隠れ家
そして翌日…。
フィーネ「(二課奪還の決行日は決まった。私の理論を一部提供して、カ・ディンギルの建造も進めさせている。あそこまで完成していたものに仕上げを行うだけならば、決行日までにカ・ディンギルはほぼ完成すると見ていい。そして最後のパーツとなるデュランダルはこの手にあり、奴等にはカ・ディンギルを十全に動かす術はない…)」
月の破壊を企むフィーネであったが、通信が入った。
部隊隊員A『応援を頼む!襲撃が…くそーっ!』
フィーネ「どういう事!?」
部隊隊員B『敵にこちらの研究施設が見つかった!ノイズも現れて、博士だけでは対処が…!』
フィーネ「了解。応援を送るわ」
部隊隊員A『至急、頼む!』
フィーネ「ふむ…。装者と黄金聖闘士は街中に現れたノイズに対応中…これも敵方の戦略でしょうね。もっとも、黄金聖闘士がいればすぐに終わるけど(このタイミングであちらの手が及んだのは偶然か、必然か。私が知らせた訳ではないが、これでウェルキンゲトリクスの戦力を削れるならむしろ好都合。しかし、黄金聖闘士と神闘士がいるとはいえ、完全に失われればこちらが厳しくなる…。私の独力でカ・ディンギルの建造はならず、また二課がF.I.Sの手にあれば思い通りにそれを用いる隙がない。計画を達成するのは、F.I.Sにカ・ディンギルの建造を進めさせた上で、装者達と黄金聖闘士の力を借りて二課を攻める必要がある。それまで双方の戦力を拮抗させながらことを運ぶには、慎重に駒を進めなければならない。特に黄金聖闘士の扱いを誤れば、敵を完全に壊滅させかねない)」
フィーネは計画を進める上で非常に難しい舵取りをせざるを得なかった。
フィーネ「厄介な舵取りね。私が出るしかないか。計画が動き出した以上、あちらとの戦闘は避けたかったのだけど。いざとなれば、兵士共は全員始末して口を封じれば…」
ところが、今度は別の反応があった。
フィーネ「この反応!…最初に装者達が現れた時の!」
道路
星矢達は現れたノイズと応戦していたが、黄金聖闘士の星矢と紫龍の前ではノイズはどれだけいても一瞬で全滅した。
星矢「やけにノイズが出てくるな」
紫龍「これ程までにノイズを出してくるとは…、時間稼ぎを行っている可能性も考えられる」
響「でも、星矢さん達がいればノイズなんてどれだけ出てきても楽勝ですよ!」
フィーネ『そちらの状況は?』
翼「予想以上に数が多かったが、星矢達が全滅させた」
フィーネ『ウェルキンゲトリクスの私設研究所が襲われているわ。救援に向かってちょうだい』
星矢「向こうにもノイズが出たって事だな?」
フィーネ『そうよ。全滅させたなら、すぐに向かって』
早速、向かおうとした一同だが、紫龍は足を止めた。
調「紫龍さん?」
紫龍「俺と星矢はこの場から離れられそうにない。翼達だけでも先に行け!」
響「それってどういう…」
紫龍の背後にカルマノイズの群れが現れたのであった。
翼「カルマノイズだと!?」
調「しかも、大群で…!」
星矢「すまん、俺と紫龍はカルマノイズの群れをぶっ飛ばす!だから、お前達だけでもクソ野郎の所へ行くんだ!」
調「あんな数のカルマノイズは星矢さん達に任せるしかない…」
響達は先へ行き、星矢と紫龍はカルマノイズの群れと対峙した。カルマノイズは何百体もいた上、カオスビーストまでいたのであった。
紫龍「星矢、この世界で初めてフィーネと会う前もそうだったが、このカルマノイズの群れはどうなってるんだろうな?」
星矢「さあな。だが、カルマノイズはソロモンの杖で操れるような奴じゃないように思えるんだ。多分、F.I.Sの奴等とは別の奴が送り込んだんじゃねえのか?」
