セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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装者達の十二宮編
24話 並行世界の黄金聖闘士


S.O.N.G潜水艦

 

 それは、数日前から始まった。

 

星矢「なぁ、弦十郎。この世界の奏がまだ生きていた頃に繋がった並行世界について何かわかった事はあるのか?」

 

弦十郎「俺もあまり詳しくは知らん。特に二回目は調査さえ行っていないのだからな」

 

氷河「だったら、俺達が調査しようか?」

 

沙織「私も興味があります」

 

弦十郎「だが、アラートは治まっている。別に危険な事はないとは思うが…」

 

 そんな折、ギャラルホルンのゲートから何者かが出てきた。

 

紫龍「あ、あなたは…」

 

氷河「そんな…」

 

瞬「こんな事って…」

 

 ゲートから出てきた人物に星矢達は驚いたのであった。そして次の日…。

 

弦十郎「何の用件ですか?麻森博士」

 

麻森「実は…、未来君の適合係数について少し疑問に思う所があって…」

 

エルフナイン「どこが疑問に思うのですか?」

 

麻森「今から説明します」

 

 麻森はモニターに数値とグラフを出した。

 

麻森「まず、この数値はフロンティア事変の時の未来君の適合係数です」

 

沙織「とてもLiNKERなしでは適合できませんね…」

 

麻森「そうです。そしてこれが…、少し前の響君が衰弱した事件の際の未来君の適合係数です」

 

 次に出た数値に一同は驚いたのであった。

 

弦十郎「何だとぉ!?」

 

沙織「LiNKERなしでも適合可能な数値です!」

 

エルフナイン「短期間でこれ程の適合係数の変化は信じられません!」

 

麻森「私も初めは機器の故障だと思いました。ですが、故障は見受けられませんし、誤差もありません。その適合係数について、改めて実験をしようと思います」

 

沙織「わかりました」

 

 そして翌日、未来はLiNKERなしでの適合実験を行う事となった。

 

マリア「麻森博士、LiNKERなしでの適合実験はいくら何でも危険すぎます!」

 

切歌「そうなのデス!この前はLiNKERを打ったから、適合できたのデス!」

 

調「だから、未来さんのLiNKERなしでの適合実験はやめてください!」

 

麻森「君達の言い分も最もだ。だが、未来君の適合係数が異様な数値を示している。だからこそ、本当なのか、誤差だったのか白黒はっきりつけたいんだ」

 

 LiNKERなしで適合実験をやる事となった未来は不安そうにしていた。その手を響や星矢達が握ってくれた。

 

紫龍「安心しろ、未来に何かあったら俺達がすぐに治療にあたる」

 

響「私はマリアさん達と同じ意見だけど…、麻森博士の言ってる事も間違ってないと思うから…」

 

未来「ありがとう、響、星矢さん達。私、やってみるよ」

 

 一同が不安そうに見守る中、未来はLiNKERなしで聖詠を唱えた。すると、何のバックファイアもなしにギアを纏う事に成功した。

 

未来「できちゃった…」

 

クリス「嘘だろ…!」

 

翼「小日向が…LiNKERなしで適合できた…」

 

響「未来ったら、凄い!」

 

 なんのバックファイアもなく、LiNKERなしでギアを纏えた事に響達はもちろん、未来本人でさえも喜んでいた。

 

未来「できた…。LiNKERなしでギアを纏えた…!」

 

マリア「ふう…、ヒヤヒヤさせないでよね…」

 

切歌「この前、あっさり適合した上、LiNKERなしで適合できたなんて…、ますますあたし達の立つ瀬がないデスよ…」

 

調「切ちゃん…」

 

 ほとんど喜ぶ中、未来がLiNKERなしで適合できた事に、未来がバックファイアを受ける危険性を心配した切歌は逆に落ち込んだのであった。

 

沙織「切歌さん、未来さんがLiNKERなしでギアを纏えたのは、響さんと同様に何か私達の知らない秘密があるのだと思います。なので、落ち込まないでください」

 

弦十郎「全く、沙織お嬢様は実質的なS.O.N.Gの副司令も同然だな」

 

 切歌を気遣う沙織の姿に弦十郎は沙織は実質的な副司令だと思ったのであった。

 

