セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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42話 二課への突撃

隠れ家

 

 その後、倒れたまま隠れ家に運ばれたウェルは起きた。

 

ウェル「…はっ!?僕は今まで何をしていたんです!?」

 

弦十郎「ようやく起きたか。正気のようだな。お前を元に戻すためとはいえ、星矢が随分と殴ってすまなかった」

 

ウェル「殴った…!?」

 

星矢「お前はカルマノイズの呪いで凶暴化してたからな」

 

ウェル「ん…うぎっ!?そ、そう言えば体中が痛い…!ぐぅぅっ!」

 

紫龍「(これでも星矢は手加減した方だ。フロンティア事変の際は星矢は怒り心頭でペガサス流星拳やアトミックサンダーボルトを放って、ウェルの顔を原型さえ留めないほど殴ったり、全身の骨を粉々にした程だからな…)」

 

響「だ、大丈夫ですか!?」

 

ウェル「こ、これしき…英雄たる僕への試練と思えばあああっ!でも、もう少し手加減したほしかった…」

 

フィーネ「…自業自得ね。敵に落ちるなんてマヌケには似合いの代償よ」

 

弦十郎「さて、今更だが自己紹介をさせてくれ。俺は風鳴弦十郎、二課の責任者をしている」

 

響「はい、非常に、とっても、よく知っています!」

 

弦十郎「了子君から聞いていたか」

 

響「私は立花響です!好きな物はごは」

 

クリス「…とりあえず名前だけでいいだろ。あたしは雪音クリスだ」

 

響「ええー…」

 

調「私は月読調です」

 

翼「…風鳴翼です」

 

ウェル「そしてこの僕!二課奪還作戦のリーダー…英雄ドクター・ウェル!」

 

フィーネ「誰がリーダーよ。一番の部外者でしょうに」

 

星矢「あのバカは置いといて、俺は星矢、サジタリアス星矢だ」

 

紫龍「紫龍、ライブラ紫龍」

 

弦十郎「サジタリアス…ライブラ…射手座と天秤座か…。お前達が纏っていた鎧にもそれらの意匠があったな。それに風鳴…?それは」

 

翼「その疑問については後で説明します。それより、生身の司令がどうしてノイズと戦えたんですか?」

 

星矢「そういや、気になったな…」

 

弦十郎「ああ、それか…。俺は生身で戦っていたわけじゃないなあ了子君?」

 

フィーネ「RN式回天特機装束…聖遺物の欠片から私が作り出した試作装束よ」

 

星矢「俺は頭はあんまりよくねえけど、シンフォギアの前の段階の奴か?」

 

フィーネ「あら、前の段階という点に関しては当たりよ。着用者の精神力、戦意を共鳴、共振させて聖遺物を強制起動状態にしてるの」

 

響「えーっと…」

 

フィーネ「起動すれば全身に薄膜状のバリアコーティングが生成され、ノイズの接触に耐える最低限の防御能力とノイズの存在比率をこちらに引き寄せて位相差障壁打ち消し、能動的にノイズに触れ得る機会を作り出しているの」

 

ウェル「顕著な差異としては、歌唱機能によるフォニックゲインの高揚作用がありませんね」

 

フィーネ「ええ。その分、着用者の精神力をダイレクトに起動エネルギーに転換しているのよ」

 

ウェル「しかし試作品が完成していたとは…」

 

調「じー…」

 

クリス「あ、あたしに説明を求めるなよな!?」

 

弦十郎「精神力、つまりは想いの力だ!相手を打ち砕く強い信念、暑く滾らせた魂を乗せて打つ一撃だ!」

 

響「言ってる事、全然わかりません!」

 

フィーネ「とにかくノイズに対抗できる手段の一つであるとだけ理解すればいいわ」

 

響「わかりました」

 

紫龍「見た所、RN式回天特機装束は何か大きなリスクが伴っているようにも見えたが…」

 

