セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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89話 繰り返す時間

ふらわー

 

 翌朝になったのだが、時計の日付が変わっていないという不可解な現象が発生した。

 

響「おはよう!」

 

未来「おはようございます」

 

クリス「やっと起きたか」

 

調「おはようございます」

 

切歌「おはようデース!」

 

おばちゃん「みんな、起きてきたね。それじゃ朝食にしようか」

 

切歌「モーニングデス!朝の食事はパワーの源デスよ」

 

調「切ちゃん、テーブルに身を乗り出すのは、はしたないよ」

 

切歌「ご、ごめんなさいデスよ…」

 

 その光景に響と未来、クリシュナはある事に気付いたのであった。

 

響「うん?」

 

未来「どうかしたの?響」

 

響「え、いや、何でもないよ!それよりも、朝食朝食。今日のメニューは、トーストに、ハムエッグ、サラダ……か。なるほど、これはおばちゃんの定番スタイルなんだね」

 

おばちゃん「定番……?まあ定番と言えば定番かね。さあ、冷める前に食べなよ」

 

クリシュナ「それでは、いただきます」

 

 響達は食べ始めた。

 

響「やっぱり私、朝はパン派になってもいいかも!」

 

おばちゃん「喜んでもらえて嬉しいよ。たくさんおかわりもあるからね」

 

未来「それで、響。今日の予定はどうするの?」

 

響「うーん、そうだな……」

 

 そんな中、悲鳴が聞こえた。

 

クリス「おい!今の聞こえたか!?」

 

クリシュナ「聞こえているぞ。間違いなく、魚人が現れた!それも、港の方角に!」

 

響「行こう。誰かが襲われる前に食い止めないと」

 

 

 

 

 そして、魚人はクリシュナがいた事もあり、あっけなく全滅した。

 

調「片付きましたね」

 

切歌「生臭い魚の海神はこれで全部おろしにしたデース!」

 

クリス「あの魚人ども1体1体の戦力はともかく、クリシュナ抜きの時に数が集まると厄介だ。今後も気は抜くなよ。じゃあ、今日のシフトは昨日の夜のうち合わせた通りだな。あたしらは心象訓練に行ってくる。こっちでの情報収集と、島の人達の護衛は任せたからな」

 

響「任せといて!昨日より、もっと詳しい情報を調べとくから!」

 

クリス「昨日…?」

 

未来「どうかしたの?」

 

クリス「あー、いや……まあいいや、何にしても任せたからな」

 

 クリシュナは大物の魚を獲るのと別の視点で浦島伝説について調べるのも兼ねて修業へ行き、響と未来は調べに行った。

 

響「情報収集っていったって…昨日は浦島伝説を色々な人に聞いてみたけど、大した成果はなかったし……」

 

未来「もっと専門の人がいればいいのにね」

 

響「専門って……大学の教授とかそういう人?この島にそんな人が都合よくいるかなあ」

 

未来「島にも学校はあるだろうし、そこで土地の事を教えてる先生とかお役所で古い書物を管理している人とかなら、詳しいかも」

 

響「さすが未来、冴えてる!それじゃそんな感じで詳しそうな人がいるかどうか、ふらわーのおばちゃんに聞きに行こう!」

 

 

 

ふらわー

 

 早速、響と未来はおばちゃんに聞きに行った。

 

響「……というわけで。浦島伝説に詳しそうな人、心当たりがあったら教えてほしくて。できれば専門家とか!」

 

おばちゃん「専門家じゃないけど、この町の外れに住んでいる漁師のおじいさんが古いお話や書物をたくさん集めていたね。浦島伝説の事も詳しかったはずだよ」

 

響「ありがとう!」

 

未来「それじゃあ、早速行ってきます」

 

おばちゃん「ああ、気を付けてね。それにしても、昨日……昨日ねー?昨日…あの子達に浦島伝説の話なんてしたかね……?」

 

 

 

 

 響達は漁師のところへ向かった。

 

おじいさん「浦島伝説の事を詳しく聞きたいじゃと?今時、おとぎ話は見向きもしないのが普通じゃというのに、感心じゃな。いいじゃろう。港で化け物が暴れたせいで、島中、今日の漁は取りやめになった。お陰様で、わしも海に出られなくなってしまってのう。今日1日は暇を持て余しておったところじゃ。そんな時にわざわざ訪ねてきてくれるとはな。いいとも、わしの知る限りの事を教えてやろう」

