セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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32話 いざ、出陣!

公園(並行世界)

 

 防人講座を終えたクリス達は瞬が残っている並行世界にやってきた。

 

クリス「到着したな」

 

切歌「ここに推参、デス」

 

調「今ひとたびの並行世界に私参上…ニンニン」

 

クリス「…おい、映画の口調が移ってるぞ」

 

調「…いけない、しっかりしないと。切ちゃんも」

 

切歌「かたじけないデス」

 

クリス「それにしても、凄まじい特訓だったな…」

 

調「2日間耐久、時代劇アクション映画鑑賞…」

 

切歌「お陰で江戸時代にはすごく詳しくなったデス」

 

調「うん、そうだね」

 

切歌「次の歴史の試験が楽しみデス」

 

調「…試験の範囲は近代史だよ、切ちゃん」

 

切歌「江戸じゃないデスか!?」

 

クリス「あたしとしては、あの『防人講座』の方が色々やばかったけどな」

 

調「せっかく翼さんが教えてくれてるのに…、クリス先輩も切ちゃんも、途中で意識失ってたよね?」

 

 そんな折、ノイズ警報が鳴った。

 

切歌「ノイズの警報デス!場所は…」

 

 ちょうど目の前に武者ノイズが現れた。

 

調「目の前だったね…」

 

クリス「はっ…目の前に現れるなんてちょうどいい!やってやろうじゃねえか!」

 

 警報が鳴った後、女隊長から出現ポイントを聞いて瞬もやってきた。

 

瞬「クリス、切歌、調、戻ってきたんだね?」

 

クリス「瞬、武者ノイズの秘策を存分に見やがれ!そしてお前ら、思い出せ、あの特訓を…」

 

調「一睡もせずにただひたすらに続けたあの時間…」

 

切歌「それがあるから…あたし達ならやれるはずデス!」

 

クリス「(そうだ、今、あたしの心の中は…)」

 

 3人はギアを纏った。その変化に瞬も驚いたのであった。

 

瞬「ギアが変化している…」

 

クリス「待たせたな!これがあたし達の新しい力だ!」

 

切歌「見た目だけじゃないデス!心も身体も全てがヤマトナデシコなのデス!」

 

調「ちょっと違うと思う…。だけどこの感じ、すごくしっくりきてる」

 

クリス「ったり前だ!何のためにおっさん秘蔵の時代劇アクション映画を見続けたと思ってるんだ!」

 

切歌「面白かったデスが、あれは辛い時間でした…」

 

調「うん…2日間耐久でずっと見せられてたもんね…」

 

切歌「その後の、翼さんの『防人講座』もなかなかハードだったデス…」

 

瞬「(この姿になるのに恐ろしいほどの地獄を味わったんだ…)」

 

 話を傍で聞いていた瞬にはクリス達が経験した特訓が恐ろしいものだと理解できていた。

 

調「開けちゃいけない扉を開けたかも…」

 

クリス「つっても限度があるだろう…。けど、これでこいつをぶっ倒せるってもんだ!覚悟しやがれ武者ノイズ!あたしが蜂の巣にしてやる!」

 

 早速、クリスは矢を放ち、文字通りに武者ノイズを蜂の巣にした。

 

クリス「はっ、お呼びじゃねーんだよ!」

 

切歌「デース!ヤマトナデシコは最強デス!」

 

調「ヤマトナデシコは清楚な美しさを称して言う言葉だから、戦闘能力は関係ないと思うよ…」

 

瞬「(それに、ヤマトナデシコと一番かけ離れているのは切歌で、一番近いのが調だと思うんだけどなぁ…)」

 

クリス「ま、いいじゃねーか。にしても、見事に違う感じになったな…」

 

切歌「訓練の時はあんまりマジマジ見る時間なかったデスけど…、クリス先輩とあたしは着物っぽいけど、色々違いはあるし…調は忍者デスね」

 

調「くの一…似合ってる?」

 

瞬「似合ってるよ。僕的には、調は翼さんと同じぐらい和風の服が似合うと思うよ」

 

切歌「調に似合わないわけがないのデス」

 

調「切ちゃんも凄く似合ってる。それに大人っぽく見えるよ?この辺とか…」

 

 調は切歌の胸の部分の服をめくろうとしていた。

 

