セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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58話 これが私のメイド道!

S.O.N.G潜水艦

 

 メイド型ギアの変化に成功してから、再び実験の日になった。

 

弦十郎「それでは、心象実験の続きを再開しよう」

 

響「この間はうまくメイド型に変身できましたよね!」

 

弦十郎「ああ。心象変化には、ギアが必要とされる状況がキーとなるかも知れない…そういう新しい発見もあった」

 

調「今日は何をするんですか?」

 

エルフナイン「先日、皆さんのデータを精査してみたのですが、どうも出力が安定していないようなんです」

 

未来「ギアの出力が?」

 

エルフナイン「はい。同じギアを纏っているにも関わらず、まるで適合係数が低い状態のような」

 

弦十郎「緊急の戦闘には対応できたが、まだ何かが足りないという事だ」

 

響「師匠、足りないっていうのはやっぱり、私達のメイドに対する想いなんでしょうか!」

 

弦十郎「その通りだ。欠けている何かを掴む事ができれば、出力は安定するだろう」

 

響「メイドに対する想いかー……」

 

調「でも、これ以上、何をすれば」

 

未来「あくまでも聖闘少女は私達の目指すメイド像に近いだけで、そのメイド像自体がはっきりしてないから、ちゃんと変身できないのかも」

 

調「やっぱり、本物を知らないのがネックなんでしょうか?」

 

エルフナイン「明確なイメージがあった方が心象へ及ぼす影響は大きいのではと思います。和装型を発現した際のように、映像媒体による大量インプットでのイメージ形成は可能かと思いますが、いささか効率が…」

 

???「でしたら、新たな課題を与えましょう」

 

 そこへ、沙織と美衣が来た。

 

響「美衣さん!」

 

美衣「あなた達のメイド像がはっきりしないのであれば、見つめ直してみてはいかがでしょうか?」

 

未来「見つめ直す…」

 

響「美衣さん、ありがとうございます!行こう、二人とも!自分の中のメイドを見つめ直しに!」

 

調「ちょっと待ってください!」

 

沙織「善は急げですよ、二人とも」

 

 調たちはメイド像を見つめ直しに行った。

 

 

 

ふらわー

 

 早速、メイドを見つめ直しにふらわーへ来た。

 

詩織「なるほど。メイドとは何か、ですか」

 

調「はい。皆さんの中のメイドを教えてほしいんです」

 

創世「メイドを目指すって話、あれからまだ続いてたんだ」

 

響「いやー、相変わらずおばちゃんのお好み焼きはおいしいなあ!」

 

未来「響、みんなに尋ねてる所なのに」

 

詩織「久しぶりですからね。無理もありません」

 

弓美「メイドと言えば、奉仕の心!」

 

調「奉仕の心」

 

弓美「いついかなる時もご主人様に寄り添い、身も心も捧げていざという時はご主人様の盾になり命まで捧げる、それが」

 

創世「流石にそれはアニメ知識入り過ぎだって。奉仕の心って具体的に何?」

 

弓美「えっと、それは…。ご主人様のために色々頑張る、とか」

 

創世「曖昧だなぁ…」

 

響「おばちゃん、ミックスもう一つ!」

 

詩織「惚れ惚れするようなナイスな食べっぷりも、久しぶりに見られましたね」

 

おばちゃん「そうね。響ちゃんの食べてる所を見ると、このお店やっててよかったって思うよ」

 

響「おばちゃんは『奉仕の心』って何だと思う?」

 

おばちゃん「そうだねぇ。おいしかったって、満足して帰ってもらえるようにする事かな」

 

調「それならわかる気がします…」

 

 

 

リディアン 寮

 

 ふらわーで食事をした後、調は響と未来の部屋に来た。

 

調「おじゃまします」

 

未来「どうぞ。遠慮しないで」

 

響「よーし、おいしいものを作ろう。そしたらきっと、おばちゃんの言う奉仕の心がわかるはず」

 

調「でも、お料理は既に本部でしましたよね」

 

