セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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22話 装者になった理由

特異災害対策機動部二課

 

 響はメディカルチェックを受けた。

 

響「検査はこれでおしまい?」

 

未来「うん…そうみたい。結果は何日か後だって」

 

響「こんな検査、必要ないのに…」

 

未来「ううん、ちゃんとしないとダメだよ」

 

響「そっちの世界の私みたいになるかもって?」

 

未来「…そうならないように、だよ。とにかく。検査も終わったし、これからどうしようか」

 

響「どうしようって、帰るんじゃないの」

 

未来「帰るのは後。せっかくなんだから、一緒に出掛けよう?」

 

星矢「護衛は俺が務めるぞ。未来達を狙う不届き者は俺が懲らしめてやる!」

 

響「あ、ちょっと」

 

 未来や星矢の誘いは断り切れなかった。

 

響「…わかった」

 

 出かけようとして、トレーニングルームを通り過ぎようとしていた。

 

未来「あれ?トレーニングルームに誰かいるみたい」

 

 3人が入ると、そこにはマリア達がいた。

 

未来「あ…翼さん!もう大丈夫なんですか?」

 

翼「ああ、小日向か。まだ本格的な戦闘行為は無理だが…少しずつリハビリをしている所だ」

 

マリア「まだ早いと思うんだけどね。全然人の言う事を聞かない頑固頭はこっちの剣も同じってわけ」

 

翼「誰が頑固頭だ、人聞きの悪い。そもそも私は私だ。似てるも何もないだろう」

 

マリア「はいはい。おっしゃる通りよ」

 

 そんな中、翼と響は視線が合った。

 

翼「そこにいるのは…立花か。やっと来てくれたようだな」

 

響「え…?」

 

翼「二課の事で何かわからない事があれば、遠慮なく聞いてくれ」

 

響「…わかった」

 

星矢「それじゃ、俺達は行ってくるぞ」

 

マリア「どこへ行くの?」

 

未来「街へデートに行くんです」

 

翼「なっ…デート、だと!?」

 

マリア「あら、そうなの。気を付けて行ってらっしゃい」

 

星矢「2人にウェルみたいなクソ野郎が近づいたら、俺が懲らしめるからな」

 

 星矢が護衛を務める形で2人は市街地へ向かった。

 

マリア「(ドクターみたいな輩だったら懲らしめるどころか、勢い余って殺しかねないわね…)雪解けかしらね。いい傾向だわ」

 

翼「デートとは…驚いた。2人仲良く出かけるなどと…」

 

マリア「あら、デートが羨ましいなら、私達も行きましょうか?」

 

翼「そ、そんな気遣いは無用だ!う、羨ましいわけではない…本当だぞ!」

 

マリア「(なにこの剣…やっぱり、可愛すぎじゃない!)はいはい、わかったわ。それじゃ今度買い物にでも行きましょう」

 

翼「ど、どういう事だ!?気遣いは無用だと言ったはず」

 

マリア「私が行きたいのよ。それで、こっちの事には詳しくないから、あなたに案内してほしいの。いいでしょう?」

 

翼「そ、そういう事なら、やぶさかでもないが…」

 

マリア「なら決まりね。落ち着いたら行きましょう」

 

翼「あ、ああ…」

 

マリア「それにしても、よかったわ。こっちの立花響があの子を受け入れてくれて」

 

翼「あの立花が、ああして誰かと手を取り合うだなんてな…。さっき見た光景がまだ信じられない」

 

マリア「あら?その割にはわからない事があれば聞いてくれだなんて、しっかり先輩してたじゃない?」

 

翼「私も同じ装者として、仲間としてやっていけたらいい、そう思ったら、自然に言葉が出てきたんだ。…私も、仲間が欲しかったのかも知れない。立花ほどではないにしろ、独りの寂しさは私も知っているつもりだ…」

 

マリア「(ほんともう、この剣ったら。素直に直接そう言えばいいのにね。まあ、でも歩み寄れたのはいい傾向だわ)」

 

翼「…さて、もう少しリハビリに付き合ってくれ。これ以上、私も戦列を離れているわけにはいかないからな」

 

マリア「いいわ、始めましょうか」

 

 

 

