セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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190話 神浜サマーフェスティバル

???

 

 その頃、響達の世界では、ある男がどこからともなく現れた。その男は氷漬けになっていて、動く事さえできなかった。

 

???A「ひょ、氷河め…!時の王たる我に屈辱を与えて…!必ずや」

 

???B「悪いが、てめーはここでジ・エンドだぜ、時貞」

 

 時貞に声をかけたのは杳馬であった。

 

時貞「ジ・エンドだと…?決して死ぬ事のない、我を殺すことはできぬ!」

 

杳馬「それは時の力のない奴ならの話だろ?ところが…、俺はそうじゃねえんだよ!」

 

 杳馬は氷を砕いた後、圧倒的な力で時貞を蹂躙した。

 

時貞「そ、そんなバカな…!?これはただの幻、夢だ!!我に傷を入れ、圧倒する者がいるはずがない!」

 

杳馬「夢でも何でもねえんだよ。てめえじゃその力は勿体ねえからよこせよ!」

 

 あっさりと時貞は杳馬に頭を踏まれるという屈辱を受け、ある神から授けられた力を奪われてしまった。

 

時貞「そんな…、あの方からいただいた力を奪われるなんて…!!」

 

杳馬「あの方…?ああ、てめえにその力を渡したのはあの若造か。力を得るための色んな努力や忍耐に暗躍もしないで他人の力で威張ってるだけのてめえのような白銀聖闘士程度の力しかねえ小物に渡すとは、何を考えてるんだろうな…」

 

時貞「貴様、あの方を知っているのか!?」

 

杳馬「てめえに語る事は何もねえ。死ぬ前に時間を操る力の恐ろしさを叩き込んでやる!」

 

 杳馬が指差すと、時貞の身体に時計が現れた。

 

時貞「な、何だ!?」

 

杳馬「てめえの身体も時間の積み重ねよ。それを全部戻しちゃったらどうなると思う…?」

 

時貞「時間を…全て巻き戻すだと!?」

 

杳馬「てめえ、時間を操る癖に知らねえのか?答えはこうだ!リワインドバイオ!」

 

時貞「うわああああっ!!」

 

 時間を全て巻き戻され、時貞は消滅した。

 

杳馬「答えは…、胎児以前に戻って消滅しちまうのさ!さて、思わぬ収穫もあった事だし、何か面白い事でもないかなぁ?」

 

 新たに得た力で時間操作がさらにパワーアップした杳馬は何をしようか考えつつ、並行世界を渡り歩く事にした。

 

 

 

神浜市

 

 そして次の日、一同は海に向かっていった。

 

響「昨日のサマーガール&レディコンテストの熱気は凄かったよね」

 

未来「うん。参加者はみんな可愛さや美しさに自信がある子達ばかりだったし」

 

 サマーガール&レディコンテストの事を話していた際、何やら5人ほど集まっているのを見かけた。1人は秋麗だが、残りはサマーガール&レディコンテストに参加していたものの、色々都合があって顔を合わせなかった魔法少女であった。

 

秋麗「ななか、あきら、美雨、かこ、準備はいい?」

 

ななか「準備ならいつでもできています」

 

美雨「師匠、始めるネ!」

 

 4人は魔法少女の姿に変身し、秋麗相手に組手を開始した。

 

切歌「あたし達がやってるような訓練、デスか?」

 

調「そうみたい…」

 

 日頃は一般人相手だと思いっきり空手の組手ができないため、五傑集の一角たる秋麗はあきらにとって最高の組手の相手であった。

 

秋麗「トラブルシューターのあなたが頼み事とは、よっぽど思いっきり空手の相手ができないみたいね!」

 

あきら「はい!美雨経由であなたという、全力で組手ができる人が見つかって嬉しいです!」

 

秋麗「それはどうも!」

 

 ななか達は連携で対抗したが、師である秋麗には全く及ばず、完敗したのであった。

 

秋麗「まぁ、ざっとこんなものね。前にやった時より連携は上達しているわ」

 

かこ「あ、ありがとうございます!」

 

ななか「あなた達五傑集は普通の人間なのに、私達はおろか、魔女さえ赤子のように倒せるのですからね…」

 

秋麗「それだけ、みっちり努力や経験を重ねたが故よ」

 

美雨「流石は私達の師匠アル!」

 