未来「おばちゃんの言ってたのは一つの例で、おいしいものを食べさせるばかりが奉仕じゃないだろうけど、それを足掛かりにして、理解を目指す事はできるんじゃないかな」

 

調「そうですね。この前は料理そのものが目的になっていたので、今回は誰かのために料理をしてみます」

 

響「ふんふん、二人とも頼りになるなー」

 

未来「持っていけるお弁当の方がいいかな…?」

 

響「おいしいお弁当、いいね…!食べたい!」

 

未来「…響も作るんだよ?」

 

響「私はほら、食べる専門の人、だから…?」

 

調「一緒に作れば大丈夫です」

 

未来「私も調ちゃんも手伝うから、ね?」

 

響「今度の戦場はキッチンだ…!」

 

調「色々と失敗をフォローしてもらったので、お弁当は沙織さんに渡しましょう」

 

未来「沙織さんは特に好き嫌いもなさそうだから、どうしようかな?」

 

 色々悩んだものの、沙織の好きそうな食べ物を入れた弁当を作った。

 

響「で、できた…!おいしそう…」

 

未来「だめだよ」

 

調「だめですよ」

 

響「わかってる、わかってるよ。…わかっていても、お腹の中の猛獣が!」

 

未来「だめだよ」

 

調「だめですよ」

 

響「うぅ…食べたい…!」

 

調「お野菜の炊き合わせとちらし寿司、和食で簡単なものになってしまいましたけど」

 

未来「その分、まとめて多めに作れたから、みんなに持って行こうか」

 

響「う、うん…!」

 

調「奉仕の心はまだ掴めませんでしたけど」

 

未来「渡しに行く時も、意識してみようよ」

 

調「…はい」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 S.O.N.G本部へ来ていた沙織が来るのを響達は待っていた。

 

調「お待ちしておりました、お嬢様」

 

沙織「皆さん、普段からメイドの心境に浸ろうとしているのですね?」

 

響「こうやって、少しでも奉仕の心を理解しようとしております。お仕事の合間にお呼び立てして申し訳ありません」

 

未来「それから、本日は奉仕の一環として私共がお嬢様にお弁当を作って参りました」

 

調「お口に合うかはわかりませんが、お昼にでも召し上がって頂ければと思います」

 

沙織「わかりました。わざわざ私のためにお弁当を作ってくれたあなた達の気持ちに応え、ありがたく召し上がります」

 

調「それから、ご奉仕のとしてお嬢様のお部屋をお掃除しようと思っているのですが」

 

美衣「(この子達の目は真剣そのものだわ…)」

 

沙織「わかりました。それもお願いします。そしてカギを渡しておきますね」

 

 沙織はS.O.N.G本部での自分の部屋のカギを渡した。

 

未来「かしこまりました。ありがとうございます」

 

 そして、昼になって沙織は弁当を食べた。

 

美衣「響さん達のお手製のお弁当はどうしでしたか?」

 

沙織「少し硬い野菜はありましたが、愛情を感じるものでした」

 

美衣「3人とも頑張って沙織様に作ってくれたみたいですね」

 

 そう言ってると、端末にメールが来た。

 

美衣「沙織様、画像のデータが添付されたメールが来ました」

 

沙織「掃除の結果はどうでしょうね?」

 

 見てみると、きちんと綺麗になっていた。

 

美衣「掃除の手が隅々まで行き届いているのが画像からでもわかりますね」

 

沙織「メイド型を目指している調さん達の覚悟や努力を感じます。美衣さんの指導のお陰でしょうか?」

 

美衣「さぁ、どうでしょうか?」

 

 

 

マンション

 

 次は、切歌の所へ向かったのであった。

 

切歌「お帰りなさいデス。実験の調子はどうデスか?」

 

調「お気遣いありがとうございます。私達は、まだまだメイドに至る途上です」

 

切歌「お、おっ…?ちょっとメイド感が出てきてるデスよ。でも、なんだかムズ痒いデスね…あはは」

 

調「僭越ながら、お嬢様に私共でお弁当を作って参りました」

 