ふらわー

 

 星矢達はふらわーに来ていた。

 

未来「ここのお好み焼き、おいしんだよ」

 

星矢「食べてみなよ。すっげーうまいぞ!」

 

響「う、うん…」

 

 響はお好み焼きを食べた。その感想は本心ではとても美味しかったものの、一応表向きはそれなりと答えた。

 

未来「もう、素直においしいって言えばいいのに…」

 

星矢「やっぱ、ここのお好み焼きは最高だな!」

 

おばちゃん「おや、男前の兄さんは気に入ってくれたのかい?」

 

星矢「ああ、とっても気に入ったぞ!」

 

おばちゃん「気に入ってくれて何よりだよ」

 

 星矢達はお好み焼きを満喫したのであった。

 

 

 

市街地(並行世界)

 

 星矢達は市街地に来ていた。

 

星矢「ふう、たくさん食ったな」

 

響「いくらなんでも、頼み過ぎだと思うけど…」

 

未来「いつもだったら足りないくらいだけどね。ついつい、いつもの調子で頼んじゃった」

 

星矢「でも、俺がいたからちょうどよかったぞ」

 

響「いちいち向こうの私と一緒にしないで」

 

未来「うん…わかってる。目の前のあなたは、全く別のもう1人の響なんだもんね」

 

響「わかってるなら…いいけど。……ねえ、向こうの私って、どんな人?」

 

未来「どうって…。うーんとね…ご飯をおいしそうに食べる人、かな」

 

響「なにそれ、それだけ?」

 

未来「あとは寝坊ばかりして教室でも居眠りして立たされたり…、宿題溜め込んで『助けて~』なんて泣きついて来たり…」

 

響「それって、ただのダメな人じゃ…(でも、夢で見た通りなんだ…やっぱり)」

 

未来「はは…それだけだったら、ね。でも、いい所もたくさんあるよ。困った人には手を差し伸べずにはいられなくって…。ああ、これはあなたも同じだけど」

 

響「私はそんなんじゃ…。人を助けたって…頼ったって…裏切られるだけだ」

 

星矢「そう早とちりするのはよくないと思うぞ」

 

未来「少なくとも、私の知ってる響はそんな風には考えない。響はね…例えそれで自分が傷ついても苦しんでも、絶対にあきらめないし、投げ出したりしないの。こっちがね、もういいって…諦めて…って言っても、絶対に諦めてくれないんだ…」

 

響「……」

 

未来「それでね…。どんな苦しい時にも、決まって笑って、こういうの。『へいき、へっちゃらだよ』って…」

 

響「その言葉…どこかで…」

 

未来「『どうしようもない事を、どうにかやり過ごすための魔法の言葉』なんだって」

 

響「そんなの…ないよ。魔法の言葉なんて…」

 

未来「そうかも知れない。でも、響が信じてるから、私も信じてる。響はね、苦しい時でも挫けず、諦めず、うなだれない。そうして私を、みんなを明るく照らし続けてくれてるの…」

 

響「(私は…苦しい事から目を背けてばかりだ…)」

 

未来「私の事を陽だまりだって言ってくれるけど…私にとっての響はお日様だよ。お日様がなくっちゃ、陽だまりも…私もいられない。私の一番の親友だよ」

 

響「一番の…親友…(私にはそんな人なんて…。羨ましい、妬ましい…壊してやりたい…)」

 

 発作のように破壊衝動が湧いてきた響の様子を星矢は察していた。

 

響「(違う、そんな事思ってない…絶対に!)」

 

未来「どうしたの?響」

 

響「何でもない…大丈夫」

 

 そんな中、通信が入った。

 

未来「はい、こちら小日向です」

 

弦十郎『外出中すまんな。市内にノイズが出現したようだ。支給、現場へ向かってもらえるだろうか?』

 

未来「了解しました」

 

星矢「すまんな、響。俺と未来はノイズを片付けに行ってくる」

 

響「私も行く」

 

未来「ううん。検査の結果もまだ出てないんだもの今回は大事をとって、響は戦わないで待ってて」

 

響「でも…」

 

未来「お願い。私達に任せて。ね?」

 

響「…わかった」

 

