セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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52話 悪夢の予兆

マンション

 

 その晩、マリアの住んでいる部屋でセレナはマリアと共に入浴していた。

 

セレナ「マリア姉さんとのお風呂、気持ちいいよ」

 

マリア「それは私も同じよ。さ、髪や体を洗ってあげるわ」

 

 セレナはマリアに体を洗ってもらったが、その際にマリアのスタイルの良さを改めて目の当たりにした。

 

セレナ「マリア姉さんは大人になったから、スタイルがいいね」

 

マリア「どうしたの?」

 

セレナ「まだ私はスタイルもよくないし…」

 

マリア「私だってセレナぐらいの頃は同じぐらいだったのよ。セレナだってこれから大きくなれば、私に負けないぐらいにスタイルが良くなってくるわ」

 

 姉のマリアのスタイルがいいせいか、セレナは自分のスタイルを気にしていたが、マリアはこれから大きくなればよくなってくるとフォローした。そして、寝る時間になって寝ていたが、セレナは目が覚めた。

 

セレナ「ん…。何だか、目が覚めちゃった…(姉さんは…よく眠ってるみたい。姉さんがいる場所に来てみて…羨ましいって思った。心強い仲間が、友達がたくさんいて。それから、私の知らない所で、姉さんを含めた6人の装者や一輝さんや瞬さんのような鎧を纏う人3人、大きな施設、こんなに色んな事が動いていて驚いた。そして、何より安心した。戦いを終えたばかりの場でさえ、マリア姉さんが楽しそうに笑ってて)」

 

 しかし、セレナには気になっていた事があった。

 

セレナ「(だけど…同時にやっぱり7年という時間は大きいと感じた。月読さんや暁さんと会えたのは嬉しくて、雰囲気もそのままだったけど、二人とも昔より大きくなってて…優しくしてくれるみんなの前では、戸惑う素振りは見せないようにしたつもりだけれど…大好きだった人達なのに、ほんの少し、昔とは違う溝のようなものも、私は感じてしまった。…でも!マリア姉さんはやっぱりマリア姉さんだった。どれだけ時間が経っても、私の自慢で大好きな姉さん。何も変わらない、優しいマリア姉さんのままだった。…S.O.N.Gって言ってたっけ。私とマムもこっちに配置換えしてほしいな。マムも、マリア姉さんに会えて嬉しそうだった。戻ったらお願いsしてみようかな?でも、あっちに装者がいなくなってしまったら…。ふあ…あぁ。色々考えたら、また眠くなってきちゃった。もう一度寝ようっと)お休み、マリア姉さん」

 

 再びセレナは寝たのであった。

 

セレナ「(マリア姉さんと一緒のベッド、あったかいな…)」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 翌日、セレナも訓練を受ける事にした。

 

マリア「こっちに来ている時くらい、訓練を休んでもいいのよ?」

 

セレナ「こっちにいる時こそ休みたくないの。姉さんと一緒に訓練できるんだから!」

 

 トレーニングルームには切歌と調がいた。

 

マリア「あら、先客…調と切歌だったのね」

 

切歌「おはようさんデス!」

 

調「おはよう、2人とも」

 

セレナ「おはようございます」

 

マリア「やけに早いわね」

 

調「うん。私達、強化キャンペーン中だから」

 

切歌「お値段そのままおいしさアップデス!」

 

マリア「せっかくだから一緒に訓練しましょうか」

 

セレナ「私も2人と一緒に訓練したいです」

 

切歌「だったらここはチーム戦デス!」

 

セレナ「それなら、姉さんと私、月読さん暁さんチームでどうですか?」

 

マリア「セレナがいいなら、私も構わないわ」

 

切歌「キャンペーン真っ最中のあたし達を甘く見ない方がいいデスよ?」

 

調「キャンペーン中の私達のコンビネーションは3割増しの強さ」

 

セレナ「私と姉さんだって、バッチリなんですよ」

 

マリア「ふふ。用意はいい?私が前に出るから、フォローして」

 