 

響「ありがとう、おじいちゃん」

 

未来「ありがとうございます」

 

おじいさん「そもそも浦島伝説とは……」

 

 おじいさんは浦島伝説を話してくれた。

 

未来「おばさんのお墨付きだけあって、本当に詳しいおじいさんだったね」

 

響「難しい専門用語っぽいのが出てくると、お手上げだったよ……」

 

未来「でも、色々わかったね」

 

響「そうだね。その名かでも願いを叶える箱といわれる玉手箱の別名が、『時を閉じ込める箱』とも呼ばれてるって……」

 

未来「時を閉じ込める……それってどういう事なんだろう?」

 

響「うーん、時を閉じ込めるっていうぐらいだから、何千年も生きているパルティータさんのように歳をとらなくなるとか?」

 

未来「不老不死って事かな?よくわからないけど……なんとなくいやな感じがしたかな」

 

 

 

 

 クリシュナは大物のキハダマグロを獲って島へ帰ろうとしていた。

 

クリシュナ「また大物が獲れたな。よし、そろそろ帰るとするか」

 

 ところが、美しい人魚と遭遇した。

 

クリシュナ「(人魚だと?まるで、浦島伝説に出てくる姫のようだ……)」

 

人魚「精進しているようだな、クリュサオルよ」

 

クリシュナ「海将軍としての俺を知っているとは意外だな。何者だ?」

 

テティス「私はマーメイドのテティス。神の気まぐれで僕達より先に箱から出て、ずっとあの方の傍にいる」

 

クリシュナ「あの方?お前は何者だ?」

 

テティス「私が語らずとも、私とあの方の素性を知る事はできる。そして、お前達は箱によって明日を奪われたのだ。明日が欲しければ、時の束縛を受けない者達を蹴散らし、箱を開けるか壊せ」

 

 そう言ってテティスはどこかへ泳いでいった。

 

クリシュナ「明日を奪われた…か…」

 

 

 

 

 気が付くと、もう夕方になっていた。

 

響「もうこんな時間になってたんだ」

 

未来「……」

 

響「ここへ来て3日目になっちゃったね」

 

未来「3日目……。響は…昨日の事を覚えてる?」

 

響「いやいや、そんあ、いくら私だって、昨日の事くらいは覚えてるよ。昨日は確か、この辺りで黒猫を見つけて、その黒猫が顔を洗ったら夕立が」

 

 そう言ってると、黒猫が顔を洗うのを目撃し、同じように激しい雨になった。

 

未来「それから夕立」

 

響「わわっ!?昨日と同じ!?猫の効果ってすごい!?」

 

未来「あの軒下に移動しよう?」

 

響「あ、昨日と同じ場所だね」

 

 2人は軒下に移動した。

 

響「それにしても、偶然ってあるもんだね」

 

未来「……うん」

 

???「果たして、そうなのか?」

 

 そこへ来たのは、キハダマグロを獲ってきたクリシュナであった。

 

響「クリシュナさん!」

 

クリシュナ「大物を獲っている最中、ある人魚から聞いた。『明日を奪われた』のだと。これが何を意味しているのかはわからないが、何か重要な事であるのは間違いないだろう」

 

未来「人魚がいたなんて……」

 

 そうしている間に雨が弱まった。

 

響「雨、弱くなったね」

 

未来「ねえ、響……雨が止んだら港へ行って」

 

クリシュナ「待て!奴等が来たぞ……」

 

 奴等とは、魚人であった。

 

響「魚人!?」

 

未来「えっ!?こんな場所にまで魚人が?そんな……どうしてここに!?おかしいよ!」

 

響「とにかく島の人が襲われる前に何とかしないと!」

 

クリシュナ「俺がお前達の夕食を持っているから戦えん、頼むぞ!」

 

響「はい!」

 

未来「(どうして……何もかも、私の勘違いだった?ううん、でも……これは偶然なんかじゃ)」

 

響「未来、危ない!」

 

 考え事をしてて注意力散漫になっており、魚人の攻撃を受けそうになった未来を響は押し倒す形でかわさせた。

 

未来「響……ありがとう」

 

響「今のは本当に危なかったよ!一体どうしたの?ぼーっとしてるなんて、未来らしくないよ」

 

未来「ごめんなさい……でも」

 

クリシュナ「俺は夕食を持っているから、戦えん!今は集中して戦え!」

 

