セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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36話 ラストスパート

公園(並行世界)

 

 クリス達は並行世界へ来たが、ウェルが待っていた。

 

ウェル「お帰りなさい、皆さん!…おや?」

 

クリス「ん?何だ?」

 

ウェル「以前にもまして自信に溢れている。…はっ!これはまさか、向こうの世界で秘密の特訓を!?」

 

切歌「秘密ってほどではないデスけど、その通りデース!」

 

調「今度は瞬さんの力がなくても絶対に負けない!」

 

ウェル「おおっ、それは心強い!」

 

クリス「それで、こっちの状況はどうなんだ?例の奴は出て来たりしてんのか?」

 

 そこへ、瞬と女隊長が来た。

 

女隊長「そこは心配不要よ。あの黒い武者ノイズはまだ出てないけど、あなた達からレクチャーされた事や瞬君の活躍もあって、人的被害はゼロにできてるわよ」

 

クリス「わりぃ、瞬。いつも苦労ばかりかけさせて」

 

瞬「いいんだよ。これは僕にしかできそうにない事だから」

 

調「よかった。私達がいない間に瞬さんに何かあったらどうしようってずっと気になっていたから」

 

切歌「でも、あたし達が戻ってきたからにはもう大丈夫デース!」

 

 そこへ、通信が入った。

 

女隊長「どうやら、ノイズのお出ましのようね。来て早々悪いけど、瞬君と一緒に向かってもらうわよ」

 

クリス「わかってるって。出てきちまったもんはしょうがねー!ノイズはあたし達に任せとけ!」

 

 クリス達は瞬や女隊長と共に向かった。

 

ウェル「戻ってきた…戻ってきた、ふふ…。今度こそ、今度こそ僕の理想、僕の目的を!」

 

 

 

荒野

 

 ノイズの出現場所には自衛隊がいた。

 

調「あ、自衛隊さん達…」

 

クリス「あたしらのいない間もああして瞬と共にノイズの被害を抑えてくれてたんだよな…。よっしゃ!あたし達も行くぞ!」

 

隊長「待ってくれ、ここは我々の部隊が受け持つ」

 

クリス「な!?お前まだそんな事」

 

隊長「話は最後まで聞け。今しがた社の方に大量のノイズが進行しているとの連絡が入った。残念だが、我々の力では対処は難しい…。そちらを君達に頼みたい」

 

クリス「なるほど、そういう事なら、あたしらに任せろ!」

 

切歌「やったるデス!」

 

調「こっちは大丈夫ですか?」

 

隊長「民間人の避難は完了している。合同訓練で得た知見もあるしな」

 

瞬「僕がここに残ってノイズを片付けるから、クリス達は急いで社に向かってほしい。僕もここが片付いたら駆け付けるから」

 

クリス「なら頼むぞ、瞬!」

 

 その場を瞬に任せ、クリス達は社へ向かった。

 

 

 

 

 クリス達は社に着いた。

 

切歌「何だかあたし達、とても頼りにされてるみたいデス」

 

調「うん、歓迎されてるみたい」

 

クリス「もしかしてこれが、先輩の言ってた防人の心得って奴なのか?」

 

切歌「そ、そうなんデスかね…?」

 

クリス「よっしゃ!それじゃあ、その期待に応えてやろうじゃねーか!」

 

 クリス達の戦いの様子をウェルは見ていた。

 

ウェル「ふふ、流石ですよ、皆さん…。(ライブが流れた時はどうしたものかと思いましたが、結果としては悪くありませんでしたね)僕の目から見ても完璧です…まるで3人が一つのユニットのように連動している…これですよ、これ!足りなかったものが、ここについに揃った!僕の目的、僕の理想…計画を進めるための障害はもはやあと一つ!ノイズなど物の数ではない!そんなものはもはや障害にすらなりえない!期待してますよ、心から。ふふ、ふふふ、はははははっ!」

 

