セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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65話 ドラゴン型ギア

???

 

 ドラゴンを撃退した直後、一同はどうするか悩んでいた。

 

奏「どうする、あのドラゴンを追いかけるかい?」

 

クリス「ちょっと待て、こいつは…!」

 

 ドラゴンの返り血を浴びた奏達のギアが変化し、ドラゴンの意匠が入ったギアとなった。

 

氷河「これは…?」

 

調「ギアに変化が…どうして!?」

 

クリス「まさか、さっきの返り血が影響したって事か!?」

 

奏「そんな事が…」

 

クリス「って、何で氷河は聖衣が何も変化しねえんだよ」

 

氷河「俺は返り血を凍気で凍らせたから、浴びていない」

 

奏「そう言えば、そうだったな」

 

調「凄い…。ドラゴンの力が流れ込んでくるのを感じる!」

 

 ところが、異変を感じたのであった。

 

クリス「お、おい、ちょっと待て!う…これは!?」

 

調「これは…この感情は……!?」

 

 3人に凄まじい負の激情が流れ込んだのであった。

 

???『(壊せ…壊せ……踏み躙れ……)』

 

調「(まるで、世界を丸ごと憎んで砕こうとするような…激情……!)」

 

クリス「…ドラゴンの感情なのか…?」

 

奏「気をしっかり持て!緩めれば持っていかれる…!!」

 

調「う、あ……(ダメ…この破壊衝動…竜と炎の歌…激しく哀しい……。このままだと飲み込まれて)」

 

氷河「(これはまるで…イグナイトを初めて発動させた時のようだ…!)3人とも、破壊衝動に負けるな!負けてしまったらそこで終わりだ!」

 

調「氷河さん…」

 

切歌『調!負けちゃダメデス!』

 

 氷河の声に3人が反応した後、調には切歌の声が聞こえた。

 

調「!?そうだ、切ちゃんが待ってる…こんなものに、負けたりしない!はあああーっ!」

 

クリス「負けるかあああっ!」

 

奏「あたしを…舐めるな!」

 

 3人とも破壊衝動に打ち勝ったのであった。

 

氷河「大丈夫か?」

 

調「…はあ、はあ…大丈夫……です。危なかったけど……(…ありがとう、切ちゃん)」

 

奏「どうにか乗り越えられたね。それにしてもさっきのは……」

 

クリス「力と代償…こいつは、まるで魔剣ダインスレイフの呪いだな」

 

調「確かに、イグナイトと似ています」

 

奏「さしずめドラゴンの呪詛か」

 

氷河「見た限りでは、ドラゴンの力と激情を宿したドラゴン型ギアといった所だろうな?」

 

クリス「こんな変化もあるのか……」

 

奏「これほどの破壊衝動に身を焦がしているなんて……。あのドラゴンはどういう生き物なんだろうね…」

 

クリス「倒したら元の世界へ帰れたりしねーかな…。ミッションクリアとかで」

 

調「それこそ完全にゲームの世界……」

 

氷河「ドラゴンを倒す以外にも色々試してみてはどうなんだ?」

 

???「オーイ、ダレカー」

 

 突然、氷河以外の3人には声がした。

 

クリス「……今、声が聞こえたよな?」

 

調「もしかして研究所の人達……」

 

氷河「俺は聞こえないが……」

 

調「(氷河さんには聞こえない…?)」

 

奏「だとしたら助けないとね」

 

 

 

 

 一同は鎧の装着を解除し、森に来た。

 

氷河「俺は声が聞こえないんだ。本当にこっちでいいんだな?」

 

クリス「声がしたのはこのあたりのはずなんだけど…誰もいねーな」

 

 進んでいると、奏が何かを見つけた。

 

奏「待って、あそこに何かある。…鳥の入った籠…なんでこんな所に?」

 

調「文鳥ですね。さっきの声、まさかこの鳥が……」

 

クリス「ドラゴンが出てくる場所だからって、それはないだろ」

 

文鳥「ぴぃぴぃ」

 

氷河「ただの鳥みたいだな。クリス達に聞こえた声は気のせいだったか?」

 

