セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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25話 迷宮と黄泉の世界を抜けて

双児宮

 

 響達は双児宮を目前にしていた。

 

ナレーション「聖域決戦の火ぶたは切って落とされた!囚われたアテナを救うためにも、十二の宮を突破せよ!急げ、シンフォギア装者達よ!並行世界の聖域に到着した響達は前教皇シオンの案内で十二宮へ進み、ムウの説明を受けてから金牛宮でアルデバランが操るタウラスノイズと対峙。苦戦しながらも協力してタウラスノイズを撃破し、金牛宮を突破したのであった」

 

マリア「もうすぐ双児宮よ!」

 

切歌「今度はあたし達の出番デス!」

 

調「どんな試練が待ってるんだろう…?」

 

 みんなそう思いながら進んでいると、双児宮の前で黄金聖闘士が待ち構えていた。

 

翼「お前がこの宮を守護する黄金聖闘士か!」

 

カノン「その通り。俺は双子座、ジェミニのカノンだ」

 

マリア「(何?白羊宮に来た教皇と声が似てる…?)」

 

クリス「で、カノンの出す試練は何だ?」

 

カノン「至って簡単だ。この迷宮の双児宮の中を進み、俺を探し出してみろ。そうすれば、巨蟹宮へ通してやろう」

 

 そう言ってカノンはバックステップで双児宮の中に入っていった。

 

響「戦うわけじゃないから、簡単そうですね」

 

翼「いや、双児宮は迷宮になっていると奴は言った。油断は禁物だ」

 

マリア「急ぎましょう!」

 

 一同は双児宮に突入した。

 

切歌「ここのどこかにカノンがいるのデスね」

 

調「とにかく、進もう!」

 

 一同は双児宮を進んだが、一向にカノンは見つからず、出口に出た。

 

響「出口だ!」

 

クリス「カノンは探せって言ったけど、双児宮突破だ!」

 

 しかし、翼とマリアは驚いた。

 

翼「いや、私達は双児宮の入り口に戻ってきてしまったようだ…」

 

切歌「な、何デスと!?」

 

マリア「カノンの言った事は間違いなかったようね…」

 

調「どうしよう…?」

 

響「もう一度双児宮へ入ろう!」

 

翼「カノンを見つける以外にこの双児宮を抜ける方法はあるまい」

 

 一同は再び双児宮に入った。すると、今度は道が二つに分かれている箇所があった。

 

クリス「分かれ道だ」

 

マリア「どっちが正解か確かめている時間はないわ、二手に分かれて進みましょう」

 

翼「私とマリアと立花が右の道を進む。雪音と月読と暁が左の道を進め。どちらかがカノンを見つける事ができたら、もう一方には構わずにまっすぐ巨蟹宮を目指せ。私達の誰かだけでも、教皇の間へ行かねばならないのだ。いいな?」

 

マリア「切歌と調を頼むわよ」

 

クリス「ああ」

 

響「クリスちゃん、切歌ちゃん、調ちゃん…、無事でいてね」

 

 3人ずつに別れ、一同は二手の道を進んだ。

 

調「切ちゃん、クリス先輩、何だかおかしくない?さっきから同じところをグルグル回っているような気がするんだけど…」

 

切歌「こ、今度は迷子になったんデスか!?」

 

クリス「そう言ったって、前へ進むしかねえだろ!」

 

切歌「マリア達は無事に抜けられたんデスか?」

 

???『ふっふっふっ、人の事より自分の心配をしたらどうだ?お前達は迷宮に迷い込んでしまったのだ。もはや、抜け出る事のない、双子座の迷宮にな』

 

クリス「この声は…カノン!」

 

調「近くにカノンがいるのかな?」

 

切歌「そうに違いないデス!あたし達が先に突破なのデス!」

 

 近くにカノンがいると判断し、クリス達は先へ進んだ。一方、マリア達は進んでいたものの、進んだ先は行き止まりだった。

 

翼「行き止まりだ…」

 

マリア「引き返して別の道を探るしかなさそうね…」

 

響「う~む…、あの島の神殿の時のように色々と探ってみましょうよ」

 

マリア「ちょっと、変な罠でもあったらどうするの?」

 