 そんなウェルのオーラが届いたのか、切歌は悪寒を感じた。

 

調「どうしたの、切ちゃん?」

 

切歌「な、何だか物凄い悪寒がしたデス…」

 

調「大丈夫?風邪かな?」

 

切歌「風邪なんかより、もっと恐ろしい何かを感じたデスよ…」

 

 そう言ってると、武者ノイズが現れた。

 

クリス「おい、お前ら。…お客さんのお出ましだ」

 

調「武者ノイズ…」

 

クリス「わざわざ向こうから来てくれるとは、ありがてぇ」

 

切歌「倒してムラマサの欠片をいただくデス!」

 

 連携もうまくなったクリス達の前には通常の武者ノイズは敵ではなく、あっけなく倒す事ができた。その一部始終を瞬は見ていたのであった。

 

女隊長「あの子達、一段と連携もうまくなったわね」

 

瞬「これも元の世界に帰っている間に何か特訓でもやったからだと僕は思います」

 

女隊長「さ、戻りましょう。後、瞬君には差し入れもあるから」

 

瞬「ありがとうございます」

 

 クリス達と共に瞬は帰る事にしたが、瞬は立ち止まった。

 

クリス「どうした?瞬」

 

瞬「いや、何でもない。ちょっと嫌な感じがしただけだよ」

 

 チェーンの反応もないため、瞬は気のせいだと思ってその場を後にした。その後、ウェルが社に来た。

 

ウェル「…くっ、これはよくない。いやまずい!まずすぎる!計画完遂はもう目の前なのにここで『はい終了』何てことになったら、これまでも僕の努力…いや、夢が!あのカルマ化した武者ノイズを倒せば終わってしまう。終わっては僕の目的は達成できない…。しかし、僕の目的のためにはあれと彼女達の戦いは必要なピースでもあります…。…仕方ない、ならばこの手しかありませんね…」

 

 

 

住居

 

 戦いの後、瞬は近所の人と色々話をしていた。

 

おばさん「えっ?もうそろそろこの街を出るのかい?」

 

瞬「はい」

 

おばさん「いつかはそんな日が来ると思ってたけど、意外と早かったね…。人もいいから、もっと話をしたかったけど…」

 

女隊長「瞬君の都合で仕方ないのです。そこは割り切りましょう」

 

おじさん「それは残念だ…」

 

おばさん「でも、この街にいる間はとっても会話とかが楽しかったよ。機会があったらまた遊びに来てね」

 

瞬「はい、機会があればそうします」

 

おばさん「せっかくだから、帰る前にあたしの差し入れを食べていかんね」

 

女隊長「私の分も忘れないでね」

 

 瞬は女隊長や近所の人の差し入れをしっかり食べたのであった。一方、クリス達はカルマ化した武者ノイズとの戦いに備え、寝たのであったが…。

 

クリス「…完了まで、あと1体…ん…くぅ……。…んく。…ん、ん?なんか、熱い…んん?」

 

 妙な違和感にクリスが起きて見回すと、いつの間にか切歌と調が一緒に寝ていた。

 

クリス「うおあっ!?お前らなに人のベッドに入ってんだ!」

 

切歌「…うるさいデスよ。寝るときは静かにしてほしいデス」

 

クリス「あ、ああ、わりぃー…って、ちげーだろ!」

 

調「細かい事は気にしない、気にしない」

 

クリス「な・ん・で・あたしのベッドに入ってんだ!」

 

切歌「きっと1人だと心細いんじゃないかと思ってデスね。可愛い後輩の気遣いデスよ」

 

調「私は先輩が寒そうにしてるんじゃないか心配で…」

 

クリス「あたしは子供か!?ったく…好きにしろ!」

 

 結局、一緒に寝る事となった。

 

クリス「幸せそうな寝顔しやがって。…こいつらのためにも、絶対に勝たなきゃな」

 

 それから夜が明け、クリスは起きようとしたが…。

 