セレナ「うん、任せて!」

 

切歌「セレナが相手でも手加減なしでいくデス!」

 

調「当然、勝ちにいく…」

 

 そして、訓練を始めたのであった。その後…。

 

切歌「あーっ!あそこでまさか、こうくるとは思わなかったデスよ!」

 

調「惨敗…。でも、楽しかった」

 

セレナ「私も楽しかったです!」

 

マリア「こうしてF.I.Sのメンバーで訓練すると、昔を思い出すわね…」

 

セレナ「そうだね。でも、本当に驚いた。まさかマリア姉さんも私と同じアガートラームの装者だなんて」

 

マリア「え、ええ…セレナが眠っている間に、アガートラームの欠片からもう一つ、ペンダントを作る事に成功したの。その後、適合訓練を重ねて、ね」

 

 実際はマリアが使っているアガートラームは今は亡き元の世界のセレナの形見であり、土壇場の奇跡で適合できたのであった。

 

セレナ「そうだったんだ。でも、同じギアだなんて、やっぱり私達姉妹だね」

 

 その言葉にマリアは複雑だった。

 

セレナ「それに、2人とも連係がすごいです」

 

切歌「あたしと調は最強コンビデース!」

 

調「もともと二つで一つのギアだからね」

 

セレナ「(私も早く手加減されていで戦えるようになりたいな…、でも、そのためには…)私もこっちに転属したいな…」

 

マリア「それは……。…ええ、すぐにそうできたらいいわね」

 

セレナ「あたし、戻ったらマムにお願いしてみる」

 

マリア「ええ、だけどあまりマムを困らせてはいけないわよ」

 

 その頃、発令所では…。

 

弦十郎「ネフィリムの行動について、こちらで調べた事を話そう」

 

響「よろしくお願いします!」

 

沙織「まずはエルフナインからの現状の考察を頼みます」

 

エルフナイン「はい。ネフィリムの特性などから、やはり装者を餌として狙っていると見ていいと思います」

 

クリス「聖遺物を食って成長するって話か。そりゃ保管庫とか襲うより向かってくるのを狙う方が手っ取り早いよな」

 

翼「だが、あの時、ネフィリムは我々を割けてF.I.Sの聖遺物保管庫を襲った…」

 

エルフナイン「普通の幼体や成長途中のネフィリムが単体で独立した思考やしれに基づいた行動をとる事はありません」

 

星矢「って事は、俺達の世界のウェルのクソ野郎みたいな奴が操ってるって訳だな?」

 

エルフナイン「星矢さんにしては理解が早いですね」」

 

響「ナスターシャ教授を狙ったり、目くらまししたりして逃げましたもんね」

 

弦十郎「なるほど。君達の所感で構わない。今までの調査で怪しい人物に心当たりは?」

 

星矢「あと、ウェルのクソ野郎はそっちにはいなかったか?」

 

翼「少なくとも、私達が来た研究所にウェル博士の姿はなかった。そもそも、F.I.Sの息のかかった場所という事もあるので、怪しいと言えば大体は怪しい…という回答にならざるを得ません」

 

紫龍「そもそも、瞬もまだ向こうに残っているからな」

 

響「ナスターシャ教授はいい人そうだったけど…。わからないです。ごめんなさい」

 

沙織「そうですか。ですが、教授がご存命なのは幸いなのかも知れません」

 

朔也「状況を考えると、聖遺物の反応パターンをモニターしてできる遠隔コントロールの範疇を超えていると感じますが」

 

あおい「目視で行っているとしても、隠しカメラによる中継などを考慮すると…」

 

紫龍「…下手人の特定は容易ではないな」

 

エルフナイン「あちらには7年間、あるいはそれ以上の準備期間もあったはずなので」

 

沙織「とにかく周囲には充分に注意してください」

 

エルフナイン「ネフィリムを用いている事から、その何者かはフロンティアについての情報も持っている可能性があります。だとすれば、フロンティアとそれを解くカギである神獣鏡を探してないとは言い切れません。未来さんは今回の並行世界には近づかない方がいいと思います」