響「召し上がっていただければ幸いです」

 

未来「お口に合うかわかりませんが」

 

切歌「手作りのお弁当デスか?ありがとうデス!お二人も、メイド感がビンビンに出てる気がするデス!あ、それから…実はあたしからも渡すものがあってデスね」

 

調「…?なんでございましょう」

 

切歌「あたしのは手作りじゃないデスけど…」

 

 切歌が見せたものに調が反応した。

 

調「これって…私が前から食べたいって言ってた」

 

響「駅前の限定スイーツだ!」

 

未来「あの大人気のお店…並んで買ったんだ」

 

切歌「調が頑張ってるから、応援したくて朝から頑張ったデスよ」

 

調「ありがとう。切ちゃん…あ、ありがとうございます、お嬢様」

 

切歌「3人分あるので、分けて食べるデス!」

 

響「ありがとう!じゃなくてありがとうございます」

 

未来「ありがとうございます」

 

調「私お嬢様に奉仕の心とは何かを、ひとつ教わったような気がいたします」

 

切歌「あたし、なんか知らない間に賢い事したデス?」

 

響「うん。手作りじゃなくても気持ちの篭ったものは嬉しい」

 

未来「手作りでおいしいと思ってもらうのは、やっぱり一つの形で」

 

調「相手が嬉しいと思ってくれる事をするのが、きっと奉仕の心…!」

 

切歌「調の役に立ててよかったデス」

 

調「また一つ、メイドに近づいた気がします」

 

 

 

市街地

 

 調達は残りのお弁当の数を数えていた。

 

響「お弁当はあと5つ」

 

未来「調ちゃんが切歌ちゃんに渡して何かを見つけたみたいに、私達もそれぞれ渡したい人に私に行くのはどうかな」

 

調「良いかも知れません。きっと、一緒に行動するばかりでは見えてこないものもあるから」

 

響「3人で見つけたものを合わせれば、きっと何かわかるよ。それじゃあ、自分がお弁当を渡したい相手の所に行こう!」

 

未来「うん。響、食べちゃダメだよ」

 

調「では、後で本部に集合しましょう」

 

調達「いざ、ご奉仕へ!」

 

 

 

城戸邸

 

 沙織に頼んで未来は城戸邸にいる星矢に弁当を渡す事にした。

 

星矢「どうした?未来」

 

未来「奉仕の心の一環として、手作りのお弁当をお持ちしました」

 

星矢「俺にお弁当か」

 

未来「うん。メイド型を使いこなすには、奉仕の心を学ばないとって。それに、沙織さんには既に渡したから、今度は星矢さんに渡そうと思いました」

 

星矢「沙織さんは既にもらったのか。で、俺に渡そうと思ったのは?」

 

未来「響と一緒に初めて沙織さんと星矢さんに会った時からかな?」

 

星矢「ああ、あの時か。思えば、1年前に響や未来に再び会ってから色々あったしな」

 

未来「私は予備装者って立場だから直接は力になれない。だから、これからも翼さんやクリスにみんなと一緒に危なっかしい響をフォローしてあげてほしいな…って」

 

星矢「何言ってるんだよ、未来。きちんと訓練を重ね、よく考えて答えを出せば沙織さんが正式な装者にしてくれるって約束したじゃないか。でも、感謝の気持ちは受け取ったぞ」

 

未来「ありがとうございます、星矢さん。って、星矢さんは私より年下なのに、年上に見えてしまうからついさん付けしちゃうなぁ…」

 

 そこへ、紫龍達も来た。

 

紫龍「年齢差は関係ないだろう。敬意があるのであれば、年下でも年上でも構わないじゃないか」

 

未来「紫龍さん…」

 

氷河「星矢、お前だけお弁当をもらうのはずるいぞ」

 

瞬「沙織さんは一足先にもらったそうだし…」

 

未来「(星矢さん達との会話で奉仕の心が何か一つ分かった気がする…。紫龍さんがさっき言った敬意…かな)」

 

 

 

公園(並行世界)

 