切歌「お、おおおっ!?そこはダメデスよ~…」

 

瞬「2人共はしたないよ。そんなところを見られちゃったら、大変な事になるんだから」

 

クリス「そういう事は家でやれ!」

 

切歌「わかったデス!それじゃ家でクリス先輩も一緒に見せ合いっこするデス!」

 

調「それは楽しみ」

 

クリス「は、はあっ!?あ、あたしまで混ぜるな!」

 

瞬「僕は男だから、混ざれないよ」

 

 そんな戦闘の一部始終をウェルは目撃していたのであった。

 

ウェル「はあ…はあ…(ノイズが現れた、もしかしたら…)いた!…いや、しかしあの姿は前とは違う!?」

 

 クリス達のギアの変貌ぶりにウェルは驚いていた。

 

ウェル「まさかあんな隠し玉まであるとは…。これは間違いない…。くくく、素晴らしい…これこそ、天が僕に与えてくれた、最高のチャンス…。そう!この僕、ドクター・ウェルの野望は、今この瞬間から始まるんだあぁああっ!!」

 

 その声は瞬達にも聞こえていた。

 

瞬「ウェル博士、来ていたのですか?ノイズ警報が発せられている間は1人で出歩くのは危険です。下手をしたら死ぬ可能性だって高いんですよ」

 

ウェル「皆さんお帰りなさい。ついつい待ちきれずにここまで来てしまいました。それにしても驚きましたよ。その格好、さらにその雄姿にはね!」

 

クリス「ああ、これなら瞬不在の時でも武者ノイズだって敵じゃねーよ」

 

切歌「片っ端から倒してやるデス!」

 

調「…ニンニン」

 

 そこへ、女隊長が率いる部隊とは別の部隊の自衛隊が駆け付けた。

 

隊長「博士、無事ですか!」

 

ウェル「無事に決まってるじゃないですか。ここにはあの少年と彼女らがいるのですから!」

 

隊長「少年については聞いていますが、この少女達は?」

 

ウェル「見てなかったのですか?彼女達が、今この場で武者ノイズを葬ったのを!」

 

隊長「…まさか、こんな子供にそんな事ができるわけがない」

 

瞬「信じ切れない気持ちはわかります。しかし、クリス達が倒したのは紛れもない事実なんです。僕が保証します」

 

隊長「……」

 

 流石の自衛隊隊長も瞬の言った事は否定しきれなかった。そこへ、女隊長が来た。

 

女隊長「信じ切れないようだけど、彼の言っている事は事実よ。それに、あの子達も我々と同じようにノイズの恐ろしさも良く知っているわ」

 

隊長「だが…」

 

切歌「見くびらないでほしいデス!」

 

調「私達は精一杯戦った」

 

クリス「信じなくても別に構わねーけ」

 

 険悪な雰囲気が漂う装者達と自衛隊に女隊長が制止をかけた。

 

女隊長「そこまでよ。いがみ合っていては何も始まりはしないわ」

 

隊長「…くっ、もういい!さあ、さっさと次の現場に行くぞ!」

 

自衛隊員「了解!」

 

 その隊長が率いる部隊は次の現場へ向かった。

 

クリス「はあ…、やっぱ瞬や協力的な隊長がいなきゃやりづれーなー」

 

女隊長「あなた達の対応もまずかったわよ。自衛隊の大半は国民を守る事に誇りを持ってて、あなた達の事を懐疑的に思ってる上、年端もいかない子供が戦う姿に自分達が不甲斐なく思ってて心を痛めているのよ。実を言うと、私も本当はあなた達のような子供が戦うのは彼等と同じで反対なの」

 

調「本心では反対なのにどうして?」

 

女隊長「私のモットーはいかに隊員や民間人の犠牲を出さないかよ。だからこそ、そのモットーに従って私達の部隊は住人の避難誘導に徹し、ノイズの対処をあなた達に任せているの。失われた命は戻らないからね…」

 

切歌「そうデスか…」

 

瞬「この場は撤収しよう」

 

 

 

住居

 

 そして、クリス達は戻った。

 

ウェル「それで、皆さんの待遇についてですが、政府は国賓に近い待遇で迎えたいと言っています」

 

クリス「ちょ、ちょって待てって!国賓って、いくら何でもやりすぎだろ!?」

 

