セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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72話 怒りのカンフー三姉妹!

S.O.N.G潜水艦

 

 そしてしばらく経った後、発令所に3人が集合していた。

 

弦十郎「揃ったな。準備はいいか?」

 

切歌「ばっちりデス!」

 

クリス「ああ、新しい修業に向けて気合い十分だ」

 

奏「でも、どんな事をするんだい?何とか心象変化できたとはいえ、出力不足だったわけだし…」

 

弦十郎「ああ。戦う事だけを意識しても、見せる事だけを意識しても、うまくいかなかった。ならば、その両方を同時に行うまで!映画を撮るぞ!」

 

切歌「えーっと……どういう事デスか?」

 

弦十郎「カンフー映画は、本格的な戦闘と人に見せるためのエンターテイメント性が融合した素晴らしい作品だ!その出演者となる事で、効率的にチャイナ型ギアの出力を上げようとしう訳だ」

 

クリス「それっぽい理由並べてるけどよ、要はオッサンの趣味にあたし達を巻き込みたいだけじゃないのか…?」

 

弦十郎「そんなわけないだろう。俺が考えているのは、常にお前達の成長だ!」

 

クリス「……本当かよ…?」

 

奏「いいじゃないか。地道に修行をするより楽しそうだ!」

 

切歌「一度映画に出てみたかったデス!」

 

クリス「こっちはすでにやる気かよ……。でも、映画を作るとなると大変じゃないのか?よくわからないけど、セットとか機材とか」

 

弦十郎「心配はいらない。今回の目的はあくまでも出力の引き上げ。映画の撮影をするとは行ったが、形式的なものだ。撮影はすべてシミュレータルームで行う。だがもちろん、お前達にやる気があれば、本格的な機材をそろえるぞ!」

 

クリス「いや、適当なやつでいい…」

 

弦十郎「そ、そうか……。では、撮影を開始するぞ。台本は各々確認しながら進めるんだ(童虎はどういった役者を集めてきてるのだろうな…)」

 

 事前に弦十郎は童虎に役者を集めてくるように頼んでいたのであった。そして、撮影が始まった。

 

エルフナイン『っここは、とある時代の中国。』

 

切歌「いきなり謎のナレーションデス!?」

 

奏「聞いた事のある声だね」

 

エルフナイン『物語の主人公は、寺に拾われ、育てられた奏、クリス、切歌の3姉妹。3人は父の仇である暗黒街のボスを倒すため、麻薬捜査官となって日々修業を積んでいた……』

 

クリス「……色々盛り込み過ぎじゃねえか?」

 

奏「ダンナが用意した台本だからねえ。カンフー映画の設定がツギハギされてるようだ……」

 

切歌「姉上!」

 

奏「ん?」

 

切歌「姉上!もう修行の時間デスよ!もっと強くなって父の仇を必ず討つデス……!」

 

奏「あ、もう始まってたのか?」

 

クリス「入り込むの早すぎんだろ!」

 

 そして、物語の日数でしばらく時が経過し、ある日の事となった。

 

エルフナイン『ある日、3姉妹は偶然見つけた洞窟で運命的な出会いを果たす……』

 

切歌「そ、そこに誰かいるんデスか?」

 

 そこには、謎の男を演じる弦十郎の姿があった。

 

弦十郎「……こんな所に人が来るのは珍しいな。俺を痛めつけに来たか、それともよほどの物好きか」

 

クリス「オッサンも登場すんのかよ」

 

奏「こっちも既にだいぶ入り込んでるね……」

 

切歌「……クリス先輩、出番デスよ」

 

クリス「う……やればいいんだろ!えっと……ど、どうしたんだー?」

 

切歌「もっと感情を込めてやるデス!あたし達は復讐に燃える3姉妹なんデスよ!」

 

クリス「わかったよ!どうしたんだ?鎖に繋がれて…何かあったのか?」

 

弦十郎「ただの物好きのようだな。俺は、あまりの強さ故に寺の者から打止めれ、騙されてここに繋がれてしまったんだ」

 

切歌「すると、達人デス!?」

 

弦十郎「そう呼ぶ者もいたな」

 

奏「……」

 

切歌「次デスよ」

 

奏「あ、次はあたしか。へえ、可愛そうに…。なあ、この人に食べ物を持ってきてやらないか?」

 

 3人は食べ物を持ってくる事にした。

 

切歌「食べ物どうぞデス」

 

弦十郎「いいのか?」

 