クリス「確かに聞こえたぞ。それに、声がしたって事は、人間がここにいたって事だろ。まだ近くにいるはず…探すぞ」

 

 ところが、何かに気付いたかのように文鳥は反応した。

 

調「待ってください、鳥の様子が……怯えてる?」

 

 なんと、怪物が現れたのであった。

 

クリス「ちょ…何だこいつら!?まるで空間からにじみ出たみたいにいきなり現れた!?」

 

氷河「…完全な敵のようだ」

 

調「次々と集まってきている…」

 

クリス「何がどうなってんだよ、この場所は!」

 

調「ドラゴンの次は魔物……本当にゲームみたい…」

 

奏「襲ってくるのあんら、やるしかないね」

 

 奏達はギアを纏い、氷河は聖衣を纏った。

 

奏「景気よく行くよ!」

 

 奏は次々と魔物を蹴散らしていった。氷河の方も魔物を蹴散らしており、本人はいつもの力は出せないと言いながらも、その力は弦十郎ぐらいはあったのであった。

 

クリス「いつもの力が出せない状態でもオッサンぐらいはあるのかよ…」

 

奏「あいつらのいつもの力はあたし達は何百万人いても届かないぐらいはあるだろうな」

 

調「それでも凄い…」

 

クリス「それに、こいつらはさっきのドラゴンに比べりゃ、大した相手じゃねーしな!」

 

調「こんな相手に負けたりしない」

 

 クリスと調も魔物を蹴散らしていった。

 

調「…これで全部?」

 

奏「鎧袖一触って所だね」

 

クリス「ああ。ドラゴン型ギア…こいつの力はすげーな」

 

???「オイ、ユダンスルナ!」

 

クリス「今の声は…」

 

調「やっぱり誰もない…どこから…?」

 

 すると、氷河が何かに気付いた。

 

氷河「そこまでだ。どうやら、また敵が現れたようだぞ」

 

 今度は槍を持った鎧の騎士が現れた。

 

クリス「…おいおい、今度はどういう冗談だ?」

 

調「槍を持った、鎧の騎士…?」

 

クリス「ドラゴンと魔物の次は騎士かよ……」

 

 現れた騎士は槍を氷河達の方へ向けた。

 

調「槍を私達に向けた?」

 

奏「宣戦布告って事かね…」

 

 騎士は奏達に襲い掛かってきて、奏達は応戦した。

 

奏「全く、何者なんだか…。この地から、人間とは思えないね」

 

調「でも、さっきのドラゴンよりかは!」

 

クリス「ああ、まずは足を止めてやらぁ!」

 

 クリスと調は騎士の足を止めるために攻撃したが、騎士は攻撃を防いだ。

 

クリス「なっ!?あたしの攻撃を防ぎやがった!」

 

調「槍に触れたら…攻撃が弾かれた!?」

 

奏「……もう一度だ。次は3人で行くよ!」

 

 3人揃って攻撃を仕掛けたが、騎士は攻撃を防いでしまった。

 

調「やっぱり、攻撃が効かない!」

 

氷河「今度は俺が行く!」

 

 次は氷河が応戦した。氷河と騎士の戦いは氷河が優勢のようだった。

 

氷河「かなりやるな。だが、全く敵わない相手ではない!」

 

 力は落ちてはいても弦十郎ぐらいの強さであるため、奏達以上に戦えていた。

 

調「氷河さんの攻撃は無効化されてない…」

 

奏「奴の武器に、攻撃を無効化する力があるみたいだね…。でもそれ以外なら何とかなるみたいだ」

 

 氷河にかなり押されていながらも、騎士は氷河の凍気攻撃を槍捌きで防いだりしていた。

 

クリス「氷河の力が落ちているせいでくたばらねえみたいだ…」

 

奏「並の槍捌きじゃないね…手本にしたいくらいだ」

 

調「あの騎士の槍…魔剣グラムみたい…」

 

クリス「ん……言われてみれば、そうかもな。研究所で見たグラムと印象が似てる」

 

調「もしかすると……私達のギアがドラゴンの力だから、グラムの竜殺しの力で無力化されてて、氷河さんはドラゴンの力がないから無力化されないんじゃ…?」

 