翼「マリアの意見に同感だ。あの時のような罠があったら…」

 

響「あるゲームでは行き止まりに見える場所でも、眼鏡のようなアイテムで見てみると見えない壁があったり、本当の道がありました、っていう仕掛けになってる場所があるんですよ。きっと、行き止まりに見えても本当は…」

 

翼「だが、本当にそんな仕掛けがあるはずが……」

 

マリア「…切歌もハマってるゲームではそのような仕掛けがあったそうよ。私個人としては引き返した方がいいと思うけど、その前に騙されたと思って試してみるのもいいんじゃないかしら?」

 

響「では、やってみましょうよ!」

 

 早速、響は行き止まりの壁を触ろうとした。だが、触ろうとした途端にすり抜けてしまった。

 

響「うわあっ!」

 

翼「すり抜けただと?」

 

マリア「ゲームのように行き止まりに見せかけて本当の道があったわね。今回はあの子の言った通りになったわ。進みましょう!」

 

 早速、マリア達は本当の道を進んだ。一方、クリス達は先を進んでいた。

 

クリス「そろそろカノンが見つかってもおかしくないようだな…」

 

 そう言ってると、何やら雰囲気が変化したのを3人は感じた。

 

クリス「何だ?」

 

調「クリス先輩、あそこ…!」

 

 奥から何かが来ている事に気付いた。

 

クリス「ようやくカノンのお出ましってとこだな…」

 

切歌「これであたし達は双児宮突破デス!」

 

クリス「カノン、ようやく見つけたぞ!あたしらを巨蟹宮へ通しやがれ!」

 

カノン『ふっふっふっ…』

 

クリス「何がおかしい!?」

 

カノン『残念だったな、お前達が見つけたのは俺が遠隔操作していて、聖衣を着せた分身。俺本人ではないわ!』

 

切歌「って事は…ハズレデスか!?」

 

カノン『そうだ。よって、お前達を異次元の彼方へ飛ばしてやろう!』

 

クリス「そうなってたまるかよ!お前ら、こうなったらあたしらの意地を見せてやるぞ!」

 

調「うん!」

 

切歌「はいデス!」

 

クリス「喰らいやがれ!!」

 

 クリス達は波状に攻撃を仕掛けた。しかし、カノンの分身には何らダメージは与えられなかった。

 

切歌「効いてないのデス…!」

 

調「やっぱり、分身でも私達より遥かに上かも…」

 

クリス「くそっ…、完全に詰んじまったじゃねえか…!」

 

カノン『お前達はこれで終わりのようだな。喰らえ、ギャラクシアンエクスプロージョン!』

 

 カノンの分身はギャラクシアンエクスプロージョンを放ち、クリス達を吹っ飛ばした。

 

クリス達「うわああああっ!!」

 

カノン『ほう、シンフォギアは聖衣に比べると脆いはずなのに、手を抜いたギャラクシアンエクスプロージョンを受けても壊れんとは…。やはり、ムウが補強していたか…。さて、奴等を飛ばすとするか。アナザーディメンション!』

 

 クリス達目掛けてカノンの分身はアナザーディメンションを放った。しかし…

 

切歌「クリス先輩!」

 

調「先輩だけでも…!」

 

 まだ気を失っているクリスを庇い、切歌と調がアナザーディメンションを受けた。

 

切歌「うわああああっ!」

 

調「あああああっ!」

 

 2人は異次元の空間へ飛ばされた。

 

カノン『仲間を庇って異次元の彼方へ消えるとは…。あの2人に免じてこいつは特別に通してやろう…』

 

 気を失っているクリスを抱え、カノンの分身は本人の元へ向かった。一方、マリア達は響がゲームで得た知識である、見えない壁やすり抜ける壁があるのかどうか確かめて本当の道を進み続け、遂にカノン本人を発見した。

 

響「言われた通り見つけましたよ、カノンさん!」

 

カノン「ふっ、よく俺を見つける事ができたな。よって、試練は突破だ」

 

響「やったぁ!」

 

翼「だがカノン、お前が纏っていた聖衣はどこに…?」

 

カノン「もうそろそろ来る頃だな」

 