フィーネ「その通りよ。シンフォギアより数段劣り、使用者の体力、精神力を著しく削る、玩具以前のガラクタみたいなものよ」

 

弦十郎「ガラクタなんて言わないでくれ。こいつのお陰でこうして救援にも来られたんだ」

 

フィーネ「ふん、他の人間では使いものにならない物などガラクタに他ならないでしょう」

 

星矢「(ある意味フィーネの言う通りだな…)」

 

紫龍「(司令はそんな代物を軽々と扱うとは…、聖闘士でもないのに凄い人だ…)」

 

弦十郎「では、次は俺が質問をしても構わないか。実用化されたアンチノイズプロテクターなぞ、聞いた事がない。あの黄金の鎧といい、どうしてそんなものが存在しているのか。それを扱える者がいるのか。…それに、君の苗字、『風鳴』は俺と同じ。それについても聞かせてもらいたい…」

 

翼「ええ、わかりました。私達は…」

 

 翼は自分達は並行世界からやってきた事を話した。

 

弦十郎「並行世界…だと!?にわかには信じがたいが…」

 

フィーネ「歴史の中には無数の偶然や選択がある。その支流が並行世界。何も不思議な事じゃないわ。何より、この世界にはない『シンフォギア』と『黄金聖衣』という証拠がある」

 

弦十郎「…確かに、そうだな。だが、了子君があの黄金の鎧を黄金聖衣だと知っているのは…」

 

フィーネ「さっき黄金聖衣はこの世界にはないと言ったけど、今はの話。まだ話していなかったけど、神話の時代、私は蛇遣座の黄金聖闘士の時期があったわ」

 

響「こっちの世界の了子さんも大昔は黄金聖闘士だったんですか!?」

 

フィーネ「そうよ。けど、神々との戦いの中で聖闘士は全滅し、聖衣も失われてしまったの」

 

弦十郎「だから、今はもうこの世界に聖衣はないのか…。それで翼君は向こうでは俺と同じ一族という事か…」

 

翼「はい。という事は、こちらに私はいないみたいですね…」

 

弦十郎「ああ。俺の知る限りでは、風鳴の家に君と同じ存在はいない。…それより、そのシンフォギアについてだが、試させてくれないか?」

 

響「試す…ですか?」

 

弦十郎「ああ。君達の戦いぶりを見て、気になって仕方なくてな。互いの理解も深めるためにも、一手、付き合ってもらいたい」

 

星矢「そうだな。俺達も付き合っていいか?」

 

弦十郎「ああ、いいとも!」

 

 

 

 

 早速、星矢達は訓練を行った。

 

弦十郎「この辺りでいいだろう」

 

翼「何をするつもりなのですか」

 

弦十郎「翼君…翼君と呼んで構わないかな?」

 

翼「はい。普段は叔父様には翼、と呼んでいただいていますから」

 

弦十郎「翼君達に直接の手合わせを願いたい」

 

星矢「やっぱ、そう来たか」

 

クリス「おいおい、どうしてそうなるんだよ!」

 

弦十郎「細かい説明を聞くよりも、実際にこの身で体感した方が早かろうと思ってな。もちろん装者の君達はシンフォギアを使ってだ。一緒に戦う上で、君達の実力を知っておきたいのもある」

 

響「直接の手合わせ、ですか…!」

 

調「さっき見た感じ、私達の世界の司令と強さはほぼ同等…」

 

弦十郎「それに、実は君達の戦いを見ていたら、年甲斐もなく戦ってみたくなったというのが本音だ」

 

クリス「ったく誰だよ、このオッサンに装備なんて与えたのは…!」

 

フィーネ「ふぅ…仕方ないわね」

 

 フィーネはある装置を持っていた。

 

調「その装置は?」

 

フィーネ「高エネルギー反応探知をジャミングするものよ。これで敵に感知はされないから、好きにやればいいわ」

 

弦十郎「ありがとう、了子君!それでは…始めようか」

 