クリス「おい、それじゃあたしらは強くなるどころか、こいつに対しては弱くなったって事か?」

 

奏「そりゃ大変だ」

 

クリス「大変どころじゃねーよ!」

 

???「アノキンイロノヤツニツタエロ、ホノオノコウゲキヲウケルナト」

 

調「またあの声…」

 

クリス「こんな時に何を」

 

氷河「動きを止めるぞ!ダイヤモンドダストォ!」

 

 氷河はダイヤモンドダストを放ったが、騎士は炎の技でダイヤモンドダストを打ち破り、炎は氷河を襲った。

 

氷河「うわあああっ!!」

 

調「氷河さん!」

 

奏「まずいぞ!さっきのドラゴンとの戦闘といい、この世界では氷河は炎の攻撃に弱くなってるみたいだ!」

 

???「トウゼンダ。アノキンイロノヤツハホノオノコウゲキ二ハムリョクダ」

 

クリス「どうすりゃいいんだよ!」

 

???「ドラゴンノコウゲキガキカナイナラ、ベツノモノデコウゲキシロ!」

 

奏「……別のもの…そうか!」

 

 奏は騎士に向かっていった。

 

奏「氷河、ここはあたしらが隙を作るから、その隙を突いてでかい一撃を喰らわせるんだ!」

 

氷河「わかった!」

 

 奏達は敵の隙を作るために攻撃を加え続けた。

 

調「私達の攻撃は効かないけど……」

 

クリス「氷河の攻撃なら通るはずだ!」

 

奏「氷河、でかい一発をぶつけろ!」

 

氷河「わかった!オーロラサンダーアタック!」

 

 奏達が作ってくれた隙を突いて氷河はオーロラサンダーアタックで騎士を氷漬けにしたのであった。

 

奏「思った通り、氷河の攻撃は効いてるぞ!」

 

クリス「だったら、あたしらは間接的に攻撃するしかねえな!」

 

 騎士への直接攻撃は氷河が行い、他の3人は木を切り倒すといった間接的な攻撃で騎士に攻撃し、倒したのであった。

 

クリス「…何とかなったな。流石にこれだけやれば動けないだろ」

 

奏「まあ氷漬けの上、これだけ木が乗っかってちゃね」

 

 ところが、騎士は氷を砕き、木を吹っ飛ばして立ち上がった。

 

クリス「あれだけ喰らってもまだ立ち上がるのかよ。流石に無事じゃねー様子だけど」

 

奏「このタフネス、ますます人間とは思えないね…。まあ、世の中には聖闘士やダンナみたいなのもいるけどさ」

 

クリス「…あんな非常識の塊を一般化するなよ」

 

氷河「俺達が非常識?まあ、そう思っても仕方ないが…」

 

 ところが、騎士は武器を納めた。

 

調「あれ?武器を納めて…今度は何だろう。敬礼?」

 

奏「みたいに見えるね」

 

クリス「そのまま動かなくなっちまったぞ」

 

奏「…ねえ、これってあたしらに力を貸すって事じゃないのか?」

 

調「戦って勝ったら仲間になる…。ゲームのイベントみたいですね…」

 

クリス「あのな、現実にそんな都合のいい話があるわけ……」

 

???「キシ、ナカマニナッタ!」

 

 またクリス達にしか聞こえない声が聞こえた。

 

クリス「またこの声…どこだ!?」

 

 声の主は文鳥であった。

 

氷河「俺には聞こえないがもしかすると…」

 

文鳥「オツカレ、ダッタナ」

 

クリス「鳥が人間の言葉を喋ってる!?」

 

 氷河には文鳥の言葉がわからないため、クリス達が話をする事となった。

 

クリス「……お前は何なんだ?ここはどこで、あの竜やこの騎士は一体何なんだよ!?」

 

文鳥「オイオイ、モウチョイヤサシクシテクレヨ。キシニカテタノハ、オレッチノアドバイスノオカゲダロ」

 

クリス「くっ…」

 

奏「気持ちはわかるけど、貴重な情報源だろ?ゆっくり話を聞いてやろう」

 

調「そうですね。でもこのギアの負担もあるし、一旦変身を解いて」

 