 

未来「うん…わかった」

 

星矢「でも、どうしても行かなきゃならねえ時は俺達も護衛につくからな。そして、そのクソ野郎を徹底的にブン殴ってやる!」

 

未来「せ、星矢さん…」

 

 悪党相手にはいつもの平常運転で殴る事しか考えていない星矢に一同は苦笑いした。そこへ、マリアが来た。

 

マリア「少し構わないかしら。風鳴司令に話が」

 

 そこへ、ノイズ警報が鳴った。

 

氷河「ノイズか…。どうやら、装者達の出番のようだ」

 

弦十郎「マリア君、話については後で時間を持とう。今は、まず」

 

マリア「ええ、現場に向かうわ!」

 

セレナ「私も…」

 

マリア「待って、セレナ。あなたはここで待っていてちょうだい」

 

沙織「そう…ですね。こちらで未登録の装者が表立って活動したら、色々と面倒な事になります」

 

セレナ「…せっかく一緒に訓練したのに…。でも、わかりました…」

 

沙織「セレナさん、マリアさん達には星矢達がついています。なので、よほどの事態になっても大丈夫です」

 

未来「沙織さんの言う通り、ここで一緒にみんなの帰りを待とう?」

 

セレナ「はい。星矢さん達、マリア姉さんやみんなを頼みます」

 

星矢「ああ!」

 

氷河「いざとなれば、俺達も一緒に戦うからな!」

 

 装者一同と星矢達は出撃したのであった。そして、ノイズを殲滅したマリア達は帰ってきたのであった。

 

セレナ「お帰りなさい、姉さん!」

 

マリア「ただいま、セレナ」

 

 早速、セレナはマリアに抱き付いた。

 

マリア「そんなに抱き付かないの。私は風鳴司令と話があるから、少しだけ待っていてくれるかしら」

 

セレナ「うん…わかった」

 

マリア「すぐだから。その間、セレナをお願い」

 

切歌「セレナは預かったデス!」

 

調「誘拐でもしてるみたいな言い回しだよ、切ちゃん。それじゃあ、本部を案内するね」

 

セレナ「お願いします。ここはとっても広いから、もっと見て回りたかったんです」

 

切歌「じゃあ、早速行くデスよ!」

 

 セレナは切歌達と共にS.O.N.Gの本部を回る事となった。

 

弦十郎「…マリア君、話というのは」

 

マリア「セレナをこのままこちらに置く事を認めてもらえないかしら」

 

氷河「なっ!?」

 

弦十郎「それは、一時こちらで保護するという事か?」

 

マリア「いいえ、一時ではなく恒久的に、私達の世界に移住させるという意味よ」

 

弦十郎「なんだと…!?マリア君、本気か!?」

 

マリア「もちろん、本気よ。向こうは、セレナのいる世界では戦える装者はあの子しかしないわ。聖闘士や神闘士のような装者以外でもノイズと戦える存在が見当たらない上、ネフィリムを倒すまで私達が協力したとしても、あの子一人に全てを背負わせるなんて…!」

 

弦十郎「マリア君、それは…仮にこちらが認めたとして、セレナ君の世界はどうなる?聖闘士や神闘士のような存在のいない世界で装者を完全に失えば、ノイズ対策も満足にできなくなるだろう。あちらの世界が今後どうなるか、想像できない君ではあるまい。そうして、セレナ君に全てを捨てさせるつもりなのか?」

 

マリア「…だったら!私が向こうの世界でセレナと一緒に…」

 

紫龍「落ち着け、マリア!老師を始めとする黄金聖闘士や奏のように一時的にならともかく、人、それも装者が移住するというのは、俺達も賛同できん」

 

氷河「俺も再びカミュやアイザックに会えたのは嬉しいが、移住してほしいとまでは思っていない。マリアもそのセレナのいる世界の事情も尊重しなければならない」

 