クリス「…ん、んん……ん?んん!?(なんだこれ…動けけー……!?ま、まままさか、こいつは金縛りってやつか!?)」

 

 しかし、実際は違っていた。

 

調「うぅん、これ、おいしい…むにゃ」

 

切歌「大漁デス…絶対に逃がさないデス…!」

 

クリス「って、お前らかよ。両腕ガッチリ抱き締めて…これか。それに、あ~あ、だらしない寝顔しやがって…。……いい加減、起きろー!朝だぞ!」

 

 クリスの怒鳴り声で切歌と調は起きた。

 

切歌「うう、まだ耳がキンキンしてるデス…」

 

調「耳元であんな大声出さなくても…」

 

クリス「あたしのベッドに入ったお前らが悪い!洗濯はやっておくから、洗い物すませとけよ!」

 

 そんな中、通信が入った。

 

クリス「…なんだよ、朝っぱらから。まさか出たのか!?」

 

ウェル『いえ、それよりももっと大きな問題です。…実は、ムラマサが盗難にあってしまったのです!』

 

切歌「盗まれた…って、誰にデスか!?そんな…すぐに探すデスよ!」

 

 そう言ってると、ノイズ警報まで鳴った。

 

クリス「くっ、こんな時にノイズまで!」

 

ウェル『捜索に関しましてはこちらでも動いていますので、まずはノイズの対処をお願いします!』

 

クリス「ちっきしょう!誰だか知らねーが、あと一歩で終わりって所なのに!」

 

調「ドクターが探しているって言ってたし、私達は私達がやれる事をしよう!」

 

 今度は女隊長から通信が入った。

 

女隊長『みんな、今回現れたノイズの群れに瞬君の鎖が過剰に反応したの!きっと、黒い武者ノイズがいるわ!』

 

切歌「クリス先輩、いよいよこの時が来たデスね!」

 

クリス「ああ、行くぞ!」

 

 クリス達は出撃した。

 

 

 

道路

 

 今回はクリス達が主に戦い、瞬は民間人に被害が及ばないようにノイズを一匹たりとも逃がさないようにしていた。

 

女隊長「今回も瞬君はあの子達の手出しはしないのね」

 

瞬「はい。クリス達は自信満々なので、僕はクリス達があの武者ノイズを倒す事ができるかどうか確かめようと思います」

 

 そう言ってると、チェーンが過剰に反応した。

 

瞬「来るぞ…!」

 

 チェーンの反応の通り、カルマ化した武者ノイズが現れた。

 

クリス「出やがったな!」

 

切歌「…当たりデスね」

 

クリス「…ちっ、本当ならこいつを倒して終わりのはずだったのに」

 

調「でも、武者ノイズが盗むわけじゃないし、どちらにしても武者ノイズとの戦いはこれで最後のはず」

 

切歌「最後に相応しい、厄介な相手デスけどね」

 

クリス「前はこいつにあたしらは負けた…。だが、前のあたしらじゃねー!ここですっぱり借りを返してやらー!」

 

調「私達も特訓してきたから、もう負けない!」

 

クリス「よし、行くぞ!2人とも!」

 

 黒い武者ノイズとクリス達の戦いは熾烈を極めた。

 

女隊長「瞬君、油断できない状況ね…」

 

瞬「はい。いざという時は僕が行きます」

 

 クリス達に何かあった時のために瞬は構えを崩さなかった。そして、ようやくクリス達はカルマ化した武者ノイズを倒す事に成功した。

 

調「はあ、はあ…や、やった…!瞬さんの助けなしで…!」

 

切歌「見るデス!ムラマサの破片…すっごく大きいデース!」

 

クリス「ああ。やっぱり最後の1個だったみたいだな…」

 

女隊長「後は盗まれたムラマサさえ戻れば、一件落着ね」

 

瞬「そうですね、この事件が終われば」

 

 ところが、ムラマサの破片がどこかへ行ってしまった。

 