 変身を解いた途端、文鳥が何を言っているのかわからなくなった。

 

調「あれ?鳥さん、どうしたの?」

 

氷河「どうしたんだ?鳥の言ってる事がわからなくなったのか?」

 

調「もしかして…」

 

 もう一度ギアを纏ってみると、文鳥の言ってる事がわかった。

 

文鳥「オイオイ、イツマデモチンタラシテンジャネーヨ」

 

調「…そっか。この鳥さんが話してるんじゃなくて、ドラゴン型ギアが翻訳してくれてるんだ…」

 

氷河「だから、俺には鳥が何を言っているのかわからなかったのか…」

 

クリス「どういう事だ?ギアを纏ってないとこいつの声は聞こえねーのか?」

 

調「ただの泣き声にしか聞こえませんでした」

 

奏「鳥と話す能力……ずいぶんファンタジーなギアだね」

 

クリス「それなら、こいつは普通の鳥なのか?」

 

文鳥「フツウトハ、チョッチチガウ。オレッチハ、ケンキュウジョショチョウノペットダ」

 

調「な……」

 

氷河「どうしたんだ?」

 

調「この鳥は研究所所長のペットだそうです」

 

氷河「ペットだって?」

 

文鳥「オシエテヤルヨ。シリタインダロウ、ナニガオキタノカヲ」

 

クリス「…研究所の人間はどこへ消えた?あそこで何が起きたんだ?」

 

文鳥「グラムノキドウジッケンダ。キドウジッケンノジュンビチュウ二、グラムガボウソウシタ。シュウイノモノヲアヤツルヨウニヒキヨセテ、ツカニフレタモノハキエテシマッタ」

 

奏「あたしらと同じか」

 

調「ここはどこなの?」

 

文鳥「トバサレテキタケンキュウインタチハ、グラムガツクリダシタトクシュナクウカンデハナイカ、トイッテタ」

 

クリス「グラムが創った特殊空間…か。で、元の世界へ帰る方法は?」

 

文鳥「コノクウカンヲササエルグラムノチカラノショウテンヲハカイスレバモドレルハズダ、ト」

 

調「空間を支えている焦点…?」

 

文鳥「ヨウハ、コノクウカンノボスッテコトダ」

 

クリス「ボスを倒せばって…。いよいよゲームだけど、わかりやすくていいな」

 

奏「研究員たちはあたし達より詳しいだろうし、信用していい情報かもね。問題は、そのボスってのが何かだけど…」

 

クリス「普通に考えたら、あれだよな。サイズ的にも」

 

調「あのドラゴン…」

 

奏「確証はないけど…その可能性は高いね」

 

クリス「よし、やる事は決まったな。他にボスのあてもねーし」

 

奏「となれば、さっき逃がしたドラゴンを追おうか」

 

氷河「傍で聞いてたが、ドラゴンを倒すので決まりだな?」

 

クリス「ああ、そうだ」

 

 一同はドラゴンの方へ向かった。

 

調「ドラゴンが向かったのはあの古城の方でしたよね?」

 

クリス「さっさと見つけてやる。いつまでもこんな空間で油売っていられねーしな」

 

氷河「そうだな。ここから出られる可能性が少しでもあるのなら、すぐに見つけよう」

 

奏「あの図体だ。看板背負って歩いてるようなものさ」

 

 騎士はずっとついて来ていた。

 

調「…さっきの騎士、ずっとついてきてる」

 

奏「勝者に従う忠義の騎士、ってとこかな?」

 

氷河「そうとも限らんぞ。念のため、警戒しておいた方がいい」

 

調「仲間になったって鳥さんは言ってましたけど…」

 

奏「何もしゃべらないからどういうつもりかわからないけど、とりあえず仲間って事にしとこうよ」

 

クリス「…そういや、研究所の連中はどこいったんだ?まさか全員ドラゴンに…」

 

文鳥「ケンキュウインタチハマモノニオソワレテ、ドコカニゲテイッタ。オレッチヲオイテ…」

 

クリス「不測の事態だったんだろうな…」

 

文鳥「シカタガナイカラ、オマエラトコウドウヲトモニシテヤル。ヨカッタナ、オマエラ」

 

