セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

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調べ歌う二重唱編
91話 ロボ達の反乱


S.O.N.G潜水艦

 

 繰り返される時間の騒動の後、海外任務が終わってからの訓練の日の事であった。

 

調「やあぁあーっ!」

 

 調の攻撃でアルカノイズの体勢が崩れた。

 

調「切ちゃん、今!」

 

切歌「了解デース!はああーっ!」

 

 切歌の攻撃でアルカノイズは消滅した。

 

マリア「2人共、そこまでにしなさい」

 

調「ふう…」

 

切歌「お疲れ様デース!調、いい感じに決まったデスね!」

 

調「うん。うまく連携がとれたと思う。どうですか…?」

 

あおい「ええ、よいデータがとれたわ」

 

切歌「この前よりもスコアは上がったデスか?」

 

あおい「個々のスコアは、正直課題の残るものだけど……」

 

切歌「うう……」

 

あおい「だけど、連携戦闘になると格段に撃破効率が上がるわね。すごいスコアだわ」

 

切歌「本当デスか!?」

 

あおい「ええ」

 

マリア「ふふ。お互いの得手不得手をよく把握いて、うまく立ち回れているみたいね」

 

翼「ああ、攻撃の呼吸やその後の隙までよく見て動けている」

 

調「やったね、切ちゃん」

 

切歌「へっへーん!それほどでもあるデース!」

 

クリス「すこしは謙遜しろっての」

 

響「でもでも、2人って時々、事前に打ち合わせでもしてたのかな?って動きをするよね。息がピッタリ過ぎるというか……、どうして!?」

 

切歌「そんなのは当然!2人は仲良しだからデース!ね、調?」

 

調「はい。私達は2人でひとつです」

 

切歌「1+1が3にも4にもなるんデース!」

 

クリス「ったく……。また人目もはばからずベタベタして……」

 

調「そういう響さんも、未来さんとの息がピッタリ」

 

切歌「打ち合わせでもしたのデスか?」

 

未来「そうかな…?」

 

響「仲の良さなら私達だって負けないよ!ね、未来!」

 

未来「うん。私と響も切歌ちゃんと調ちゃんの仲の良さに負けないと思う!」

 

クリス「お前ら、後輩達に対抗してベタベタするんじゃねえ!」

 

 切歌と調のコンビと響と未来のコンビがイチャイチャしている光景にクリスは顔を赤くした。

 

クリス「でも、戦闘のスコアで後輩に負けっぱなしってのもな……」

 

翼「私が相方では不満か?」

 

クリス「そういうわけじゃねーよ」

 

あおい「それなら次は2対2の対人戦闘データをとりましょう」

 

切歌「望むところデス!」

 

響「負けないからね、2人とも!」

 

調「よろしくお願いします」

 

未来「私こそ!」

 

 そして訓練が終わり、切歌と調はある場所へ向かっていた。

 

切歌「ふー。今日もいい汗かいたデス」

 

調「そうだね」

 

切歌「シャワーを浴びてすっきりしたし、家に帰って、ご飯にするデスよ」

 

調「その前に、ちょっと寄りたいところがあるんだ」

 

切歌「調から寄り道のお誘いなんて珍しいデス!どこへ行きたいんデスか?映画でもお買い物でも……」

 

調「ううん、すぐそこだよ」

 

 その先とは、エルフナインの研究室だった。

 

切歌「……ここって、エルフナインの研究室?」

 

調「お邪魔します」

 

切歌「なんだかわからないけど、お邪魔するデスよー」

 

 2人はエルフナインの研究室に来た。

 

エルフナイン「あ、訓練が終わったんですね」

 

調「うん。今さっき終わったところだよ」

 

エルフナイン「お疲れ様です。すみません、訓練に立ち会う事ができなくて。友里さんに戦闘データの計測をお願いしていたので、あとで僕も確認してみます」

 

切歌「よろしくデス。って、これを伝えるためにわざわざ来たデスか?」

 

調「ううん。それだけじゃなくて、この前お願いしてた、あれを確認したくて」

 

エルフナイン「はい、あれの事ですね」

 

切歌「あれ……!?2人して何の話をしてるんデスか……?」

 

調「切ちゃんロボと調ロボの事だよ」

 

切歌「あーっ!その事デスか!そういえば、エルフナインに預けていたデス」

 

 

 

???