ウェル「実際には国賓というほど、もてなせるわけではありません。応対も全て僕に一任するといったような状態ですので。ただ、自由にノイズと戦い、そのための情報を収集する権利は認める、といったものです」

 

調「だから、超法規的立場なんだ。ところで、瞬さんの待遇は?」

 

ウェル「彼は戦闘がない時は普通の暮らしができる所がいいという事を僕に伝え、普通の住居で生活しております。後、彼の近所の評判は最高です」

 

瞬「やっぱり、いつもの暮らしの方が僕に合ってるからね」

 

調「でもそれって、私達の力を利用したいだけって事?」

 

ウェル「歯に衣を着せない言い方をすると、その通りです。現在、ノイズに対抗できる唯一の戦士が皆さんですから」

 

切歌「ノイズと戦うために戻ってきたけど、そう言われると複雑デスね…」

 

クリス「要は頼れるのがあたし達だけって事だろ?ならいいんじゃねーか」

 

調「うん、私もそう思う」

 

切歌「言われてみればそうデスね」

 

ウェル「皆さんならそう言ってくれると思ってましたよ」

 

 そう言ってると、ノイズ警報が鳴った上、女隊長からの連絡が来た。

 

女隊長『早速だけど、ノイズがまた出たわ。しかも、武者ノイズまで出ているわよ。ノイズの群れの出現位置を送るわね』

 

 女隊長はノイズの出現位置を転送した。

 

瞬「わかりました、直ちに出撃します!」

 

 瞬達は出撃した。

 

 

 

荒野

 

 すぐに瞬達は出現場所へやってきた。

 

クリス「いた、ノイズ!それに…」

 

調「自衛隊の人達…」

 

 瞬はすぐに前に出た。

 

クリス「おい!ここはあたしらに」

 

隊長「構え!撃てーーっ!」

 

 クリス達の言葉も聞かずに自衛隊の面々はノイズに攻撃したが、全く効果はなかった。

 

クリス「おい、聞いてんのか!?」

 

切歌「あんな攻撃じゃどうにもできないデス!」

 

隊長「まだだ!次、構えろ!」

 

自衛隊員「た、隊長!ノイズに戦線が突破され…」

 

 自衛隊員がノイズに襲われそうになった時、瞬はチェーンでノイズを一体たりとも自衛隊員に触れさせずに倒し続けたのであった。

 

隊長「あの鎧の少年か…!」

 

瞬「皆さん、すぐにその場を離脱してください!この場は僕と彼女達が何とかします!」

 

隊長「君と親しい彼女は君達に任せっきりにしているが、我々はそうはいかない!」

 

瞬「ここで隊員の誰かが死んだら残された仲間や家族が悲しむんですよ!だから、この場は僕達に任せてください!」

 

隊長「殉職自体は我々も承知している…」

 

クリス「あんたら、あたしらを信用できねえのはともかく、何で瞬の言葉まで信じねえんだよ!あいつは優しい奴だから、あんたらを1人たりとも死なせたくねえんだ!だから、瞬の言葉を信じてくれよ!!」

 

 瞬の言葉を信じようとしない隊長にクリスは不満をぶつけた。実際は瞬の人柄は信用でき、言っている事もわかるものであったものの、年端もいかない子供を戦わせたくない想いとせめぎ合っていて受け入れられなかったのであった。

 

自衛隊員「隊長、少女達はともかく、あの少年の言葉は信じられます。なので、彼の言う通りにしましょう…」

 

隊長「…やむを得ん。総員、撤退だ…!」

 

 隊員に言われ、隊長はやむなく撤退したのであった。

 

クリス「やっと瞬の言葉が届いたか…」

 

調「行こう!」

 

切歌「はいデス!」

 

 ウェルは少し離れた所からクリス達の戦いを見ていた。そうしているうちに武者ノイズが現れた。

 

クリス「ちょうど本命も来たみたいだな」

 

切歌「武者ノイズ…しかも団体デスよ」

 

調「でも、この和装ギアがあれば…」

 

クリス「ああ、あたし達の敵じゃねー!」

 

 クリス達は武者ノイズの群れに向かっていった。瞬は武者ノイズを圧倒的な力の差で葬り、クリス達も次々と蹴散らしていた。

 

調「残り、3体!」

 