 鳥は騎士の肩にとまった。

 

調「あ、鳥さんが騎士の肩にとまった」

 

氷河「止まり木の代わりか」

 

文鳥「ハヤクショウテンヲサガセ」

 

クリス「ったく、マジで口の減らない鳥だな…」

 

 そして、一同は古城の辺りに来た。

 

調「これ、ドラゴンの足跡じゃないですか?これを辿って行けば…」

 

奏「ふふ、何だか楽しそうだね?」

 

調「そうですか?…でも、確かにこんなゲームみたいな状況を楽しんでいるのかも。……切ちゃんが一緒だったら、もっと楽しかったのにな」

 

クリス「元の世界へ帰れたら、ドラゴン退治を土産話にすりゃいいだろ」

 

調「はい、そうします」

 

奏「さすが、先輩は優しいな」

 

クリス「な、何言ってんだ!そんなんじゃねーよ!」

 

氷河「それは大概そうしているお前が言えた事か?」

 

クリス「余計な事を言うんじゃねえ、氷河!」

 

文鳥「マジメニヤレ、マジメニヤレ」

 

クリス「おい、それ以上無駄口叩くとここに置いて行っちまうぞ!」

 

氷河「そんな暇はないようだ…」

 

 森の方で見かけた魔物が出現した。

 

調「さっきの魔物!」

 

氷河「ここは俺がやる」

 

 氷河が出て、魔物の群れを片付けていった。それと同じように騎士の方も魔物を蹴散らしていた。

 

氷河「あいつ、敵を倒すたびにどんどん動きが速くなっているぞ」

 

クリス「まるで、敵を倒してレベルアップしてるみたいだな」

 

奏「こりゃ、楽できるな」

 

 そして、魔物を全滅させたのであった。

 

調「足跡はこのあたりに続いています」

 

奏「ここが巣なのかな」

 

クリス「ドラゴンはどこだ…?」

 

 すると、騎士は反応したのであった。

 

氷河「何かに反応したみたいだぞ」

 

奏「あれは……ドラゴン!」

 

 騎士が反応していたのはドラゴンであった。そして、騎士は真っ先にドラゴンに攻撃した。

 

クリス「あたしらをおいて一番槍を決めやがった!後れをとっていられるかよ!」

 

調「力を増したドラゴン型ギアの攻撃なら、ドラゴンにも通用するはずです」

 

氷河「だったら、俺達も行くぞ!」

 

 氷河達もドラゴンへ攻撃したが、装者達の方は違和感を感じていた。

 

クリス「ああ、手ごたえはある…。だけど何だ、この違和感は!?」

 

奏「くぅっ!これはドラゴン型ギアの効果なのか?一撃ごとに、切り裂くごとに…」

 

調「ドラゴンの感情が、憎悪が…流れ込んで…くる…?」

 

???『(また、我の負けなのか、一体何度倒されればいいのだ……?無限に戦い続け、無限に敗北し続ける…。その悲痛、繰り返す運命を変えられない。未来永劫、敗北し続けなければならない……。憎い…憎い…、『竜殺し』め!)』

 

調「あ、騎士が…」

 

 ある程度ダメージを与えた所で、騎士はドラゴンに止めを刺し、返り血を浴びたのであった。

 

クリス「ドラゴンの心臓を一突きにしやがった…!?」

 

調「ドラゴンが憎んでいるのは…」

 

奏「ああ、そうだ。今ならわかるよ…。あの騎士こそ戦い続け、勝利し続ける者…竜殺しの騎士!」

 

氷河「どうやら、そいつを倒さなければ出られないようだな」




これで今回の話は終わりです。
今回は奏達のギアがドラゴン型に変化するのと、鎧の騎士がドラゴンを倒すまでを描きました。
謎の空間に来た氷河はいつもより力が落ちている上、炎の攻撃に弱くなっていましたが、前回でもあとがきであった通り、たまには聖闘士が何らかの原因でいつもの力を出せないシチュエーションがあってもいいと思ったからです。もっとも、力が落ちている状態でもOTONAこと弦十郎ぐらいはありますが。
次の話はいよいよ竜殺しの騎士との決着を描きます。

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