 

 突如として場面が変わった。

 

切歌「突然デスが、説明するデス!」

 

調「説明します」

 

切歌「調ロボは、あたしの誕生日にプレゼントしてもらった、調の形をしたロボットデス!」

 

調「切ちゃんロボは、切ちゃんの形をしたロボットです」

 

切歌「エルフナインと協力して、腕によりをかけて作ったデス」

 

調「調理機能や黒歴史破壊機能などなど、あると嬉しい各種機能つき」

 

切歌「調にもらってからは、一緒に遊んだりお料理をしたりしてるデス!」

 

調「最近、ダンスも覚えたんだよね」

 

切歌ロボ「デスデース!」

 

調ロボ「じー……」

 

切歌「調がちっちゃくなったみたいで可愛いデス」

 

調「切ちゃんロボも可愛い……」

 

 

 

エルフナイン「あ、あの……。お二人とも、誰に向かって話しているんですか……?」

 

切歌「は……っ!これは失礼しましたデス」

 

調「ロボたちは、メンテナンスと新機能の追加のために預けていたんだよね」

 

切歌「新機能、楽しみデス。調ロボはお湯の温度が変えられるようになるとか!」

 

調「切ちゃんロボは微塵切りだけじゃなくて」

 

エルフナイン「その事なんですが……、実は、あまり進んでいないんです」

 

切歌「なんデスと!?」

 

エルフナイン「ごめんなさい。急な依頼が入ってきてしまいまして」

 

切歌「依頼…デスか?」

 

調「それってもしかして、モニターに映ってるこれの事?」

 

 モニターに映っていたのは黄金のリンゴであった。

 

エルフナイン「はい、その通りです」

 

切歌「金ぴかのリンゴに見えるデス……」

 

エルフナイン「これは日本政府から解析の依頼で預かっている、完全聖遺物なんです」

 

調「完全聖遺物……これが!?」

 

切歌「ヤバイ物なんデスか?」

 

エルフナイン「いえ、そこまで危険な物でない事はわかっています。しかし、既に起動状態にあるので、S.O.N.Gのコンピュータを使って慎重に解析を進めているんです」

 

切歌「そうデスか。ほっとしたデス。お仕事だったら仕方がないデスね!急かしてしまってごめんなさいデス」

 

エルフナイン「こちらこそすみません。手があき次第、すぐにとりかかります」

 

調「ありがとう。それじゃ、あまり邪魔したら悪いし、そろそろ帰ろうか」

 

切歌「そうデスね!ロボはゆっくりでいいから、あんまり無理したらダメデスよ」

 

 2人は部屋を出た。

 

エルフナイン「ありがとうございます。それではまた明日」

 

 

 

飛行機

 

 その頃、沙織は執事の辰巳と秘書の美衣、護衛として星矢と紫龍を連れて飛行機で目的地へ向かっていた。

 

星矢「母さんの治療のお陰であっという間に怪我が治ったぞ!」

 

沙織「星矢と紫龍には、これから色々な会議に参加する私や要人の護衛をしてもらいます」

 

紫龍「今回の任務は沙織さんだけでなく、様々な国の要人も護らないといけないからな」

 

星矢「会議を邪魔する悪党はコテンパンにやっつけてやる!」

 

 ふと、沙織が何か気になる様子である事に星矢と美衣は気付いた。

 

美衣「どうされましたか?沙織様」

 

沙織「あの黄金の林檎が気になったので…」

 

辰巳「エルフナインが解析している聖遺物か」

 