秋麗「師匠って…、美雨が中国にいた時にたまたま近所付き合いであなたに軽く拳法を教えただけよ。時女静香を弟子にして、他の時女一族もみっちり鍛えている清十郎ほど鍛えてはいないから」

 

美雨「それでも、師匠は私に拳法を教えてくれた事に変わりないネ!」

 

秋麗「もう…」

 

 ななか達の様子を響達は微笑ましく見ていた。

 

響「秋麗さんがあの人達の師匠みたい…」

 

未来「あの中国人っぽい子、相当慕ってるみたいだね」

 

 今度は金属同士がぶつかる音がした方向を見ると、清十郎が静香達時女一族の魔法少女を鍛え上げていた。

 

清十郎「どうした?もう終わりか?」

 

涼子「6人同時にかかってもオッサンに1発も攻撃を入れられねえ…!」

 

旭「下手をすると、ワルプルギスの夜が人間サイズになったような感じであります」

 

ちか「人間サイズのワルプルギス……」

 

清十郎「出方を伺ってるのか?来ないのなら…、こっちから行くぜ!」

 

ちはる「だったら、こっちが先手必勝!」

 

静香「ちょっと、ちゃる!清十郎さん相手に考えなしの攻撃は」

 

 その日の清十郎との組手は終わったが、誰一人として攻撃を1発も当てる事ができなかった。

 

ちはる「今日も攻撃を当てる事さえできなかった…」

 

すなお「清十郎さんは五傑集の一角ですから…、仕方ありませんよ…」

 

旭「しかも、全く息切れ一つしていないのであります…」

 

清十郎「ははははっ、俺に1発たりとも当てられないようじゃ、まだまだだな。今日はこのくらいにして、スポーツドリンクでも飲んどけ」

 

静香「スポーツドリンク…?」

 

ちはる「汗をかきすぎて身体の水分とミネラルが不足したら、熱中症になるんだよ」

 

静香「熱中症?そんな病気があるの?」

 

すなお「時女の集落は山奥にあるので、静香が知らなくても無理はありません。ですが、熱中症は死に至る事もある怖い病気なのです」

 

静香「命に係わるって…」

 

涼子「マジだぜ。一夏で千人単位も死んでいる人が出ているほど、熱中症は怖い病気なんだ」

 

清十郎「いくら魔法少女でも、熱中症になったら当面の間は動けんからな。暑い時はきちんと水分と塩などのミネラルを補給しとけよ。他の奴も、俺に指導してほしければ頼んでいいからな」

 

 時女一族の清十郎による特訓の様子を見て、響達も感心した。

 

未来「静香ちゃん達もきっちり訓練をしてたんだ」

 

響「しかも、師匠より強い清十郎さんが指導しているんだよ!清十郎さんが指導しているから、静香ちゃん達は強かったんだよ!」

 

未来「魔法少女の強さは因果で決まるってキュゥべえが言ってたけど、やっぱり心構えや戦闘経験にも大きく左右されちゃうわね」

 

 そんな中、響のお腹が鳴る音がした。

 

未来「どうしたの?」

 

響「今にもお腹の中の獣が暴れそうなんだけど、これのために我慢してるんだ」

 

 響の言うこれとは、神浜サマーフェスティバルでの大食いの事であった。

 

未来「大食い選手権に参加したいのは響らしいけど、お昼ご飯まで抜く徹底ぶりだなんて…」

 

響「だって、そうしないともっと入らないし…」

 

 どこまでも食い意地が張っている響であった。

 

セレナ「神浜サマーフェスティバルって、どんなお祭りなのかな?」

 

マリア「セレナはとっても楽しみにしているわね」

 

奏「施設での暮らしが長かったんだろ?そりゃあ、あたしら以上に楽しみにしてるだろうさ」

 

切歌「たこ焼きとかをいっぱい食べたいのデス!」

 

調「うん…」

 

マリア「セレナだけでなく、みんな楽しみにしてるからね」

 

 ふと、誰かが泳ぎの競争をしているのを見かけた。

 

マリア「泳いでいるのは鶴乃とフェリシアね。あの子達ったら、切歌ぐらい元気がいいんだから」

 

 

 

 そして夜になり、装者や魔法少女達とその引率はサマーフェスティバルの会場に来た。

 

フェリシア「祭りだ祭りだぁ~っ!」

 

セレナ「屋台がいっぱいありますよ!」

 

静香「これが神浜サマーフェスティバルなのね。凄い人の集まりだわ…」

 

ちはる「行こうよ!屋台が私達を待ってるんだから!」

 