紫龍「俺もカルマノイズはソロモンの杖で操れるようなノイズではないと思っていた所だ。本当にソロモンの杖で操れるなら、最初から積極的に使っていたはずだからな」
星矢「(このタイミングで送り込んだとなれば、あいつしかいねえ!)」
星矢の思った通り、ベアトリーチェがカルマノイズの大群を送り込んだ張本人であった。
ベアトリーチェ「ペガサス、じゃなかった。サジタリアス、今回はお友達のライブラも連れてきているみたいね。色々と邪魔してあげるわよ!」
嫌味たっぷりの視線で星矢と紫龍と遠くから見ていたのであった。一方の響達はノイズの群れが現れたために応戦していた。
翼「ノイズが邪魔してくるとは…!」
フィーネ『何をしているの?F.I.Sの手の者に加えて、あちらにもノイズが現れている。英雄さんが死ぬわよ』
響「ウェル博士が!?じゃあ急いでいかないと…!」
調「ドクター1人での対処は…難しい」
翼「くっ…急ぎ、敵を殲滅し救出に向かう他あるまい!」
調「はい!」
翼「敵の足止めに乗せられるなど!」
翼達はノイズを蹴散らしていたが、星矢と紫龍はカルマノイズの群れと戦っているために同行していない上、次から次へと湧いてきた。
調「くっ、キリがない!」
翼「星矢達はカルマノイズの群れで手間取っている上、こちらも今しばらく手間取る!そちらがウェル博士の救助には向かえないのか!」
フィーネ『ここを離れるのはまずいのだけど、仕方ないわね…先に向かうわ。あまり期待はしないでおいて』
翼「こちらも可及的速やかに向かう!」
響「うう、もー数が多すぎだよー!」
そう言ってると、広範囲攻撃でノイズが掃討された。
響「えっ、この攻撃…」
クリス「こんなとこでオタついてんじゃねー!」
現れたのはクリスであった。
響「クリスちゃん!?」
翼「雪音、来たのか!」
調「クリス先輩!」
クリス「ったく、星矢達と一緒に行っておきながら、いつまで立っても戻って来ないから来て見りゃ…何ノイズなんかと遊んでんだ!」
翼「ソロモンの杖が使われている。敵は節度を知らぬ奸賊だ!」
クリス「…ちっ!ここでも誰かが起動しやがったのか…。なら、こいつらはあたしの獲物だな!」
クリスも加わり、装者達はノイズを掃討していた。
クリス「ふぅ、こんなもんか」
調「クリス先輩の殲滅力がちょうどほしい所でした。それ以上の殲滅力を持つ星矢さんと紫龍さんはカルマノイズの大群と戦っててここにいないから」
クリス「カルマノイズの大群だって!?それで、詳しい状況は?」
響「それより今はウェル博士を急いで助けに行かないと!」
クリス「あいつを助ける!?そりゃまた、おかしな事になってるみたいだな…」
調「ううん…ここのドクターは私達の世界のドクターとだいたい同じなんだけど、事情があって今は味方で…」
クリス「…なんかややこしそうだな。今は急ぐんだろ。道中で聞かせてくれ」
翼「いいだろう、走るぞ!博士の研究所は」
クリス「おいおい、それより速いもんがあるだろうが!」
響「おおっ、アレだね!」
調「無茶苦茶だけど、速いのは確かです」
翼「わかった。雪音、頼む!」
クリス「おう!乗り遅れんじゃねーぞ!」
クリスは大きなミサイルを発射した。
クリス「飛び乗れ!」
一同はクリスのミサイルで移動した。
響「これならすぐに着くね!」
クリス「それで、状況はどうなんだよ」
翼「現在、二課はF.I.S配下の部隊に占拠されている」
クリス「二課が?ソロモンの杖はそいつらが持ってんのか」
翼「ああ、敵司令官が所有しているのを確認済みだ」