 クリスを抱えてやってきたカノンの分身が来た。

 

響「双子座の聖衣がクリスちゃんを抱えてやってきたよ!」

 

マリア「まさか、分身に聖衣を着せていたの?」

 

カノン「そうだ。ハズレの道に分身が、正解の道に俺がいたのさ」

 

マリア「ハズレ?じゃあ、クリスしかいないという事は、切歌と調は…?」

 

翼「カノン、まさか2人を殺したわけではあるまいな…!」

 

カノン「2人なら、今頃別の黄金聖闘士のいる宮へ飛ばされたはずだ。ま、そこで足止めされてお前達が来るまではどうにもならんだろうがな」

 

マリア「本当なのね?」

 

カノン「本当さ。それより、急がなくてもいいのか?」

 

翼「急がねばならん!行くぞ!」

 

 クリスを起こし、響達は先へ進んだ。

 

カノン「(星矢達の時はこの迷宮は目が見えなくなっていた紫龍は星矢と共に突破できたが、普通に目が見えるあいつらが突破してしまうとは…。アニメやゲームとやらの知識は意外と侮れんな…)」

 

???『カノン、聞こえているのか、カノン!』

 

カノン「聞こえているよ。そろそろあいつを連れて来る頃だろ?」

 

教皇『わかっているのなら、さっさと連れてこい!』

 

カノン「全く、人使いが荒いな…!」

 

 愚痴をこぼしながらもカノンは用件を済ませる事にした。一方、響達は…。

 

クリス「済まねえ、あたしがついていながらあいつらが…」

 

翼「今はそれを問い詰めている暇はない。一刻も早く、十二宮を突破するぞ!」

 

響「それに、カノンさんが『2人はどこかの宮に飛ばされた』って言ってたからきっと、進んでいけば会えるよ!」

 

クリス「そうだな…!」

 

 気を取り直し、先へ急ぐのだった。

 

 

 

天秤宮

 

 アナザーディメンションを受けた切歌と調は天秤宮へ飛ばされていた。

 

切歌「調、あたし達はどこへ来たデスか?」

 

調「わからない…。でも、クリス先輩がいないよ。それより、ここはどこかな?」

 

切歌「どこかの宮に決まってるデス。思わぬショートカットができてラッキーなのデス!」

 

???「君達がシンフォギアの装者か」

 

 そこへ、水瓶座の黄金聖闘士が現れた。

 

調「切ちゃん、あの人の聖衣、氷河さんと同じ…!」

 

切歌「もしかして…、氷河の師匠の…」

 

カミュ「厳密には氷河は孫弟子だ。私は氷河を育て上げた水晶聖闘士の師、水瓶座アクエリアスのカミュ」

 

切歌「あ、頭がこんがらがって難しいのデス…」

 

調「水瓶座の黄金聖闘士のあなたがいるという事はここは…」

 

カミュ「ここは宝瓶宮ではない。宝瓶宮はずっと先、ここは天秤宮だ」

 

切歌「天秤宮って事は…」

 

調「紫龍さんの師匠が守護する宮だよ」

 

切歌「何の用で来たのデスか?」

 

カミュ「君達を食い止めるために来た。君達、仲間が来るまではここから先へは進むな」

 

切歌「な、何でデスか!?」

 

カミュ「君達が先行したところで、わが友のミロやその他黄金聖闘士に殺されるだけだ。それならば、仲間の到着を待った方がよかろう」

 

調「そんな訳にはいかない…!」

 

切歌「あたし達は12時間以内に教皇の間へ行って沙織さんを助けなきゃいけないのデス!」

 

調「だから、あなたの言う事には従わない!」

 

カミュ「聞き分けの悪い子達だ。ならば、力づくで止めるしかあるまい!」

 

 切歌と調は無茶を承知でカミュに挑んだが、カミュとの力の差は歴然で、あっけなく一蹴されたのであった。

 

切歌「やっぱり黄金聖闘士が相手だと、いくら命があっても足りないのデス…!」

 

カミュ「当然だ。私は氷河を更なる高みを磨き上げた師なのだぞ。この程度の実力で世界に喧嘩を売った事がある君達など、たかが知れている」

 