清十郎「言っとくが、財布は俺が持ってるのだから、引率の俺から離れるなよ」

 

弦十郎「まどか君達も、俺や了子から離れるなよ!」

 

まどか達「はーい!」

 

 時女一族やまどか達はそれぞれ、屋台を見て回った。

 

ちか「清十郎さんの奥さんって、そんな大金をあなたに持たせてたんですか?」

 

清十郎「ああ、俺はこれまではあちこちで魔女を狩っていたし、お前達の引率もやってるから何かあった時のためにって渡してくれたのさ。ま、主夫として俺に渡したというのもあるがな」

 

涼子「そういや、神浜に来てからはオッサンが飯を作ってくれてるからな。ほんと、飯の支度や洗濯、あたしらの指導と面倒見のよさは一級品だな」

 

静香「男の人が家事をするなんて、初めは驚いたわ」

 

すなお「世の中は男女平等なので、家事をする男の人がいたっておかしくありませんわよ」

 

清十郎「まあ、覇万は家事ができないから、俺が子供の育児や洗濯、飯の支度を引き受けてきたのだからな」

 

旭「我らからの大食い選手権の参加者は涼子に決まりでありますか?」

 

涼子「食い意地なら自信があるから、任しとけ!」

 

 装者サイドからは響、みかづき壮からはいろはとやちよに鶴乃とフェリシア、見滝原組からは杏子、時女一族からは涼子が大食い選手権に出る事となった。

 

司会「さあ、今年も神浜サマーフェスティバルが始まりました!そして神浜サマーフェスティバルのイベント、ウォールナッツ大食い選手権が間もなく始まろうとしています!胡桃まなかさん、今年のウォールナッツ大食い選手権は誰が勝者となるのでしょうか?」

 

まなか「えっと…、今年は神浜市外からの参加者もたくさんいますので、予想は難しいと思います」

 

司会「まなかさんは予想が難しいとおっしゃいました。さあ、予測がつかない勝負を勝ち抜くのは誰なのか!?ウォールナッツ大食い選手権の開始です!」

 

 司会の開始の合図とゴングでウォールナッツ大食い選手権が始まった。

 

響「うへへ…、待ちに待ったご飯だぁあああっ!!」

 

杏子「うおおおおっ、どんどん食べるぞ~~!!」

 

涼子「さて、あたしの食欲はどこまで通じるんだい!?」

 

 開始早々、物凄い勢いで参加者は食べ始めた。

 

切歌「響さんの気迫が凄まじいのデス…!」

 

未来「だって、響はウォールナッツ大食い選手権のために昼ご飯さえ抜いたんだよ」

 

翼「あの立花が大食い選手権のために昼ご飯を!?」

 

クリス「だから、妙に飢えていたのか…」

 

さやか「杏子の奴、いつも何か食う事が多いから、参加しても不思議じゃないけど、この食い意地には引くわ」

 

なぎさ「チーズの食べ放題だったらなぎさも出場したのですけど、チーズがないから無理なのです…」

 

マミ「なぎさちゃん、いくら食べ盛りでもあんなに食べすぎると逆に体に悪いわよ」

 

 一同は食べ続けていたが…。

 

涼子「これがあたしの限界か…」

 

フェリシア「うぅっ…、まなかの料理はうまいけど、もう食えねえ…」

 

鶴乃「ここでダウンなんて…」

 

司会「お~っと、涼子選手とフェリシア選手と鶴乃選手、ここでダウンだぁ!」

 

 その後も残った面々で食べ続けていたが…。

 

いろは「も、もうダメ…」

 

杏子「食うのには自信があったが、流石にこれでダメだ…」

 

 やちよと響の一騎打ちとなったが…。

 

響「満腹…だとしても……」

 

 結局は響もダウンした。

 

未来「響…」

 

クリス「これで、あのバカもダウンだな」

 

やちよ「どうやら、私の優勝みたいね」

 

司会「響選手ダウン!ウォールナッツ大食い選手権優勝者は、七海やちよ選手に決定!お皿の数は、なんと65皿!皆さん、大食い女王に盛大な拍手を!」

 

 やちよに盛大な拍手が送られたが、1人、まなかの料理の腕の評価を聞いて新たに闘志を燃やした人物がいた。それは、調であった。

 

調「まなかは料理の腕がいいようだけど、料理の腕だったら私も負けない…!」

 