 一方、響は渡したい相手が並行世界にいるため、弦十郎に許可をもらって並行世界に来ていた。

 

響「というわけで。手作りのお弁当をお持ちしました」

 

奏「へえ、そっちはなんか面白い事やってるんだな」

 

響「やっぱり、私が一番感謝を示したいのは奏さんなので!」

 

奏「それはあたしじゃないって前にも言ったけど、ま、いいか。ありがと。やっぱ、素直に慕ってくれる後輩は可愛いもんだねぇ。よしよし」

 

響「えへへ。生きる事を諦めない大切さ、教えてもらいましたから!私、奏さんに繋いでもらったこの命で、これからももっとたくさんの人を助けたいです」

 

奏「人助けはそりゃいい事だよ。でも、あんまり気負い過ぎちゃダメだ。人間1人ではできる事には限りがあるから、護るも護られるも、託すも託されるも信頼だからな」

 

響「はい!翼さんと奏さんの関係も、信頼ですよね」

 

奏「翼も1人で頑張り過ぎるタイプだけどね。代わりといっちゃなんだけど、翼の事も見ておいてやってくれよ?」

 

響「勿論です!…そうか、信頼か」

 

奏「力になれたならよかったよ。しっかりやんな。あたしもまた、何かあったら行くから」

 

響「いつでも待ってます!」

 

 

 

マンション

 

 そして、調の方は…。

 

調「奉仕の心を知るために手作りのお弁当をお持ちしました」

 

マリア「私に?」

 

調「うん。マリアに感謝を示す事は当たり前の事で特別じゃないから、心象変化にはつながらないかも知れないけど」

 

マリア「ふふ、ありがとう、調。ありがたくいただくわね。…ところで、切歌にも渡したの?」

 

調「うん。切ちゃんにも渡してきた。お返しもらっちゃったけど…」

 

マリア「一緒に実験に参加した2人はどうしたの?」

 

調「それぞれお弁当を渡したい相手の所に行ったよ」

 

マリア「そう。3人で作ったお弁当なんて、楽しみだわ」

 

調「あんまり凝ったものはできなかったけど」

 

マリア「いいのよ。むしろ、普通の反応しかできなかったけれど…参考になったのかしら」

 

調「うん。マリアはちゃんと教えてくれた。また一つ、大切なものを見つけた(他人を敬う…配慮、なのかもしれない)」

 

マリア「大切なもの、それは?」

 

調「マリアがみんなの事をよく見てくれてる事が嬉しい。きっとそれが大事だと思う」

 

マリア「そう、力になれたならよかったわ。成長したわね…調」

 

調「マリア、お母さんみたい」

 

マリア「えっ!?あのね調、お母さんっていうのはちょっと…」

 

調「マリア、いつもありがとう」

 

マリア「ん……。私の方こそ、調と切歌がいつも傍にいてくれて、感謝してるわ。心象実験、頑張ってね。応援してるから」

 

調「うん。必ずエキスパートになってみせる」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 そして翼とクリスにも弁当を渡し終わり、調達は帰ってきた。

 

弦十郎「戻ってきたか、2人とも」

 

響「おかえり!」

 

調「集合に一番乗りなんて珍しいですね」

 

未来「あ、そうか。響は奏さんに…だよね」

 

響「うん!ちゃんと奏さんから大切なもの教えてもらったよ」

 

未来「私も。星矢さん達から」

 

調「マリアに教わりました」

 

弦十郎「思いをぶつけて、何かを掴んできたようだな!」

 

調達「はい!」

 

調「奉仕の心、それは」

 

未来「敬意と」

 

響「信頼と」

 

調「配慮…!」

 

弦十郎「ふ、なるほどな、よかろう。その自信があれば必ずメイド型の真価を発揮できるはずだ!」

 

エルフナイン「それでは明日、もう一度ギアの変化を試してデータを取ってみましょう」

 

調「うん。今度は大丈夫」

 

 そして次の日…。

 

エルフナイン「今日は再びギアの運用試験を行います。みなさん、準備をお願いします」

 