 弦十郎と手合わせした装者達だが、ミサイルを受け止めて投げ返したり、同時攻撃を見切ったりと弦十郎の圧倒的な力は装者を遥かに凌駕していた。

 

弦十郎「ふう…このぐらいで十分だ。シンフォギア、確かに素晴らしいものだな」

 

クリス「はぁ、はぁ…!それ本気で言ってんのかよ…?」

 

調「や、やっぱり、星矢さん達と同じぐらい司令はおかしいと思う…!」

 

翼「流石です」

 

響「はー…師匠、ありがとうございました!」

 

弦十郎「こちらこそありがとう。改めて、よろしく頼む!」

 

響「はい、よろしくお願いします!」

 

 そう言ってると、特機装束のバリアコーティングが解除された。

 

弦十郎「むっ、特機装束が…。負荷がかかり過ぎたか」

 

フィーネ「後先考えずに暴れるからよ。連続起動時間もとうに更新してるわ」

 

星矢「時限式なのか」

 

弦十郎「そうだな。試作型ではどうしても限界があるらしい」

 

翼「司令自らが戦うのは、やはり緊急時に限られるという事ですね」

 

弦十郎「そういう訳にはいかないさ。俺は二課の責任者である以上、二課は俺が取り戻さなければ」

 

フィーネ「レンジャー部隊でもせいぜい数秒が限界だというのに」

 

弦十郎「はははっ、でも1時間程度は動かせたじゃないか」

 

クリス「数秒って…」

 

紫龍「やはり、普通じゃないな」

 

フィーネ「…普通は動かした後は全身疲労で倒れるものなんだけど。全く呆れた体力ね。来なさい、装束のメンテをしないと」

 

弦十郎「ああ、いつも済まないな」

 

フィーネ「わかってるなら少しは自重しなさい」

 

弦十郎「了子君には本当に感謝しているよ」

 

フィーネ「あなた達も今日はもう戻って休みなさい。忙しくなるわよ」

 

響「はい!」

 

弦十郎「星矢、紫龍、休憩が終わってから今度はお前達と手合わせしたいがいいか?」

 

星矢「ああ。互いに装備なしでやるってのでどうだ?」

 

弦十郎「律儀で感謝するぞ」

 

 装者一同が帰ってから早速、星矢と弦十郎は手合わせした。

 

弦十郎「驚いたな、お前のような奴がいたとは!」

 

星矢「思いっきり動かせていいだろ?」

 

弦十郎「そうだな!」

 

 久々に全力でも大丈夫な人間がいた事に弦十郎も喜んでいた。そして、手合わせは終わった。

 

星矢「弦十郎、聖闘士でもないのにあんたの強さは普通の白銀聖闘士より強いな!」

 

弦十郎「聖闘士にはランクがあるのか?」

 

紫龍「その通りです、司令。俺達聖闘士にはランクがあって、最下位が青銅、中位が白銀、そして最上位が黄金となっています」

 

弦十郎「という事は、お前達は最上位の聖闘士という事か」

 

星矢「といっても、俺と仲間達が正式な黄金聖闘士になったのは1年前で、それまでは青銅聖闘士だったけどな」

 

弦十郎「その聖闘士というのは実力が上がれば昇格も可能なのか?了子君」

 

フィーネ「その通りよ。黄金聖闘士もあの2人のように青銅聖闘士や白銀聖闘士でも黄金クラスの実力を身に付けた者が黄金に昇格したというケースも割とあるわ」

 

紫龍「星矢、俺達も休息で帰るぞ」

 

星矢「そうだな」

 

 星矢と紫龍も帰ったのであった。

 

フィーネ「あの子達は帰ったわね…」

 

弦十郎「そうだな」

 

フィーネ「私も試したい事があるの。…付き合ってもらうわよ!」

 

 そう言ってフィーネはネフシュタンを纏った。

 

弦十郎「やはりそれは…ネフシュタンだったか…。まさか、起動できるとはな」

 