調「破片が飛んでっちゃう!な、なんで逃げるの!?」

 

切歌「実は生きてたデスか!?」

 

クリス「バカ、そんなはずあるか!追うぞ!」

 

瞬「気を付けて!さっきの武者ノイズの時よりチェーンの反応が過剰になってる!方角はあっちだ!」

 

 チェーンの反応を頼りに瞬達はムラマサの破片を追おうとしたが…。

 

切歌「はいデ…デ、デエーーーース!?」

 

クリス「うおっ!?なんだ、急に大声出しやがって!」

 

調「せ、先輩…あ、あれ…あれ見て…」

 

クリス「あれ……?…な、なんだありゃ。いったい、どうなってんだよーー!」

 

 切歌と調の視線の先には巨大なカルマ化した武者ノイズがいたのであった。

 

クリス「ど、どうなってるんだよ?」

 

瞬「大きい…カルマ化した武者ノイズだ…!」

 

切歌「もしかしてあのノイズが、ムラマサを盗んだ犯人じゃないデスか!?」

 

調「そうだとすると…あ、さっきの破片はあの大きなのに引っ張られたのかも?」

 

瞬「どうやら、その悪い予感は当たっているようだ。見てごらん、ムラマサの刀身が透けて見えている!」

 

ウェル「くっ!まさか、こんな事になるとは…。これでは、せっかくムラマサの破片を盗んでも意味ないじゃないですか!」

 

瞬「盗んだ?どういう事なのですか!?」

 

ウェル「し、しまった!」

 

女隊長「どういう事なの!?白状しなさい!」

 

ウェル「な、何でもありませんよ?」

 

 白状しないウェルに女隊長は首絞めを行った。

 

ウェル「うげええっ、ぐぐぐぐ…!」

 

女隊長「この状況でとぼけるとは、大した度胸じゃない。これでも、私は学生時代は怒るとつい、学年でも一、ニを争う握力で相手の首を絞める悪い癖があったのよ。さぁ、白状なさい!」

 

ウェル「うぐぐぐ、白状します…。だから…放して…!」

 

 ウェルが白状する気になったため、女隊長は首絞めをやめた。

 

ウェル「ぜぇ…、ぜぇ…。はい、ムラマサを隠したのは僕です」

 

調「どうしてそんな事…」

 

ウェル「…ムラマサの修復が終われば、皆さんは帰ってしまう!それを食い止めるためにはこうするしかなかった!君達に元の世界に帰られては、僕の壮大な計画が水泡に帰してしまう!」

 

クリス「…おまえ、やっぱりなんか企んでいやがったのか!?」

 

調「まさか…フロンティアの時みたいに世界征服を!?」

 

切歌「やっぱりこのトンデモ、ふざけた計画を!」

 

瞬「(それにしては、チェーンが反応しない。どうなっているんだ…?)」

 

ウェル「あなた方が何を言っているのかわかりませんが…、もう隠すのは難しそうですね。そう、僕の計画とは…僕がアイドルプロデューサーとなり、あなた方3人をアイドルとしてデビューさせる事です!」

 

クリス「………は?」

 

調「…え?プロデューサー?」

 

切歌「…アイドル、デスか?」

 

ウェル「そうです!スポットライトを浴びて、世界に勇気と希望と幸せをお届けするそんなアイドルを僕が育てる!君達という最高の原石を磨き上げ、唄って踊れて戦える、前人未到の理想のアイドルユニットとしてデビューを」

 

瞬「(そうか、この世界のウェル博士はその願望の持ち主だったから僕達の世界のウェルと違ってチェーンが反応しなかったんだ!)」

 

 この世界のウェルにチェーンが反応しなかった理由がわかり、瞬は納得した。

 

クリス「ば、バカかあああああーっ!」

 

 激怒したクリスはウェルを殴り飛ばしたのであった。

 

クリス「はあ、はあ…お前!そこで頭冷やしてろ!」

 