司会「お~っと、大食い選手権に影響されたのか、とある少女が胡桃まなかさんに宣戦布告しました!」

 

まなか「その言い方、あなたも料理の腕に自信がありそうな口ぶりですね」

 

調「私は月読調。こう見えても、私は自力でおせち料理を作れるのだから」

 

まなか「自力でおせち料理を?凄いです!料理勝負の宣戦布告をされたら、このまなかもそれを蹴るわけにはいかなくなりました!」

 

司会「なななな~んと、月読調さんと胡桃まなかさんが料理勝負をする事となりました!まだ次のプログラムまで時間があるので、その間を埋める料理勝負を始めたいと思います!みなさん、よろしいですか!?」

 

 調とまなかの料理勝負に観客は盛り上がった。

 

切歌「調の闘志が燃え上がってるのデス…!」

 

翼「これも、おさんどんとしてのプライド故のものか…」

 

まなか「まなかは洋食屋生まれなので、洋食料理を得意としています」

 

調「だったら、私は和食料理で対抗する…!(相手が洋食なら、こっちは緒川さん直伝の和食料理の腕の見せ所…!)」

 

司会「洋食料理を得意とするまなかさんに対し、調さんは和食料理で対抗するそうです!和洋対決、これは目が離せません!では、スタート!」

 

 いつの間にか料理勝負の準備が整い、調とまなかの料理勝負が始まった。

 

マリア「始まったわね」

 

セレナ「どっちが勝つのかな…?」

 

司会「では、2人が料理を作っている間に審査員を紹介します。審査するのは、暁切歌さんと阿見ドア様、櫻井了子さんに里見灯花ちゃん、柊ねむちゃんとなります!」

 

莉愛「また名前を間違えてますわよ!」

 

灯花「どんな料理を作るのかしら?お姉さまや響ほどじゃないけど、お腹ペコペコよ」

 

ねむ「白熱してるね…」

 

 神浜サマーフェスティバルに来ていた慎次達もそれを目の当たりにした。

 

朔也「調ちゃん、凄い気迫で料理を作っているな…」

 

あおい「それなら、まなかちゃんも負けてないわよ」

 

慎次「調さんは和食でいくのですか。向こうの僕が指導したそうですが、どのような料理を作るのでしょうか…?」

 

弦十郎「2人とも、魚を使っているな」

 

 集中して見守る中、調とまなかの料理が完成した。

 

まなか「鮭と鱈のムニエルスペシャルが完成しました!」

 

 そう言ってまなかが蓋を開けると、中は鮭と鱈のムニエルが入っていた。

 

司会「まなかさんは鮭と鱈のムニエルスペシャルで来ました!対する調さんは…?」

 

 調が蓋を開けると、色々なネタの寿司が入っていた。

 

調「私はこの時期でも食べやすい握り寿司」

 

司会「調さんは握り寿司です!確かに、握り寿司はこの時期でも食べやすい!では、審査員の方は食べて審査してください!」

 

 まずは、まなかの料理から味見する事となった。

 

灯花「こ、これは…!」

 

ねむ「火加減が絶妙なお陰で、見た目もいい…」

 

了子「味の方も素材自体の味を最大限にまで引き出しているわね」

 

切歌「自負している通り、すっごくおいしいのデス!」

 

莉愛「中々の評価を出すべきだと、私は思いますわ」

 

司会「ムニエルスペシャルはかなりの高評価のようです!さて、調さんの握り寿司を味見してみましょう!」

 

 次は調の料理を味見した。

 

ねむ「これは…!」

 

灯花「寿司職人は10年修業しないとダメって聞くけど、この寿司はかなりプロに近い味よ!」

 

了子「手際のよさも一級品ね」

 

切歌「これでこそ、調の手料理なのデス!」

 

莉愛「まなかさんに負けないと自負した通りの腕前ですわ」

 

司会「では、どちらの料理がおいしいか、判定をどうぞ!」

 

 審査員の判定が下ったが、その判定は意外なものだった。

 

まなか「な…!」

 

調「そんな…!」

 

司会「判定は、全会一致でどっちの料理も優劣をつけられない…。つまり、引き分けです!」

 

切歌「ごめんデス、調…。まなかの料理もとってもおいしくて、調の料理の方がおいしいと判定できなかったデスよ…」

 

調「切ちゃん…」

 

まなか「先輩、そんなにあの子の料理がおいしかったんですか?」

 