クリス「あんなクソッタレなもの…!」
調「敵はこちらのF.I.Sです。最初、私達は星矢さんと紫龍さんがカルマノイズの大群と応戦している時に二課で拘束されたんですが…」
響「それを星矢さん達と一緒に了子さんが助けてくれたんだよ!」
クリス「おい、そいつは…」
翼「そうだ。既にフィーネとして目覚めている。にも拘わらず、利害の一致から我々を助けたのだ」
クリス「ここにはフィーネまでいんのかよ…!」
調「それから、ドクターもネフィリムを腕に移植してて…けれど、今の所は一応、味方なんです。それに、この世界には神闘士という小宇宙を扱う戦士がいて、F.I.Sに雇われているドルバルという悪人とそれに従う神闘士がいるようなんです」
クリス「…はあ、思った以上に面倒な事になってるみてーだな」
翼「…大丈夫か?雪音」
クリス「大丈夫に決まってる」
翼「余計な気遣いなら済まなかった。フィーネについては、信用が置けないというのが私や紫龍の所感だ」
調「あの人が何を考えているのかまだわからないんです。でも、慎重に行動すべきだと思います」
響「了子さんは助けてくれました…だから、私は信じます!違うって言われても、やっぱり了子さんな感じがして…」
クリス「……」
翼「それから…ウェル博士についてだが、こちらも信用が置けるかは未知数だ。一応、余計な事をしたら星矢が殴ると脅しをかけたが…」
調「そうですね…」
響「で、でも!今は私達の味方だし!」
翼「少なくとも、貴重な協力者ゆえ助けねばならないという事だ」
クリス「そういう事なら仕方ねーな!まずはあのトンチキを助けるのを…あたしが手伝ってやらあ!」
研究所
一方、ウェルの方は…
ウェル「本当にしつこいですね!ネフィリムの餌にもならないっていうのに!」
ノイズはネフィリムの餌にならないため、それに不満をぶつける形でウェルは次々とノイズを倒していった。
ウェル「はあ、はあ…!頭脳派の僕にこんな肉体労働をさせて…!」
部隊隊員A「博士、敵隊員が退いてノイズが包囲を狭めていますよ!」
部隊隊員B「こ、このままでは…!」
フィーネ「砕け散れ!」
フィーネが駆け付け、ノイズを蹴散らした。
部隊隊員A「救援に来てくれたんですか!」
部隊隊員B「戦況は非常に悪い。助力、感謝します!」
フィーネ「装者達の方は別で足止めを食っていてね。F.I.Sの部隊が既に退いていたのは幸いだったわ。それにしても、随分と疲れているようね」
ウェル「…これは驚きましたね。まさかあなた自ら応援にくるとは」
フィーネ「手勢が惜しいだけ。それにしても、数が多い…!」
ウェル「僕を警戒しているのでしょう。最初に潰すつもりで」
フィーネ「完全聖遺物の前でノイズなど!」
ウェル「僕の敵としてふさわしくなぁい!」
2人はノイズを倒していった。
ウェル「全く、思わぬ来客ですよ。人の家に行く前はきちんとアポを取るべきでしょうに」
フィーネ「あら、あなたはそんな要人だったかしら」
ウェル「要人に決まっているでしょう!僕こそはこの世界で唯一、英雄の資質と知性を持つ、ドクター・ウエェ」
そう言ってると、ノイズに攻撃されてダウンした。
部隊隊員A「博士!」
部隊隊員B「いや、炭化していない!ネフィリムで防いでいる!」
ウェル「危ないですね…!ガードが間に合ったからよいものの、僕の頭脳が失われるのは世界の損失ですよ!これだから教養のない連中は!」
そのままウェルはノイズへの攻撃を続けた。
フィーネ「意外と余裕があるじゃない。でも、こう際限なくノイズをバラ撒かれると…」
またノイズが出てきた。