紫龍「老師から聞いた事がある。黄金の林檎はギリシャ神話において、争いと不和の女神エリスが作り出した代物だと。並行世界の一つにはエリスが暴れた世界もあったそうだからな」

 

星矢「じゃあ、あの黄金の林檎にエリスが?」

 

沙織「いえ、エリスの小宇宙は感じられません。ですが、何か嫌な予感がするのです」

 

美衣「瞬さんと氷河さんが残っているとはいえ、何事もなければいいのですが……」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 次の日も訓練であった。

 

あおい「それでは、昨日に続いて戦闘データをとりつつ訓練を開始します」

 

マリア「ええ、お願いするわ」

 

???「あの、私も参加していいですか?」

 

 そこへ来たのはセレナであった。

 

マリア「セレナ!?」

 

セレナ「マムから情報交換のためのデータを渡すように言われて来たんです。あと、マリア姉さん達と一緒に訓練するようにも言われました」

 

切歌「あたし達は大歓迎デス!」

 

調「みんなでやると1人だけの時よりも得られるものが多いよ」

 

あおい「だったら、セレナちゃんも加わっていいわ」

 

セレナ「ありがとうございます」

 

響「ところで、戦闘データって今までのが全部残っているんですか?」

 

あおい「もちろん。実戦、訓練に関わらず、可能な限りデータを保存しているの」

 

クリス「そのデータをシミュレータに反映させる事もできるって、オッサンが言ってたな」

 

響「へえーっ!じゃあ、過去のみんなと戦う事もできるんだね!」

 

翼「なるほどな。ならば、ライブ会場で初めて刃を交わしたマリアともう一度戦ってみたいものだ」

 

マリア「ええっ!?」

 

切歌「あるみたいデスよ?リストに『マリア・カデンツァヴナ・イヴ(ガングニール)』って……」

 

セレナ「ええっ!?姉さんってアガートラーム以外のギアとも適合できるの!?」

 

マリア「でも、セレナの方が…」

 

セレナ「私よりも二つのギアに適合できる人の方が珍しくて凄いよ!そのギアを纏っていた時の姉さんの姿を見せて!」

 

マリア「ダ、ダメよ……!」

 

翼「どうしてだ?セレナもその時のマリアの姿を見たがっているのだぞ」

 

マリア「それは……、今の私の方が強くてかっこいいからよ。手合わせがしたいなら、本物の私とすればいいじゃない。それに、ガングニールを纏っていた時の私の姿はセレナから見たらカッコ悪いから、見せられないの」

 

翼「そうか……。それもそうだな」

 

セレナ「……(本当に姉さんがいうほどカッコ悪いのかな…?ガングニールを纏っていた時の姉さんの姿を見てみたい…)」

 

マリア「(過去の自分を見るなんて、恥ずかしいに決まっているじゃない!しかも、自分を偽って、翼達に向かって虚勢を張っていた頃の自分なんて……。それに、私の事をテロリストではないと頑なに否定してくれたセレナがその私の姿を見たら……)」

 

 マリアは思わず、ガングニールを纏っていた時の姿をセレナに見られた時の事を想像した。

 

セレナ『マリア姉さんが本当にテロリストだったなんて!テロは悪い事だよ!!』

 

 妹に怒られる事を想像したマリアであったが、妹に怒られると思い込むマリアとガングニールを纏っていた時の姉を見たいセレナ、見事なまでに姉妹の思惑はすれ違っていた。

 

あおい「ふふ、楽しいおしゃべりは訓練の後で、ね。それじゃ、始めましょう」

 

調「はい。今日も連携戦闘の訓練」

 

切歌「昨日よりももっともっといいスコア、出してみせるデスよ」

 

クリス「ふん、ずいぶん大きく出たな」

 

響「昨日は結局負けちゃったもんね」

 

未来「ごめんね、響。私の戦闘経験が少なかったから…」

 