調「ああ、こっちのドクターはそういう嗜好なんだ…」

 

切歌「どっちにしても、残念な人間デスね…」

 

クリス「とにかくあのデカいのを片付けりゃ終わりだ!終わりなんだよな、答えろ!」

 

ウェル「は、はいぃ…そうでふぅ…」

 

女隊長「ほんとの事を言ってるみたいよ」

 

クリス「だったらやる事は変わらねー!デカブツをぶっ潰してこのバカげた茶番を終わらせるぞ!」

 

調「向こうは…社の方」

 

切歌「急ぐデス!」

 

女隊長「瞬君、私も大人として、国防を預かる身として、この戦いを最後まで見届けるわ」

 

瞬「隊長さん、相手はノイズなので、見届けるのであれば、離れてください!」

 

 瞬の言った事に女隊長は頷き、同行したのであった。

 

 

 

 

 社では、桜が咲いていた。

 

切歌「さ、桜が咲いてるデスよ!?」

 

調「綺麗…これも、あの大きなノイズの影響なのかな…?」

 

クリス「なかなか絵になるステージじゃねーか!」

 

瞬「そんな事を言ってる場合じゃないよ!ノイズが暴れ回っている!小物は僕に任せて、君達は先にあの大きな武者ノイズを頼む!」

 

クリス「わかってる!雑魚を頼むぞ、瞬!」

 

 雑魚ノイズは瞬に任せ、クリス達は巨大なカルマ化した武者ノイズと対峙した。

 

切歌「でも、こいつで最後かと思うと、ちょっぴり寂しいかもデスね」

 

クリス「なんだよ急に。ラスボス前にしてメランコリーってか?」

 

切歌「し、仕方ないじゃないデスか!思う浮かんじゃったんデスよ!」

 

調「最初にこっちに来た時は公園だっけ。私達の世界とほとんど一緒で、逆に拍子抜けしたよね」

 

クリス「おいおい、お前まで…。でもあのノイズには驚かされたな。あと、ウェルの野郎にも。まさかあんな再会するとはよ」

 

切歌「しかも残念オチデスよ」

 

調「武者ノイズに対抗するために、和装型のギアになって…」

 

切歌「時代劇マラソンは大変だったデス…」

 

クリス「自衛隊や米軍とも色々あったけど。…瞬やあの隊長もいてくれたから、助けてももらったよな」

 

切歌「大切な仲間デス!」

 

調「ただ、きっとドクターは私達の戦う姿を見て、あんなとんでもない野望を持っちゃったんだよね…」

 

クリス「今思えば、ライブとか言い出したのも、そういう目論見だったんだろうな!」

 

切歌「そうはいっても、あのライブはやりたかったデス…」

 

調「準備のために3人で買い物したりして、楽しかったもんね。中止は残念だった」

 

クリス「…ま、あたしも少しだけ残念だったよ」

 

切歌「そうだったんデスか?やっぱり素直じゃないデスね」

 

クリス「し、仕方ねーだろ、あたしはこんなんなんだよ…」

 

調「なんだかんだで特訓も楽しかった」

 

切歌「その特訓のお陰で、前よりももっと仲良くなれたデス!」

 

クリス「…ああ、そうだな。つまりは、こっちの世界もまんざらじゃなかったって事だ!」

 

調「楽しかった!だから…」

 

切歌「あたし達でこの世界を護るデス!」

 

クリス「ああ!よーく見とけよ、お前ら!あたしが先輩として最高の戦いを見せてやる!」

 

切歌「それじゃ、あたし達は後輩としての力、見せつけてやるデス!」

 

調「うん、やってやろう、切ちゃん!」

 

クリス「(楽しかった…。あたしはこっちに来れてよかった。だから、この世界はあたし達が絶対に護り切るんだ!)和装に桜、これ以上にないくらい最高のステージだろう!さあ、最終決戦の始まるだ!派手に舞うぞ!」