響「そうだよね~。沙織さんって優しいし、綺麗だし、とっても私達を気遣ってくれてS.O.N.Gの副司令も同然だよ!」

 

沙織「うふふふっ…」

 

麻森「では司令、今日より未来君は響君と同じ後天的な正規適合者と認定しましょう」

 

弦十郎「そうだな」

 

麻森「(しかし…、LiNKERが必要な疑似適合者から正規適合者になるなんて事例はこれまで聞いた事がない…。響君といい、2人に何が起こっているのやら…)」

 

 フロンティア事変ではLiNKERが必要だったのに、今回の適合実験ではLiNKERなしでギアを纏える事が判明した未来に響の事も併せて麻森はますます疑問に思ったのであった。そして、装者一同は帰る事となった。

 

クリス「それしても凄かったなぁ、お前がLiNKERなしで適合できたなんてよ」

 

未来「そんなにおだてないでよ。私も今までわからなかったし…。それに…切歌ちゃんが落ち込む原因にもなったから…」

 

マリア「そう心配しなくても、切歌はすぐに立ち直るわ」

 

翼「それより聞いたか?指定した日時に12時間にも及ぶハードな訓練がある事を」

 

響「未来の事で頭がいっぱいで全然聞いてませんでした!」

 

マリア「ちょっと…」

 

未来「きちんと重要な話は聞かなきゃダメだよ」

 

調「司令の話じゃ、今までの訓練よりもハードなんだって。あまりにもハードだから、まだ経験も足りない上、正式な装者の登録を受けていない未来さんは途中参加でいいって」

 

クリス「マジかよ…」

 

響「どんな訓練なのかな…?」

 

 そのあまりにもハードな訓練に響達は好奇心と不安が入り混じっていた。そして、翼は足を止めた。

 

マリア「どうしたの?」

 

翼「…いや、何でもない。誰かがいたような気配が少ししただけだ…」

 

切歌「そんな気配は感じないデスよ」

 

翼「私の気のせいだと思うのだが…」

 

 とりあえず、気のせいとして一同は足を進めた。しかし、近くには翼が思った通り、実際に気配を消して響達を観察していた紫の髪の男がいたのであった。

 

 

 

 

 そして指定の日になった。

 

クリス「これから12時間にも及ぶハードは訓練が始まるのかよ…」

 

響「でも、どんな訓練かなぁ…」

 

未来「とっても気になる…」

 

翼「防人として過酷な鍛錬は望む所だ」

 

 そう思っていると、通信が入った。

 

弦十郎『みんな、すぐに来てくれ!いそ、ぐああああっ!!』

 

調「司令、どうしたのですか!?」

 

切歌「応答するのデス!」

 

マリア「何かあったに違いないわ!急ぎましょう!」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 急いで本部に来た響達が見たのは、ボコボコにされた弦十郎の姿であった。

 

響「し、師匠、どうしたのですか!?」

 

弦十郎「(全く、あいつらは加減ができてねえじゃねえか…!)すまん…、お前達に訓練の予定が入っているから星矢達が代わりにアルカノイズの殲滅任務に行かせている間に突如としてギャラルホルンのゲートから黄金聖闘士が現れたんだ…。俺は応戦したが一蹴され…、奴等は沙織お嬢様を拉致して自分達の世界へ逃げて行った…」

 

未来「沙織さんが!?」

 

翼「聖闘士の最高位ともあろう黄金聖闘士がこのような下劣な悪事を…!許さんぞ!」

 

マリア「全く、許せないわね!」

 

クリス「オッサン、そのお嬢様を拉致した黄金聖闘士はどこの世界から来たんだ?」

 

弦十郎「…恐らく、ネフシュタンの鎧の起動実験の際に繋がった並行世界から来たんだろう」

 

翼「その世界から…?」

 

マリア「確かに、あの世界はどうなっているのかわからないから、黄金聖闘士がいても不思議じゃないわ」

 

弦十郎「それに、奴等は『アテナを返してほしければシンフォギアを纏う装者とやらだけで我らの世界に来い。この世界の聖闘士を連れてきた場合、アテナの命はないと思え!』と挑戦状を叩きつけてきた。想像を絶する戦いが待っていると思うが…」

