セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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86話 アリシアの遺品

北極

 

 一方、地上に残った翼と奏、星矢達は完全体のネフィリムとアイスネフィリムの群れと戦っていた。

 

翼「これで最後だ!」

 

奏「くたばりな!」

 

 最後に残ったネフィリムとアイスネフィリムを翼と奏は切り裂き、撃破したのであった。

 

星矢「これでこっちは終わったな」

 

 そう言ってると、何か流れ星のように落ちてくるのが見えた。

 

瞬「何が落ちてきたのかな?」

 

一輝「行ってみよう」

 

ムウ「(妙ですね。アリシアの小宇宙が燃え尽きようとしている…)」

 

 星矢達より先に響達は宇宙から大気圏に突入し、クリスの元に来た。

 

切歌「ふう、一時はどうなるかと思ったのデスけど、これで終わったデス!」

 

調「うん、終わったね」

 

響「これも未来がいてくれたから、どうにかなったんだよ!未来が装者じゃなかったら、アリシアさんを救えたかどうか…」

 

未来「そうかな…?」

 

マリア「未来、あなたは自分が思っている以上に重要な役割を果たしたのよ」

 

セレナ「小日向さんの功績は決して小さくありません」

 

未来「ありがとう、みんな」

 

響「クリスちゃん、アリシアさんは」

 

 しかし、クリスの様子は喜んでいなかった。

 

クリス「アリシア、目を開けてくれ、アリシア!」

 

 アリシアは目を開けたものの、いかにも命が尽きそうな様子であった。

 

アリシア「クリ…ス……」

 

未来「ベルゲルミルを消滅させたのに、アリシアさんの命が尽きそうになっているなんて…」

 

響「そんな!みんなの力を合わせた神獣鏡の光でアリシアさんは助かったんじゃないの!?」

 

???「恐らく、もう手遅れだったのでしょう」

 

 そこへ、一足先にムウが来たのであった。

 

響「ムウさん…」

 

クリス「どういう事なんだよ、ムウ!」

 

ムウ「恐らく、アリシアの体内は既に響を遥かに上回る聖遺物の浸食を受けていたのでしょう。放っておいても死を待つ上、何らかの原因で聖遺物が消滅してしまっても命に関わるほどにまで。仮に聖遺物の消滅が原因でなかったとしても、アリシアは邪悪に染まり過ぎたせいで魔を祓う神獣鏡の光により、アリシアの命までも奪ってしまった可能性もあります」

 

 そのムウの推測にクリスはアリシアの主治医から言われた事を思い出した。

 

クリス「じゃあ…、バカの時のような奇跡は起きなかったっていうのかよ…!」

 

アリシア「私は奇跡が起きなくて当然だと思うわ…。だって…、私は…人を殺し過ぎたもの…。それで…罰が当たったんだわ……」

 

クリス「アリシア…お前はなんで人を殺すのをやめなかったんだよ!殺したって死んだあたしのパパやママ、アリシアの家族や楽団のみんなは帰ってこないんだぞ!」

 

アリシア「それはわかってた…。いくら人を殺したって…お父さんもお母さんも、おじ様もおば様も、楽団のみんなも帰ってこない事は…。だけど…、私は1人ぼっちになって、みんながいなくて寂しくて、夢も……何もかもなくしてしまった…。だから…、少しでもなくしたものを埋めるために憎んでいる人間を殺し続けた。けど…それでも埋まらなかった…」

 

響「アリシアさん…」

 

未来「(アリシアは陽だまりを失ったから、人殺しを…)」

 

アリシア「それを繰り返すうちに…私は生きる事に疲れて死にたくなった…。そう思っていた矢先にクリスが生きている事をフィーネから聞いて、私は嬉しかった…。死ぬ前に、クリスに傍にいて私に残された最後の心の拠り所になってほしかったの…」

 

マリア「だから、あなたは計画に必要ないはずのクリスに強く執着していたのね」

 

クリス「だけど…、バカ達を殺そうとするのは間違ってる!」

 