部隊隊員A「また新たなノイズが…!」
部隊隊員B「こ、今度こそ俺達はここまでか…!」
フィーネ「まずいわね…」
ノイズが湧いてくるため、激戦となっていた。
フィーネ「ネフシュタンの再生を破れるものか!」
ウェル「手土産の菓子折りもなしに!」
ノイズの数はとても多かった。
部隊隊員A「も、もう限界です!こうなったら強行突破で逃げるしか…!」
部隊隊員B「死ぬ気か!ま、待て…ミサイルが飛んできた…!?」
そのミサイルこそ、響達が乗っているミサイルであった。
クリス「見えた!一気に片付けてやる!」
ウェル「増援ですか!そのミサイルは僕が頂きましょう!」
クリスが移動用に放ったミサイルはウェルのネフィリムを仕込んだ腕に取り込まれた。
響「お待たせしました!了子さん、ウェル博士!」
翼「後は我々が対処します!皆さんは可能な限り下がって!」
部隊隊員B「は、はい!」
ウェルの部隊隊員達は下がった。
調「ミサイル、食べた…」
ウェル「う~ん、聖遺物の風味がして悪くないですね。少し元気も出てきましたよ!」
調「…やっぱり気持ち悪い」
フィーネ「間に合ったわね。出てきた甲斐があったというものよ」
クリス「お前…」
フィーネ「ふぅん、あなたが新しい反応のあった装者ね」
クリス「あ、ああ…。ちっ、やりにくいな」
フィーネ「ふふ…どうしたのかしら?私は味方よ、共闘してくれるんでしょう?」
クリス「んなこたわかってるよ!」
翼「とにかく今は敵ノイズを倒すのが先決。星矢達が来れない以上、我々が刃風をもって斬り開くぞ!」
響「はい、翼さん!」
調「了解」
ウェル「来た来たー!ここからが英雄の活躍ですよ!」
フィーネ「ソロモンの杖一つでいい気にならないでほしいわね」
クリス「このまだるっこしいもの全部、洗いざらい…ぶち撒けてやる!」
響達は応戦したものの、星矢と紫龍がカルマノイズの大群との戦いでいないためにソロモンの杖によって召喚されるノイズの群れに手を焼いていた。
翼「やはりソロモンの杖…敵に渡ると厄介極まりない!」
フィーネ「かなり遠距離からノイズを召喚しているようね。何とか止めたい所だけど…」
ウェル「コソコソ隠れてノイズだけを召喚するなど、悪役に似合いの小物っぷりですね!」
調「(…ドクターには言われたくないと思う)」
クリス「あたしに任せろ!イチイバルならこの距離でも狙いは外さねー!」
響「それなら、私達がクリスちゃんをカバーするよ!だから、そのうちに!」
翼「よし、雪音の周囲に陣を張り、狙撃の隙を作るぞ!」
調「はい!クリス先輩には…近づけさせない!」
響「お願いします、了子さん!」
フィーネ「わかっているわ!」
クリスが狙撃に集中している間、ノイズは響達が倒す事となった。
クリス「…いた。もう少し、稼いでくれよ…!」
ウェル「喜んで稼ぎますよ!このデスマーチが終わるなら!」
そうしている間に狙いが定まった。
クリス「…ロック、今だ」
フィーネ「待て!」
突然、フィーネが狙撃の邪魔をした。
クリス「外した!?何しやがる!」
すると、直後にフィーネは攻撃を受けたのであった。
フィーネ「ぐっ……、あれを見なさい」
なんと、カルマノイズが2体もいたのであった。
クリス「…ここに来てカルマノイズだと!上乗せかよ!」
調「それも、星矢さん達不在の中で2体同時…1体でも厄介なのに」
ウェル「またあの黒いノイズですか…」
翼「くっ…流石にこのままでは分が悪い」
響「まずはこっちをやっつけましょう!」
クリス「おい!礼は言わねーからな」
フィーネ「催促した覚えはないけれど?」