 

切歌「それはどーんとあたし達に任せるのデス!」

 

調「沙織さんは絶対に助け出すから」

 

弦十郎「そうか…。では装者一同に出撃を命じる!」

 

装者一同「了解!」

 

 装者達は出撃したのであった。そんな響達の様子を未来は不安そうに見ていた。

 

弦十郎「心配するな。もしもの事があれば未来君も出撃させる。沙織お嬢様が言っただろう?やむを得ない場合は出撃させると」

 

未来「はい…」

 

 出撃の際、響達は不安そうにしていた。

 

切歌「あの時は勢いで言ったんデスけど…」

 

調「黄金聖闘士が相手だと、最初でみんな死んじゃうかも…」

 

クリス「そ、そんな縁起の悪い事言うんじゃねえ!」

 

翼「うろたえるな。防人は決して恐れてはならない」

 

響「きっと、あの時のような奇跡が起こるよ」

 

クリス「けどよ…」

 

マリア「とにかく、行きましょう!」

 

 一同はギャラルホルンのゲートを通っていった。

 

 

 

聖域

 

 ゲートの先にあったのは、聖域であった。

 

切歌「ここはどこなんデスか?」

 

調「古代ギリシャに来たみたい…」

 

響「ここって…聖域だ!」

 

マリア「来た事があるの?」

 

翼「ああ。星矢達の黄金聖闘士昇格の式典に招かれて来た事がある」

 

クリス「この世界でも相変わらずしけた所だなぁ」

 

響「急いで沙織さんを助けなきゃ!」

 

???「侵入者が現れたぞ!」

 

 突然の声に響達が戸惑っていると、しばらくして元の世界では星矢達に倒された白銀聖闘士達が現れた。

 

切歌「囲まれたデス!」

 

翼「ここは敵陣の中。私達は侵入者扱いか…」

 

響「あの、私達は決して怪しい人ではありません!ただ、城戸沙織って女の人が攫われて助けに来ただけで…」

 

クリス「バカ、あいつらに話が通じるわけねえだろ!」

 

ミスティ「その通り。君達の言い訳を聞くつもりはない。この白銀聖闘士、リザドのミスティが始末するとしよう」

 

アルゴル「いや、このペルセウス座のアルゴルが始末する」

 

 白銀聖闘士という言葉を聞いた響達は驚いた。

 

マリア「白銀聖闘士!?」

 

切歌「確か、司令は白銀聖闘士ぐらいの強さだと聞いたのデス!」

 

響「じゃ、じゃあ…この場にいる人全員が師匠も同然じゃないですか!」

 

 弦十郎の強さを目の当たりにしている響達にとっては、弦十郎と同等の強さの白銀聖闘士に囲まれている状況は弦十郎が何人もいるようなものであった。

 

ミスティ「お喋りはここまでだ。そろそろ侵入者には消えてもらおうか」

 

響「あわわわわっ…!」

 

クリス「どうする事もできねえのか…!」

 

???「うろたえるな、小娘共!」

 

 ミスティ達が襲い掛かろうとした途端、声が聞こえてその直後にミスティ達は吹っ飛ばされた。

 

マリア「何!?」

 

調「さっき、声が聞こえて…」

 

 声の主は緑色の髪の老人であった。そして、貴鬼もいた。

 

響「貴鬼君!」

 

貴鬼「え?何でオイラの名前を知ってんだ?」

 

翼「それより、白銀聖闘士を吹き飛ばしたのはあなたなのですか?」

 

シオン「そうとも。我が名はシオン。かつて、教皇であった者だ」

 

マリア「かつては…教皇?」

 

クリス「じーさん、あんたの歳はいくつだ?見た所じゃ、ざっと60代ぐらいに…」

 

シオン「263歳だ」

 

 その言葉に響達は衝撃を受けた。

 

響「う、ウソ~~~っ!!?」

 

切歌「に、263歳デスか~~!?」

 

調「信じられない!!」

 

貴鬼「ほんとだぞ。シオン様は前の聖戦の生き残りなんだからな」

 

シオン「お前達はこの世界の人間ではないようだな。何の用でここに来た?」

 