 キハダマグロを持っているためにクリシュナは戦えず、響と未来がギアを纏って魚人を倒したのであった。

 

未来「ふう、どうにか倒せたかな……」

 

響「未来、大丈夫?顔色がよくないけど。さっきだって、様子がおかしかったし」

 

未来「平気……だよ、響」

 

響「とにかく、一旦ふらわーに戻ろう。クリスちゃん達もそろそろ戻ってるだろうし」

 

未来「そう、だね」

 

響「じゃあ、はい」

 

 響は未来の手を繋いだ。

 

未来「え?」

 

響「手を繋いで、一緒に帰ろう」

 

未来「…うん」

 

 

 

ふらわー

 

 夕食はクリシュナが獲ってきたキハダマグロをふんだんに使った料理となった。

 

響「それでね、またしても魚人が出たんだ」

 

切歌「なんと、こいつは油断できないデス!」

 

未来「……」

 

調「でも、町の人に被害がなくてよかった」

 

切歌「それよりも!今晩のスペシャルなお夕食はなんデスか!?」

 

おばちゃん「今回はあたしお手製のジャンボハンバーグとキハダマグロをふんだんに使ったメニューだよ」

 

響「おおっ!……え?」

 

クリス「ん?どうかしたか?」

 

響「……ううん。何でもないよ!いいよねー、ハンバーグと大物のお魚!連続でも全然飽きないよ!」

 

クリス「連続でもって、いつハンバーグと大物の魚を食べたんだよ?」

 

響「……え?」

 

切歌「まさか、あたし達の知らない所で……。それは、ずるいデスよ!」

 

調「でも、確かにこのハンバーグや大物の魚なら、毎日でも食べたいかも」

 

クリシュナ「(まるで、昨日と同じだ…。もしや、テティスの言っていた『明日を奪われた』というのは……)」

 

 食事のやりとりを見て、クリシュナはテティスの言っていた『明日を奪われた』という意味に気付いたのであった。

 

未来「……クリス、今日そっちは何かあった?」

 

クリス「な、なんでピンポイントであたしに聞くんだよ!」

 

調「鋭い」

 

切歌「あったデスよねー。実は、誰かを助けるという強い想いがあれば、心象変化を起こせるんじゃないかと考えてデスね!」

 

調「切ちゃんのアイデアに、クリス先輩が一肌脱いでくれたんです。そしたら」

 

響「もしかして、水着が流されちゃったとか?」

 

切歌「なんでわかったんデスか!?もしかして、クリス先輩はいつも海に入ると……」

 

調「そうだったの……」

 

クリス「そんなわけあるか!こんな事初めてだっての!」

 

響「え?あれ……?」

 

 終わらせたはずの宿題が白紙になっていたりしていた響達のやりとりを傍で見ていたクリシュナは、テティスの言っていた『明日を奪われた』という事実をはっきりと確信したのであった。

 

 

 

???

 

 そして、響と未来、クリシュナが来た地底湖を通った先にある豪華絢爛な城では……

 

魚人兵長「海人達よ。長らく屈辱に甘んじてきた海人達よ。我々はあまりに永く……奪われてきた。今こそ時が来たのだ。こうして再び現世に戻る事ができた。立ち上がる時が来たのだ。奪い返す時が来たのだ。勝利を、自由を、栄光を、我々の国を。武器をかざせ。この時を永遠とするために戦うのだ、同胞達よ!二度と、二度とあの神に封じ込められてなるものかー!」

 

 

 

海底神殿

 

 海底神殿では、寝ていたポセイドンの眠りが浅くなって起き、何かに気付いた。

 

ポセイドン『奴等の封印が解かれたとは……。これは、再び封じ込めてやらねばならんようだな……』

 

 何かに気付いたポセイドンは行動を起こそうとしていた。

 

 

 

ふらわー

 

 朝になったのであった。

 

未来「ん……、朝。ねえ、響、起きて。朝だよ」

 

響「ううん……もう朝なの…」

 

未来「響は昨日の朝の事、覚えてる?」

 

響「昨日って……」

 

未来「!?響…本当に、覚えてないの……?」

 

響「んー……ああ、昨日はここの時計が壊れてて、曜日がひとつ前になってたんだよね……ふあああ……」

 

未来「……はあ。……もう、驚かせないで」

 

響「え?驚くって何が?」

 

未来「あのね、響。今日は、私につき合ってもらってもいいかな?」

 