奏「ああ。こんなところで繋がれていたらお腹がすいて可哀想だろ?」

 

弦十郎「本当に物好きな奴等だな。気に入った!お前らに、俺のカンフー扇を伝授してやろう」

 

切歌「嬉しいデス!これからは師父と呼ばせてもらうデス!」

 

クリス「なあ、これっていつまで続くんだ?」

 

奏「さあ…?ハッピーエンドになるまでじゃないか?」

 

 それから、修行の日々が始まったのであった。

 

弦十郎「さあ、特訓だ。お前達にはあれと戦ってもらう」

 

切歌「あれって…さては木でできた人形デスか!?」

 

クリス「そういやそんなシーン見た事あるな……」

 

奏「来たぞ!あれか!」

 

 来たのは中華コスプレのノイズであった。

 

クリス「ただのノイズか。でもちょっと期待はずれだな」

 

奏「そういうなよ。普通の特訓がしたかったんだろ。せいーっ!」

 

 早速、奏はノイズの1体を倒した。

 

クリス「それもそうだな!いつも通り、蹴散らしてやる!」

 

切歌「父の仇を討つために、やってやるデス!」

 

 クリスと切歌もノイズを蹴散らしたのであった。

 

エルフナイン『こうして3姉妹の厳しい修業が始まったのだった』

 

 作中の時間は過ぎていった。

 

エルフナイン『数々の特訓を経て、3姉妹はめきめきとカンフーの実力を上げていったのだった…』

 

奏「鷹拳、ハアーッ!」

 

切歌「蟷螂拳、ハイーッ!」

 

クリス「猫拳、ヤアーッ!」

 

 そして、発令所に一同も来たのであった。

 

沙織「見に来てみましたが…」

 

翼「これは、一体何を?」

 

マリア「えっと、学芸会かしら……?」

 

エルフナイン「これは弦十郎さんの考案した特訓なんです。映画の世界に入り込む事で、より心象を強くする狙いがあります」

 

響「全然わからないけど、3人でカンフー映画を撮りながら特訓をしてるんだね!」

 

星矢「見た感じじゃ、そう考えるのが妥当だろうな」

 

調「雑技団のステージの次は映画……」

 

未来「なんていうか、弦十郎さんって感じだね」

 

氷河「2日ぶっ続けで映画を見せるぐらいだからな」

 

マリア「そういえば、その司令はどこへ行ったの?」

 

エルフナイン「大事な役があるので、準備にいっています。もうすぐ登場すると思いますよ」

 

響「師匠も登場するんだ。早く出てこないかなー」

 

 そう言ってると、童虎が来た。

 

紫龍「老師!」

 

瞬「また来たんですか?」

 

童虎「まあな。ちょっと弦十郎に頼まれて役者を連れてきたのじゃ」

 

紫龍「いくら何でも老師、聖闘士が映画撮影に参加するというのは……」

 

童虎「相変わらず固いのう、紫龍。もうちょっと人生を楽しまんか!」

 

 そんな中、連絡が来た。

 

弦十郎『響君、来ていたんだな』

 

響「あ、師匠!お疲れ様です」

 

弦十郎『実はこちらの準備に時間がかかってしまっていてな。よかったら未来君と一緒に響君も参加してくれないか?』

 

響「え、私と未来が……?」

 

 その頃、3人は修行により、新しい技も体得した段階だった。

 

切歌「新しい技を体得したデス!師父、師父ーどこデスかー!?」

 

 いつもの洞窟にいた弦十郎はいなくなっていた。

 

切歌「鎖が外されてるデス…師父はいったい、どこへ…?」

 

 困惑している切歌の所へ奏とクリスが来た。

 

奏「大変だ!」

 

切歌「姉上達。師父がいなくなってるデスよ!」

 

奏「それよりも今、すごく悪い暗黒街のボスが街で暴れてるみたいなんだ!」

 

クリス「そしてそいつは、あたし達の父の仇だ!……めちゃくちゃ説明くさいセリフだなこれ」

 

切歌「父の仇が…。師父の行方は気になるデスけど…、そんな事言ってる場合じゃないデスね。今こそ体得した奥義を使う時デス!」

 

奏「ああ、暗黒街のボスを倒して父の無念を晴らしてみせる!」

 

クリス「負けるわけにはいかねえな!」

 

 3人は暗黒街のボスが現れた場所へ向かった。

 

奏「暗黒街のボスが現れたのはこっちだ!」

 

切歌「一気に攻め込むデス!」

 