 シオンの問いに翼とマリアが主に答えた。

 

シオン「なるほど、お前達の世界のアテナが攫われたため、助けに来たのか…」

 

響「どこに沙織さんがいるんですか?」

 

シオン「教皇の間であろう。だが、そこへ至るには黄金聖闘士が守護する十二宮を突破しなければならん。私がその十二宮へ案内しよう」

 

 

 

白羊宮

 

 シオンは響達を十二宮へと案内した。

 

切歌「ここが十二宮デスか…」

 

翼「敵の本丸へと続くこの道に、何があるのか…」

 

シオン「私の案内はこの白羊宮までだ。そこから先はお前達の足で進むのだ」

 

切歌「白銀聖闘士を瞬殺できたから、一緒に来てほしかったのデス…」

 

マリア「仕方ないわ。シオンはかなり歳をとってるし、黄金聖闘士に太刀打ちできないと思うから私達だけで進みましょう」

 

 そう言って白羊宮へ入ろうとすると、何やら黄金聖闘士がいた。

 

クリス「早速、黄金聖闘士がお出ましのようだぞ…!」

 

調「邪魔をするなら…」

 

シオン「うろたえるな、小娘共!」

 

 今度は響達がシオンに吹っ飛ばされ、頭から地面に激突したのであった。

 

響「いてっ!」

 

クリス「くそっ、いきなり何しやがるんだよ!」

 

シオン「うろたえるでない。あの者はムウ、私の弟子だ。だから敵ではない」

 

 そう言ってると、ムウが来た。

 

ムウ「相変わらずですね、シオン様」

 

シオン「ムウよ、この者達に説明やら疑問に答えたりするのだ」

 

 お辞儀した後、ムウは響達の方を向いた。

 

翼「(この男の気配、この前、感じたものと同じだ…)」

 

ムウ「既に紹介されていますが、私の名はムウ。牡羊座、アリエスのムウと申します」

 

響「ムウさん、私の名前は立花響です!よろしくお願いします!」

 

ムウ「元気で礼儀正しいですね」

 

響「クリスちゃん達もちゃんと挨拶しないと!」

 

クリス「あたしらを巻き込むんじゃねえ!」

 

 結局、全員挨拶した。

 

マリア「早速だけどあなたに聞きたい事があるわ」

 

???「そこは私が答えよう」

 

 異次元の穴から仮面とマスクを被った男が現れた。

 

切歌「お前が親玉デスね!」

 

教皇「お前達から見ればその通り、私は聖域の教皇だ」

 

翼「早速聞きたい事がある。お前達はなぜ、私達の世界のアテナ、城戸沙織を拉致した!?」

 

教皇「至って簡単な事だ。この世界のアテナは既にハーデスと相打ちになり、いなくなってしまったからだ。だからこそ、この世界のアテナになってもらうためにお前達の世界のアテナを拉致したのだ」

 

クリス「ふざけんじゃねえ!自分達の世界のアテナがいなくなったからって、勝手にこっちのアテナを攫うんじゃねえよ!」

 

調「沙織さんは私達にとって大切な人よ!その人を攫うなんて許さない!」

 

響「沙織さんを返して!」

 

教皇「では、お前達に試練を与えよう」

 

マリア「試練…?」

 

教皇「お前達が今から12時間以内にこの十二の宮を守護する黄金聖闘士の試練を突破し、教皇の間に着く事ができればアテナを返してやろう。まぁ、途中で全員脱落するだろうがな。ふははははっ!!」

 

 教皇は異次元の穴を作り、通っていった。

 

翼「今から12時間以内に十二宮を突破しなければならないのか…」

 

 翼は時計を見ていた。

 

切歌「黄金聖闘士と真っ向からは無理なのデス…。突破なんてできっこないのデス…」

 

ムウ「教皇は試練を突破しろと言っただけです。黄金聖闘士全員を倒してみろとは一言も言ってませんよ」

 

マリア「じゃあ、どうすれば突破が認められるの?」

 

ムウ「それは、その黄金聖闘士が出す課題をクリアする事です。それさえできれば、通してくれます」

 

クリス「それなら、あたしらでも何とかなりそうだな」

 

調「なんか、希望が出てきた…」

 