 未来と星矢は現場へ向かい、ノイズを片付けたのであった。そして、マリア達と共に帰ってきた。

 

未来「待っててくれたんだ。響」

 

響「別にそういうわけじゃ…。場合によっては、私も戦わないといけないかもって…。だから、念のため残ってただけ」

 

未来「そっか。心配してくれたんだね。ありがとう」

 

響「勝手な解釈しないで。私はただ、ノイズが許せないだけで…」

 

未来「それでもいいの。それじゃ、途中まで一緒に帰ろうか」

 

響「一緒に?なんで…」

 

未来「だって、デートの途中だったし」

 

星矢「遠慮はいらないぞ」

 

響「…好きにすれば?」

 

未来「うん、好きにするよ。それじゃ、クリス、マリアさん、また後でね」

 

クリス「おう。あたしらは二課に寄ってから帰る」

 

マリア「気を付けてね」

 

 星矢と未来は途中まで響と一緒に帰る事にした。

 

クリス「驚いたな。黙って乱入して黙って帰ってったあいつが戦いもせず、わざわざ終わるまで待ってるだなんてよ…」

 

マリア「メディカルチェックも素直に受けてくれたし、あの子の心がやっと通じたのよ、きっと」

 

クリス「なあ…あいつの中の負の感情がなくなれば、あたしらの世界のあいつも助かるんだよな…」

 

マリア「ええ、そのはずよ。…あの様子なら、上手くいくかも知れないわね」

 

クリス「ああ、そう願いたいよな」

 

 

 

???

 

 一方、帰宅した後の響は…。

 

響「私、は…(あの子と繋いだ手…さっきまでは温かかったのに…)今は冷たい…寒い…」

 

 温もりが消えた事で響は八つ当たりした。

 

響「違う。私を助けてくれるわけじゃない…(私はただのついで。あの温かさは私のじゃない…)この手のぬくもりだって、もうすぐ消えちゃうのに…。こんなの、辛いだけだ!」

 

 

 

特異災害対策機動部二課

 

 星矢達は呼び出されていた。

 

星矢「呼んだか?」

 

弦十郎「ああ。実は、先日の響君のメディカルチェックの結果が出たんだが…、響君に知らせるより先に君達の耳にもあらかじめ入れておいた方がいいと思ってな…」

 

クリス「その調子だと、いい結果じゃなかったみたいだな」

 

弦十郎「うむ…」

 

未来「聞かせてください」

 

弦十郎「検査の結果、彼女の身体は体内に食い込んだガングニールの破片によって、著しい浸食を受けている事がわかった」

 

星矢「やはりか…」

 

弦十郎「聖遺物の欠片は活性化のたびに増殖を繰り返し、体細胞や神経系と融合、浸食を続けているそうだ」

 

 ちょうどその時に響が来ていた。

 

響「(未来、いるかな。辛いだけなのに、でも、離れられない…。もう、独りは怖いよ…)」

 

 タイミングが悪く、会話が響に聞こえていたのであった。

 

響「(私の…話…?)」

 

 メディカルチェックの結果は残酷なものであった。

 

弦十郎「このままの状態が続けば遠からずしに至るだろう…というのが、うちのメディカルスタッフの見解だ」

 

響「(!?やっぱり!)」

 

未来「いえ、そんな事ありません」

 

弦十郎「その気持ちはわかるが…」

 

クリス「ガングニールの浸食なら経験済みだからな」

 

マリア「彼女のあの異常…融合症例とこちらでは呼んでいるんだけど、あれは私達の世界でも起きて、解決済みの事なの」

 

弦十郎「何っ!?本当なのか!」

 

星矢「ああ。そのために必要なのが、弦十郎から託してもらった神獣鏡さ」

 

弦十郎「未来君の神獣鏡のギアが…?」

 

未来「はい。神獣鏡の持つ、聖遺物の力の中和・分解の力を使って、響の身体を蝕んでいたガングニールその物を消し去るんです」

 

響「(私…助かるの?未来が助けてくれるの?)」

 

弦十郎「ギアを消し去るだと…?神獣鏡はそれほどまでの力を秘めているのか」

 

未来「一度は上手くいきました。だから今度もきっと…」

 