???A「へっへっへ…ボスの元にはいかせねえ…!」

 

???B「あなた達は志半ばで倒れるのだから…」

 

 邪魔しに現れたのは響と未来だった。なお、弦十郎からのオーダーがあったためか、響は並行世界の響のようにマフラーで口元を覆っており、未来はフロンティア事変時のようにバイザーを閉じていた。

 

切歌「響さんと未来さんデス!?」

 

クリス「なんでお前らが出てくるんだよ!?」

 

エルフナイン『3人の前に現れたのは、リツ・カキョウとシャオ・ヒュウガ。暗黒街の悪人です』

 

響「そうだよー、めちゃくちゃひどい事をする悪の拳士コンビなんだよー」

 

未来「うふふふっ、あなた達はここでお陀仏よ!」

 

切歌「まさか…響さんと未来さんが実は悪の配下だったなんて……」

 

奏「台本、台本だから」

 

クリス「にしても、あたし達よりノリノリなのがなんか腹立つな」

 

響「順番に葬ってやる。最初はどいつが相手だ!?」

 

奏「1対1か、それならあたしが行ってやるよ」

 

クリス「頼んだぞ」

 

切歌「頑張るデス、姉上!」

 

未来「うふふ、家族があとで吠え面をかいても知りませんよ…」

 

 奏と響はぶつかり合った。

 

奏「やあーっ!はっ!はあっ!」

 

 何発かはかわされたが、半分ぐらいは攻撃を当てていた。

 

響「くっ!やるな、だけど!はっ、たあっ、えぇい!」

 

 響は反撃したものの、奏に攻撃を弾かれたのであった。

 

奏「ちっちっちっ、あたし達は厳しい修行を潜り抜けてきたんだ」

 

切歌「そうデス!悪の拳士なんかに負けないデス!」

 

クリス「ああ、この日のために武術の腕を磨いてきたんだからな!」

 

 その後もぶつかり合いは続いた。

 

響「確かに、少しはできるようだな…。それでも、私には勝てない!」

 

奏「ふっ、それは負け惜しみかい?」

 

響「へっへっへ、違うね!」

 

未来「私がいる事を忘れてもらっては困るわよ!」

 

 奏と響の戦いの最中、突如として未来が奏の背後から攻撃してきた。

 

奏「うっ、ぐう…っ!不意打ちとは…」

 

 響と未来の挟み撃ちで奏はダウンしてしまった。

 

クリス「1対1の勝負じゃねえのかよ、卑怯だぞ!」

 

響「へっへっへ、悪の拳士は卑怯がウリなのだ!」

 

未来「だから、私達に正々堂々は通じないのよ」

 

 そして、手下のノイズが出てきた。

 

クリス「手下まで出しやがって、ちくしょう、バカだと思って油断してたな…!」

 

切歌「騙し討ちで姉上を…!もはや許しておけないデス!」

 

響「もう遅い!お前達もまとめて片付けてやる!」

 

 ノイズが襲い掛かってきた。

 

クリス「こんな連中であたしらを!」

 

切歌「倒せるものかデス!」

 

 2人はノイズを蹴散らしたのであった。

 

未来「手下は役に立たなかったみたいね」

 

クリス「こいつはあたしが引き受ける!お前が決めるんだ!」

 

 クリスは未来との戦闘に入った。

 

切歌「はいデス!」

 

 切歌は響との戦闘に入り、華麗に攻撃を当てたのであった。

 

響「なっ!速い…!」

 

切歌「これがあたしの…怒りの鉄拳デス!」

 

 そして、響は倒されたのであった。

 

響「ぐあああーっ!」

 

切歌「あたしの技を見たかデス」

 

 同じ頃、未来もクリスにやられたのであった。

 

未来「私が倒されるなんて…!」

 

クリス「へっ、ざまあみろってんだ」

 

響「くっ、やるな…、このあたし達がやられるとは…」

 

未来「だけど、ボスはこんなものじゃないわ…。あなた達では、絶対に勝てない…!」

 

 響と未来は倒れたのであった。その様子は発令所にいる面々も見ていた。

 

マリア「けっこう迫力があって面白いわね。クリスも意外とノッてるみたいだし」

 

美衣「そうですね。ですが…、響さんと未来さんはあっさりやられてしまいましたね…」

 

調「迫真の三下悪役演技でした」

 

紫龍「そして、次はいよいよ暗黒街のボスとの戦いのようだな」

 