アリシア「それも間違いだとわかってた…。自分のやろうとしている事はクリスを悲しませるだけだって…。だけど……クリスを誰かにとられて私の事を気にしてくれなくなるのが嫌だった…。だから…」

 

 自身の胸の内を明かしたアリシアは涙を流していた。

 

セレナ「1人ぼっちだったから、何をしてでも雪音さんに傍にいてほしかったのですね…」

 

アリシア「ごめんね…、クリス…。私はクリスの事を大切に思ってたのに…、あなたの望まない事をしてしまって……」

 

クリス「アリシア…」

 

アリシア「もう一度生まれ変われるなら…、今度は血の繋がった本当の…クリスのお姉さんに…生まれたいな……」

 

 憎しみから完全に解放された表情でアリシアは息を引き取ったのであった。

 

クリス「アリシア、目を開けてくれよ!アリシア、アリシア!アリシア~~~ッ!!!」

 

 物言わぬ亡骸となった姉に泣きつき、悲しむクリスであった。そこへ、星矢達も来た。

 

翼「雪音…」

 

アルデバラン「やるせないな…」

 

星矢「ああ……」

 

紫龍「この世界でも、アリシアを救えなかったのか…」

 

奏「どこの世界でも、アリシアはこういった最期を辿るのかよ…」

 

一輝「(アリシア…、お前は憎しみに囚われていた昔の俺が星矢達に再び会えなかったら辿っていた末路なのかも知れない…。ずっとお前は孤独と抑えられない憎しみに苦しみ続けていたのだろう……。だから…、安らかに眠れ…)」

 

 星矢達も沈痛な気持ちであり、特に奏の世界でアリシアの最期を見た翼と奏、かつての自分と重ね合わせていた一輝は特に悲しんでいた。

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 アリシアの死は弦十郎達も沈痛な気持ちであった。

 

弦十郎「そうか…、緒川…」

 

慎次『はい…。アリシア・バーンスタインは亡くなりました…』

 

あおい「緒川さんが得た情報を見ましたが、世界最悪のテロリストが大人に夢を奪われた少女のなれの果てだなんて…」

 

朔也「非常にやるせないな…」

 

弦十郎「アリシアのやってきた大量虐殺、国家滅亡は絶対に許される事ではない。仮に助かったとしても、マリア君達と違ってどう弁明しても極刑は免れない……。だが……この事件最大の被害者は残された家族のクリス君ではなく、アリシア自身なのだろう…。そして、元は夢見る少女だったアリシアを世界最悪のテロリストという名の怪物へ変えたのは、エゴにまみれた心無き大人達だ……!」

 

沙織「司令……」

 

 アリシアという、心無き大人のエゴで人生を歪められた犠牲者の姿に弦十郎が血が出る程にまで拳を握りしめ、大人として非常にやるせない想いを抱いている事を沙織は察したのであった。そして、八紘から通信が入った。

 

八紘『弦、アリシア一味はどうなった…?』

 

弦十郎「ちょうどいいところへ連絡を入れたな、八紘兄貴。各国政府へアリシア・バーンスタインは病死したと伝えてくれ」

 

八紘『病死…?わかった』

 

 弦十郎の気持ちを察した八紘はそれを汲み、承諾したのであった。

 

美衣「司令、やはり…」

 

弦十郎「世界最悪のテロリストでクリス君との血の繋がりはないとはいえ、アリシアはクリス君の姉だ…。アリシアの死はこう各国政府へ伝えた方が、クリス君のためにもなる…」

 

沙織「…そうですね…」

 

 

 

バルベルデ

 

 それから数日後、暴風雨が収まったバルベルデに来ていた男装の麗人、スタイル抜群という言葉では物足りないぐらいの豊満な身体の女、見た目はどう見ても幼女にしか見えない女の3人組が調査をしていた。そこへ、固定電話がどこからともなく現れて3人組は電話をした。

 

???『サンジェルマン、カリオストロ、プレラーティ、朗報だよ。あの僕達にとって途方もない邪魔者のアリシア・バーンスタインが死んだそうだ』

 

サンジェルマン「何!?我らはおろか、局長ですら赤子扱いしたあのアリシア・バーンスタインが死んだだと!?」

 