マリア「それでも私は…」

 

 

 

野原

 

 その頃、瞬と同じく並行世界に留まっていた一輝は異変が何であるのかを探っていたのであった。

 

一輝「(カルマノイズは何体いる?そもそも、この世界には冥闘士などはいるのか…?)」

 

 そう思っていると、カルマノイズの大群が現れた。

 

一輝「ふっ、早速お出ましか…」

 

 不敵な笑みを浮かべ、一輝は聖衣を纏い、あっけなく一蹴したのであった。

 

一輝「この程度の奴等など、俺の敵ではない」

 

 ところが、一輝は邪悪な小宇宙を感じた。

 

一輝「この邪悪な小宇宙は…」

 

 邪悪な小宇宙は、セレナの世界の冥闘士のものだった。

 

一輝「冥闘士のものか…」

 

冥闘士A「ん?俺達が目覚めるのはもっと後、数万年後じゃなかったのか?」

 

冥闘士B「わからん。だが、こうして目覚める事ができたのは奇遇だな」

 

冥闘士C「ハーデス様の完全復活までどれくらいかかるのかはわからんが、ハーデス様の降臨のために人間共を皆殺しにするぞ!」

 

冥闘士A「ん?アテナの聖闘士がいるぞ!」

 

冥闘士B「神話の時代に全滅したはずでは……。しかも、今まで見た事もない聖闘士だ…!」

 

冥闘士C「構うな、やっちまえ!」

 

ニオベ「俺は地暗星ディープのニオベ。まさか、青銅のヒヨッコが出てくるとは。じっくり痛めつけてやろう!」

 

 完全に一輝を舐めているニオベを始めとする冥闘士達は一輝に襲い掛かった。しかし…

 

一輝「鳳翼天翔!!」

 

 鳳翼天翔1発で一蹴されたのであった。

 

ニオベ「お、おのれ…!せっかく…」

 

 何かを言おうとしたニオベは息途絶えた。

 

一輝「まさか、この世界にはまだ冥闘士が残っていたとはな…」

 

???「そう、まだ残っていたんだよ」

 

 一輝には聞き覚えのある声がして、また冥闘士が現れたのであった。

 

一輝「この聞き覚えのある声…アイアコスか」

 

アイアコス「よく俺の名前を知ってたな。恐ろしく攻撃的な小宇宙を感じてここに来たが、まさか神話の時代にいなかったフェニックスの聖闘士がいたとは。ニオベ共め、しくじったな…!」

 

一輝「雑魚の冥闘士達が本来であれば、目覚めるのはもっと後と言ってたな。なぜ、今になって目覚めた?」

 

アイアコス「知らんな。だが、ハーデス様の力にも似た瘴気が溢れ、アルテミスの施した封印が予定よりも早く緩んだ事で目覚める事ができた」

 

一輝「(ハーデスの力に似た瘴気だと?)」

 

アイアコス「フェニックス、ハーデス様がいつ目覚めるのかはわからないが、ハーデス様降臨のために邪魔な貴様は始末させてもらうぞ!」

 

一輝「(この世界には冥闘士が残っていたとは…!こいつらがどんどん目覚めたらセレナでは手に負えない…。そうなる前に、俺が奴等を倒す!)ふっ、返り討ちにしてやろう」

 

アイアコス「青銅の癖に随分と舐めた態度をとるな。この冥界三巨頭の恐ろしさをたっぷり教えてやるぞ!」

 

 早速、アイアコスは一輝に襲い掛かった。しかし、既に元の世界でアイアコスと戦った事のある一輝の敵ではなかった。

 

アイアコス「何だと!?俺のスピードが見切られている!?ならば…ガルーダフラップ!」

 

 既に見切られている事を知らないアイアコスはガルーダフラップを一輝に放ち、一輝を空高く投げ飛ばした。

 

アイアコス「三秒後、俺の目の前が奴の死に場所になる」

 

 しかし、三秒経っても落ちてこなかった。

 