調「(何で、この人がフロンティア事変の事を…?)」

 

カミュ「これで終わりにする。ダイヤモンドダストォ!」

 

 カミュは切歌と調をの周囲を覆うようにしてダイヤモンドダストを放ち、氷の檻を作り上げたのであった。

 

カミュ「命まではとらん。この中で仲間が来るまで待っているがいい」

 

 そう言ってカミュは去り、天秤宮の出口さえも氷で塞いだ。

 

切歌「こんな氷の檻なんて!」

 

 切歌は鎌で氷の檻を壊そうとしたが、壊れなかった。

 

切歌「か、硬すぎるのデス…!」

 

調「私のでもダメかも…」

 

???「お前達の力ではこの氷は壊せんぞ」

 

 そう言ったのは、天秤宮を守護する黄金聖闘士だった。

 

調「あなたは…?」

 

童虎「わしは天秤座、ライブラの童虎」

 

調「天秤座?紫龍さんと同じ…」

 

童虎「そうじゃ、わしは紫龍の師で老師と呼ばれとる。言っておくが、そのカミュがダイヤモンドダストと同時に放って作り出した氷、フリージングコフィンはお前達では壊す事はできん。仲間が来るまで待つのじゃ。その間、色々とわしの話でも聞くか?」

 

 今の状況ではどうにもならないため、切歌と調は童虎と会話しつつも待つ事にした。

 

 

 

巨蟹宮

 

 その頃、響達は巨蟹宮へ到着した。

 

響「ここが巨蟹宮…」

 

クリス「…何だか気味が悪いぞ…」

 

翼「臆してはならん。一気に進むぞ!」

 

 一同は突っ込んでいった。

 

クリス「やっぱ、思った通り気味が悪いぞ…」

 

マリア「私もこの宮の雰囲気は合わないわね。早く試練を突破して進みましょう!」

 

???「よぉ、てめえらがシンフォギア装者か」

 

 声と共に蟹座の黄金聖闘士が姿を現した。

 

翼「確かお前は…、紫龍が言っていた聖闘士の風上にも置けない男、蟹座、キャンサーのデスマスクだな!」

 

デスマスク「ああ、そうさ。俺は汚れ仕事も引き受ける、聖闘士の風上にも置けない男だ」

 

マリア「自分の悪をあっさりと認めるなんてね」

 

クリス「ここはあたしらも長居したくねえ場所なんでな、さっさと試練とやらを教えろ!」

 

デスマスク「試練はカノンのと同じで至って簡単だ。死後の世界へと続く黄泉比良坂で襲い来る亡者共を振り払いながら、この俺を見つけてみせろ」

 

響「また探すのですか…」

 

翼「確か、黄泉比良坂は…」

 

デスマスク「今から連れて行くぞ、積尸気冥界波!」

 

響達「うわあああっ!!」

 

 響達は積尸気冥界波で肉体と魂を分離させられ、魂が黄泉比良坂へ連れていかれた。

 

 

 

黄泉比良坂

 

 黄泉比良坂で響達は目覚めた。

 

響「ここって…」

 

マリア「デスマスクの言った事が正しければ、ここは黄泉比良坂でしょうね(死後の世界へと続いているなら、セレナやマムも死んだ後にここを通っていったのかしら…?)」

 

クリス「全く、ここも気味が悪いとこだ…」

 

翼「早くデスマスクを見つけてここを抜けよう」

 

 そう言ってると、亡霊達が響達に襲い掛かってきた。

 

響「うわああっ、襲い掛かってきたよ!」

 

クリス「ここはあたしに任せろ!」

 

 早速、クリスはガトリングやらミサイルやらで襲い来る亡霊たちを一掃した。

 

響「クリスちゃん、死んだ人にあんな事は」

 

クリス「ここであたしらが死んだら死後の世界へと真っ逆さまなんだぞ!少しは割り切れ!」

 

翼「雪音の言う通りだ。死後の者に更なる苦痛を与えるのは私とて気持ちのいいものではない。だが、ここでやらねば私達も亡霊の仲間入りをする事になる!」

 

響「…わかりました(死んだみんな、ごめんね…!)」

 