フィーネ「如何にお前と言えど、生身で完全聖遺物には勝てまい!」

 

 フィーネの攻撃を弦十郎はかわした。

 

弦十郎「それはどうかな!」

 

フィーネ「お前の命、ここで貰い受ける!」

 

弦十郎「言ったろう、俺はまだ死ねないと!」

 

フィーネ「痴れ事を抜かすな!」

 

弦十郎「俺はそういう冗談は言わない性分でな!」

 

 結果は元の世界と同じで、フィーネはネフシュタンと一体化していても弦十郎には勝てなかった。

 

フィーネ「くうー…っ!ここまでか…」

 

弦十郎「これで気は済んだかな」

 

フィーネ「やはり、このネフシュタンの鎧の力でも足りないみたいね」

 

弦十郎「力の問題ではないさ。しかし、その衣装は目に楽しいな」

 

フィーネ「はぁ…、そう言うなら隙の一つも見せてみなさいよ」

 

弦十郎「そうだな、それは次までに考えておこう」

 

 フィーネはネフシュタンの装着を解除した。

 

フィーネ「RN式回天特機装束は調整しておくわ。明日取りに来なさい」

 

弦十郎「了子君」

 

フィーネ「何?」

 

弦十郎「改めて、留守の間すまなかった」

 

フィーネ「別に。ただの成り行きよ。今、二課を取り返そうとしている事も含めて」

 

弦十郎「それでも、君があの場所を守ろうと、取り戻そうとしている事を俺は嬉しく思う。だから、礼を言わせてくれ」

 

フィーネ「私は…お礼を言われるような事はしてないわ…。…じゃあね」

 

弦十郎「ああ。また明日な!」

 

 フィーネは悲しそうな表情をして帰ったのであった。

 

 

 

市街地(並行世界)

 

 そして翌朝…。

 

調「ジークフリートさんもやっと傷が治りましたね」

 

ジークフリート「ああ。傷が治った以上、今度こそアスガルドに仇名すドルバルを倒さねばならない!」

 

紫龍「気合が入っているな」

 

星矢「ま、ドルバルはあいつに任せとこうぜ」

 

響「星矢さん達も了子さんの部屋を訪ねましょうか!」

 

 フィーネのいる部屋に来たものの、返事がなかった。

 

弦十郎「…返事がないな」

 

調「眠ってるんでしょうか?」

 

クリス「おい、鍵が開いてるぞ…?」

 

星矢「流石に響達が見に行ってほしいな」

 

翼「わかった。一応、警戒を怠るな」

 

 

 

隠れ家

 

 フィーネの隠れ家に来たが、フィーネはいなかった。

 

クリス「おい、いねえぞ」

 

響「ああっ!師匠!」

 

弦十郎「どうした!?」

 

調「鏡に、ルージュで文字が…」

 

弦十郎「(I LOVE YOU SAYONARA)了子君…」

 

 探し回ったが、どこにもフィーネはいなかった。

 

翼「やはり、どこにも見当たらないのか…」

 

紫龍「小宇宙を探ってみたが、近くにはいないようだ」

 

弦十郎「了子君、調整済みの特機装束を残して…」

 

翼「そう言えばデュランダルは…」

 

 そんな時、地震がした。

 

調「地震!?」

 

響「それもかなりおっきい!」

 

ウェル『二課の本部付近から強力なエネルギー反応です!これはただ事じゃありませんよ!』

 

星矢「ウェル、二課からというのは本当なのか!?」

 

クリス「この地震、無関係な訳がねえ!」

 

ウェル『このまま放っておけるエネルギー量ではないですよ!とにかく、僕も手段を講じます!』

 

翼「消えたデュランダル、地価の高エネルギー反応…。まさか、カ・ディンギルを…?」

 

弦十郎「カ・ディンギル…君達も知っているのか!」

 

クリス「ああ。フィーネが月を穿つために作り出した塔だ」

 

