セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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35話 連携の修業

S.O.N.G潜水艦

 

 また瞬は並行世界へ残る事となり、クリス達は報告のために元の世界に戻っていた。

 

弦十郎「やはりカルマ化したノイズが出現したか…」

 

翼「なぜ、あのノイズが…」

 

エルフナイン「考えられない話ではありません」

 

響「どういう事?」

 

エルフナイン「僕達は問題を見誤っていたんです。最初はムラマサを有したノイズが異変の原因だと思っていましたが、本来の異変とは恐らく…」

 

星矢「やっぱ、カルマノイズだったって訳か…」

 

クリス「…予感的中ってわけだな。マジでイグナイトだよりにしてたらと思うとゾッとする」

 

紫龍「ギャラルホルンが反応したのは、元々カルマノイズの出現だったのか」

 

エルフナイン「はい。ギャラルホルンが世界の危機を感じるほどの脅威。それは以前と同じく、ノイズのカルマ化にあったのでしょう」

 

クリス「そういや、前の時はカルマノイズが出現した事で、普通のノイズも大量発生してたよな?もしかして、ノイズの出現頻度が増えたのも、カルマノイズの影響なのか?」

 

エルフナイン「それについてはわかりません。ですが、その可能性は十分にあります」

 

調「…やっと武者ノイズに対抗できるようになったのに」

 

切歌「…今度はもっと強いカルマノイズデスか」

 

クリス「なんだ2人とも、これくらいでビビっちまったのか?だったら、あとはあたしと瞬で片づけてくるぞ」

 

切歌「ビビってなんかないデスよ。これは武者振いってやつデス!」

 

調「うん、それに向こうにはまだ瞬さんがいるとはいえ、クリス先輩1人じゃ心配」

 

切歌「そうデスよ」

 

クリス「なんか引っかかる言い方だが…。まあいい、足手まといになったら置いて行くからな」

 

切歌「大丈夫デス!例えクリス先輩が足手まといになってもあたし達がしっかり助けるデス!」

 

調「だから、安心して足手まといになってください」

 

クリス「お前ら完全にあたしをバカにしてるだろう!?」

 

響「あはは、クリスちゃん達は本当に仲良しだね~」

 

沙織「あなた達の意思は固いようですね。それであれば、引き続きあなた達と瞬にお願いします」

 

クリス「ああ、最初からそのつもりだ!最後まであたしらでやらせてもらう!」

 

切歌「頑張るデス!」

 

調「必ず、成し遂げてみせる!」

 

 そんな切歌と調の様子をマリアは見ていた。そして…

 

マリア「(…調や切歌の力になってあげたいのに、何もできないなんてもどかしいわね)でも、あの子達も少したくましくなったかしら。見違えたわ(…私では力になれるかどうかはわからないけど、あの子達がもし困ってたなら、少しでも助けてあげたい)」

 

 そこへ、星矢達が来た。

 

氷河「体を動かしに来たのか?」

 

マリア「いざ助けるって時に体がなまってましたじゃ、かっこつかないものね」

 

氷河「だったら、俺が相手になろう。けど、油断して氷漬けになったりするなよ!」

 

 氷河が相手になってマリアは訓練を行った。

 

星矢「少しは気でも晴れたか?」

 

マリア「そうね。もう少し訓練しておこうかしら」

 

 そこへ、翼が入ってきた。

 

翼「マリア、どうしてここに?」

 

マリア「翼こそ…あなたも訓練?」

 

翼「…ああ。雪音達の力になりたいんだが、なれない自分がもどかしくてな。せめて、体だけは鈍らせないようにと」

 

紫龍「何を言っている?お前は防人講座で十分あいつらの力になった」

 

翼「それならいいのだが…、ただ、やはりそれでもじっとしているのはちょっとな」

 

 今度は響が入ってきた。

 

響「な~んだ、考える事はみんな一緒だったんですね!」

 

星矢「響、お前もか」

 