カリオストロ「ええ~~っ!?あの人の皮を被った悪魔を倒した奴が現れたなんてあーし、信じられない!」

 

プレラーティ「間違いだとしか考えられないワケダ」

 

サンジェルマン「それで、誰がアリシア・バーンスタインを?」

 

???『アリシア・バーンスタインを倒したのは、黄金聖闘士とそれに匹敵する実力を持つ青銅聖闘士、そしてシンフォギア装者だそうだ』

 

カリオストロ「ちょ!?シンフォギア装者が局長より強いアリシアを!?」

 

プレラーティ「どういうワケダ?」

 

???『そんな事はどうでもいいよ。実際にアリシアを倒したのは最高位の聖闘士である黄金聖闘士だろうし、君達はティキを探したまえ。僕からは以上だ』

 

 そう言って何者かは電話を切った。そして、サンジェルマン達はこの付近を調査していた。

 

サンジェルマン「(アリシア・バーンスタイン…。局長を遥かに超える力を持ち、頭脳も組織運営能力も局長を凌駕している…。そんな女を、本当にシンフォギア装者が…?)」

 

カリオストロ「サンジェルマン、シンフォギア装者や青銅聖闘士がアリシアを倒したのは信じられる?」

 

サンジェルマン「シンフォギア装者については信じられんが、聖闘士の中でも最も下の存在である青銅聖闘士の方は可能性はないとは言えない」

 

カリオストロ「どういう事?」

 

プレラーティ「説明してほしいワケダ」

 

サンジェルマン「聖闘士の頂点に立つ黄金聖闘士が局長を凌ぐほど強いのは、小宇宙の神髄、第七感セブンセンシズに目覚め、常に維持しているからだ。恐らく、黄金に匹敵する青銅聖闘士もそれに目覚め、常時維持しているのだろう」

 

カリオストロ「小宇宙の神髄、セブンセンシズねえ…(というか、サンジェルマンは小宇宙は使えないのにやけに聖闘士に詳しいわね。どうしてかしら?)」

 

プレラーティ「確か、1年前にアリシアはこの村の辺りに来たワケダ」

 

サンジェルマン「我々はその当時はアリシアはティキを狙ってバルベルデに来たと思っていたが、改めて調査に来たらそうでもないようだ」

 

カリオストロ「第一、こんな何もない場所にティキを隠すわけないものね」

 

サンジェルマン「私がティキを隠す立場なら、もっと厳重な警備の施設に隠す。そもそも、こんな場所は何の価値もない」

 

カリオストロ「じゃあ、何でアリシアはここに来たのかしら?」

 

サンジェルマン「わからん…」

 

 ふと、プレラーティは何かを見つけた。

 

プレラーティ「サンジェルマン、カリオストロ、何かを見つけた」

 

 2人も来ると、そこは不思議な場所だった。

 

カリオストロ「ちょっと、ここってどこなの?」

 

サンジェルマン「この場所は地元の人間でさえ知っている者はいないだろうな…」

 

 見回してみると、そこには壊れた聖遺物と思わしきものがあった。

 

カリオストロ「あれ、聖遺物じゃない?」

 

プレラーティ「だが、もう何十年以上も前に壊れているようだ。これでは使いものにならないワケダ」

 

カリオストロ「あ~あ、壊れてなかったら使い道があったのに」

 

サンジェルマン「(何だ…?この直感めいたものは…。この聖遺物がもしも、壊れていなかったら…)」

 

カリオストロ「何をボーッとしているの?サンジェルマンらしくないわよ」

 

サンジェルマン「すまん。この壊れた聖遺物がもし、壊れていない状態だったら恐ろしい事になっていたのかも知れないと思ってな」

 

プレラーティ「恐ろしい事?」

 

カリオストロ「何か根拠でもあるのかしら?」

 

サンジェルマン「いや、私の直感だ」

 

カリオストロ「直感?」

 

プレラーティ「さっき、思ってたんだが、アリシアが1年前にバルベルデに来たのはティキではなく、この聖遺物が狙いだったのではないのか?」

 