クリス「そうかよ。じゃあその分、盛大に撃って撃って撃ちまくってやる!」
フィーネ「ええ、思う存分暴れなさい!」
カルマノイズと応戦したが、再生能力に手を焼いていた。
ウェル「異常な機動性に加えて再生能力…。完全にノイズとは別物ですね」
響「とにかく危険な相手なんですって!」
調「響さん、私達はカバーに回ります!だからS2CAを!」
翼「わかっている!だが…」
クリス「できねーんだよ!カルマノイズ2体と大量のノイズが!」
響「3人分の穴を開けられるほどの隙をくれない…!」
フィーネ「くっ…ほかにまだ切ってないカードはないのかしら!?」
調「星矢さんと紫龍さんはあんな数のカルマノイズと戦っているからいつ来れるかわからない…。こうなったら、私の絶唱で無理矢理隙を…!」
響「今の消耗した状態では無理だよ!」
調「だけど!」
翼「マリアから頼まれたお前に無理はさせられない!」
星矢達も来れない中、ノイズは湧く一方だった。
クリス「ちくしょう、次から次へと…!」
ウェル「何とかならないのですか!先程のようにミサイルに乗って逃げるとか」
響「危ない、博士!」
ウェルはカルマノイズの攻撃を受けた。
翼「博士が…くっ、カルマノイズめ!」
カルマノイズの攻撃を受けた際にウェルはカルマノイズの呪いを受けてしまい、破壊衝動が増幅してしまった。
響「博士、大丈夫ですか!?」
ウェル「…大丈夫ですよ…ウエヘヘヘ、ヘハハハハ…!」
クリス「お、おい、突然キレたのかよ…!?」
ウェル「1人の殺人は犯罪者を生みィ、百万の殺人は英雄を生むうぅぅーーっ!」
フィーネ「なっ、突然どうなっている…!?」
翼「博士の様子がおかしい…カルマノイズの呪いに捕らわれたか!」
ウェル「殺して殺して殺しまくれば、今すぐ僕は英雄ショートカットだあぁーーっ!」
翼「…無力化するしかない…!」
クリス「こいつをぶっ飛ばせって事か!」
調「ここに来て、ドクターまで敵に回るなんて…!」
響「やるしかないなら、やるだけです!博士!ちょーっと痛いですよ!」
しかし、ノイズの群れにカルマノイズ2体と暴走したウェルの猛攻で響達は限界を迎えていたのであった。
フィーネ「ここまで…だというのか…!」
響「…まだです!」
ウェル「しつっこいですねえ、あなたも!」
ウェルの攻撃を受けても尚、響は立ち上がった。
響「まだ…まだまだぁーっ!」
そして、ウェルに反撃した。
ウェル「何だこいつ…ゾンビかお前は!」
翼「立花!」
クリス「どうなってんだ、あのバカの体は…」
調「響さん…」
響「おおおおおっ!!」
響はカルマノイズに攻撃を仕掛けた。
フィーネ「どうして…何がその身体を支えている?なぜこの状況でも折れずにいられる!?」
響「それは…胸の歌を信じているからです!」
翼「…そうだったな、立花…。私とて、この程度の窮地で胸の歌を砕かれはしない!」
響「翼さん!」
クリス「ああ…こんなのにやられてたまるかってんだ!」
響「クリスちゃん!」
調「私だって、信じてるから…!」
響「調ちゃん!」
フィーネ「…胸の歌…。そう、それがあるから立てるのね…。私に歌はなくとも、完全聖遺物に劣るシンフォギアを纏うあなた達が立ち上がるのなら…寝てるわけにはいかないわ」
響「了子さん!」
響に感化され、一同は立ち上がった。
道路
その頃、星矢と紫龍はカルマノイズの大群と応戦し、カルマノイズも残りわずかとなっていた。
紫龍「星矢、ラストスパートだ!」
星矢「ああ!ペガサス流星拳!!」
紫龍「廬山昇龍覇!!」
2人の技でカルマノイズは全滅したのであった。