響「私も何かじっとしてられなくて、クリスちゃん達のためにできる事はないかな~って考えてたんです。結局いい案は浮かばなかったけど、それなら今できる事を、訓練でもしようかなって…」

 

翼「…いい心がけだと思うぞ。私が言うのも何だが…」

 

マリア「ふふ、そうね」

 

響「あの…。せっかくですし、3人で訓練しませんか?」

 

星矢「それ、いいな!」

 

紫龍「直すべきところは第3者の視点にいる俺達が言う」

 

氷河「早速、やってみろ」

 

 星矢達がどこを直すべきか見る事となり、訓練が始まった。

 

 

 

飲食店

 

 一方、クリス達は…。

 

クリス「でだ。この前の敗因…どう思う?」

 

調「予想外の敵だったのは確かだけど、それだけじゃないですよね」

 

切歌「まさか、あの刀から撒き散らされる不幸が防げてないって事デスか?」

 

クリス「いや、多分だがそれは関係ないと思う」

 

調「私もそう思います。原因はもっと別の…」

 

クリス「どちらにしろ、瞬がいない時はどうやって倒すか…。方法を考えなくちゃな」

 

切歌「向こうがムラマサの破片でパワーアップするなら、こっちも何かパワーアップとかできないデスかね?例えば…十二宮での訓練の時に目覚めた小宇宙とか…」

 

クリス「小宇宙がそう簡単にまた目覚めるわけねえだろ。小宇宙みたいに都合のいい方法がありゃいいんだけどな…」

 

調「小宇宙に目覚めたのも生と死の狭間に来る事でようやく目覚めたものだし、実際はそう簡単にはいかないよね…」

 

切歌「難問デスね…あ、飲み物おかわり取ってくるデスよ」

 

調「私も行く。クリス先輩、何がいいですか?」

 

クリス「それじゃ、適当に炭酸系で頼む」

 

切歌「かしこまりデス!」

 

 飲み物を飲んだものの、何もいい考えは思いつかなかった。

 

クリス「はー…なーんもいいアイデアが出てこないな…」

 

切歌「あ!このデザート、季節限定デスよ!」

 

クリス「って、何見てるんだよ!」

 

切歌「ごごごごめんなさいデス!でも、考えるのにも疲れてきたデスよ…」

 

調「完全に詰まっちゃってるもんね…」

 

クリス「ったく、みんなして別々の事を考えてたら、進む話も進まなくなるだろうが」

 

切歌「あ、ああああああ!それデスよ!」

 

クリス「な、何だよ藪から棒に大声出しやがって!?」

 

切歌「だから、みんなして別々の事を考えてるのがいけないんデス!」

 

クリス「は?どういう事だ?」

 

切歌「向こうでの戦闘デスけど、あたし達って全然うまく連携できてないデスよ」

 

調「…うん。確かに動いてぶつかったり、お互いの攻撃が重なったり、あんまりうまく連携できてない…」

 

切歌「武者ノイズに対抗するためにコンビネーションを磨く、って言ったのに、忘れてたデス!」

 

クリス「そう言えば、そんな話してたな…」

 

調「マリア達と訓練した時にも言われた。もっと連携を磨きなさいって」

 

切歌「根本的な解決になるかどうかはともかく、あたし達は連携を磨く事でもっと強くなれると思うデス!」

 

クリス「連携…そうか、そうかも知れないな…(S2CA・トライバーストだって、あのバカと先輩との連携訓練から生まれた技だ。こいつらとだって何かでいるかも知れない)よし…ならやるか!」

 

切歌「やるデス!」

 

調「3人で頑張ろう!」

 

 意気込んでいる最中、ノイズ警報が鳴った。

 

調「ノイズが出たの!?」

 

切歌「急いで出動するデス!」

 

 そこへ、通信が入った。

 

沙織『クリスさん達、さっき出現したノイズは数はそう多くない上、響さん、翼さん、マリアさんの3人で対処できると紫龍は判断しました。なので、待機していてください』

 

クリス「そう言われて待ってられるかよ!」

 