マリア「(私も気が進まないけど…、やるしかない…!)」

 

 翼とクリスは割り切っていたものの、響とマリアは亡霊に更なる苦痛を与える事に気が進まなかった。それから、一同は亡霊たちを蹴散らしつつ、先を進んでいた。

 

響「ねえ、死んだ人がここを通っていくなら…」

 

翼「…奏がここを通っていったなど、考えたくもない…」

 

クリス「あたしのパパとママが通るのだって、考えたくねえよ…」

 

マリア「ほんと、嫌な所ね…」

 

 死んでいった大切な人達がこの黄泉比良坂を通っていった事自体、一同は考えたくもなかった。そして、進んでいくと何やら黄金の光が見えた。

 

マリア「黄金の光が…!」

 

翼「デスマスクに違いない!」

 

 その通り、デスマスクがいたのであった。

 

デスマスク「亡霊共にビビって先へ進めねえと思っていたが、根性はあるみたいだな。俺を見つけた以上、巨蟹宮の突破を認めよう」

 

クリス「さっさとあたしらを元の世界に帰しやがれ!こんな薄気味悪い所は嫌なんだよ!」

 

デスマスク「せっかちな奴等だな。わかったから、すぐに帰してやる」

 

 デスマスクは響達と共に元の世界に帰還したのであった。

 

 

 

巨蟹宮

 

 響達の魂は無事に体に帰って来れた。

 

響「やっと帰って来れた…。もうあんな世界には行きたくないですよ…」

 

翼「それは私達も同感だ。あの薄気味悪い世界にはできれば二度と行きたくないものだ…」

 

クリス「さっさと行くぞ」

 

翼「それよりデスマスク、お前は戦闘での巻き添えも意に介さない男だと紫龍から聞いた。本当なのか?」

 

デスマスク「昔はな。だが、やりすぎちまったせいで一度聖衣に見放されて紫龍に負けてから、可能な限り巻き添えは出さないようにしている。だが、本当にどうにもならん場合などは躊躇はしない」

 

マリア「昔の方がもっとひどかったとはね…」

 

デスマスク「俺はな…、どんな奴が相手でも殺せるほど邪悪なのが強みだ。例え、親しい友であっても…。お前らにはできんだろうがな」

 

 デスマスクの邪悪さに装者一同は衝撃を受けた。

 

デスマスク「ま、俺は聖闘士の風上にも置けない男だから、大切な人を殺さざるを得ない場合などの汚れ仕事も引き受けている。色んな悪口も言われ慣れてるのさ…。そんな事より、こんな所で足を止めてもいいのか?」

 

響「そうだった!急がなきゃ!」

 

デスマスク「後、忠告しておく。次の獅子宮を守護する獅子座の黄金聖闘士は不在だ」

 

クリス「という事は…ラッキーじゃねえか!」

 

デスマスク「だが、そいつは射手座の黄金聖闘士である兄貴と一緒に人馬宮で待ち構えているぞ。そして…さらに次の処女宮を守護する乙女座の黄金聖闘士、バルゴのシャカは『神に最も近い男』と呼ばれてて、今までのようにはいかない奴だ」

 

マリア「神に最も近いですって!?」

 

響「シャカさんって…、あの時、力を貸してくれた人だ!」

 

 響はルナアタック事変の際、力を貸してくれた黄金聖衣に宿るシャカの魂の事を思い出していた。

 

翼「それ程までに恐ろしい奴なのか?」

 

デスマスク「はっきり言って、俺もあいつは敵に回したくない奴さ。あいつの実力は神に最も近い男に恥じないもので、黄金聖闘士の中でも五本の指に入るのは確定だ。それに…あいつは何を考えてるのかさえわからん奴だからな。下手をしたら…俺達の試練よりもハードな、あいつ自身と戦う羽目になるかも知れんぞ」

 

マリア「それ程の男が直接私達の前に立ちはだかるなんて…」

 

翼「だが、相手が誰であれ、十二宮を突破しなければならない」

 

クリス「さっさと行くぞ!」

 

デスマスク「行く前に言っておく。シャカを怒らせて目を開かせてはならんぞ。開かせちまったら…お前達は死ぬからな」

 

翼「…忠告は感謝する」

 