響「それでもあれだけできたのは凄いよ、未来!」

 

未来「ありがとう。それと響、考えもなしに突っ込んじゃダメだよ」

 

響「え?未来はきちんと合わせてるし…」

 

未来「もう、響ったら!きちんと響の動きに合わせてるけど、響の方でも少しは合わせてよね!」

 

翼「連携の才能はあるが、2人やマリアとセレナも月読と暁の連携を見習うべきだな」

 

響「で、ですよね……。見習おう、未来!」

 

未来「うん!」

 

マリア「ええ、そうね!」

 

セレナ「はい!」

 

切歌「もし、奏さんが来てたらクリス先輩は組む相手がいなくなってたデスよ」

 

調「クリス先輩にはベストパートナーがいないから…」

 

クリス「お前ら…!」

 

翼「雪音、余り者同士で行くぞ」

 

あおい「ひとまず、調ちゃんと切歌ちゃんの連携による対アルカノイズ戦闘から始めましょうか」

 

調「了解」

 

切歌「あたし達の超絶連携、見せてやるデス!」

 

 それから次は響と未来、その次はマリアとセレナ、最後に翼とクリスの番となり、訓練は終わった。

 

響「今日は昨日よりもハードだったねー……」

 

切歌「ふう……。流石にクタクタデース……」

 

 そこへ、エルフナインと瞬が来た。

 

瞬「みんな、氷河が冷やしてくれたスポーツドリンクだよ」

 

 よく冷えたスポーツドリンクに目を輝かせた響達は飢えた狼のようにすぐに群がってスポーツドリンクを飲んだ。

 

未来「よく冷えてて生き返るわ!」

 

セレナ「まだ夏真っ盛りですからね」

 

エルフナイン「みなさん、順調みたいですね」

 

未来「あ。エルフナインちゃん」

 

エルフナイン「すみません、今日も立ち会えなくて」

 

翼「なに、構わない。そちらも急ぎの仕事が入って忙しいのだろう?」

 

エルフナイン「はい。もう少しだと思うんですけど」

 

あおい「無理しなくていいわよ」

 

マリア「仕事に没頭するあまり、体調を崩さないようにね」

 

エルフナイン「はい、ありがとうございます。……これで様々なシチュエーションでの皆さんのギアの詳細な稼働データが一通りとれたはずです」

 

響「このデータ、何に使うの?はっ、もしかして通信簿にするとか!?」

 

クリス「そんなわけないだろ」

 

エルフナイン「このデータを解析して、皆さんの特性に合わせたギアの調整に役立てたいと思っているんです」

 

切歌「どんな調整デスか?」

 

エルフナイン「皆さんの力をムダなくギアに伝えたり、動きの癖に合わせてギアの重心や出力バランスを調整したりなど……、様々ですね」

 

セレナ「よくわからないんですけど、強くなれるのですか?」

 

エルフナイン「簡単に言えば、そうですね。本部のコンピュータを使えば、膨大なデータを解析する事も可能ですから」

 

調「そうなんだ、ありがとう」

 

切歌「エルフナインと科学の力さまさまデース!」

 

 一同が帰った後、誰も知らない間に黄金の林檎はコンピュータに干渉し、その魔の手はあるものに伸びていた。

 

???A「再起動完了」

 

???B「システムチェック、オールグリーン」

 

???A「人類は……」

 

???B「デストローイ!」

 

 二つの影が動き出したのであった。

 

 

 

研究所

 

 翌日、セレナは起きてガングニールを纏っていた時の姿を見せたがらないマリアの事をナスターシャに話していた。

 

ナスターシャ「マリアが別のギアを纏っていた時の姿を見せてくれないと?」

 

セレナ「気になるので見たいのだけど……」

 

ナスターシャ「マリアにとってその時の姿は恥ずかしいと思っているので、無理に見ようとすると嫌がられます。なので、マリアの気が変わってからでもいいはずです」

 