 結局、クリス達は出撃した。

 

 

 

市街地

 

 クリス達はマリア達の戦いを見て、動きをよく見ていたのであった。そして、戦いは終わった。

 

響「みんな、お疲れ様~」

 

翼「ああ、大きな被害にならなくてよかった」

 

マリア「初動の早さが効いたわね」

 

クリス「なあ、ちょっといいか?」

 

翼「どうしたんだ、雪音?」

 

クリス「…あのさ、戦っている時なんだけどよ。何考えて戦ってるんだ?」

 

響「え?うーん…な、何にも考えてない…かな…」

 

クリス「おい!それじゃ何でお前ら3人の動きがあってるんだよ!」

 

切歌「そうデス!どうしてお互いぶつかったりしないデスか?」

 

調「秘密…教えて?」

 

マリア「…秘密なんてないわよ。けど、そうね。相手の事をよく知る事が大事なんじゃないかしら」

 

切歌「調の事なら何でも知ってるデス!」

 

調「私も切ちゃんの事なら、最近体重が1kg増えたから、いつものポテチをノンフライに変えた事まで知ってる」

 

切歌「デエエエス!?それはトップシークレットなのデスよ!?」

 

調「ノンフライは味にパンチが足りない…」

 

切歌「うう、わかったデス、いつものに戻すデス…」

 

マリア「そ、そう…。まあ、あなた達はよく知ってるでしょうね。でも、クリスはどうなの?」

 

クリス「あ、あたしは太ったりなんてしてないぞ!こいつみたいになんて!」

 

切歌「デエエエス!これは何の公開処刑デスか!」

 

調「切ちゃん、落ち着いて。…丸々としてる切ちゃんも可愛いと思うよ?」

 

切歌「だとしても嫌デス!第一あたしの体重が増えたのはクリス先輩のせいデス!」

 

クリス「なんであたしなんだよ!」

 

切歌「向こうでクリス先輩と同じものを食べてたら増えたデスよ!分量的に食べすぎなんデス!」

 

調「…それは確かにそうかも」

 

クリス「おい!お前もかよ!そう言ったってあたしは太ったりしてねーぞ!」

 

切歌「全部栄養が胸に行く特異体質なんデス!」

 

クリス「んなわけあるか!」

 

調「でもあれだけ食べて太らないのは確かに謎…」

 

切歌「それこそ秘密があるデスよ!素直に教えるデス!」

 

調「私も知りたい…」

 

クリス「秘密なんてねーよ!いい加減にしやがれーー!」

 

 その様子を響達と駆け付けた星矢達は見ていた。

 

氷河「…結局、クリス達は何をどうしたかったんだ?」

 

星矢「さあ、何だろうな?」

 

響「だけど3人とも」

 

翼「うむ、随分と楽しそうな生活を送っているみたいだな」

 

マリア「そ、そうみたいね(何故だか、少し悔しい感じがするわ…)」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 翌日、クリスは翼に頼んだ。

 

クリス「ってなわけで、あたし達の特訓に付き合ってくれ!」

 

翼「つまり、3人での連携を身に付けたい、そういう事か」

 

調「はい。今の私達に足りないものを見つけたくて…」

 

切歌「次に向こうに行った時のためにも、もっともっとうまく戦えるようになりたいデス!」

 

紫龍「そういう事なら、俺達も喜んで協力させてもらおう」

 

響「私も私も!協力させてください!」

 

氷河「もちろん、俺やマリアも手伝うぞ」

 

星矢「俺や未来にも手伝える事があったら言ってくれよな?」

 

クリス「へへ…それじゃよろしく頼むな!」

 

星矢「だが、具体的にどうする?トレーニングルームで俺達と手合わせでもするか?」

 

紫龍「いや、戦いの前にもっと根本的な所を合わせた方がいいだろう」

 

切歌「根本的な所デスか?」

 

マリア「大事なのは相互理解よ。相手の気持ちになって動いてこそ、完璧な連携が身につくのだから」

 