響「もちろん!でも、情報収集はどうするの?」

 

未来「そのためにも、確かめたい事があるの。本当に、そうなのかどうか……」

 

???「俺もお前達と共に行動しよう」

 

 そこへ、クリシュナが来た。

 

響「クリシュナさん!」

 

未来「クリシュナさんも昨日の事、覚えているんですか?」

 

クリシュナ「ああ。未来、お前が確かめたい事は俺が確信した事でもある。早く朝食を食べてお前達と共に行動しよう」

 

 

 

 

 3人は港に来た。

 

響「どうしてこんなに急いで港に来たの?」

 

未来「……時間になった、けど……やっぱり」

 

クリシュナ「ここで魚人と戦ったのにも関わらず、魚人が出ないとは」

 

未来「どうしてかな…?」

 

クリシュナ「昨日、俺は人魚から『時の束縛を受けない奴』の存在を聞いた。もしかすると、魚人はその時の束縛を受けないのではないのか?」

 

未来「そういえば、魚人はいつも現れる時は違ってた……」

 

響「2人ともどうしたの?それに、ここは魚人が出た場所だよね」

 

未来「…響、次の場所に行こう?」

 

響「え?う、うん」

 

 次の場所へ向かったのであった。

 

 

 

浜辺

 

 隣の島でクリス達は心象訓練をしていた。

 

クリス「それで、調子はどうだ?」

 

切歌「うーん、やっぱりかわらないデス……」

 

調「難しい……」

 

クリス「まあ、簡単に変化できたら苦労はないよな……」

 

切歌「それにしても、あの3人はどうしたんデスかね?」

 

調「朝から忙しそうだった」

 

クリス「まあ、なんか思い当たる事があるんだろう?」

 

切歌「まさか、2人だけで島のご当地グルメにいそしんでいるとか……」

 

調「それは、ずるい」

 

クリス「いや、それはないだろう。なんだかんだ言っても、自分達だけで楽しむような奴等じゃないしな」

 

切歌「そうデスよね」

 

クリス「それよりも、今は訓練だ」

 

 

 

 

 途中でクリシュナは大物の魚を獲った後でその魚をふらわーのおばちゃんに渡し、再び響達と一緒に行動していると、夕方になった。

 

響「昨日と同じ所を、ほぼ同じ時間で回ってきたけど……これって、やっぱり…」

 

未来「……うん」

 

 しばらくしてると、昨日と同じように黒猫が顔を洗っていた。

 

未来「見て、響。黒猫が顔を洗ってる」

 

響「それじゃあ、この後は…」

 

クリシュナ「夕立だ。濡れない場所へ行こう」

 

 3人は軒下へ行った。すると昨日と同じ時間に雨が降り、同じ時間に雨が止んだ。

 

響「やっぱり、昨日と全く同じ時間……」

 

クリシュナ「同じ時間を繰り返しているぞ」

 

未来「おばちゃんの家に戻ろうか」

 

響「う、うん」

 

 3人はふらわーに戻った。しかし、夕食の間に魚人が現れたため、響達は魚人を撃退しに向かったのであった。

 

クリス「ったく、魚のくせに、せっかくの晩飯を邪魔しやがって」

 

切歌「食べ物の恨みは怖いのデス!あたしのジャンボハンバーグを食べる楽しみを邪魔した恨み……全部ぶつけてやったデス!」

 

クリス「さて、戻って晩飯の続きだ」

 

調「早く戻らないとハンバーグが冷めちゃう」

 

切歌「冷めたら美味しくなくなるデスか!?」

 

クリス「そういえば…戦ってる最中も、珍しく静かだったよな」

 

響「……」

 

クリス「体調でも悪いのか?だったら無理はしない方が」

 

未来「大丈夫、何もないよ。私も響も、クリシュナさんも」

 

響「……」

 

クリス「そうか」

 

 一同はふらわーに戻った。

 

 

 

ふらわー

 

 響達は夕食の続きをしていた。

 

切歌「う……、一生の深くデス!ここのご飯が美味しすぎて、お腹パンパンになるまで食べすぎてしまったデスよ……」

 

調「切ちゃん、限度を考えずに食べるから」

 

クリス「……さて、それじゃあ寝る前にやる事をやらないとな」

 

切歌「寝る前に…」

 

調「やるべき事……。それは、つまり……まさか」

 

クリシュナ「夏休みの宿題だ」

 