アイアコス「な、何…バカな…!?なぜ落ちてこない!?翼が生えて飛んで逃げたわけでもあるまい!?」

 

 そう言ってると、後ろから攻撃されて吹っ飛ばされた。攻撃したのは空高く投げ飛ばされたはずの一輝であった。

 

一輝「聖闘士に同じ技は二度も通じぬ。今やこれは常識!」

 

アイアコス「何だと…!?初めて見たではないか!なぜだ!?」

 

一輝「それは企業秘密だ」

 

アイアコス「おのれ…!(何だ?こいつの小宇宙は…。感じた事のある小宇宙だぞ…。まさか、こいつは…!)」

 

一輝「これでお前は終わりだ。一気に決めてやる!鳳翼天翔!!」

 

アイアコス「とああああっ!!」

 

 鳳翼天翔とアイアコスの渾身の一撃が炸裂し、互いに交錯した。それからしばらくした後、アイアコスの冥衣は砕け、倒れたのであった。

 

一輝「終わったな」

 

アイアコス「おのれ…、俺が倒されるとは…。だが…お前は俺の放った拳で前世の記憶が蘇る。その記憶に苦しめられるがいい…!」

 

一輝「前世の記憶だと?」

 

 そんな中、一輝は天秤座や牡牛座の黄金聖闘士とぶつかり合ったりする自身に覚えのない光景を目の当たりにした。

 

一輝「な、何だ!?この身に覚えのない光景は!?幻覚か!?」

 

アイアコス「ざまあみろ…。それは幻覚なんかじゃない…、お前の前世の記憶だ…。道理でお前の小宇宙は攻撃的だったわけだ…。フェニックス、お前の…お前の前世は聖闘士ではなく……」

 

 一輝の前世が何なのかを言う前にアイアコスは息途絶えたのであった。

 

一輝「俺の前世だと?うわ、うわあああああっ!!」

 

 前世の記憶が蘇った事で一輝は錯乱し、気を失ったのであった。そこへ、女が来た。

 

女「この男が冥界三巨頭、アイアコスを倒したのか…。しかし、アイアコスを倒した後に何があったのか…」

 

???『カリスト、アイアコスを倒した聖闘士、フェニックスを連れてくるのだ』

 

カリスト「ア、アルテミス様…」

 

アルテミス『フェニックスから色々と聞きたい事がある。よいな?』

 

カリスト「…了解しました」

 

 カリストは気を失っている一輝を抱え、アルテミスの所へ向かった。

 

 

 

マンション

 

 一方、翌日の元の世界では…。

 

マリア「おはよう、セレナ。昨日はゆっくり眠れたみたいね」

 

セレナ「んん…。おはよう、マリア姉さん。ところで、姉さんは毎日S.O.N.G本部にいなくちゃいけないわけじゃないんだよね?」

 

マリア「ええ、今日は待機命令も出ていないし」

 

セレナ「それならお願いがあるの」

 

マリア「どうしたの?あらたまって」

 

セレナ「私、外へ行ってみたい。向こうじゃ、自由に外へ出る事なんてできなかったから…。ダメ…かな…?」

 

マリア「ダメなわけないでしょ。いいわ、行きましょう」

 

セレナ「嬉しい!すぐに支度するね」

 

 

 

市街地

 

 セレナはマリアと共に出かけたのであった。

 

セレナ「姉さん、あのすごく高い建物は何?」

 

マリア「あれは、最近修復されたスカイタワーね。中に水族館があるのよ。上の展望台の眺めも悪くないわよ」

 

セレナ「へえー、今度いってみたい!」

 

マリア「ええ、連れて行ってあげるわ」

 

 ふと、セレナはお店に目がいった。

 

セレナ「あっ!あのお店、プリンを出しっぱなしだけど、腐らないのかな?」

 

マリア「ふふ。あれはサンプルよ。作り物なの」

 

セレナ「ええっ!?すごくよくできてる…おいしそう」

 

マリア「それなら帰りに本物を買ってあげるわ」

 