星矢「これでカルマノイズは全滅させたな」
紫龍「急いで響達と合流しよう!」
???「俺も混ぜてくれないか?」
その声の主が現れた時、星矢と紫龍は驚いたのであった。
ウェルの研究所
一度は奮起した響達であったが、敵の猛攻で完全に限界に来ていた。
調「…もう、体が…」
翼「何という事だ…」
クリス「ちっくしょう…、ついこういった時に星矢達がいればって思っちまう…」
響「諦めない…諦めるもんか…!私は、まだ…唄える!」
???「そうだ!諦めるな!まだ何も終わってはいない!!」
その力強い声の主は、風鳴弦十郎であった。しかも、星矢と紫龍も同伴していた上、カルマノイズを殴り飛ばしたのであった。
ウェル「なっ、なあぁぁぁ…!?」
フィーネ「来るのが遅い!」
弦十郎「…少々、道が混んでいてな。この場は俺が引き受けた!うおおおおおっ!」
再び弦十郎はカルマノイズを殴った。
翼「そんな…ノイズを殴った!?」
紫龍「気になるのはわかるが、今はこの状況を打開するのが先だ!」
弦十郎「稲妻を喰らい、雷を握り潰すように打つべし!」
そう言って弦十郎はカルマノイズに強烈な一撃を加えた。
ウェル「それでも人間かぁーーーっ!」
弦十郎「人を殴るための拳ではないつもりだが!」
星矢「弦十郎、ウェルは俺にやらせろ。ウェル、遂にやらかしやがったな!お前にはとっておきの技をプレゼントしてやる!ペガサス流星拳!!」
ウェル「な、何か光の筋が見え…うぎゃああああああっ!!!」
光速拳と化した流星拳がウェルを襲い、主に顔を中心に殴られてウェルは吹っ飛ばされた。
調「カルマノイズの呪いによって私達に襲い掛かったとはいえ、本当に星矢さんに殴られちゃった…」
翼「星矢、ウェル博士はカルマノイズの呪いで凶暴化していたんだ」
星矢「それでも、やっちまった事にはけじめをつけさせなきゃならねえ。それに、元に戻すには殴っとかなきゃダメだろ?」
調「(やっぱり、星矢さんは男には容赦がない…。ましてや、ドクターだと殴らなきゃ気が済まないのかも…)」
響「な、何で師匠がノイズと戦えて!?」
クリス「どうなってんだよ、こいつは…!」
調「いつにも増して強すぎる…!」
翼「いや、あれは…何か拳が光っているような」
フィーネ「RN式回天特機装束…間に合ってよかったわ」
紫龍「なるほど、それがこの世界の弦十郎が普通にノイズと戦える秘密だったのか」
星矢「俺達も助太刀に入るか?」
紫龍「この場はあえてお手並み拝見と行こうか」
星矢と紫龍はお手並み拝見も兼ねて助太刀せず、疲れ切っている響達の護衛に専念する事にした。
弦十郎「…話は一汗かいた後にしようじゃないか」
フィーネ「ええ、説明は後でしてあげる」
響「そういう事なら…」
弦十郎「そこの者達!」
響「は、はい!?」
弦十郎「どうも俺の攻撃はあの黒いノイズには効きにくいらしい…何か手があるなら、止めを頼めるか!」
響「わかりました!今度こそS2CAを!」
翼「ああ!」
クリス「寝てる場合じゃねーしな!次こそ決めてやらぁ!」
S2CAを発動させるため、響と翼とクリスは絶唱を唄った。そこへ、ノイズが邪魔をしようとした。しかし、星矢と紫龍の光速拳で一網打尽にされた。
弦十郎「助太刀しないんじゃなかったのか?」
紫龍「お手並みも兼ねて助太刀はしないと言ったが、響達を護らないとは一言も言ってない」
星矢「という事だから、助太刀には入らねえよ」
そうしている間にも唄い終わったのであった。
響「行きます!」
弦十郎「応とも!」
弦十郎はカルマノイズを攻撃し、1か所に集めた。