マリア「その前に、メディカルチェックの結果についてもう少し聞かせてもらえるかしら」

 

弦十郎「もう少し…だと?」

 

星矢「これは響には知ってほしくないものだが、あいつの中でガングニールとは別の影響が出てる可能性があるんだ」

 

弦十郎「別の影響…だと?」

 

星矢「カルマノイズを吸収したそうだ。暴走した時にな…」

 

弦十郎「カルマノイズをか!?」

 

響「(やっぱり…あれはあのノイズの…)」

 

未来「はい、だから不用意に神獣鏡を使う事ができなくて…」

 

弦十郎「待て…そうか。やっと合点がいった…。実は、メディカルチェックで不可解な数値が見つかっている。機器の故障か、誤作動を疑っていたが…そういう事なら違うだろうな…。…彼女の体内に謎のエネルギー反応があった。ガングニールとは別種のものだ」

 

響「(…)」

 

弦十郎「それは揺らぎのように強くなったり弱くなったりしている。だが、確実にノイズと同種のものだ。あんなものが体内にある事など考えられない。人にとって、あのエネルギーは猛毒だ。だが、そうなるとガングニールの浸食が取り込んだカルマノイズのエネルギーに対抗しているのだろう」

 

マリア「彼女はガングニールと融合する事によって助かっている、と?」

 

弦十郎「断定はできんが…そうでもなければ説明がつかない」

 

クリス「おい待て!それじゃギアを消し去ったら!」

 

弦十郎「あのエネルギーを生身の人間が受け止める事は不可能だ。恐らく、ギアが消えると同時に…」

 

未来「そんな…」

 

星矢「まだ希望を捨てるのは」

 

 星矢が言おうとした際に響が入ってきた。

 

響「はは…やっぱりそうだ、何も変わらない。結局、誰も助けてなんてくれないんだから」

 

未来「響…いつからそこに?」

 

響「やっぱり、私は」

 

 残酷な事実を知ってしまい、響は自暴自棄になって逃げだした。

 

未来「響、まっ」

 

 慌てて星矢が追いかけた。

 

 

 

公園(並行世界)

 

 逃げ出した響は誰もいない場所にいた。

 

響「やっぱり、そうだったんだ…(この胸の痛みも、異常なくらいに上がる体温も…ずっとおかしいと思ってた…身体の中からぽろぽろ零れる変な石も…きっともう、まともな人間じゃなくなってるんだってわかってたけど…)そっか…私、やっぱり死ぬんだ…、独りぼっちのままで…」

 

 どうしようもない現実に響は昔を思い出していた。

 

響「なんで…こんな所で、ただ死ぬなら、どうして!どうしてあの時、生き残っちゃったの?生き残りさえしなかったら、こんな想い、しなくて済んだのに…。ずっと苦しかった、辛かった、寂しかった。それなのに、誰も助けてくれない…。友達も、家族も、みんな私の前からいなくなって…。その上、人間じゃない化け物になって死んでいくなんて…。やだよ…一体私が何をしたっていうの?もう…死にたい…」

 

???「生きるのを諦めるな!」

 

 その言葉は、かつて奏にかけられた言葉であり、その言葉をかけたのは星矢であった。

 

響「星矢さん…」

 

星矢「響、生きるのを諦めるな!諦めたらそこでお前の命は終わりだ!」

 

響「私はもう生きている事が苦しいの、辛いの!それに、もう助からないのに生きるのを諦めるなって…。それこそ、奇跡が起きなきゃ無理よ!」

 

星矢「だったら、その奇跡を起こすしかないだろ!」

 

響「無理よ!口だけなら奇跡を起こせるとか言ってるけど、そう言ったって奇跡なんて起きない!」

 

星矢「そうやって諦めていたら奇跡なんて起きはしない!奇跡というのはな…最後まで諦めない奴にしか起こせないものなんだ!」

 

 響はそれを否定しようとしたが、実際に何度も奇跡を起こし、強敵達を倒してきた星矢の言葉には重みがあり、それを否定する事はできなかった。そんな折、通信が入った。

 

一輝『星矢、とうとうカルマノイズの発生源を見つけたぞ!お前も来てくれ!』

 