切歌「デデデデース。最強の敵が……とうとう現れたデス」

 

響「はぁ……(やっぱり、白紙に戻ってる)」

 

クリシュナ「お前達に聞く。夏休みの宿題とポセイドン様、どっちが恐ろしいか?」

 

切歌「ポセイドンも恐ろしいデスけど…やっぱり夏休みの宿題デス……」

 

クリシュナ「(夏休みの宿題とは、恐ろしいものなのか……)」

 

未来「響、クリシュナさん、ちょっと」

 

響「う、うん」

 

クリス「おい、宿題は」

 

クリシュナ「少し用があるそうだ。待ってほしい」

 

 3人は外へ出た。

 

調「行ってしまいました」

 

切歌「やっぱり、なんだか様子がおかしいデス」

 

 

 

 

 3人は外で話をしていた。

 

未来「私と響とクリシュナさん以外、ずっと同じ日を繰り返している事に気付いていない。今日は昨日と同じ、昨日は一昨日と同じ、多分島に来た次の日から……ずっと」

 

響「やっぱりそうだよね……」

 

クリシュナ「人魚が言った事に『明日を奪われた』というのがあったが、同じ日を繰り返すという意味のようだ」

 

響「あああっ!!」

 

未来「どうしたの?」

 

響「ちょっと待って、1日がずっと繰り返すって事は……、それはつまり」

 

未来「うん、そうだよ」

 

響「ずっと夏休みが終わらないって事?宿題もやらなくてもいいっ!?」

 

未来「響、もう!真面目に考えて!」

 

響「じょ、冗談だってば。でも、どうして私と未来とクリシュナさんだけ?」

 

未来「玉手箱の話、覚えてる?時を閉じ込めるって話があったよね。あの時触った箱が玉手箱だったんじゃないかな」

 

クリシュナ「人魚の『箱によって明日を奪われた』という言葉とも一致する。間違いなく、あれが玉手箱だ」

 

響「だから、私と未来とクリシュナさんだけ……。うん、私もそう思う、絶対そうだよ!」

 

未来「それじゃあ、次はどうしたらいいと思う?」

 

響「私達だけで解決するのは難しそうだし、とりあえず、クリスちゃん達に知らせよう!」

 

クリシュナ「いや、もう今日は遅い。次の日になれば、クリス達はまた今朝と同じ状態に戻ってしまう。だから、次の日にしよう」

 

響「それもそうだね」

 

 3人は帰る事にした。

 

未来「クリシュナさん、1日が繰り返している中で魚人が現れるタイミングはバラバラじゃないですか?」

 

クリシュナ「ああ。いかにもバラバラだ。奴等は人魚が言った通りの『時の束縛を受けない奴等』に間違いない」

 

未来「そのクリシュナさんが会った人魚って、どうして色々な事を知っているのでしょうか…?」

 

クリシュナ「わからんな……。それに、浦島伝説に出てくる神というのは、ポセイドン様である可能性も考えられる」

 

未来「ポセイドン…。ギリシャ神話のオリンポス十二神のポセイドンですね?」

 

クリシュナ「いかにも。この世界のポセイドン様は地上を支配されておられるが、今は眠っていて眠りを妨げられるとお怒りになるのだ。前の事件ではノイズの騒動で眠りを妨げられたせいでお怒りになった。だが、すぐに響が素直に謝って事なきを得たが……」

 

未来「気持ちよく寝てるのを邪魔されて怒る気持ちはわかるけど、そんなにポセイドンは寝るのが好きなのかなぁ……」

 

クリシュナ「それはわからん……」

 

 

 

旅館

 

 響達が滞在している島の旅館では、ある男女がいたのであった。

 

青年「テティス、何だか同じ日を繰り返しているようだな」

 

テティス「そうですね。なんだが、不思議な島です」

 

青年「それにしても、君はとても優秀な秘書だ。ずっと傍にいてほしいと思う程にね」

 

テティス「それはとてもうれしく思います、ジュリアン・ソロ」

 

 ポセイドンが地上を支配している世界にもジュリアンとテティスがいたのであった。




これで今回の話は終わりです。
今回は響と未来とクリシュナが時間が繰り返されているのに気付く話となっています。
また、並行世界の同一人物としてジュリアンとテティスの登場も描いています。
次の話はいよいよクリス達も時間が繰り返されている事を知り、繰り返される時間から抜け出す戦いが始まります。
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