ムウ「しかし、油断は禁物です。黄金聖闘士の中には、課題として直接戦う者もいます。なので、あなた達が纏う、シンフォギアという鎧について見せてもらっていいですか?」

 

 ムウは響達の纏うシンフォギアについて観察した。

 

クリス「あまりジロジロ見るんじゃねえよ…!」

 

ムウ「そのシンフォギアという鎧、聖衣に比べると強度や性能では劣りますね」

 

マリア「否定はしないわ」

 

ムウ「しかし、聖衣にはない可能性を色々と秘めているのも事実です。どうですか?私の聖衣の修復術であなた達のシンフォギアの強度を上げてみませんか?」

 

翼「聖衣の修復ができるのか!?」

 

ムウ「はい。私は聖衣の修復師ですから」

 

響「その強度を上げるのにどれくらいかかりますか?」

 

ムウ「目安としては1人5分といった所です」

 

クリス「ってなりゃ、全員で合計30分といった所だな」

 

ムウ「では、始めますよ」

 

 そして、全員のギアの強度を上げ終わった。

 

切歌「これは凄いのデス…!」

 

調「いつもと違って生命のようなものを感じる…!」

 

マリア「ギアの命の息吹が聞こえてくるみたいよ」

 

翼「これで備えは万全だ」

 

クリス「さっさと行くぞ!」

 

響「ムウさん、ありがとうございます!」

 

 響達は次の宮、金牛宮へと向かった。

 

貴鬼「ムウ様、星矢達の時と違ってセブンセンシズの説明をしてないんだけど…」

 

ムウ「話によれば、立花響と風鳴翼、雪音クリスの3人は以前、セブンセンシズでもない未知の強大な小宇宙に目覚めた事があるそうです」

 

貴鬼「それって…」

 

ムウ「私にもわかりません。ですが、セブンセンシズとは違う、異質の小宇宙である事は間違いないでしょう。また、目覚めるかどうかはわかりませんが…」

 

 

 

金牛宮

 

 響達は金牛宮の前に来た。

 

翼「あれが第二の宮、金牛宮か…!」

 

切歌「いっちょ、やったるデス!」

 

調「待ってよ、切ちゃん!」

 

 切歌が突撃してしまい、慌てて調も後を追った。

 

クリス「バカ、迂闊に入ったら」

 

切歌「あああああっ!!」

 

調「うっ!」

 

 あっさりと2人は吹っ飛ばされたのであった。

 

マリア「何があったの!?」

 

響「行きましょう!」

 

 4人が入ると、そこには黄金のミノタウロスのようなノイズがいた。

 

アルデバラン『勝手に金牛宮を通り抜ける事は許さん!この牡牛座、タウラスのアルデバランがな』

 

クリス「ノイズが喋ったぞ!」

 

翼「いや、ノイズに喋る能力はない。操っている本人が小宇宙か何かで私達に語っているのではないのか?」

 

響「まっすぐに最短で一直線に言います!アルデバランさん、このノイズを倒せば通してくれるのですか!?」

 

アルデバラン『いかにも、このタウラスノイズ自体が俺からの試練だ。まぁ、俺自身より数十段も弱いがそれでもお前達では勝てんと思うがな。誰から来るか?』

 

 その問いに響と翼とクリスが前に出た。

 

翼「私達が相手だ!マリア達は体力を温存するんだ」

 

マリア「わかったわ」

 

響「私達が倒せたらマリアさんと切歌ちゃん、調ちゃんも通してもらっていいですか?」

 

アルデバラン『いいだろう。倒せればの話だがな』

 

 そう言うとタウラスノイズは腕を組んだ。

 

クリス「何だ?その構え。戦う気がねえのか?」

 

アルデバラン『ふっ、お前達のような小娘相手に露骨なファイティングポーズは必要あるまい。このままでも十分にお前達を倒せる』

 

クリス「舐めやがって!」

 

翼「雪音、立花、いくら黄金聖闘士本人より遥かに弱いとはいえ、あのノイズはカルマノイズぐらいはありそうなノイズだ。気を引き締めていくぞ!」

 

 3人はタウラスノイズに向かっていった。

 

響「はあああっ!」

 

クリス「喰らいやがれ!」

 