 そう言ったものの、どうしても見たいセレナであり、ナスターシャもセレナの心境を理解しつつ、向こうのフロンティア事変の事でマリアがガングニールを纏っていた時の姿をセレナに見せたくない事を理解していた。

 

 

 

リディアン

 

 そして、夏休み中の登校日となった。

 

切歌「待ちに待ったお昼休みデース!」

 

調「切ちゃん、ウトウトしちゃってた……」

 

切歌「昨日もたくさん訓練したから、眠さに勝てなかったデスよ……」

 

調「確かに、昨日はたくさん頑張ったけど……勉強や宿題も頑張らないと、またクリス先輩に泣きつく事になっちゃうよ?」

 

切歌「うう……、そろそろ見放されそうな気がするデス……」

 

調「じゃあ、お弁当を食べたら午後は頑張ろう?」

 

切歌「ガッテン承知デス!調のお弁当を食べれば元気100倍デース!」

 

 そして、お弁当を食べ終わった。

 

切歌「ふーっ。美味しかったデス」

 

調「お粗末様です」

 

切歌「とんでもないデス。いつもながら調の料理は絶品デスよ」

 

調「ふふ、ありがとう」

 

切歌「最後はデザートデース!今日はなんデスかねー?」

 

 デザートは林檎であった。

 

切歌「おおっ、可愛いウサちゃん林檎デスか!」

 

調「うん、美味しそうな林檎が安かったから」

 

切歌「む……むむむむっ。こ、これは!?」

 

調「どうしたの?まさか傷んでた?」

 

切歌「そうじゃないデス。このウサちゃん林檎……」

 

調「うん…」

 

切歌「なんだか調べにそっくりデス!」

 

調「えっ?」

 

切歌「この耳の部分がツインテールデス。可愛いところもそっくりデスよ!」

 

調「そ、そうかな…」

 

切歌「食べるのがもったいないくらいデスけど、食べないと余計にもったいないのでいただくデス!」

 

調「うん、どうぞ」

 

 リンゴを食べた後、切歌はある事を思い出した。

 

切歌「あ、林檎といえば……」

 

調「どうしたの?」

 

切歌「この前の金ぴかの林檎の事を忘れてたデス!聖遺物って言ってたデス。結局どんなものだったんデスかね?」

 

調「そうだね、確かに気になる。あんまり危険なものじゃないって言ってたけど、そんな聖遺物があるのかな?」

 

切歌「わかったデス!きっと食べても減らない林檎デス!」

 

調「ウサちゃん林檎食べ放題だね。あそこまで金色だと食欲わかないかもだけど」

 

切歌「中まで金色とは限らないデスよ。皮だけかも」

 

???「なになに。金の林檎がどうしたって?」

 

切歌「ん?」

 

 声をかけたのは響と未来の同級生達であった。

 

詩織「お二人とも、こんにちは」

 

切歌「これは先輩方。こんにちはデース」

 

調「こんにちは」

 

創世「仲良くお弁当?楽しそうだね」

 

弓美「でさでさ。今話してた金の林檎って、もしかして不和の林檎の事?」

 

調「不和の……林檎…?」

 

切歌「何か知ってるデスか!?」

 

弓美「もちろん。中には悪い女神が封印されているんだから!」

 

切歌「悪い女神が封印デスと!?」

 

調「明らかに危険そう…」

 

創世「ちょっと。それはアニメの話でしょ」

 

弓美「うん。金の林檎なんて、アニメに決まってるじゃない」

 

切歌「アニメだったデスか……」

 

詩織「板場さんの言っていたのはアニメだけど、確か、もともとはギリシャ神話に登場するものですよ」

 

調「そうなんですか?」

 

詩織「ええ。争いの女神エリスがその林檎を投げ込んだ事で、美しい女神達が林檎を奪い合って争ったとか……」

 

弓美「あたしが言った悪い女神ってのもそれよ!」

 