クリス「逃がすなよ!全部ここで叩き潰すぞ!」

 

切歌「はいデス!」

 

 次々とノイズを蹴散らすクリス達にウェルはおろか、自衛隊員達でさえも見とれていた。

 

自衛隊員「あの少年もそうだが、ノイズをあんなに簡単に…。あの子達、本当にすげぇ…」

 

隊長「…おい!国防を預かる者としてその発言は何だ!」

 

自衛隊員「…す、すみません!」

 

隊長「(しかし、どうしてあんな子供なんかに…。我々にはなぜノイズに有効な装備がないのだ…!)」

 

 国防を預かる身でありながら、自分達にはノイズに有効な装備がなく、年端もいかない子供のクリス達にはある事に隊長は憤っていた。

 

ウェル「…やれやれ、沽券があるとはいえ、もう少し素直になれないものですかね。おっと、そんな事よりそちらを見なくては」

 

 もうノイズの数も残りわずかとなっていた。

 

切歌「こいつで、フィニッシュデース!」

 

調「切ちゃん!」

 

切歌「調!」

 

 2人の連携で2体の武者ノイズを倒した。

 

クリス「ラストはあたしだ!蜂の巣になりやがれ!」

 

 文字通り最後の武者ノイズは蜂の巣にされて倒されたのであった。

 

切歌「やったデス!調!」

 

調「うん、このギアなら戦えるね、切ちゃん」

 

クリス「…ま、当然だな」

 

瞬「でも、油断は禁物だよ」

 

 クリス達の活躍にウェルは満足していた。

 

ウェル「…ふふ、流石という他ありませんね。何度目にしても素晴らしいとしか言いようがない…。やはり、僕の目に狂いはなかったようです。彼女達さいえれば、僕の野望が…ふふ、はははっ!」

 

瞬「(博士、野望とか言ってた…。チェーンは反応しないけど、念のため注意は必要だな…)」

 

 元の世界のウェルは悪意全開なため、武装組織フィーネが扱うヘリコプターに搭載された神獣鏡によるステルス機能も悪意にも反応するネビュラチェーンの前では無力だったが、この世界のウェルには反応しなかったため、瞬は念のため注意する程度に留めた。

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 しばらく経った後の元の世界では…。

 

響「クリスちゃん達、大丈夫ですかね?」

 

翼「心配いらないだろう。瞬もいるし、何かあればすぐに戻るはずだ」

 

エルフナイン「上手くギアを使いこなせているでしょうか…」

 

マリア「ええ、あんな力業に力業を重ねた状態で本当に効果があるのか…」

 

星矢「大丈夫さ。俺達だって修行していた頃はあれとは比べ物にならないハードな事ばっかりやってたからな」

 

紫龍「それに、あいつらは司令の時代劇アクション映画を嫌という程、見続けたからな…」

 

弦十郎「それに江戸を舞台としたホラー映画も何本か加えておいたから、呪い対策もバッチリだ!」

 

響「クリスちゃん達が涙目になってたのが気になりますけど…」

 

氷河「ま、それだけハードだったって事じゃないか?」

 

翼「私も全てとは言わないが、伝えたい事は伝えられた」

 

マリア「その手段こそが逆に不安なのよね…」

 

未来「あはは…そうですね。私も同感です」

 

弦十郎「何にしても、こちらから確認するすべはない以上、留守を守り、彼女らをしんじてやるのが俺達の役目だ」

 

エルフナイン「はい…」

 

マリア「はぁ…落ち着かないわね。訓練でも行きましょうか」

 

翼「それなら、私も付き合おう。立花達はどうする?」

 

響「もちろん、一緒にやります!」

 

未来「私も見学させてください」

 

星矢「水臭い事は言うなよ、未来。訓練でもやってストレスを発散させないと、またとんでもねえ事をやらかすかもしれねえぞ」

 

未来「え、えっと…」

 

弦十郎「星矢の奴、未来君の悪い癖をわかった上で勧めてるな」

 

沙織「幸い、司令は未来さんの訓練に関しては許可していらっしゃるので、出撃できないが故にたまる未来さんのストレスを発散させるためにも訓練に参加させてもよろしいと思いますよ」

 

弦十郎「そうだな。思い詰められて先走る事態になるよりマシだろう」

 

 そして、一同は訓練に入った。

 