 響とクリスは同時攻撃を仕掛けようとした。しかし、攻撃しようとした途端にタウラスノイズの攻撃に吹っ飛ばされてしまった。

 

響「ああああっ!」

 

クリス「うわあああっ!」

 

翼「立花、雪音!(今の攻撃は何だ?確かめる必要がある!)」

 

 次は翼が斬りかかったが、近づく前にタウラスノイズの攻撃を受け、吹っ飛ばされた。

 

翼「ぐはっ!」

 

アルデバラン『3人ともその程度か?それではこの先の試練を通り抜ける事は不可能だぞ』

 

クリス「くそっ…、なんてパワーなんだよ…!」

 

響「何とかしなきゃ…!」

 

翼「(攻撃を受ける前、奴は素早く腕を突き出すのが見えた。恐らく…、あの状態は既に攻撃態勢。まるで居合のようだ…!)立花、雪音、何の考えもなしに向かっても返り討ちに遭うだけだ」

 

クリス「じゃあ、先輩はあいつを倒す策があるのか?」

 

翼「ある。今の奴の状態は居合、攻防一体の構えをとっている。奴を倒すには、その構えを崩さなければならない」

 

クリス「ってなりゃ、その構え自体がファイティングポーズって事になるな」

 

響「行きましょう!」

 

 3人は改めてタウラスノイズと対峙した。

 

アルデバラン『作戦会議は終わったか?』

 

翼「アルデバラン、お前の拳を封じるためにはその構えを解けばいい。居合の剣を封じるのと同じようにな!」

 

アルデバラン『(この小娘、星矢と同じように俺の拳の秘密を…)それがわかったところでどうだというのだ?お前達ではどうやっても構えを解かせる事はできんぞ』

 

翼「1人1人の力だけではな」

 

響「でも、力を合わせれば」

 

クリス「それは可能になるんだよ!」

 

 そう言ってクリスはミサイルやガトリングをぶっ放しまくった。

 

アルデバラン『ふん、そんな火器をいくら撃っても効かんぞ』

 

 タウラスノイズはミサイルやガトリングを気にも留めなかった。そうしている間に煙で見えなくなった。

 

アルデバラン『俺を倒したと勘違いしてそうだな。よし、今から…』

 

???「はああああっ!」

 

 煙の中から響が現れ、タウラスノイズを殴り飛ばした。

 

アルデバラン『ぐあっ!』

 

 タウラスノイズが攻撃を受けた際、再生しない事に翼は気付いた。

 

翼「このノイズはカルマノイズと違って再生しない。一気に畳みかけるぞ!」

 

 そう言って翼は蒼ノ一閃を放ち、タウラスノイズにダメージを与えた。

 

アルデバラン『グレートホーン!』

 

 咄嗟にタウラスノイズはグレートホーンを放ったが、構えを解いたまま使ったため、響達にかわされた。

 

クリス「あたしらでもかわせたぞ!」

 

響「一気に行きましょう!」

 

 それから響達は一気に攻撃を仕掛け、タウラスノイズを撃破したのであった。

 

切歌「やったデス!」

 

マリア「これで金牛宮は突破ね」

 

 すると、金牛宮の奥からアルデバラン本人が現れた。

 

調「今度は本人と戦うの…?」

 

 黄金聖闘士と直接戦うのではないかと緊張感が走る中、アルデバランは大笑いした。

 

アルデバラン「ふはははっ!そう身構えるな。お前達はタウラスノイズを倒し、試練を突破した。よって、約束通り全員でこの金牛宮を通るがいい」

 

響「やったぁ!」

 

アルデバラン「翼とか言ったな。俺本人より遥かに弱いタウラスノイズのものとはいえ、グレートホーンの秘密を見破るとは流石だ。見破ったのは星矢に続いて二人目だ」

 

翼「星矢はアルデバラン本人のグレートホーンの秘密を見破っただと?」

 

アルデバラン「ああ、そうだ」

 

クリス「それにしても、きちんと約束を守ってくれるなんて気前のいいオッサンだな!」

 

アルデバラン「おいおい、オッサンはないだろう?俺はこれでもまだ22歳だ」

 

マリア「ええっ!?私と同じ年齢じゃない!」

 