弦十郎「月を…穿つだと!」

 

星矢「フィーネがバラルの呪詛を解くためにな」

 

弦十郎「そういう事か。彼女の目的については、昔、彼女を止めた時に了子君自身から聞いて承知している。彼女が先史文明期よあり転生を繰り返してきたフィーネという巫女である事も含めてな」

 

調「目的まで知って、二課の研究員として!?」

 

紫龍「司令らしいな」

 

弦十郎「性分でな。それに『約束』もあった」

 

翼「約束…ですか?」

 

弦十郎「大した事じゃない。気にしないでくれ。それより、今は急いで彼女を止めねばなるまい…」

 

クリス「あれを起動されたら、ただじゃ済まねえからな」

 

弦十郎「君達…すまないが、力を貸してくれ!」

 

響「もちろんです!」

 

調「フィーネ…」

 

翼「至急、二課へ向かうぞ!」

 

紫龍「この際、二手に分かれよう。響、翼、クリスは司令と共に出撃、調は切歌とマリアを連れてきてから俺達と一緒にヒルダ救出も兼ねて別ルートで向かうぞ!」

 

調「はい!」

 

 

 

市街地(並行世界)

 

 先行した響達は次々とノイズを蹴散らして進んでいった。

 

翼「ソロモンの杖による妨害…フィーネは敵と組んでいるのか!?」

 

響「それなら、了子さんはなんで今まで!」

 

クリス「ちくしょう!あいつ、何考えてんだ…!」

 

弦十郎「考えるのは後だ!場所はわかるか!」

 

響「多分、二課のエレベーターシャフトです!」

 

弦十郎「エレベーターシャフト…塔を地下へと伸ばしたか!学院から乗り込むぞ!」

 

響「はい!急ぎましょう!」

 

クリス「くそっ、あいつ自身に聞かなきゃ気が済まねえ!」

 

翼「ああ、断固阻止せねばならない!」

 

 

 

公園(並行世界)

 

 調はマリア達を連れてきた。

 

ウェル「驚きましたよ!更に装者がいるとは!」

 

調「総力戦を想定して、マリアと切ちゃんも連れてきたけど…」

 

ウェル「素晴らしい!あなた達の世界はどれだけ聖遺物の研究が進んでいるのですか!?」

 

マリア「まさかドクターと共闘する事になるなんてね…」

 

切歌「うう、やっぱりこのトンデモと一緒は…なんかそわそわするデス!」

 

星矢「心配するな、切歌。ウェルの野郎が余計な事をしたら俺がブン殴ってやるからな」

 

マリア「(ドクターに渾身のパンチを放った時の星矢はかなり怒ってて、反論さえできなかったわ…)」

 

 フロンティア事変の際、マリアの気持ちを踏み躙ったウェルは激怒した星矢に渾身のパンチを打ち込まれるという、3回目の制裁を受けたのであった。その怒りに満ちた姿はマリアに向けていないのにも関わらず、マリアが戦慄するほどだった。

 

ウェル「ふーむ、完全聖遺物ギャラルホルン、ますます興味深い!」

 

調「それより、私達の目的は響さん達との二面作戦でヒルダさんの救出と二課の奪還、そしてジークフリートさんのドルバル討伐ですから…」

 

ウェル「わかっていますよ、これこそ英雄的活躍です!」

 

ジークフリート「本当にこの男と一緒で大丈夫なのか…?」

 

紫龍「頭脳はともかく、性格などは英雄とは言えないな」

 

 いつの間にか切歌はウェルの英雄部隊と意気投合していた。

 

調「切ちゃん、いきなり英雄部隊の人達と意気投合してる」

 

切歌「話のわかる人達デスよ、調もこっちに来るデス」

 

調「今はそんな場合じゃないよ、切ちゃん…」

 

ウェル「そちらの世界の事を僕はもっと知りたいものですね!後程是非、色々と聞かせていただきたい!」

 

紫龍「この騒動が終わったらな」

 