翼「き、気になる…!ボスとは一体…このあとの展開はどうなるんだ!?」

 

童虎「気になるのはわかるが、あえてネタバレ防止という事で楽しみにしておくのも一考じゃぞ」

 

星矢「しかし、老師がネタバレとかいう昔にはない言葉を言うなんてな」

 

童虎「若き聖闘士がそういった事を口にするのを聞いとってのう、自然と口に出して言えるようになったのじゃ。さて、続きを楽しもうかのう」

 

 3人は悪の拳士コンビを倒したのであった。

 

エルフナイン『リツ・カキョウとシャオ・ヒュウガを倒した3人は、いよいよ暗黒街の中心に乗り込むのだった』

 

クリス「えーと…姉上、怪我は大丈夫なのか?」

 

奏「ああ、これくらいで休んでられないよ。3人で父の仇を討つんだろう?」

 

クリス「そうだな。これが最後の戦いだ…!」

 

切歌「見ててください、師父。師父の教え、すべて相手にぶつけるデス!」

 

 3人はボスの根城の前に来たのであった。

 

奏「いよいよだな。この塔がボスの根城か」

 

 その根城とは、カ・ディンギルであった。

 

クリス「ってカ・ディンギル!?もっと他になかったのかよ!」

 

???『ククク…よく来たな』

 

切歌「この声は…!?」

 

???『この塔には、1階ごとに武術の達人が待ち構えている。この俺……暗黒街のボスは最上階で待っている。俺に会いたければ、すべての達人を倒しあがってこい!』

 

奏「なかなか燃える展開じゃないか」

 

切歌「最後の戦い、気を引き締めていくデス……!」

 

 塔に突入した3人だが、最初に待ち構えていたのはデスマスクであった。

 

デスマスク「ふははははっ、最初の達人はこの俺だ。俺を倒さない限り、お前達は上へは行けんぞ」

 

クリス「デスマスクまで出てるのかよ!」

 

 デスマスクが出演していた事に発令所でも一同が驚いていた。

 

紫龍「老師、あなたが連れてきた出演者というのはデスマスクなのですか!?」

 

童虎「いかにもそうじゃ。結構デスマスクは映画の悪役にも向くと思ってな。他にも何人か黄金聖闘士をあの塔の達人役として連れてきたのじゃ」

 

星矢「確かにデスマスクは映画の悪役に向いてるけど…」

 

 最初の達人、デスマスクに3人は挑んだ。デスマスクは映画の事を既に聞いており、きちんと台本通りにやられてみせたのであった。

 

奏「手強かったな…!」

 

デスマスク「へっ、まだ達人たちが残っているぞ…。どうせ、お前らはボスの元へ辿り着けはしないだろうがな…!」

 

 そういってデスマスクは倒れたのであった。そして、次の階ではアフロディーテが待ち構えており、華麗な薔薇の舞に苦戦しながらも倒したのであった。

 

アフロディーテ「なんと、技も志も華麗な…!」

 

 3人を賞賛し、アフロディーテは倒れた。さらに次の階ではアルデバランが待ち構えており、猛攻を避けながら倒した。

 

アルデバラン「ぬぐっ!…見事だ……」

 

 そう言ってアルデバランは倒れた。そして、ボスのいる階の直前の階で待ち構えていた慎次も倒したのであった。

 

慎次「見事です…」

 

切歌「ハァ、ハァ……!恐ろしい強敵ばかりだったデス」

 

クリス「まさか忍者が待ち構えているとは思わなかった……」

 

奏「でも次はいよいよ最上階だ。みんな、準備はいいかい?」

 

切歌「もう覚悟は決まってるデス。さあ、開けるデス…!」

 

 遂に3人は最上階まで来た。

 

???「よくここまで来られたな…」

 

切歌「出たデスね!」

 

奏「お前が暗黒街のボスか!」

 

 その場にいたのは弦十郎であった。

 

弦十郎「そうだ!俺がメチャクチャ悪い暗黒街のボスだ!」

 

切歌「な、なんで師父が……!?」

 

クリス「どういう事だ……?」

 

弦十郎「はっはっは、騙されていたとも知らず、愚かな弟子たちだ」

 

奏「最初から、あたし達に嘘をついてたって事か…?」

 

弦十郎「ああ、洞窟に封印されていた理由は、俺が禁を破ったからだ」

 

クリス「じゃあ、なんであたし達に修行をつけてくれたんだ!?」

 

弦十郎「ふっ、お前達を利用してあそこから脱出するために決まっているだろう?」

 