カリオストロ「この聖遺物が?けど、あの女は人間を皆殺しにしようとした危ない女なのよ。その聖遺物にそんな力が」

 

サンジェルマン「ないとは言い切れないぞ。もしも、この聖遺物が壊れておらず、アリシアの手に渡っていれば、世界は大変な事になっていたのかも知れない…」

 

カリオストロ「それって、ヤバくない!?」

 

サンジェルマン「今となっては仮説に過ぎない。何十年以上も前に壊れていたのが幸いしたのだろう。今日はもう帰ろう」

 

 結局、何もなかったためにサンジェルマン達は帰る事にした。

 

サンジェルマン「(アリシア…お前は私達の邪魔者ではあったが、その瞳は私と同じ、虐げられた者の目をしていた…。出会いが違っていれば、お前も私達の同志になれただろう…)」

 

 邪魔者ではあったものの、出会い方が違えばアリシアも自分達の同志になれたかも知れないとサンジェルマンは思っていたのであった。

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 それからしばらく後の事…。

 

沙織「星矢達が戦った冥闘士の体内にも聖遺物の反応があったのですか」

 

朔也「はい。アリシアと違って、欠片ではありましたが……」

 

美衣「とすれば、あの冥闘士の異様なしぶとさは融合症例の可能性が高いですね。しかも、それを承諾したのは正気の沙汰とは思えません」

 

弦十郎「そうとしか考えられないだろう。それと、各国の被害状況はどうなっている?」

 

あおい「ポセイドンの洪水と違って暴風雨が吹き荒れたのは各国や地域ごとに差はあれど、数日程度です。ですが、世界の広い範囲でいきなり暴風雨が発生した結果、発展途上国を中心に水害などの被害が続出しています」

 

朔也「また、空の便にも多少の被害が出ていたようです」

 

沙織「奏さんの世界のブラックアウト事件ほどではないにしろ、かつてのポセイドンの洪水を思わせるような被害が出てしまいましたね…」

 

あおい「世界規模の暴風雨による被害で大きな混乱が予想されましたが、欧米諸国などはともかく、発展途上国の方でも大きな混乱は見られないようです」

 

弦十郎「大きな混乱がないだと?」

 

朔也「もしかすると、装者達の歌が世界中の人達に希望や勇気を与えてくれたのではないでしょうか?」

 

弦十郎「歌、か……。クリス君はアリシアを救えなかったと悲しんでいたが、世界中の人達に希望を与えてくれていたとは…」

 

美衣「雪音夫妻やアリシアの家族、そして楽団の夢が一時的ですが、叶った瞬間だったのかも知れません」

 

沙織「ええ。歌で世界を平和にするというのは、実現するのはとても大変な夢なのかも知れません。ですが、その可能性が示されたのは間違いないでしょう」

 

 そこへ、慎次が入ってきた。

 

沙織「緒川さん、どうなされましたか?」

 

慎次「ロイバルト北極基地から様々な資料を押収したので、それを司令に見せに来ました」

 

 早速、慎次は資料を見せた。

 

弦十郎「これは…天気予報や人工的に暴風雨を発生させるための研究だ!」

 

慎次「アリシアは人類を皆殺しにするために様々なプランを立てていたようですが、一番特異だったのがこの天気を操作しようとしていたプランなんです」

 

朔也「でも、天気を操るのと人間の皆殺しに何の関係が…」

 

沙織「無関係とはいえないでしょう。人は天候に勝つ事はできません。なので、人が一切抵抗できない天候を支配しようというのはアルモニカに注意していた私達の裏をかいた恐ろしいプランともいえます」

 

エルフナイン「今回の被害やポセイドンの洪水を考えれば、アリシアが自由に暴風雨を発生させる事ができれば、人間を皆殺しにできてもおかしくないと思います」

 

慎次「それと、アリシアは1年前にバルベルデに行った事があったようです」

 

弦十郎「アリシアがバルベルデに?」

 

慎次「目的はわからないのですが、アリシアが人工的に暴風雨を発生させる研究を始めたのがバルベルデから帰ってきてからだと、アリシアの主治医がおっしゃっていました」

 