 

 ちょうど瞬は雑魚ノイズを片付け終わっていた。

 

女隊長「瞬君の方は片付いたみたいね」

 

瞬「あの戦いはクリス達に任せます」

 

女隊長「これも、あの子達の成長を促すため?」

 

瞬「はい。クリス達の実力がどれほどになったのかも確かめたいんです」

 

 瞬はクリス達の成長を促し、そして確かめたいのもあって戦いに加勢しなかった。巨大なカルマ化した武者ノイズとクリス達の戦いは熾烈を極めたが、和装型のギアの性能をフルに発揮し、特訓で培った連携を武器にクリス達は巨大なカルマ化した武者ノイズを次第に追い詰めていった。

 

切歌「あと一歩デス!」

 

調「これで…」

 

クリス「終わりだああああっ!!」

 

 そして、巨大なカルマ化した武者ノイズに3人は一斉攻撃を仕掛け、遂に倒す事に成功したのであった。

 

女隊長「瞬君、あの子達、遂にやったわよ!」

 

瞬「はい、僕もこの目で見ました!」

 

クリス「(聞こえる…歓声が、みんなの声が…。本当に…ありがとな、こっちのみんな…)」

 

切歌「倒した…デスか?」

 

調「うん、瞬さんの力を借りずに私達で倒したんだよ、切ちゃん!」

 

クリス「…ああ、あたしらの勝ちだ!さて、後はムラマサを戻すだけだな」

 

切歌「早速、納めるデス!」

 

調「うん、急ごう!」

 

 クリス達はムラマサを納めた。

 

クリス「さってと、こいつを戻して…と」

 

切歌「ど、どうなんデスかね?これで大丈夫デスかね?」

 

瞬「心配ないよ。ここに納めた事で、チェーンも反応しなくなった。また持ち出したりしない限り、そんな事は起こらないと思うよ。さ、帰ろうか」

 

 クリス達は帰る事となったが…

 

クリス「瞬、どこへ行くんだ?」

 

瞬「近所の人に別れの挨拶をしようと思って」

 

女隊長「律儀ね、瞬君は」

 

 そんな瞬に女隊長もついて行った。

 

 

 

住居

 

 瞬は近所の人に見送られていた。

 

おばさん「もう帰るのかい?」

 

瞬「はい。今まで世間話をしたり、差し入れをくれたりしてありがとうございました!」

 

おじさん「元気でな!」

 

瞬「あの…隊長さんはどうして一緒に見送りに来たんですか?」

 

女隊長「実は…私はもともとこの街の出身なの。瞬君がお世話になったおばさんを始めとする近所の人達は私とも知り合いで、オフの時間に瞬君の話題をしてくれたのよ」

 

瞬「そうですか。では、おばさん、おじさん、隊長さんに近所の皆さん、今までありがとうございました!」

 

女隊長「元気でね、瞬君!」

 

 瞬はアンドロメダの聖衣を入れた聖衣箱を背負い、近所の人達や女隊長に別れを告げて帰ったのであった。

 

女隊長「結局、名前を言いそびれちゃった。でも、瞬君は帰っても、彼との思い出は私の中に永遠に残る…」

 

 初めて瞬に会い、一目惚れした時からの思い出は女隊長にとっても決して忘れない思い出となったのであった。

 

 

 

???

 

 元の世界にいる一輝はふと、立ち止まった。

 

一輝「どうやら、今回は俺の出番はなさそうだ…」

 

 自分が助けに行くまでもないと判断した一輝は再び足を進めたのであった。

 

 

 

公園(並行世界)

 

 瞬はゲートの前に来た。

 

瞬「みんな、僕の用事は済んだよ!だから、帰ろう!」

 

クリス「ああ、そうだな」

 

切歌「楽しかったデス!」

 

調「この任務を引き受けてよかった…」

 

 瞬達は元の世界に帰った。

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 元の世界に帰った瞬達は報告を済ませたのであった。

 