未来「あ、それなら…」

 

響「未来、何か思いついたの?」

 

未来「うん。任せて」

 

 

 

マンション

 

 その未来の提案とは…。

 

未来「それで、お料理は切歌ちゃん」

 

切歌「りょ、了解デス!」

 

未来「代わりに調ちゃんがお掃除、お買い物はクリス。こうやって3人で生活する時の役割を入れ替えてみるの」

 

紫龍「なるほど、これは妙案だろうな」

 

マリア「ええ、相手が普段やっている事を代わりに行えば、確かに理解も深まると思うわ」

 

星矢「流石だな、未来!」

 

未来「星矢さんに褒められたら、ちょっと…」

 

クリス「よし!それじゃあたしは晩飯の買い物してくる!」

 

 クリスは買い物に行った。

 

切歌「あたしは下ごしらえして待ってるデス!」

 

調「私はお掃除するね」

 

 それから、星矢達は困惑した様子だった。

 

翼「何というか…どう表現したらいいんだ、これは…」

 

マリア「…ま、ある意味では予想通りだけど」

 

切歌「うぅ…面目ないデス…。ずっと調任せであまりお料理をしてこなかったデス…」

 

クリス「ったく、鍋焦がす初歩的なミスして」

 

調「クリス先輩、お買い物だけど…」

 

クリス「ん、ちゃんと全部買っただろ?足りないものでもあったか?」

 

調「足りてはいるけど…お値段が高すぎ」

 

クリス「高いって…仕方ねーだろ!その値段だったんだから」

 

調「特売狙いとスーパーをはしごすれば…この半分で買える…」

 

クリス「は、半分!?そんな買い方があるのかよ!?」

 

調「うん」

 

氷河「結局問題なかったのは、調が担当した掃除だけか…」

 

調「もちろん。でもお掃除は普段からやってるし…」

 

マリア「…そうね。とりあえず、他も色々試してみましょうか」

 

紫龍「それがいい。役割はもう終わりとして、次は何をするべきか…」

 

 他にもいろいろと試してみたが、奇想天外な光景になった。

 

響「ブブーッ!」

 

星矢「こりゃ、面白れぇぞ!」

 

未来「響、星矢さん、笑っちゃダメよ!み、みんな真面目なんだから…クスクス」

 

星矢「そういう未来だって人の事を言えねえんじゃねえか」

 

 結局、みんな大笑いした。

 

クリス「お前ら…やっぱり遊んでるだけだろ!」

 

 そう言ってると、ノイズ警報が鳴った。

 

沙織『装者の皆さん、ノイズが出現しました!直ちに出撃してください!』

 

翼「ちょうどいい。成果の程も見られる」

 

クリス「今ので成果なんてあるわけねーだろ!」

 

紫龍「やってみれば意外と出るかも知れんぞ」

 

クリス「こんなんで連携が上達したら苦労はしねーっての」

 

切歌「そうデスよ」

 

調「私もそう思う」

 

未来「まあまあ、とにかくみんな頑張って」

 

星矢「それじゃ未来、俺達はクリス達の様子を見てくるぞ」

 

 

 

市街地

 

 今回も星矢達は基本的に手を出さない方針で行く事にした。

 

翼「雪音、並行世界ではお前達以外に装者は存在せず、瞬と共にノイズとの戦いを一手に引き受けていると言ったな?」

 

クリス「ああ、そうだけど…それがどうかしたのか?」

 

翼「ならば私から防人の心構え・其の弐を教えよう」

 

クリス「…はあっ!?い、いやー、もう充分教わったから!」

 

翼「あれは基礎中の基礎でしかない。いいか?人を護るのが防人の務め、その心得をかの世界にも伝え、広めてほしい…頼めるか?」

 

クリス「頼まれるか!あたしは先輩の信仰を広めるためにあっちの世界へ行ってるわけじゃないっつーの!」

 

翼「なに?やはり基礎だけでは足りなかったとみえる。防人の務めが、どれほど重要か」

 