莉愛「ええ。あの調という子の料理はあなたの料理にも匹敵するほどの味でしたので、優劣はつけられませんでしたわ」

 

まなか「そうですか…。しかし、まなかと引き分けるほどの料理の腕を持つ子が現れて、改めてもっと腕を磨かないとって思いました!」

 

調「私も引き分けるなんて思ってなかった」

 

 料理勝負でまなかと調に奇妙な友情が芽生えたのであった。

 

司会「さて、合間の料理勝負も終わったところで、次はのど自慢をやりたいと思います!さあ、盛大に唄ってくれる人はいるか!?」

 

 のど自慢を聞いて、奏達の心が燃え上がった。

 

奏「のど自慢か!だったら、あたしらの出番だ!」

 

マリア「ええ、そうね。せっかくだから、翼と奏に最初の出番を譲るわ」

 

翼「マリア…。奏、行こう!」

 

奏「ああ!」

 

 最初に唄うのを奏と翼に譲る事にしたマリアであった。こういったイベントがあるのを想定したのか、オーディオ操作している人にCDを渡してから、準備が整ったステージに奏と翼は立った。

 

響「奏と翼のツヴァイウイングがステージに立ったよ!」

 

まどか「響さん、奏さんと翼さんは歌手なんですか?」

 

響「そうだよ!」

 

静香「都会の人って、こんな事までやってるのね…」

 

清十郎「静香、お前も興味があるようだな。ちはる達や俺と一緒に聴こうか!」

 

 世間知らずの静香はライブを知らないため、非常に興味津々であった。

 

司会「一番手に名乗り出たのは、天羽奏さんと風鳴翼さんです!それでは…、どうぞ!」

 

 持ってきたCDに入れている曲は逆光のフリューゲルであり、曲が始まってから2人は唄い出した。その歌声は、魔法少女世界の住人達にも大好評であった。

 

かえで「レナちゃん、あの2人の歌にとてもうれしそうなんだけど…」

 

レナ「だ、だって…、あの2人の歌はそこらへんのアイドルなんかよりも遥かに上手だし…。妙に気になるだけだから!」

 

ももこ「というか、本音は楽しみたいんだろ?」

 

かえで「思いっきりはしゃげばいいのに」

 

レナ「もう……!!」

 

 ドルオタであるレナにとって、奏と翼は自分がハマっているアイドルかそれ以上に心を奪われる存在であるために夢中になっていたが、素直になれない性格であるが故にももことかえでにからかわれていた。

 

うい「お姉ちゃん、あの2人の歌って凄いよ!」

 

いろは「神浜市に翼さん達が初めて来た時に翼さんは歌手をやってるって聞いたけど…、あの心に直接銃弾を撃ち込まれるような衝撃は凄い…!」

 

みふゆ「何かとやっちゃんと似てるところが多くありませんか?」

 

やちよ「ええ、歌手とモデルという違いはあるけど、芸能関連で働いているというのは事実だし、色々と似てて共感できるわ」

 

フェリシア「胸がねえところもおんなじだけどな」

 

 胸の事を言われ、やちよは気まずそうな表情をした。そうこう言っているうちに、ツヴァイウイングの歌は終わった。

 

司会「ありがとうございました!奏さんと翼さんの歌はあまりにも衝撃的で、私の心さえも剣と槍で貫かれたようでした!さて、次に挑戦する人はいるのでしょうか!?」

 

マリア「今度は私の番よ!」

 

 次はマリアが唄う事となり、マリアの歌も大好評であった。

 

セレナ「これがマリア姉さんの歌…!」

 

切歌「セレナはマリアの生ライブを見るのは初めてデスね!」

 

調「マリアの歌はどう?」

 

セレナ「最高です!天羽さんとマリア姉さんに泳ぎを教えてもらった後でこんなライブを見るのは最高としか言いようがありません!」

 

切歌「当然デス!」

 

 レナもまた、マリアの歌に心を奪われていたのであった。他にも挑戦者が出た後、様々なイベントの後に神浜サマーフェスティバルは幕を閉じた。

 

 

 

民宿

 

 神浜サマーフェスティバルが終了した後、一同は民宿で寝る事となった。

 

マリア「またセレナが一足先に寝ちゃったみたいね。でも、寝顔もとっても可愛いわ」

 

 時女一族の方は…。

 

静香「都会には私の知らない事がいっぱいあったわね」

 

すなお「ええ、そうですね」

 