響「うん!」

 

未来「これまでに積み上げてきたものなら!」

 

調「気合十分」

 

弦十郎「家事能力と奉仕の心を併せ持つ真のメイドとして覚醒した君達なら、試練を乗り越えられるはずだ!」

 

調「はい!」

 

弦十郎「新たなギアの変化を習得したのはもちろんだが、心を学んだ事こそが一番の収穫だ。全力をもって訓練に臨んでくれ」

 

響「わかりました、師匠!」

 

未来「期待に応えて見せます!」

 

調「(気になる…。前に司令が言った『我々は人類のメイドのようなもの』ってどういう意味なんだろう?)」

 

 響達は訓練へ向かったのであった。そして、響達はシミュレータでノイズを蹴散らしており、その様子は弦十郎や星矢達も見ていた。

 

紫龍「エルフナイン、響達はどうだ?」

 

エルフナイン「確実に数値は上がっています。しかし」

 

弦十郎「まだ何かが足りないというのか…!」

 

エルフナイン「奉仕というのは相手がいて成立するものだと思います。つまり」

 

???「私の出番のようですね」

 

 声と共に沙織と美衣が来た。

 

弦十郎「沙織お嬢様!」

 

美衣「司令、主人役は沙織様しか務まりませんよ」

 

星矢「その通りだぜ。何しろ、沙織さんは女神アテナであると共に、グラード財団の前の総帥の光政に育てられた本物のお嬢様でもあるからな」

 

弦十郎「ちょうどいい所に来た。沙織お嬢様、主人役を頼みます」

 

沙織「ええ。では美衣さん、参りましょうか」

 

美衣「響さん達がどれほどのものか、私も楽しみになってきました」

 

 主人役を務める沙織や響達の成長がどれほどのものか間近で見たい美衣と共に調達の所へ向かった。

 

響「沙織さん!」

 

沙織「主人役は私が勤めます」

 

美衣「藤尭さん、背景の切り替えをお願いします」

 

朔也『それではシミュレータ背景、切り替えます』

 

 背景が切り替わった。

 

沙織「皆さん、準備はよろしいですね?」

 

調達「はい!」

 

沙織「では、ノイズを出してください。この身、あなた達に預けましたよ」

 

調「沙織さん…そこまで私達を信頼して」

 

沙織「当然ですよ。調さん達の覚悟は見てきました。身の安全を預けるのに充分値します。それに、私はこれまでの苦難を乗り越えてきたため、既に覚悟はできております」

 

未来「沙織さん…」

 

瞬『確かに、沙織さんはこれまでいろんな無茶をしてきたからね』

 

弦十郎『よし!前回よりさらにレベルを上げてシミュレータでの戦闘を再開する!』

 

朔也『は、はい!』

 

 前回よりも強いノイズが出現した。

 

響「ご機嫌は如何ですか!」

 

未来「誠心誠意で!」

 

調「ご奉仕致します!」

 

 3人は奉仕の心を持って沙織を護るため、ノイズを蹴散らしていった。

 

調達「忠実なメイドとして!」

 

未来「ご主人様のために!」

 

調「命を懸けて!」

 

 調達は手際よくノイズを蹴散らしていった。

 

氷河『何という光景だ、まるで手際よく家事をこなすように…!』

 

弦十郎「見事だ!だが、これはどうだ!」

 

 またノイズが出現した。

 

エルフナイン『全ノイズのターゲットを沙織さんへ集中させます。流石にこれは…ちょっと難しいでしょうか?』

 

弦十郎『どうかな』

 

 ノイズが迫っても沙織は動じなかった。

 

沙織「…頼みましたよ」

 

未来「お任せください!」

 

 ノイズの攻撃が沙織に届く前に未来はノイズの攻撃を受け止めた。

 

調「(敬意と)」

 

響「お嬢様、どうぞそのまま!」

 

 そして、調と響はノイズへ攻撃を仕掛けた。

 

沙織「はい」

 

調「(信頼と)お嬢様に降りかかる危険、すべて排除いたします!」

 