響「ここは気味が悪いので、行きましょう!」

 

 すぐに響達は出発したのであった。

 

デスマスク「はっきり言って、処女宮は屈指の難所だ…。死んで俺の世話にならないように頑張れよ…」

 

 難所へ向かう響達を見つめるデスマスクであった。

 

 

 

獅子宮

 

 そして、響達は黄金聖闘士不在の獅子宮を突き進んでいった。

 

マリア「ねえ、本当にこの世界の黄金聖闘士は私達を本気で叩き潰す気があるのかしら?」

 

クリス「は?何でそれが気になるんだよ?」

 

響「私もそこは全然考えてませんでした…」

 

マリア「そもそも、おかしいと思わない?実力では遥かに上だから直接戦えば私達なんて1秒も経たずに殺す事ができるのに、何でこんな回りくどいやり方で邪魔をすると思う?」

 

翼「…言われてみれば、そうだな…」

 

マリア「きっと、教皇は私達には知りえない真意を隠しているのよ。でなければ、私達なんて金牛宮でアルデバランによって全滅していたわよ」

 

クリス「で、その真意は何だよ?」

 

響「きっと、教皇の間へ行けば教えてくれますよ」

 

翼「今は急がねばならん!」

 

 一同は教皇の真意が気になりつつも、先を急いだ。

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 未来は響達の様子が不安になっていた。

 

未来「響…」

 

弦十郎「心配するな、響君達はきっと沙織お嬢様を救出して戻ってくる。今までだってうまく行ったじゃないか」

 

慎次「今は響さん達を信じましょう」

 

未来「司令、緒川さん…」

 

???「ところが、そうもいかなくなりつつある」

 

 会話に割り込んで来たのは、カノンであった。

 

未来「黄金聖闘士…!」

 

カノン「そこの装者には自己紹介がまだだったな。俺は双子座、ジェミニのカノンだ」

 

弦十郎「カノン、何の用で乗り込んで来た!?」

 

カノン「俺はただそこの装者、小日向未来を迎えに来ただけだ」

 

未来「(どうして、私の名前を…?)」

 

 カノンが自分の事を知っていた事に未来は驚いていた。そして、カノンは弦十郎の耳元で囁いた。

 

カノン「あいつの参加の件は承認したはずだぞ…」

 

弦十郎「…わかってる」

 

未来「どうして、私を迎えに来たのですか?」

 

カノン「実を言うとな、先に行った装者達は順調に十二宮を進みつつあるのだが、これから装者達が向かう処女宮を守護する黄金聖闘士は高い実力と無慈悲な心の持ち主だ。あそこに着くと、あいつらは確実に殺されるだろうな」

 

 乙女座の黄金聖闘士によって響達が殺されるのを想像した未来はもう我慢できなかった。

 

未来「…行きます。私も十二宮へ行きます!」

 

弦十郎「…わかった。カノンの言ってる事は俺も嘘を言っているとは思えない。未来君の出撃もやむを得ないだろう」

 

 そして、ギャラルホルンのゲートの前に来た。

 

カノン「今からは死にに行くようなものだぞ。大丈夫か?」

 

未来「私は響やみんなを助けたいんです!だから…、大丈夫です!」

 

カノン「そうか。なら、行くぞ!」

 

 カノンと共に未来は並行世界へ向かった。




これで今回の話は終わりです。
今回は双児宮での迷宮突破と切歌と調が天秤宮へ飛ばされ、カミュの氷の檻に閉じ込められるのと巨蟹宮での黄泉比良坂でデスマスクを探すのを描きました。
響の眼鏡のようなアイテムや見えない壁、本当の道の元ネタはゼルダの伝説のまことのメガネとそれを使わないと見えない壁や道がネタです。
双子座の黄金聖闘士としてカノンが登場しましたが、片割れは何をしているのかは最大のヒントを出しました。アイオリアは未登場ですが、兄のアイオロスと共に人馬宮で待ち構えています。それに伴い、シャカの天舞法輪の事を話すのはデスマスクが担当する事となりました。
次の話はシャカが出てきますが、デスマスクの言った最悪の事態が発生します。そして、未来も参戦します。
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