クリス「あ、いや、大丈夫だ。大体わかったから!それより、あたしが知りたいのは…」

 

翼「わかっているようにはとても見えない。だが、安心しろ。今この場で、防人の心得をお前に伝授してやる!」

 

クリス「い、いや、そうじゃなくて、あたしが知りたいのは連携の」

 

 その光景を星矢達は目の当たりにしていた。

 

星矢「紫龍、明後日の方へ行ってねえか?」

 

紫龍「確かに。だが、間違った事を翼は何一つ言ってはいない」

 

 クリス達の様子を星矢達は見守っていたのであった。そして、ノイズを倒し終わったのであった。

 

翼「どうだ?実際に戦ってみて。連携や防人の心得の効果は感じられたか?」

 

クリス「ぜぇ…、はぁ…意味あったのか、これ…?」

 

翼「それはもしかしたら、今ではなく近い将来わかる事になるのかも知れないな…」

 

クリス「んな曖昧な事やらせてたのかよ!」

 

翼「まあ落ち着け。どんな事にも意味はある。それに、志を同じくする者を見る事で、少しは戦いやすくならなかったか?」

 

クリス「…志を同じくする、ね。ったく、回りくどいんだよ…」

 

調「…相手を見て、自分の考えを合わせる」

 

切歌「いつもよりも強くなれた気がするデース!」

 

マリア「さ、それじゃ帰って特訓の続きをやりましょうか」

 

切歌「で、デデデエエエエエッス!?」

 

クリス「今のそういう流れだったのか!?」

 

マリア「何を言ってるの。特訓はまだあるわよ?ほら、ぐずぐずしてないで帰るわよ!」

 

調「…やっぱりマリアも楽しんでる」

 

 

 

マンション

 

 一同は帰った。

 

クリス「で、次は一体何をすりゃいいんだ?」

 

マリア「答え合わせゲームをしましょう。ルールは簡単。まず二人一組のペアを作ったら、次にお題を出すわ。問題に答えて、2人の答えが同じならポイントよ」

 

切歌「む、難しそうデス…」

 

氷河「そうだな。いきなりじゃ難しいだろうから、まずはお前達でやれるか?」

 

響「まっかせてください!」

 

未来「はい!」

 

響「幼少の頃より培った、私と未来のコンビネーションなら、互いに答えを合わせるなんて朝飯前!」

 

マリア「まあ、あまり気負わず気楽にやってみてちょうだい。それじゃ、行くわよ。一つ目のお題は…」

 

 響と未来が答え合わせゲームをやる事となり、結果は…。

 

切歌「10門中、10問正解なんてすごすぎデス!」

 

調「うん…一方的に未来さんが答えを推測して当ててるように見えたけど」

 

星矢「さっすがは幼馴染コンビだな!未来が正式に装者になれば、切歌と調にも負けないコンビになれるぞ!」

 

響「お~、星矢さんから太鼓判を押してもらっちゃった!」

 

未来「いきなりは…」

 

星矢「遠慮すんなよ。未来は事前の打ち合わせもなしに並行世界の響と抜群のコンビネーションを決めてたって、元の世界へ帰る前にあっちの世界の響から聞いたんだぞ。それに、俺や沙織さんはお前達との付き合いも長いんだからな」

 

紫龍「(だが、まともな打ち合わせや訓練もなしで抜群のコンビネーションを決めるなんておかしいぞ。何か、2人の身に異変でも起こっているのか…?)」

 

 響と未来を褒める星矢だが、紫龍は2人の様子に疑問を抱いていた。

 

マリア「ま、まあやり方はどうであれ、互いをよく見て答えを推測する事で答えを合わせる事ができるのよ」

 

紫龍「せっかくだから、今度は俺と星矢でやってみよう。調、出題を頼むぞ」

 

 今度は星矢と紫龍がやる事となった。

 

紫龍「10門中6問か。まあ、こんな所か」

 

切歌「結構すごいデス…」

 