マリア「(助け船を出してくれてありがとう、紫龍…)」

 

 そう言ってると、ノイズが出てきた。

 

星矢「ノイズのお出ましか…」

 

紫龍「ジークフリート、この場は俺達に任せてお前はドルバルとの戦いに備えて体力を温存しておくんだ」

 

ジークフリート「済まないな、2人とも」

 

 星矢と紫龍の光速拳でノイズは数秒でほとんどが消滅し、残ったノイズもマリア達に倒されたのであった。

 

ウェル「くぅっ、彼等だけ明らかにノイズの大半を倒しているではないか!!僕を差し置いて英雄気取りするな!僕だって彼等の手品染みた技さえ使えれば…!」

 

星矢「あ~あ、やっぱこうなったか…」

 

マリア「(あの光速拳は私達の受けた訓練とは比べ物にならない程の過酷な訓練を重ねて、小宇宙を扱えるようになった上、その真髄であるセブンセンシズに目覚めなきゃ使えないわよ…。星矢達だって数年の修業と過酷な戦いを経験してセブンセンシズに目覚め、それを常に維持するのに結構かかったみたいだから、ドクターではどうやっても習得は無理よ…)」

 

 自分を差し置いてノイズの大半を消滅させた星矢と紫龍にウェルは一方的に対抗心を燃やしていたのであった。

 

 

 

特異災害対策機動部二課

 

 そして、星矢達は二課に突入した。

 

切歌「二課本部に到着デス!」

 

マリア「私達は発令所を抑えるわよ!」

 

星矢「俺達はヒルダを救出する!ジークフリート、もしかしたら発令所にドルバルがいるかも知れないぞ」

 

紫龍「だから、マリア達と一緒に行くんだ!」

 

ジークフリート「ああ!そっちこそ、ヒルダ様を必ず救出するんだ!」

 

ウェル「では、二手に分かれましょう!発令所にソロモンの杖を持つ司令官もいるはず!」

 

 星矢と紫龍はヒルダ救出へ向かい、残りのメンバーは発令所へ向かった。その頃、発令所では…

 

司令官「くそっ、奴等を止められないのか!?」

 

黒服「ダメです!あのアンチノイズプロテクター以上に黄金の鎧の戦士が脅威です!いくらノイズを出しても歯が立ちません!」

 

司令官「くっ、あの黄金の鎧はどうなっているんだ!?あのアンチノイズプロテクター以上の力を持っているとでもいうのか!?ドルバル、今すぐに神闘士を出せ!今度こそ失敗は」

 

ドルバル「ふん、いつから私の上司になった?」

 

司令官「何だと!?貴様、雇われた身でありながら私の命令が聞けないのか!?」

 

ドルバル「力もない癖に偉そうに私に命令するとは愚かな」

 

 そう言ってドルバルはF.I.Sの司令官に反逆し、司令官を殴り飛ばした。

 

司令官「ぐあああっ!!」

 

ドルバル「私が貴様らのような力のない奴に傭兵として従っていたのは、聖遺物を独占するためなのだよ。これは力のない貴様らには過ぎた玩具だ」

 

司令官「貴様…、最初から我々を利用していたとでもいうのか!?」

 

ドルバル「バカな奴め、我々を命令をよく聞く犬だと思い込んでいた貴様らが愚かだっただけだ」

 

 そう言ってドルバルはソロモンの杖を握った。

 

ドルバル「これでソロモンの杖は私の物だ。それでも抵抗するのかね…?」

 

 プライドをへし折るドルバルの言葉に司令官は屈したのであった。

 

ドルバル「君達も安心したまえ、私に反抗しなければすぐに殺したりはしない」

 

 クーデターに成功したドルバルの元へドルバル派の神闘士が現れた。

 

ウル「ドルバル教主、クーデターが成功しましたね」

 

ドルバル「ああ。従順な犬として振る舞った甲斐があったよ」

 