未来「全ては!」

 

響「お嬢様のためにいぃいいーっ!」

 

 沙織を護りながら調達は連係し、あっさりと大型ノイズを蹴散らしたのであった。

 

エルフナイン『すごい、護りながらの戦いであれほどの大型ノイズをあっさりと』

 

美衣「(見事なまでの成長ぶりです)」

 

調「お怪我はありませんか?お嬢様」

 

沙織「ありませんよ。あなた達のお陰で」

 

朔也『いえ、まだです!ノイズの攻撃でシミュレータ内のシャンデリアが!』

 

あおい『沙織お嬢様の頭上に』

 

 咄嗟に調はシャンデリアを弾いたのであった。

 

調「(配慮と)」

 

あおい『まるでディナーをサーブするように!』

 

調「失礼いたしました、お嬢様。肩に少々、埃が。お払いいたしますね」

 

沙織「ええ。あなた方はよく働いてくれました。感謝します」

 

響「ありがとうございます。お嬢様」

 

未来「私共メイドは、お嬢様あればこそでございますので」

 

 そして、訓練が終わって響達は発令所へ戻ってきた。

 

弦十郎「ご苦労だった。結果は上々だったようだな!今、エルフナイン君がデータを精査している」

 

調「はい」

 

響「さっきのはうまく動けたけど」

 

未来「メイド型のポテンシャルは発揮できたのかな?」

 

沙織「調さん達の奉仕は本当に見事でした」

 

美衣「よくぞメイドについて見つめ直す事ができましたね」

 

調「沙織さん…、美衣さん…。データを見なくてもわかります。その言葉で…私達はメイドになれたんだって」

 

エルフナイン「データの方も数値が大幅に上昇し、かつ安定しています。これで、心象実験は成功ですね」

 

弦十郎「ああ!」

 

星矢「それにしても響、未来、調、さっきのは凄かったぞ!」

 

紫龍「俺達の視点からでも、立派なメイドそのものだ」

 

未来「ありがとうございます、沙織さん、美衣さん」

 

沙織「私は大した事はしてませんよ。努力をしたのはあなた達自身なのです」

 

美衣「私からも合格を出せるレベルでしたよ」

 

エルフナイン「メイド型という新たな心象変化を実験室内で実現し、実戦投与可能な域にまで機能を高める事ができました。新型ギアの開発および運用に大きく前進できたかと思います。お疲れ様でした。ではこれで、今回の実験プログラムは」

 

調「待ってください。前に司令の言った、『我々は人類のメイドのようなもの』ってどういう意味なんですか?」

 

弦十郎「その事か。我々S.O.N.Gは市民を愛し、脅威から護り、その恐怖を取り除く心の支えとなるべく奉仕する存在だ。すべての人々を主人と思って奉仕すれば、メイドの精神はこれからの活動に必ずや役立つだろう。つまり、我々はみんな、メイドなんだ!」

 

調「なるほど…!」

 

響「師匠の言ってる事、全然わかりません!」

 

氷河「おいおい…」

 

未来「響、こういうのはフィーリングだよ」

 

弦十郎「はは、響君はそのままでも大丈夫さ」

 

 そのやりとりを沙織と美衣も聞いていた。

 

美衣「私達全員メイド、司令も随分と豪快に言いますね」

 

沙織「ええ」

 

美衣「調さん達にはこれらの経験はいい刺激になったようですね」

 

未来「あの…美衣さん、これから戦闘の訓練は美衣さんに依頼してよろしいですか?」

 

美衣「どうしてなのですか?星矢さん達に依頼してもよろしいのでは…?」

 

未来「その…女の人同士だと男の人では気付きにくい悩みとかも打ち明けやすいと思って…」

 

美衣「悩み…ですか。わかりました、未来さんの訓練相手は私が引き受けましょう」

 

沙織「熱心ですね」




これで今回の話は終わりです。
今回は調達が奉仕の心について学ぶ話となっています。
この話でエキスパートメイド編は終わり、次は夜空を舞う怪盗姉妹編となります。
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