奏「これまで過ごした時間はゼンブデタラメだったのか……」

 

弦十郎「お前達との時間は楽しかったよ。だが俺は元々、根っからの悪党でな」

 

切歌「く、くうっ…!これだけは聞かせてほしいデス。なぜ父を殺したんデスか!」

 

弦十郎「奴が俺の裏取引に邪魔だった。それだけだ」

 

切歌「……それが聞ければ充分デス。師父…、覚悟するデス!」

 

弦十郎「よかろう、返り討ちにしてくれる!」

 

奏「行くぞ!はああーっ!」

 

 一方、発令所では…。

 

翼「くっ、そんな理由であの者達の父を…、なんてひどい奴なんだ!」

 

マリア「ね、ねえ翼。一応だけどコレ劇だからね?」

 

翼「もちろんわかっている!だからとて、あの者達の父を殺す理由にはならないだろう!」

 

 翼は完全にのめり込んでいた。

 

調「翼さん、完全にはまっちゃってる…」

 

星矢「のめり込んでしまってるな」

 

瞬「続きを見ようか」

 

 奏は弦十郎に一撃を加えたが、弾かれてしまった。

 

弦十郎「腰が甘いな!」

 

クリス「アドバイス入れてる場合かよ!」

 

 クリスの攻撃も弾かれてしまった。

 

弦十郎「ははは、所詮、お前達は俺の弟子だからな!」

 

切歌「鍛えてくれた事には感謝してるデス。でも!あたしは父の仇を討つために修業してきたんデス!」

 

 切歌の攻撃でさえ弾かれた。

 

切歌「今からでも心を入れ替えて積みを償うデス!」

 

弦十郎「まだそんなに甘い事を言っているのか。できない相談だな。言っただろう?俺は根っからの悪党だと」

 

奏「はあーっ!」

 

クリス「まとめて持っていけ!」

 

 奏とクリスの同時攻撃さえも弦十郎は弾いたのであった。

 

弦十郎「はあーっ!」

 

 そして、反撃したのであった。

 

奏「うぐっ!つ、強い…!」

 

クリス「酔拳の時とは比較にならないぞ…!」

 

切歌「あたしは本当は戦いたくないんデス!師父、目を覚ますデス!」

 

 切歌の攻撃も弾かれた。

 

弦十郎「目を覚ますのはお前達の方だ。これが勝ち目のない戦いだとな!」

 

 そのまま弦十郎は反撃し、切歌をダウンさせた。

 

奏「大丈夫か!くそっ、どうやったら勝てるんだ…?」

 

クリス「さっきのでダメなら、もっと早く、もっと強くだ!」

 

 その言葉通りに攻撃を加えたら、弦十郎に効いた。

 

弦十郎「くっ、やるな。さすが俺が育てただけはある。だが!」

 

 弦十郎は反撃し、クリスと奏をダウンさせた。

 

切歌「姉上!」

 

弦十郎「ふっ、このまま止めを刺してやる!」

 

切歌「あたしは師父を信じていたかったデス。でも、姉上達を傷つけるのは許せないデス!」

 

弦十郎「そうこなくちゃな。さあ、決着をつけるぞ!これで終わりにしてやる!」

 

切歌「あたし1人では、師父に敵わないデス。でも…!」

 

 クリスと奏は立ち上がった。

 

クリス「3人の力が合わされば!」

 

奏「師父を超える事だって、できるはずだ!」

 

弦十郎「お前達…まだ立ち上がる事ができたのか…!いいだろう、受けて立ってやる。弟子の成長を見るのは師の務めだ!」

 

切歌達「はあああーっ!」

 

弦十郎「おおおおおーっ!」

 

 3人の全力の同時攻撃と弦十郎の攻撃がぶつかったが…

 

弦十郎「バカな…ぐふっ!俺の負け、だ……」

 

 そう言って弦十郎はダウンしたのであった。

 

切歌「師父」

 

弦十郎「ううっ、この俺が敗れるとは…。成長したな……止めをさせ」

 

切歌「父の仇でも師父は師父。あたしと一緒に寺に戻ってほしいデス!」

 

弦十郎「何?俺を、許すというのか…?」

 

切歌「許す事はできないデス…。恨みもなくならないのデス。でもそれは、例えここで師父を倒しても変わらないデス。だったら生きて、罪を償ってほしいデス」

 

クリス「ああ、あたし達の願いも同じだ。悪さした分、これから正しい事をしてもらう」

 