切歌「年齢をサバ読みしてるとしか思えないのデス!」

 

調「不思議…」

 

 マリア達はアルデバランの年齢を30~40代以上だと思っていたため、本人の衝撃の発言に驚いたのであった。

 

クリス「結構顔のいい星矢達と違ってアルデバランの顔はオッサンみたいな面だし、なんか黄金聖闘士の中では真っ先にやられてそうな感じだな」

 

???「クリス、アルデバランに失礼ですよ」

 

 クリスの発言にアルデバランは図星を突かれたような顔をした。そこへ、ムウが来た。

 

クリス「ムウ!」

 

ムウ「アルデバランは黄金聖闘士の中でも並ぶ者のない剛の者です。弱くはなく、むしろ強い方です。あなたの言う通り、真っ先に負けた事はありますが、負けた時は不意討ちなどといった相性が悪い敵とあたってしまったためです」

 

響「アルデバランさんはそんなに強い人だったんですか…」

 

翼「みんな、長話をしている暇はない!急いで次の宮へ向かうぞ!」

 

アルデバラン「その前にお前達に言っておく。これから先、さっきのように行くと思ったら大間違いだ。直接戦わない試練だとしても、黄金聖闘士を決して侮るな」

 

響「はい!」

 

 響達は金牛宮を通過した。

 

アルデバラン「(あの娘達が聖闘士なら、星矢達にも匹敵する実力になれてただろう…。それに、あの立花響の目はどこか星矢と同じような…)」

 

ムウ「アルデバラン、立花響が気になるのですね」

 

アルデバラン「あの娘はどこか、星矢みたいでな…」

 

ムウ「そう思うのも無理はないでしょう。聞いた話では、彼女は元々いた世界の星矢に助けられた事があるのですから」

 

アルデバラン「星矢に助けられただって?」

 

ムウ「はい。それに、私もアルデバランのように彼女が気になっています」

 

アルデバラン「どこか星矢みたいだからか?」

 

ムウ「私の場合は、星矢と響は何か同じ宿命を持っているが故に巡り会ったのではないかと思っているからです」

 

アルデバラン「星矢と同じ宿命だと?」

 

ムウ「これはあくまでも私の勘です。実際はどうなのか、わかりませんから…」

 

アルデバラン「次の宮は響達にとって厄介な場所だな…」

 

ムウ「はい。星矢達の時程ではないにしろ、難所である事に変わりはないのですから」

 

 2人は双児宮の方を見つめていた。

 

 




これで今回の話は終わりです。
今回は響達が並行世界の聖域に来て、ムウと教皇から説明を受けた後に金牛宮でタウラスノイズを撃破して突破したのを描きました。タウラスノイズはアルカノイズの一種で、分解器官がない代わりに直接戦闘能力が非常に高いアルカノイズです。
シンフォギアXD本編では片翼の奏者の際にギャラルホルンは過去に2回繋がったとあったので、2回目のネフシュタンの起動実験の際に繋がった世界を今回の話の舞台にする事にしました。黄金聖闘士と直接戦わないで試練をクリアするという形にしたのは、響達じゃどうあがいても黄金聖闘士に勝てないからです。ただ、作中でも言われている通り、中には直接戦う黄金聖闘士も出てきます。ちなみに、教皇が誰なのかはすぐにわかるでしょう。
シオンについてですが、老シオンは原作やアニメでは顔が明らかにならなかったため、ロストキャンバスのセージ兄弟の老け具合を参考にしたイメージで描いています。また、シオンが響達を助けたり、ムウを攻撃しようとした響達を吹っ飛ばした『うろたえるな、小娘共!』は『うろたえるな、小僧共』があまりにも面白かったため、アレンジしてやってみたかったシーンでもありました。年齢に関しては、シオンは原作の享年に15年加齢し、原作の黄金聖闘士は設定年齢に2歳加齢しています。
アルデバランがクリスからオッサン呼ばわりされているのは、設定年齢に2歳加齢した事でマリアと同い年のアルデバランの顔が20代に見えないのと、LOSのネタを加えて描き、原作やアニメのかませぶりもネタにしています。
次の話は双児宮と巨蟹宮の試練となります。
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