調「争いを生む、不和の林檎……?」

 

切歌「いかにも聖遺物っぽい話デス」

 

調「だね。エルフナインが解析してたのは、まさにそれかも」

 

切歌「アテナやポセイドンなどの神様が実在していたから、エリスも実在している可能性もあるデス」

 

 そして、昼休みの終わりを知らせるチャイムが鳴った。

 

創世「そろそろ行こうか」

 

弓美「ちぇーっ、アニメの話だと思ったのに」

 

詩織「食事中にお邪魔しました」

 

 3人は教室へ戻った。

 

調「それでは」

 

切歌「ばいばいデース!それじゃ、あたし達も教室に……」

 

 そんな折、通信が入った。

 

弦十郎『学院付近にアルカノイズが出現した。至急向かってほしい』

 

調「了解です。行こう、切ちゃん」

 

切歌「はいデス!いっちょやってやるデース!」

 

 2人は出撃した。

 

 

 

市街地

 

 そして、あっという間にアルカノイズを全滅させた。

 

調「ふう……」

 

切歌「やったデスね!」

 

調「うん、訓練が役に立った」

 

 そこへ、通信が入った。

 

弦十郎『アルカノイズの殲滅を確認した。ご苦労だったな』

 

切歌「ざっとこんなもんデス!」

 

調「それでは、学院に戻ります」

 

弦十郎『いや、すまないが至急本部に来てほしい。詳しい事は装者が全員揃ってから説明しよう』

 

調「装者全員招集……?」

 

切歌「何か事件デスかね……?」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 装者一同と瞬と氷河は集合した。

 

弦十郎「揃ったようだな」

 

切歌「どうしてセレナも来てるんデスか?」

 

セレナ「今日もマムからの頼まれ事で来ました」

 

氷河「頼まれ事とはいえ、結果的に姉と会えるからラッキーだな」

 

響「師匠、何があったんですか?」

 

未来「パルティータさんが言ってたパヴァリア光明結社が動き出したんですか?」

 

弦十郎「いや、まだそうとは言い切れない。少々変わった事態が発生してな」

 

クリス「変わった事態?」

 

弦十郎「実は数日前から、巷で機械類の盗難事件が多発しているんだ」

 

翼「機械類の連続盗難……ですか」

 

弦十郎「ああ。家電から産業ロボットまで、様々なものが盗まれている」

 

瞬「状況はわかったんですけど、本来であれば警察の仕事です。警察は動いてないのですか?」

 

弦十郎「動いているんだが、そうも言ってられなくてな」

 

未来「どういう事ですか?」

 

弦十郎「まず、盗まれた機械類が常識では考えられないほど大量だという点。そして……藤尭。例の映像を」

 

朔也「……はい」

 

 朔也は映像を見せた。

 

朔也「こちらが監視カメラに残された、犯人と思わしき2人組の姿です」

 

響「うーん?遠いし粗いし、よく見えない……」

 

クリス「もっと綺麗に映ってるのはないのか?」

 

朔也「生憎、街中の監視映像を総ざらいして、見つかったのがこれだけでね。ちょっと待ってて。画像解析でもう少しクリアにできるはずだ」

 

 ある程度画像が綺麗になった。

 

響「ん……、この2人……」

 

マリア「ええ。どこかで見た事があるような……?」

 

セレナ「言われてみると、ギアを纏っている格好に見えますよ」

 

切歌「もう、何を言ってるんデスか。そんな事あるわけが……」

 

翼「待て、仮のこれが装者だとすると、このギアの色合いは……」

 

未来「もしかして……、調ちゃんと切歌ちゃん!?」

 

セレナ「(でも、暁さんと月読さんにしては、等身が違うような……)」

 

切歌「な……なななななんデスとーっ!?」

 

調「私達が犯人!?」

 

切歌「逮捕されちゃうデス!?」

 

響「なんでなんで!?」

 