調「腕力だけでカルマノイズを1か所に!」
響「S2CA、トライバースト!」
トライバーストでカルマノイズを倒したのであった。
調「やった…!」
翼「カルマノイズ2体、殲滅完了」
弦十郎「うむ、いい技だ!」
響「ありがとうございます!」
クリス「ほんとにこの無茶苦茶なおっさんに説明つくんだろうな…?」
フィーネ「一応の説明なら、ね」
???「クヒヒ…!まだ…この英雄がいる事を忘れないでほしいですね!えいゆううううっ!」
紫龍「…そう言えば、いたな」
星矢「お疲れのようだから、次は俺と紫龍に任せろ!」
弦十郎「そうだな。今度はお前達のお手並み拝見と行こうか」
調「ドクター、敵になった時の方が生き生きしてるみたい。だけど…止めないと!」
クリス「バカみたいにノイズを出しやがった敵の司令もな!」
紫龍「そいつの狙撃は任せたぞ、クリス!」
今度は星矢と紫龍がノイズと戦う事となり、光速拳で一蹴した。
弦十郎「光ったと思ったら、もうノイズが倒されるとは…。あいつらもなかなかの強さだ」
響「今だよ、クリスちゃん!」
クリス「とっくに狙いは付けてる!いい加減…黙りやがれ!」
狙撃したものの、かすっただけに終わった。
クリス「ちっ、かすっただけか…。泡くって逃げ出しやがった…」
ウェル「こ…この英雄たる僕が…こんな理不尽に…!負けるはずがない…ウェヒヒ、ウへへへヒヒ…!」
翼「後は手負いのウェル博士だけか」
弦十郎「彼はどうしたんだ?」
フィーネ「カルマノイズ…さっきの黒いノイズの呪いに当てられて、一時的に凶暴化しているのよ」
響「昏倒させれば終わりだけど…」
クリス「…なんか触ると伝染りそうだよな」
調「やっぱり、気持ち悪い…」
星矢「よし、もう一発俺がぶん殴って」
部隊隊員A「そういう事なら」
部隊隊員B「後は我々が!」
ウェル「貴様ら、この英雄に向かって何をぉぉーっ」
部隊隊員A「何が英雄だ!メチャクチャな命令ばかりしやがって!」
部隊隊員B「部下の苦労もちょっとは考えろ!この偏食家!MREを残すな!」
日頃のストレスが溜まっていたのか、ウェルの部隊隊員達はウェルを徹底的にボコボコにしたのであった。
紫龍「星矢が殴ろうとしたが、逆に彼等がやる事になったな」
調「ああ、日頃の鬱憤が…」
翼「うむ…一応は気絶させたようだが…」
響「でもウェル博士、穏やかな表情に戻りましたよ。よかったですね!」
星矢「もっと殴っとけばいいんじゃねえか?」
ところが、弦十郎の様子がおかしかった。
弦十郎「ふう…流石に長時間使用し過ぎたか」
フィーネ「当然よ。いくらあなたでも無理しすぎ」
弦十郎「だが、お陰で片づける事ができた。…留守の間、すまなかった」
フィーネ「そう思うなら、さっさとあの場所を取り返しなさい。大切な場所なんでしょう?」
弦十郎「ああ、勿論だ」
こうして、弦十郎が合流したのであった。
これで今回の話は終わりです。
今回は遅れてやってきた日本の最終兵器、風鳴弦十郎の参戦を描きました。
本編の弦十郎の弱点であったノイズという弱点を見事に克服したRN式回天特機装束ですが、詳細は次の話に持ち越しとなります。
カルマノイズの呪いによって暴走していたとはいえ、とうとう星矢に殴られてしまったウェルですが、殴られたウェルの顔は幽遊白書の幻海にやられた鈴木のような顔のような感じだと思った方がいいです。これでも3回も星矢に死んだほうが楽になれるほど殴られた本編世界のウェルに比べたら全身の骨が粉砕されていないため、可愛いものですが。
次の話でいよいよジークフリートが復活し、二課へ乗り込みます。