ルング「デュランダルを始めとする聖遺物を我らが独占すれば、世界各国を我らの足元にひれ伏せる事も可能になる!」

 

ファフナー「まさにドルバル教主こそが地上の支配者!」

 

ロキ「後はあの邪魔者達を排除するだけです」

 

ドルバル「ジークフリート、そして黄金聖闘士よ、ここが貴様らの墓場だ!」

 

 ドルバル派の神闘士の手には黒いオーディーンサファイアが握られており、発令所を出たのであった。一方、ウェル達の方はウェルの指揮で進んでいた。

 

ウェル「敵は我々にノイズを集中させています!あなた達は迂回して、別ルートで深部へ向かうのです!」

 

部隊隊員A「了解!」

 

部隊隊員B「そちらは任せてください!」

 

 英雄部隊は迂回する事となった。

 

切歌「ドクターがちゃんと指揮してるデス…これは夢デスか!?」

 

調「現実だよ、切ちゃん」

 

ウェル「口を開けてただ願ってるだけでは英雄にはなれないんですよ。一流の仕事をこなしてこそ!」

 

ジークフリート「(この男は口先だけではないようだが、それでもヒルダ様に比べたらイマイチと言わざるを得ないな…)」

 

マリア「ふっ、意外と戦力になりそうで安心したわ!」

 

 一同はそのまま進んでいった。響達の方もノイズを蹴散らしながら先へ進んでいた。

 

クリス「一旦止んだと思ったら、チマチマ時間稼ぎしやがって!」

 

翼「一点突破にて推してまいる!」

 

弦十郎「了子君、阻ませてもらうぞ!はあーっ!」

 

 一同はノイズを蹴散らし、エレベーターシャフトを進んでいった。

 

弦十郎「エレベーターシャフト、やはりこれがカ・ディンギルか…!」

 

クリス「どけ、オッサン!こんなもん、あたしが!」

 

 早速、クリスがカ・ディンギルを破壊しようとしたが、バリアに阻まれた。

 

翼「防がれた!?このバリアは…」

 

 バリアを張ったのはフィーネであった。

 

フィーネ「…やはり来たのね…」

 

 星矢と紫龍はヒルダの監禁されている部屋へ向かっていた。

 

星矢「紫龍、さっさとヒルダを助け出してこの一連の騒動を終わらせるぞ!」

 

紫龍「しかし、あのジークフリートと共闘できたとはな。これも、可能性の世界というものか…」

 

 ところが、予想していたとはいえ、邪魔者であるドルバル派の神闘士が現れたのであった。

 

星矢「またお前らか…!」

 

ロキ「ヒルダを助け出そうとしているようだが、そうはいかんぞ!」

 

ファフナー「貴様らはこの場で我々に倒されるからだ」

 

ウル「貴様らとの因縁もここで終わらせてやろう」

 

ルング「ドルバル教主にひれ伏すのならば、命だけは助けてやってもいいぞ!」

 

紫龍「誰が貴様らのような悪党にひれ伏すものか!」

 

星矢「俺達アテナの聖闘士の使命は地上の愛と平和を護る事!この世界だって例外なんかじゃない!お前らのような神闘士はさっさと倒してヒルダを助け出す!」

 

ロキ「我らをこれまでと同じだと思うな!」

 

ファフナー「今度こそ貴様らを捻り潰してくれようぞ!」

 

 そう言って星矢達とドルバル派の神闘士の戦いの火ぶたが切って落とされたのであった。

 

 




これで今回の話は終わりです。
今回は弦十郎がノイズと戦えた理由の判明や二課への突撃、そしてドルバル一派の裏切りを描きました。
今回は遂に本性を現したドルバルがF.I.Sを裏切り、逆に支配下に置いたのは悪党同士の協力関係は基本的に利用し合うもので、絆なき繋がりでしか結ばれていないからです。
次の話は星矢達とドルバル派の神闘士、響達とフィーネの戦いとなります。
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