調「戦闘とか、戦場に関する質問は合ってた。…怖いくらい」

 

星矢「何しろ、俺と紫龍はギャラクシアンウォーズで途方もなく激しい戦いをしたからな」

 

紫龍「あの時の戦いはとてつもなく激しかった上、心臓が止まった俺を救うために星矢は傷ついた体に鞭打って拳を打ち込み、蘇生させてくれた」

 

切歌「きっと、全力でぶつかり合って、男の友情で結ばれたのデス!」

 

星矢「それもそうだろうな」

 

氷河「次はクリス達の番だ」

 

クリス「お、おう!あたしだってこのくらい、ちょちょいのちょいでクリアしてやる!」

 

 今度はクリス達がやったが、結果は全問合わなかった。

 

氷河「おいおい、全問合わないとは…」

 

切歌「…ボロボロデス」

 

調「うん…なんだか空回りしてる…」

 

クリス「ったく、何で合わねーんだ!」

 

調「みんなで合わせようとしたら、みんなが違う答えを書いていたというか…」

 

切歌「合わせるのはあたしに任せてほしいデス!」

 

星矢「連携するのも大変だな…」

 

紫龍「ああ…」

 

 クリス達の様子に星矢達はため息をついたのであった。そして夜…。

 

クリス「あたし達は思っていたよりもお互いの事を知らなかったんだな」

 

調「こうして3人でお泊り会をして、みんなの事わかってたつもりだったのに…」

 

切歌「いいじゃないデスか!知らないなら、これから知ればいいんデス!」

 

調「そうだね」

 

クリス「ああ」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 ある日、クリス達は呼び出されていた。

 

弦十郎「今日はわざわざ呼び立ててしまってすまなかったな」

 

クリス「いや。こっちもしばらくノイズが出てこないから、暇だったしな」

 

弦十郎「そうか。翼から聞いたのだが、連携の訓練はどうだ?うまくいってるか?」

 

切歌「ぼとぼちデース」

 

調「まだ実感はあまり…」

 

沙織「それなら、ギアの調整のついでにシミュレータで試してみてはどうですか?連携の確認はできるはずですよ」

 

クリス「そいつはいい!変な特訓させられるより、よっぽどわかりやすいな!」

 

弦十郎「…変な特訓?」

 

切歌「あわわわ、何でもないデスよ!」

 

調「…あんまり思い出したくない事もあるので」

 

弦十郎「まあいい、今回はノイズだけじゃなく、装者も交えて戦ってもらう」

 

調「え?装者って…」

 

弦十郎「響君が君達の力になりたいと言ってきてな。既に準備ができている」

 

クリス「あのバカ、変な所で気をまわしやがって…」

 

切歌「らしいデスよね」

 

エルフナイン「皆さん、僕はこちらで訓練の数値を確認しますね」

 

星矢「俺達はどうなのかをこの目で見とくぞ」

 

 そして、訓練を始めた。

 

クリス「おう、今の戦いはどんな感じだった?」

 

エルフナイン『期待通りの十分な数値が出ています』

 

紫龍「俺達の目から見てもお前達の期待通りだ」

 

切歌「よかったデース!」

 

調「うん、何だか戦いやすかった」

 

クリス「よっしゃ、この調子でどんどん行くぞ!」

 

響「ねー、こっちはもう準備OKだよ!」

 

クリス「あのバカ待たせるのも悪いし、ほら、続きやるぞ続き!」

 

調「はい」

 

切歌「どんとこいデース!」

 

 そして、訓練の続きを行った。

 

エルフナイン『皆さん、お疲れ様でした』

 

弦十郎「なあ、お前達…気付いているか?」

 

クリス「ん?何の事だよ?」

 

弦十郎「…いや、気付いてないならいい」

 

クリス「気持ちわりー、はっきり言ってくれ!」

 

切歌「デスデス。中途半端は気になるデス」

 

調「言いたい事があるなら、ちゃんと言ってほしい」

 