星矢「わかった!響、俺はカルマノイズの発生源を潰しに行ってくる。いいか、絶対に生きるのを諦めるんじゃないぞ!」

 

 発生源を潰すため、星矢は一輝と瞬のいる場所へ向かった。

 

響「生きるのを諦めるな…」

 

 そんな折、二課から持たされていた端末から連絡が入った。

 

響「ノイズがまた出たんだ…。(そうだよ。星矢さんは生きるのを諦めるなって言ってたけど、どうせ死ぬんだもの…)それなら、戦おう。私の世界を壊したノイズを。1匹でも多く道連れにしてやる!」

 

 響はノイズのいる所へ向かった。

 

 

 

???

 

 星矢は一輝と瞬と共にカルマノイズの発生源がある地点に着いた。

 

星矢「ここに発生源があるのか…」

 

瞬「間違いないようだよ」

 

一輝「よし、罠だとしても突入するぞ!」

 

 星矢達が突入すると、結界を通り過ぎたような感覚に襲われた。そして、そこには何百体ものカルマノイズとカオスビーストが待ち構えていた。

 

星矢「ここが発生源か…!」

 

???『あらあら、結界を張っていたのに、よくここがわかったようね』

 

 突然、声を発して歩いて来る人形が現れ、その人形の姿と声はベアトリーチェだった。

 

星矢「お前は…、ベアトリーチェ!」

 

ベアトリーチェ『ガンドを生み出している所を知られてしまったからには、もうここは用済みね』

 

一輝「貴様、何の目的でカルマノイズを生み出した!?」

 

ベアトリーチェ『もうこの世界に用はないから答えないわ。それと、もうすぐ素晴らしいショーが始まるわよ。どうなるのかまでは知らないけどね』

 

 そう言ってベアトリーチェの人形は爆散してしまった。そして、黒い霧が集まって蛇の姿をしている化け物が2匹いる上、カルマノイズやカオスビーストと共に襲い掛かってきた。

 

星矢「来るぞ!」

 

一輝「なら、迎え撃つまでだ!」

 

 3人は突撃し、カルマノイズやカオスビーストの群れと戦った。

 

一輝「てりゃああああっ!!」

 

 一輝の拳圧で10体近くのカルマノイズが吹っ飛ばされた。

 

瞬「てや~っ!」

 

 瞬は蹴りで次々とカルマノイズを蹴散らした。

 

星矢「お前らには用はねえんだよ!」

 

 星矢もペガサス流星拳でカルマノイズを蹴散らした。今回は数が多いため、やや時間がかかっていた。

 

星矢「流石に数が多いな…」

 

一輝「星矢、ベアトリーチェとかいう奴はさっき、素晴らしいショーが始まるとか言ってたな。何の事だ?」

 

星矢「ショー…?」

 

 それは、星矢には思い当たる事があった。

 

星矢「もしかすると…」

 

瞬「心当たりがあるみたいだね。だったら、それを優先して!この場は僕達だけで何とかなるから!」

 

星矢「ああ、済まねえ、一輝、瞬!」

 

 発生源を潰したりするのを一輝と瞬に任せ、星矢は急いで結界を出た。

 

一輝「瞬、一気にカタを着けるぞ!」

 

瞬「うん!」

 

一輝「喰らえ、ネビュラストーム!!」

 

瞬「鳳翼天翔!!」

 

 2人の技でカルマノイズやカオスビーストはまとめて吹っ飛んだのであった。

 

 

 

道路

 

 星矢達がカルマノイズの発生源がある場所へ来たのと同じ頃、響はカルマノイズを発見した。

 

響「いた!まだいたんだ…そうなんだ…。はは、ははははっ!お前のせいだ…私がこんな風になったのも、何もかも全部!殺してやる!」

 

 殺意を剥き出しにして響は浸食が著しく悪化してる事もあり、カルマノイズを圧倒していた。そこへ、未来達が来た。

 

未来「響!」

 

マリア「カルマノイズを1人で圧倒してるだなんて…。半融合状態になったガングニールが異常活性しているというの…?」

 

クリス「待ってろ、今加勢する!」

 

響「手を出すな!」

 

クリス「は?なんでだよ!?」

 