セレナ「本当!?嬉しいな。施設でも研究所でも、甘い物はあまり食べられなかったから…。ああっ!」

 

 今度は洋服の店に目がいった。

 

マリア「今度はどうしたの?」

 

セレナ「あのお洋服可愛い…」

 

マリア「確かに、セレナに似合いそうね(…施設や研究所では、好きに服を買って着るなんて考えられないものね)あの洋服が気に入ったのなら買ってあげるわ」

 

セレナ「あ…ごめんなさい!そんなつもりで言ったんじゃないの…」

 

マリア「何遠慮してるの。これくらい、プレゼントさせてちょうだい」

 

セレナ「…本当にいいの?」

 

マリア「だから、私に遠慮なんてしなくていいわ」

 

セレナ「ありがとう、マリア姉さん!」

 

 

 

公園

 

 そして、色々回った後、夕方になった。

 

マリア「日も傾いた事だし、そろそろ帰りましょうか」

 

セレナ「うん。プリン忘れないでね」

 

マリア「大丈夫よ。忘れてなんかいないわ。ちょうど近くに最近できたパティスリーがあるって、切歌達が」

 

 ところが、現場にノイズが出現したのであった。通行人たちが逃げ惑う中、弦十郎から通信が入った。

 

弦十郎『ノイズが発生した!マリア君、至急そちらに』

 

マリア「ちょうど現場付近よ。すぐに急行するわ!」

 

 直ちにマリアは急行した。

 

マリア「これくらいなら、私が」

 

 マリアはギアを纏った。

 

マリア「セレナ、あなたは下がっていて!」

 

 しかし、セレナは制止を聞かず、ギアを纏ったのであった。

 

マリア「何をしているの!?あなたは」

 

セレナ「1人でなんて戦わせない、だってこの場には私もいる!」

 

マリア「それなら…早く片付けるわよ!」

 

セレナ「うん!」

 

 響達が駆け付けた頃には、カデンツァヴナ姉妹によってノイズはあまり残っていなかった。

 

響「マリアさん、セレナちゃん!ノイズは!」

 

マリア「もうデザートくらいしか残ってないわ」

 

クリス「甘いもんは嫌いじゃねえ!」

 

翼「一歩遅ければ終わっていたという所だな!」

 

切歌「残りも片付けるデス!」

 

調「これで仕上げ!」

 

 翼達は残ったノイズを全滅させた。

 

響「終わった?私は何にもしてないけど…被害がなかったなら、よかった!」

 

セレナ「最初は人通りが多かったからヒヤヒヤしました」

 

マリア「待って、気配がする…人じゃない!」

 

 気配の正体は、ネフィリムの影であった。

 

響「ネフィリム…!前に見た時より大きくなってる…!」

 

切歌「成長したデスか!?」

 

翼「まさか、ネフィリムが…。そうか、あちらで奪った聖遺物を喰らって成長を遂げたか」

 

マリア「こんなのにここで暴れられたら大変な事になるわ。一気に行くわよ!イグナイトモジュール、抜剣!」

 

 マリアはイグナイトモジュールを発動させたが、セレナはネフィリムの出現に恐怖で震えていた。

 

セレナ「ネ…ネフィ、リム……!私、足が…震えて…!」

 

調「セレナ…?後ろに下がってて。私がカバーするから」

 

クリス「お前とあたしでバラ撒けば、あれだって突っ込めやしないだろ!」

 

セレナ「あ、ありがとう…ございます…」

 

マリア「調、クリス!セレナをお願い。私達は!」

 

翼「紫電の刃をもって叩き斬るのみ!」

 

響「何が来たって私達が護るから!私もイグナイトで!」

 

 響達もイグナイトを発動させ、6人で一気にネフィリムを追い詰めたのであった。

 

切歌「よろめいたデス!あ、あれ…?」

 

 ネフィリムは消えてしまったのであった。

 

調「消えた…。影だからかな」

 