弦十郎「ふ…気にするな。いずれわかる事だ」

 

紫龍「(前より格段に連携が上達している。互いへの理解が深まっている証拠だな…)」

 

 

 

マンション

 

 そして、答え合わせゲームをやる事となった。

 

マリア「それじゃ、結果を発表するわよ」

 

クリス「ああ、どんと来やがれ!」

 

切歌「どきどきデス…!」

 

調「うん…」

 

翼「…3人とも、全員全問世界だ!」

 

クリス「見たか!」

 

切歌「うう、やっと…やっと心が一つになったデス!」

 

調「うん…やったね、切ちゃん」

 

響「やればできるものなんだね~」

 

未来「そうだね、最初は3人ともバラバラだったのに」

 

マリア「元々、合ってないわけではなかったのよ。ただ、肩肘張って合わせようとしてたから失敗しただけ。相性は悪くないんだし、自然体でいればお互いがお互いを尊重できるのよ」

 

翼「さて、それでは仕上げに入るとするか。実戦と行こう」

 

マリア「そうね。私達と戦いましょう」

 

響「今度は3人、全力で相手になるよ!」

 

切歌「お願いするデス!」

 

調「私達だって、マリア達に負けないから!」

 

クリス「ったく、勝手に決めやがって。…ま、実戦形式で試せるのなら、御の字か」

 

星矢「それじゃ、本部へ行こうぜ」

 

 響達はS.O.N.G潜水艦へ向かった。

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 連携の上達の成果は出ていた。

 

切歌「やったデース!マリア達に勝ったデスよ!」

 

翼「完全にやられたな。まさかここまでの連携を見せられるとは思っていなかった」

 

クリス「どうだ!これがあたし達の実力だ!」

 

響「凄かったー!さっすがクリスちゃん!」

 

マリア「調も頑張ったわね」

 

調「うん、ありがとうマリア」

 

紫龍「首尾は上場、といった所か」

 

クリス「おう!もう連携ができてねぇなんて言わせねー!あたしとこいつらのコンビネーションは完璧だからな!」

 

切歌「デスデス!先輩後輩の絆は無敵デス!」

 

調「私達3人なら、大丈夫」

 

星矢「特訓の成果が出てよかったな!」

 

氷河「3人ともこの短期間でよくここまで成長できたな」

 

翼「そうだな。3人とも見事だった」

 

クリス「ああ、ありがとな。お前ら、準備はいいな?向こうであいつに目にもの見せてやる!」

 

切歌「準備万端デス!」

 

調「うん!瞬さんも待ってるし」

 

クリス「今度こそ向こうの決着をつけに行くぞ!」

 

 クリス達は並行世界へ向かった。

 

 

 

市街地(並行世界)

 

 その頃、並行世界に残っていた瞬は主に女隊長率いる自衛隊の部隊と連携してノイズの迎撃にあたっていた。

 

瞬「ネビュラチェーン!」

 

 ノイズの群れはあっけなく全滅したのであった。

 

女隊長「やるわね、瞬君。お陰であの子達不在の時でも人的被害はゼロよ!どうせなら、このままの勢いで黒い武者ノイズが現れたら倒してみる?」

 

瞬「いえ、あの黒い武者ノイズはクリス達に倒させます。僕ばっかり頑張ってたら、あの子達は成長しませんから」

 

女隊長「それもそうね。さ、ノイズは全滅した事だし、住んでる場所に帰って休養をとるのよ」

 

瞬「わかりました」

 

 ノイズを倒し終わり、瞬は帰ったのであった。




これで今回の話は終わりです。
今回はカルマ化した武者ノイズとの戦いに備えてクリス達が連携を磨く話となっています。
星矢と紫龍が答え合わせゲームをやるシーンはXD本編では翼とマリアになっていましたが、星矢達にも出番を作るため、星矢と紫龍がやる事に変更しました。
次の話はいよいよカルマ化した武者ノイズと決着を着ける話で、ウェルの野望の詳細も明らかとなります。

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