響「どうせ、私は死ぬんだ!奇跡なんて起きやしない!それなら…こいつらに全部叩きつけて、道連れにしてやる!」

 

クリス「バカな事言ってんじゃねー!」

 

未来「響は私が絶対に助ける!」

 

響「無責任な事言うな!奇跡といい、口だけなら何とでも言える!」

 

未来「私なら…私のギアなら、あなたを救える!」

 

響「嘘だ!ギアを消せば、どちらにしても私は死ぬ!」

 

未来「…絶対に死なせない!だって、私のギアは、そのためのものなんだから。そして、奇跡を起こしてみせる!私は響を救うために、装者になったんだから!」

 

響「(信じたい…信じたいよ…でも…)」

 

 突然、響は発作に襲われた。

 

未来「響!」

 

響「はあ…はあ…はあ…。…まだ戦える」

 

未来「(もう、あまり時間がない…)」

 

マリア「すぐにメディカルルームへ連れていきたい所だけど…」

 

クリス「とっととあいつをぶっ倒すぞ!幸い手負いだから、一気に畳みかければ倒せる」

 

未来「響は…」

 

響「やれる…このくらい、どうって事ない!」

 

クリス「山盛りくれてやる。喰らいやがれ!」

 

 未来達は波状に攻撃を仕掛けた。

 

マリア「効いてるわ!あと一押し」

 

響「おおおーっ!消えてなくなれぇぇっ!!」

 

 最後に響の一撃でカルマノイズは倒された、かに見えた。

 

クリス「やったか!?」

 

マリア「カルマノイズが消えていくわ」

 

未来「違う、これは!」

 

 未来にはわかっていた。響の一撃でカルマノイズは倒されたのではなく、響に吸収されているのを。

 

未来「あの時と同じ…カルマノイズを吸収してる?」

 

マリア「何ですって!?」

 

響「ぐああああっ!」

 

未来「響~~っ!」

 

 カルマノイズをまた吸収してしまい、再び響は暴走してしまった。

 

響「ガアアアアッ!!」

 

クリス「暴走した?」

 

マリア「カルマノイズの負の波動を吸収したせいだというの…?」

 

 そんな折、通信が入った。

 

クリス「こんな時に何だよ、オッサン!こっちは立て込んでるんだっての!」

 

弦十郎「響君のフォニックゲインが危険水域にまで高まっている!このままだと恐らく…」

 

 なんと、ゴライアスが姿を現したのであった。

 

マリア「半ば必然とはいえ、最悪のタイミングね…」

 

クリス「暴走したあいつとこの化け物、同時に相手しろってか?冗談きついっての」

 

未来「(私の絶対あきらめないよ、響。どんなに苦しくたって、辛くたって、諦めたりしない…)へいき、へっちゃら…だよね。響…。だから、絶対救ってみせる!」

 

 未来は絶対に響を救うと決意を固めた。その頃、発生源潰しを一輝と瞬に任せて未来達の元へ向かう星矢はベアトリーチェの言う、『素晴らしいショー』が何なのかが薄々ではあるものの、わかっていた。

 

星矢「(あいつらはカルマノイズを引き連れていた。それに、響はカルマノイズを吸収したせいで波はあるが、破壊衝動を抑えられなくなっている。もしも、響がまたカルマノイズを吸収なんかしたりしたら…、絶対に暴走するぞ…!)」

 

 そして、黒い霧の怪物と同じ小宇宙を感じた。

 

星矢「この小宇宙はあの黒い霧の大蛇と同じものだ!きっと、何か起きるに違いない!」

 

 そう判断した星矢はスピードを上げ、現場へ向かったのであった。




これで今回の話は終わりです。
今回はメディカルチェックで響の容態が判明したのとカルマノイズの発生源が発見された事、そして、カルマノイズをまた取り込んでしまった事で響がまた暴走したのを描きました。
今回の翳り裂く閃光編での星矢は未来を励ましたり、カルマノイズの群れを蹴散らしたりといつの間にか中の人ネタでセーラームーンのタキシード仮面のようなポジションで描いていました。
次の話で響は救われます。
また、予告ですが翳り裂く閃光編の次は並行世界の同一人物という形で原作の黄金聖闘士が登場する話となります。
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