ通信が入った。

 

ミーナ「…ええ、わかったわ。それじゃ、アレを追わないといけないから、そろそろ失礼するわね」

 

クリス「追うだと?一体、どうやって?」

 

紫龍「もしかすると、デュプリケーターで?」

 

ミーナ「正解。どうやら、杳馬経由で量産され、あなた達の手にも渡ったようね。全く、あいつらは非常に厄介な奴を手下にしたものだわ…」

 

星矢「ミーナさん、まだ聞きたい事が山ほどあるんだ!」

 

ミーナ「ギャラルホルンとデュプリケーターがあるんだから、きっとまたすぐに会えるわよ。続きはその時にでも、ね」

 

マリア「ギャラルホルンがあるからですって?…あなたは何を知っているの!?」

 

ミーナ「『世界蛇』が力をつけて、並行世界は滅ぼされつつある。本体は一度星矢達が撃退したけど、この世界もいずれは再び餌食となる」

 

紫龍「世界蛇?それがあの怪物の名前なのか?」

 

ミーナ「ええ。世界蛇…。数多ある並行世界を渡り、星の命を吸い上げる魔獣。その瘴気はありとあらゆる悪影響を与える。あなた達にも聞こえているはずよ。破滅への足音が。果たして、あなた達がアレを穿ち得る剣となれるかどうか…。近いうちにまた会いましょう。ギャラルホルンに選ばれた戦士達」

 

 デュプリケーターで移動しようとしたが…。

 

ミーナ「忘れるところだったわ。世界蛇の瘴気のせいでこの星を蝕む悪魔が目覚めつつあるから、そっちも気を付けておきなさい」

 

 忠告した後、ミーナは並行世界へ移動した。

 

マリア「どこかの並行世界へ行ったみたいね…」

 

クリス「一体全体、どうなってんだ!?」

 

紫龍「まさか、ギャラルホルンを知っている人間がいるとは…(いや、あのミーナという女からは小宇宙を感じなかった。小宇宙を断っているか、もしくは…)」

 

氷河「世界蛇についても気になるが、ミーナは『星を蝕む悪魔』にも気を付けろと言ってたな」

 

瞬「それに、司令からの話では、あの世界蛇という怪物はカルマノイズを生み出していた。並行世界を跨いだ異変の大本はまさしく、世界蛇なんじゃないかな?」

 

マリア「ええ、その可能性が非常に高いわ」

 

星矢「だとすると、俺達の本当の戦いはこれからって事になるな…」

 

 世界蛇にミーナの語る『星を蝕む悪魔』、本当の戦いの始まりに星矢達は身構えていた。

 

 

 

病院

 

 世界蛇は入院中ののどかも病室の窓から見えていた。

 

のどか「あの龍か蛇のような怪物、見てるだけで不安になってくる…」

 

 そう思いながら、のどかは外を見つめていた。入院中ののどかもまた、大きな戦いの渦に巻き込まれようとしていたのであった。




これで今回の話は終わりです。
今回は響と未来の戦いと世界蛇の影の出現、ミーナが装者達の前に姿を現すのを描きました。
また、ヒーリングっどプリキュアの14話で語られた前のプリキュアが活躍していた時代はどう見ても弥生時代辺りにしか見えなかったため、プリキュアの存在が語られる前振りとして弥生時代辺りとミーナが明言するシーンを入れました。
星を蝕む悪魔というのはズバリ、ビョーゲンズの事です。
これでギャラルホルン編序章は終わり、次は銀弾の軌跡編になりますが、ギャラルホルン編序章で登場はしたものの、出撃しなかった輝火が出撃し、吸血鬼より圧倒的に強い第三勢力として暴れ回る事となります。そして、久方ぶりに一輝も登場する上、杳馬も暗躍します。
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