マリア「…そうでしょうね。この場では退けただけで充分かしら」

 

セレナ「ね、姉さん…ネフィリムは…いった…?」

 

マリア「ええ、いったわ」

 

セレナ「(…私、震えて何もできなかった…)」

 

マリア「みんな、セレナを護ってくれてありがとう」

 

響「もしもあいつがこのまま成長したら…」

 

翼「力を増し、成長を続けるネフィリム……放置すればいずれ大きな災厄となる…!」

 

マリア「そうなる前に討つしかない」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 そして、一同は本部に戻ってきた。

 

翼「司令、帰投しました」

 

弦十郎「再びネフィリムと交戦したようだな。一応、星矢達も万一に備えて近くで待機させていたが…」

 

紫龍「装者達だけでどうにかなると判断し、俺達は手出ししなかった」

 

響「それより、ネフィリムは前よりおっきくなってました」

 

切歌「消えちゃったのはやっぱり影だったからデスか?」

 

エルフナイン「恐らくですが、ダメージを受けた事でこちらへの干渉力が弱まったのだと思います。前にも一度ありましたが、その時と同じく、こちらに固着する前にダメージを与えた事で干渉力を失い、消えたと推測されます。ただ、もちろん向こうのネフィリムは健在だと思われます。あの状態は影のようなものなので、本体への影響は皆無かと…」

 

マリア「ネフィリムを倒すには、向こうで決着を着けるしかない、という事ね…」

 

沙織「聖遺物の摂食によるネフィリムの成長速度は未知数ですが、あのままネフィリムが完全体になってしまえば、大変な事になります」

 

クリス「あれ以上デカイのが街中で暴れたら、手が付けられないからな」

 

氷河「それに、高温を発するのであれば、絶対零度を超えた凍気を扱う俺の出番にもなる」

 

星矢「紫龍、超高温と超低温のぶつかり合いって、えらい事になりそうだな…」

 

紫龍「ああ…」

 

マリア「(ネフィリムとの最後の戦いの場に氷河がいたら、下手をするとネフィリムを完全に凍らせてしまってたかも知れないから、私達の出番がなくなってたわね…)」

 

弦十郎「その通りだ。戦って早々ですまないが、マリア君、翼、響君は急ぎ向こうへ渡る準備をしてくれるか」

 

響「はい!きっと次の聖遺物も狙ってます。瞬さんがいるとはいえ、あの研究所だってまた危ないかも」

 

翼「元より、すぐにも戻るつもりでしたので」

 

マリア「もちろん、異存はないわ」

 

エルフナイン「脅威が増した事でギャラルホルンがより強く世界を結べば、次はネフィリム本体がこちらに現れる事態となるかも知れません。もし、そうなれば…」

 

星矢「大丈夫だ。マリア達がそんな事態にはさせないだろうし、俺達もいる」

 

紫龍「俺達は元の世界で待機するから、すぐに行くといい」

 

 そこへ、セレナが来た。

 

セレナ「マリア姉さん…」

 

マリア「セレナ、どうしたの?」

 

セレナ「…ネフィリムはあれよりももっと怖い…姿に成長するの…?」

 

マリア「セレナ…。大丈夫。私が護ってあげるから、必ず…!」

 

 怖がるセレナを抱きしめるマリアであった。

 

 




これで今回の話は終わりです。
今回は元の世界での話と、並行世界の方での一輝と冥闘士の戦いを描きました。
並行世界のアイアコスがあっけなく一輝にやられたのは、『聖闘士に同じ技は二度通じない』理論で負けてしまったという事にしておいてください。それでも、アイアコスはプライドをズタズタにされて負けた原作と違い、一輝の前世の記憶を一時的に目覚めさせて錯乱させ、気を失わせるという最後の抵抗をして死ぬという末路にしました。
一輝の前世の記憶についてですが、ロストキャンバスを見ていれば何なのかがわかるはずです。
次の話は一輝が並行世界のアルテミスに出会うのと、マリア達が並行世界に再び向かう事となります。
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