奏「まずは、あたし達の修業の続きからだろ?」

 

弦十郎「切歌、クリス、奏…、俺はお前達という弟子を持てた事を誇りに思うぞ…!これからは、心を入れ替え武術を伝えていくと誓う。帰ろう」

 

クリス「これで、大団円だな」

 

切歌「そうだ、みんなで雑技団の一座を立ち上げるというのはどうデス?」

 

奏「はは、いいね。楽しそうだ」

 

エルフナイン『こうして、3姉妹と師父はいつまでも平和に暮らしましたとさ。めでたしめでたし』

 

 こうして、撮影は終わったのであった。

 

切歌「いやー、無事ハッピーエンドを迎えられてよかったデス!」

 

クリス「一時はどうなる事かと思ったけどな」

 

奏「チャイナ型ギアもパワーアップできたし、文句なしだね」

 

弦十郎「発令所にみんながいるはずだ。新しい力を見せてやるといい」

 

切歌「ほんとデスか!?早くみんなに見せたいデス!」

 

 早速、発令所に来た。

 

切歌「みんなー、お待たせデー…」

 

マリア「よく頑張ったわね…!」

 

調「切ちゃん、偉い」

 

切歌「へ……?」

 

翼「師と仰いだ人と戦い倒すとは、過酷な運命によく立ち向かったな…!」

 

氷河「俺もカミュと戦った時を思い出した」

 

奏「翼?あれはそういう台本だったんだけど…」

 

未来「クリス、最後にお父さんの仇を許すところ、すごく感動したよ!」

 

響「うう……涙が止まらないよお…!」

 

クリス「な、なんだよ…お前、顔びちゃびちゃだぞ?」

 

沙織「先程の映画を見て感動しているようです」

 

クリス「全部見られてたのかよ!?」

 

星矢「当たり前だぞ。俺達はここで見放題だったんだからな」

 

童虎「何だかんだで紫龍も楽しんで見ておったからのう」

 

奏「こんなに感動させるなんて、ダンナの脚本がよかったんじゃないか?」

 

弦十郎「いや、実は…ボスは最後自害させる予定だったんだ。だが、お前達の熱心な説得で思いとどまってしまったよ」

 

奏「そうだったのか…」

 

美衣「俗に言うアドリブですね」

 

切歌「あたしには、女優の才能があったんデスね…!そうだ!『女優型ギア』とかどうデスか!?かっこいいに違いないデス!思い立ったら心象実験デス!お願いデス、エルフナイ…」

 

 そこへ、クリスの拳骨が飛んできた。

 

切歌「あいた!?」

 

クリス「今からもう1回って…お前本当のバカだろ!」

 

切歌「え?何でデスか?」

 

奏「あはは、いいよ、あたしはやっても」

 

クリス「あたしは絶対、ごめんだからなー!!」

 

 その様子を一同は見ていたのであった。

 

童虎「また面白い事になりそうじゃぞ」

 

アルデバラン「シンフォギアというのは本当に不思議なものだな」

 

デスマスク「今回のチャイナ型はもちろん、水着とかサンタとか、心象とやらで色んなコスプレができちまうんだろ?」

 

アフロディーテ「その製作者はどういった技術でその機能を盛り込んだのやら…」

 

童虎「まあ、わしらが気にしても何も始まりはせんじゃろ。並行世界の櫻井了子とやらに聞いてみるのが最善ではあるがな」

 

 心象変化は並行世界の黄金聖闘士達も気になる謎であった。




これで今回の話は終わりです。
今回は切歌達のチャイナ型ギアのパワーアップも兼ねたカンフー映画撮影となりました。
XD本編では途中で出た暗黒街のボスの配下役は響だけでしたが、未来のギアの神獣鏡は中国で作られた聖遺物であるため、今小説では響と一緒に暗黒街のボスの配下役として出す事にしました。
また、暗黒街のボスの所へ向かうのを阻む達人役として他の黄金聖闘士や緒川も出しました。
これで燃えよ、カンフーマスター編は終わり、次はエンドレスサマーとマジックランプドリームより先にする形で双翼のシリウス編となります。飛ばすわけではないため、双翼のシリウスとその後の話が終わってからシリアスな話の口直しも兼ねてエンドレスサマーとマジックランプドリームをやります。そして、双翼のシリウス編が終わった後に絆結ぶ赤き宝石の代替イベントとして、本編世界版双翼のシリウスともいうべき話をやる予定です。

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