翼「よし、このくらいにしておこう」

 

響「はーい。ふぅ、つっかれた~」

 

未来「はい響。タオル」

 

響「ありがと~。それにしても、クリスちゃん達の和装ギア、かっこよかったな~」

 

翼「ああ、そうだな」

 

紫龍「ん?翼も気に入ったのか?お前なら、和装は似合いそうだが…」

 

星矢「紫龍の言う通りだぜ、確かに似合いそうだな」

 

翼「そ、そうだろうか?」

 

未来「はい、そう思いますよ」

 

翼「だとしても、浮ついた気持ちで羨ましいなどと思っては失礼であろう。雪音達は必死なはずだ。今も向こうで武者ノイズを相手に、死闘を繰り広げているに違いない…」

 

マリア「ええ、そうね」

 

氷河「(果たして、そうなのだろうか?一応、瞬というお目付け役はいるのだがな…)」

 

 

 

住居

 

 その頃、瞬はいつもの規則正しく、ノイズの出現に備えた暮らしをしていた。

 

おばさん「あら、最近この街に来たイケメンさんじゃない!」

 

瞬「おばさんこそ、ご無沙汰しております」

 

おばさん「あなたの事は近所でも話題になっているのよ!とても男の人とは思えないほどの美しさだし、私ももっと若かったらあなたと異性としての付き合いもできたと思うと、自分が残念でならないわ」

 

瞬「いつまでの付き合いになるかわかりませんけど、この街にいる間はよろしくお願いします」

 

おばさん「ありがとう。あなたに会うだけで元気をもらっちゃうわ!」

 

 外出中に出会った近所の人と世間話でもしながら、瞬はクリス達の所へ向かっていた。一方、クリス達は…。

 

切歌「はあ~、面白い番組やってないデスね…」

 

調「切ちゃん、ジュース飲む?」

 

切歌「もらうデース!」

 

クリス「おう、立ったならついでにポテチも頼む」

 

調「うすしお?それともコンソメですか?」

 

クリス「ん~、うすしおで」

 

 そして、ウェルが来た。

 

ウェル「お待たせしました!デパ地下で買ってきた話題のスイーツですよ!」

 

切歌「おお!あたしは赤いのがいいデス!」

 

調「それじゃあ、私は緑のにするね。切ちゃん、半分こしよう」

 

切歌「はいデース!」

 

クリス「悪いな、いつもいつも。こんないい部屋どころか、何でも用意してくれるし、至れり尽くせりでよ」

 

ウェル「当然ですよ。ノイズが出現したらすぐに対処してもらえる、それだけでどれだけ僕達が助かっている事か!本来かかるコストに比べたら、この程度の待遇ではむしろこちらが心苦しく思うような所!皆さんはこの世界にとっての救世主なのです!援助を惜しむつもりはありません!」

 

 そんな中、瞬はクリス達の所に来た。ところが、クリス達の自堕落ぶりに瞬は驚愕してしまった。

 

瞬「クリス、切歌、調、そんな自堕落な暮らしでいいの!?」

 

クリス「瞬じゃねえか」

 

切歌「ここはパラダイスなのデス…」

 

瞬「僕達はこの世界の異変を止めるために来たんだよ!遊びに来たんじゃないんだ!」

 

クリス「…ふわあ。色々食ったら眠くなってきたな。少し、昼寝でもするか…」

 

瞬「もう…」

 

 瞬の言葉にも耳を貸さず、クリス達は昼寝した。しかし、防人講座での翼の常在戦場の言葉が思い浮かび、跳ね起きたのであった。

 

クリス「うわあっ!?」

 

切歌「ど、どうしたデスか!?」

 

調「悪い夢でも見たんですか?」

 

瞬「悪い夢というよりは、何かの言葉に反応して起きたみたいだよ。それに、クリス達はだらけすぎだよ。いつものように規則正しく過ごさないと」

 

クリス「だらけすぎ…。くそ、何やってんだあたしらは…!」

 

 そんな折、ノイズ警報が鳴った。

 

クリス「…ノイズか。今回ばかりはこのタイミングで出てきてくれた事を感謝したい気分だっての!」

 

瞬「切歌、調、いつまでもだらけてちゃダメだ!ノイズが出た以上、現場へ向かわなければならない!」

 

 

 

市街地

 