弦十郎「暴風雨を人工的に起こす研究を始めたのがバルベルデから帰ってきてからか…。一体、何が……」

 

 アリシアが行っていた天候操作の研究と、それの始まりとなったのが1年前にバルベルデへ行き、それから帰ってきた事がきっかけという事に弦十郎は何かがあったと思っていたのであった。

 

慎次「それと司令、アリシアの遺品と思わしきものをアリシアの個室から発見しました。アリシア一味の中で最も聴取に応じてくれているアリシアの主治医も『それはアリシア様がクリス様に用意した遺品だ』などと言っています」

 

弦十郎「遺品だと?」

 

 

 

マンション

 

 アリシアの死という、自分の両親の死にも匹敵するショックを受けたクリスは落ち込んでいた。

 

クリス「(アリシア…死んだと思ってたお前が生きてて嬉しかったのに、そんなお前を救えなかったなんて……!)」

 

 そこへ、響達が来た。

 

切歌「クリス先輩…」

 

クリス「……バカや後輩達か……」

 

調「(クリス先輩、アリシアの死にとてもショックを受けてるみたい…)」

 

響「(とても話しかけられそうな様子じゃない…)」

 

未来「(そっとしておきましょう……)」

 

 そっとしておこうと思う中、慎次が来たのであった。

 

響「緒川さん!」

 

慎次「クリスさん、あなたにアリシアの遺品を届けに来ました」

 

クリス「アリシアの遺品…?」

 

 慎次が遺品が入ったトランクを開けると、中にはクリスにサイズがピッタリのステージ衣装が何着もあり、更には遺書と思わしき紙まであった。

 

切歌「これって…ステージ衣装デス!」

 

響「これが…アリシアさんの遺品?」

 

慎次「アリシアの主治医の話によれば、アリシアはクリスさんを拉致する前から衣服のお店に行ってお店の人を脅し、クリスさんに似合うステージ衣装を制作してもらって購入したそうです」

 

切歌「途方もない姉バカデス…!」

 

調「マリアもどこか間違えていたら、アリシアみたいになってたかも知れない…」

 

未来「クリス、遺書もあるみたいだよ」

 

クリス「遺書…?」

 

 早速、クリスは読んでみる事にした。

 

アリシア『クリス、あなたがこれを読んでいる時には私はあなたの知っている私ではなくなっているか、死んでいる事でしょう。私は本当はクリスと一緒に歌手としてデビューしたかったけど、もう夢を叶える事ができない。だけど、あなたはまだ夢を叶える事ができる。だからお父さんとお母さん、おじ様とおば様に楽団のみんな、そして私の夢をあなたに託します。そして、歌で世界を平和にして』

 

クリス「アリシア…お前……ステージ衣装まで……」

 

響「クリスちゃんが夢を叶えた時の事まで考えて、ステージ衣装を遺品にしてたなんて……」

 

未来「夢を失って復讐鬼に、殺人鬼に堕ちてもアリシアはずっとクリスの事を想ってくれてたんだよ」

 

クリス「アリシア…、うぅぅっ……!」

 

 例え殺人鬼に堕ちてもずっとクリスの事を想い、ステージ衣装を遺品として遺してくれたアリシアにクリスは涙を流し、激しく泣いたのであった。




これで今回の話は終わりです。
今回はアリシアの死とAXZ編に先駆けてサンジェルマン達の先行登場、そして基地から発見されたアリシアの不穏な人工的に暴風雨を発生させるプランの存在が明らかになるのを描きました。
基本的にシンフォギアはモブ厳であるとともにボス厳でもあるため、当初からこの結末を決めていました。
本編のAXZ編に先駆けてサンジェルマン達が出ましたが、サンジェルマンは聖闘士の力の根源である小宇宙はおろか、その神髄ともいえるセブンセンシズの事さえ知っていますが、それには後に判明するある理由があります。
片翼世界、そして本編世界でも悲しい最期を遂げたアリシアですが、また別の並行世界でも出てくるかも知れません。
これで世界に響く平和の歌編は終わり、次は悲しい結末の口直しも兼ねてヴァルキリーズ・エンドレスサマー編になります。

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