ちはる「マギウスは潰れたし、神浜サマーフェスティバルは終わったけど、これからどうやって自動浄化システムを広めるのかな?」

 

静香「今はまだわからないけど、その方法はきっとあるはずよ!それまでは、魔女を倒して人々を守らなくてはね!」

 

涼子「それでこそ、時女の本家様の言う事だぜ!」

 

ちか「ですけど、この前のネオマギウスみたいな魔法少女の集団が現れないとは限りません!」

 

すなお「確かにそうですね…」

 

旭「清十郎さんの話では、マギウスによって周辺の街では魔女が減り、困った事態になっているところも多いと聞いたのであります」

 

 一方、大人達は…。

 

清十郎「弦、今年の神浜の夏は楽しめたか?」

 

弦十郎「ああ、楽しめたぞ。できれば、俺も料理を振る舞いたかったがな…」

 

了子「今回はその機会がなかったからねぇ。でも、今年の神浜での夏祭りもまどかちゃん達はとっても楽しんでいたから、とってもよかったわ!」

 

清十郎「そうか、それはよかった。ま、ネオマギウスは俺が魔法少女の現実を教えたから甘ったれた選民思想を捨てるだろうし、プロミストブラッドも覇万の策謀で全員牢獄行きになったし、当面の間は静香達のサポートをしときゃ大丈夫だな」

 

了子「そうね」

 

慎次「ですが、この世にはワルプルギスの夜より強い魔女はいるのでしょうか…?」

 

清十郎「いるだろうな…。何しろ、世界は広い。ナポレオンの話では、実家やフランス政府の資料館に残された資料によると、600年ぐらい昔のフランスにワルプルギスの夜に匹敵するぐらい恐ろしい魔女がいたそうだ」

 

了子「600年前…、ジャンヌ・ダルクが活躍していた頃に現れた魔女ね」

 

弦十郎「ワルプルギスの夜クラスの魔女が他にもいるとなると、ぞっとするな…!」

 

 

 

特別牢獄

 

 魔法少女の世界に来た杳馬は結奈達プロミストブラッドの面々が入れられている特別牢獄に来た。

 

杳馬「う~む…。こんなチンピラ共じゃ、この世界の超人集団にやられて面白い事態を引き起こせそうにねえしな…。ま、所詮はフツーの一市民出身の魔法少女でしかねえしな。時女一族みてーな由緒ある連中でもねえしよぉ」

 

 そう言って、杳馬は小宇宙によるモニターで五傑集の様子を見ていた。

 

杳馬「ワルプルギスを使っても大した事態を起こせそうにねえのは以前にわかってる事だしなぁ…。あのロボットみてぇなケダモノじゃ面白い事態を起こしてくれる事なんて期待できねえしなぁ、う~む……」

 

 考え事をしながら、杳馬は別の場所に行った。

 

 

 

???

 

 次に来た場所は、どこかの資料館であった。

 

杳馬「とりあえず、ここで何か面白そうなものがないか見てみるとするか」

 

 適当に資料を読み漁っていると、杳馬は何かを見つけた。

 

杳馬「……んふふふ、ぬはははははっ!遂に見つけたぞ!面白そうな事態を起こせそうなのがな!」

 

 杳馬の読んだ資料の中には、芋虫みたいな怪物の絵が描かれたページがあった。




これで今回の話は終わりです。
今回は神浜サマーフェスティバルの様子と響達に関係のないところでの杳馬の暗躍を描きました。
冒頭で時の力を暴走させ、Ωの時期から過去に来た時貞が杳馬に殺されるのが描かれていますが、サターンの仮の姿である昴はサターン本来の力を一部引き出した際に同じサターンの力によって強化された時貞に傷を負わせたため、時の力の使い手であり、時の神でもある杳馬やクロノスであれば完全に時貞を殺す事ができると判断したためです。そして、時貞から奪ったサターンの力の一部を手に入れ、何か企んでいるようです。余談ですが、杳馬は見た目がガンダム00のサーシェスに似てるせいか、故藤原啓治さんの声で脳内再生されます。
また、神浜サマーフェスティバルはなぜか大食い選手権や調とまなかの料理対決を描いてしまいました。
最後辺りに600年ほど昔にワルプルギスクラスの魔女がフランスにいた事と、ある場所で杳馬がいも虫の化け物の絵が描かれた資料を見ていますが、これが後の話に繋がるかも知れません。
これにて神浜サマーバケーション編は終わり、次はロストサンクチュアリ編になります。
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