クリス「ふー、報告も瞬が引き受けてくれたから終わったし、ようやく一息つける。2人共お疲れ。よく頑張ったな」

 

調「お疲れ様」

 

切歌「クリス先輩こそ、お疲れ様デス!」

 

翼「お疲れ様、雪音。大活躍だったみたいだな」

 

クリス「あたしより瞬の方が長く残って頑張ってたんだ。褒めるなら、瞬の方にしろよ」

 

 瞬の方は色々と話していた。

 

星矢「何?瞬は自衛隊の女の隊長に惚れられた上、住む事となった近所の人達から差し入れをもらってただって!?」

 

瞬「うん。でも、僕達の世界では体験できないような経験を色々と積めたよ」

 

沙織「それはよかったですね」

 

氷河「女の人に惚れられたのも、近所の人達から差し入れをもらえたのも、瞬の美男子ぶりと人柄によるものだな」

 

紫龍「思えば、瞬は一番並行世界へ行く任務に向いていたとも考えられる」

 

 一方、クリス達の方は…。

 

マリア「…それより2人とも!いつまでクリスにくっついているのかしら?」

 

切歌「なんというかデスね…。近くにクリス先輩がいないと物足りないというか…」

 

調「うん、その気持ちわかる」

 

 切歌と調はクリスにくっついていた。

 

マリア「あなた!2人を返しなさい!」

 

クリス「まあまあ、落ち着けって。大人気ないぞ。後輩の茶目っ気じゃねーか」

 

マリア「…もう、3人は本当に仲良くなったわね」

 

クリス「そりゃ…可愛い後輩だからな」

 

切歌&調「可愛い先輩だから(デース)」

 

マリア「そこまで仲がいいと、なんだか嫉妬してしまうわ…」

 

星矢「おいおい、マリア。大人気ねえぞ」

 

クリス「って!可愛い先輩ってなんだ可愛いって!?そこはカッコイイとか頼りになるってつけるとこだろ!」

 

響「あはははは!でも確かにクリスちゃんならわかるかも!」

 

翼「ふふ、そうだな。雪音にはピッタリだ」

 

クリス「お前ら、先輩を怒らせた罰として、今日の夕食の準備と風呂掃除、分担してやれよな」

 

調「えー…」

 

切歌「順番から言うと、今日の夕食の当番はクリス先輩じゃないデスか」

 

 クリス達の会話を楽しく傍で聞く星矢達であった。

 

星矢「瞬は向こうでは自衛隊の女の隊長に惚れられて、近所の人と充実した生活を送ってたそうだな」

 

瞬「そうだよ。近所の人達はいい人達ばかりだったし、差し入れもしばしばもらったんだ」

 

星矢「女の人に惚れられて、近所の人にも慕われててすげえぞ、この色男!」

 

紫龍「星矢、女の人に惚れられてるというのはお前も人の事を言えた立場じゃないだろ?」

 

氷河「そうだ。星矢こそ色々な女の人に惚れられてるじゃないか」

 

沙織「初めての並行世界での任務を終え、無事に帰還できて何よりです」

 

 星矢達も瞬の生活ぶりに微笑み溢れる会話をしていたのであった。

 

 




これで今回の話は終わりです。
今回は連携強化を終えたクリス達が最後の武者ノイズを倒して任務を完了させる話となっています。
これまで登場した自衛隊の女隊長はそのままシンフォギアXDの和装乱舞の話をそのままなぞっても面白くないのと、瞬との絡みが多く、且つ当初からクリス達の考えにも理解を示してくれる自衛隊の人間が必要ではないかと思い、考えた人物です。名前を言おうとすると必ず言いそびれてしまう流れにしたのは、女隊長のいい名前が思い浮かばなかったからです。
この話で和装乱舞編は終了し、次は先覚の協力者編となります。
次の先覚の協力者編では聖闘士星矢のある勢力も出てきます。
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