 瞬達はノイズ出現の現場に向かっていた。

 

瞬「隊長さん、どうしましたか?」

 

女隊長『大変よ、ノイズの出現位置は社なの!』

 

ウェル「社なのですか!?」

 

瞬「わかりました!」

 

 

 

 

 現場に来たが、クリス達と違い、いつもの規則正しい生活を送り続けていた瞬はいつもの調子だった。

 

調「…反省」

 

切歌「あたしも反省デス…」

 

クリス「あたしも人の事を言えたもんじゃねーけど、このまま同じ生活をしていたらダメになっちまう」

 

切歌「確かにそうデスね…まさか国賓待遇がここまで人を堕落させるものだったとは…」

 

調「うん…贅沢し放題だもんね…」

 

瞬「わかったかい?例え国賓待遇であったとしても、どんな時でも規則正しい生活を送らなきゃ、ダメになるよ」

 

クリス「だから、瞬はいつもの暮らしをしたいと言ったのかよ…。早くこっちの世界の問題を解決して、あたしらの世界に戻るぞ!」

 

調「そうですね。…こっちにいすぎるとダメになりそう」

 

切歌「あ…ノイズが見えてきたデスよ!あれは武者ノイズデス!」

 

クリス「ちょうどいい相手だ。あいつと戦ってなまっていた気分を叩き直すぞ!」

 

 今回はクリス達のだらけた気分を叩き直させるため、瞬は手出ししなかった。そして、ノイズ達は全滅した。

 

調「倒した…けど」

 

クリス「こいつで終わり…ってわけじゃなさそうだな」

 

瞬「そうみたいだよ」

 

 瞬の言う通り、新たな武者ノイズ達が現れた。

 

調「やっぱり…」

 

切歌「今日は団体さんでお越しなのデス…」

 

クリス「1体じゃ勝てねえからって、複数か。こちとら、手間が省けていいっての!全部まとめて地獄ツアーに招待してやる!」

 

瞬「(やっといつもの調子になったみたいだね)」

 

 ノイズが出ないのが長すぎたためにだらけたクリス達は今回の戦いでようやく元の調子に戻ったのであった。

 

クリス「そういえば社に武者ノイズが出たって連絡があった時に驚いてたけど、どうしてなんだ?」

 

ウェル「はい、それはここに今まで倒した武者ノイズの持っていたムラマサの欠片があるからです」

 

切歌「今までって…あたし達が倒した奴デスか!?」

 

調「知らなかった…」

 

ウェル「言ってませんでしたからね。砕ける前のムラマサがこの社にあったというのは、以前話したかと思います。それはこの場所こそムラマサの封印に最適な場所だからなのです」

 

瞬「どうしてこの場所じゃないとダメなのですか?」

 

ウェル「ムラマサの持つ不孝を振りまく呪いのためです。この場所はそれが抑えられる唯一の場所なので…」

 

調「そんな特別な場所だったんだ…」

 

クリス「なんだかややこしい事になってんだな…」

 

瞬「博士、ところでムラマサはどれくらいの大きさなんですか?破片は数十あると言ってましたね」

 

ウェル「…そうですね。元々ここにあったムラマサは二尺二寸八分でして」

 

切歌「にしゃく…?それって何の単位デスか?

 

ウェル「ああ。メートル法に直せばおよそ69cm弱ですね」

 

調「欠片が一つ1cmくらいで、今まで集めた欠片の数がえっと…」

 

クリス「…おいおい、まだあと60個以上集めなきゃならないって事かよ!?」

 

切歌「先はものすごく長そうデスね…」

 

瞬「仕方ない。実際はどうなのかはわからないけど、今の時点では推定で60体以上はいる武者ノイズを倒し、ムラマサの欠片を集めなくちゃいけない。地道に頑張っていくしかないよ、切歌」

 

切歌「確かに瞬の言う通りなのデス…」

 

 今の時点では瞬の言っている事は事実であった。




これで今回の話は終わりです。
今回は2日間の時代劇アクション映画視聴と翼の防人講座を受けたクリス達が和装ギアを使いこなして武者ノイズをやっつける事に成功したという話です。
今回、再び描かれた自衛隊との確執ですが、次にもそれが出てきます。
次の話はさっきの通り、自衛隊との確執とその和解を描きます。
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