セレナ「でも、二人に比べると等身がおかしくないですか?」

 

 セレナの指摘に一同は納得した。

 

瞬「確かに、等身が違う」

 

マリア「言われてみれば、セレナの言った通り2人と比べると等身がおかしいわね」

 

弦十郎「映像が不鮮明な上、顔が映っている訳でもない。犯人を断定するのは早計だろう。何より、お前達がそんな事をするとは思えないしな」

 

切歌「その通りデス!機械を盗むぐらいだったら、お菓子の方がいいデス」

 

弦十郎「そういう問題じゃないだろう……。しかし、犯人の姿が2人にそっくりなのも事実だ」

 

調「なんでだろう……」

 

翼「確かに不思議だな。機械を盗む事が目的なら、このような姿になる必要はないだろう」

 

マリア「そもそも、シンフォギア装者の存在は一部の人間しか知らないはずよ」

 

弦十郎「ああ。S.O.N.Gに対してなんらかを含むところがある者達の仕業と考えるのが妥当かも知れんな」

 

クリス「回りくどい真似しやがって」

 

セレナ「月読さんと暁さんに罪を着せるのは許せません!」

 

弦十郎「相手の意図はともかく、S.O.N.Gと無関係ではない可能性がある事がわかった以上、放置するわけにもいかん。我々には早急に原因を突き止め、解決する責任がある」

 

響「そうですね!すぐにでも犯人を捕まえに行きましょう!」

 

未来「待って、響。何も考えずに探しても見つからないよ」

 

あおい「被害場所の分布や発生順序、市内の機械類の配置から、次に盗難が起きそうな場所を絞り込んでいます」

 

 そして、あおいは映像を出した。

 

あおい「こちらの工場地帯が次の犯行現場として最有力と思われます」

 

弦十郎「2人共、ご苦労だったな。お陰で作戦の見込みが立った。早速、今晩からこの工場地帯を張り込んでもらう。目的は盗難の阻止及び首謀者の確保だ」

 

切歌「任せるデス!あたし達に罪を着せようとするなんて、許せないデスよ!」

 

調「うん。行こう、切ちゃん」

 

弦十郎「いや、調君と切歌君の2人は本部で待機だ」

 

切歌「ええーっ!?」

 

弦十郎「犯人が2人の姿をしている以上、現場で混乱を招く可能性もあるからな」

 

調「わかりました……」

 

セレナ「犯人は私達が捕まえます!それと瞬さんか氷河さんのどちらかはマムの所へ行って、事情の説明と私が帰ってくるまでノイズ退治をしてくれませんか?」

 

氷河「セレナの世界へは俺が行こう。じゃあ、犯人を捕まえるんだぞ」

 

 セレナは自身が不在の間の代理を氷河に頼んだ。

 

 

 

工場地帯

 

 そして、その晩になった。

 

響「異常なし……っと。しかし張り込みっていうとあんぱんと牛乳が恋しくなるよね」

 

クリス「ん?何でだ?」

 

響「えー、ドラマとかでお約束だよ?」

 

未来「そうかも知れないけど、ちゃんと見張らなきゃ」

 

響「はーい……。機械泥棒、本当に来るかな?」

 

クリス「さあな。仮に予測地点が正しいとしても、今晩来るとは限らないしな」

 

響「そんなぁ…」

 

翼「だからとて休むわけにもいくまい。犯人との根気の勝負だ」

 

マリア「セレナ、わざわざあなたまで参加しなくても……」

 

セレナ「月読さんと暁さんに罪を着せた犯人が許せないんです!この事件が終わるまでは元の世界へ帰るわけにはいきません!」

 

未来「セレナちゃんも気合が入ってるね。犯人は来るのでしょうか、翼さん」

 

翼「発生地点の予想さえ正しければ、恐らくは無駄足にはならないだろう」

 

響「どういう事ですか?」

 

マリア「これまでの事件の発生頻度を考えれば、日を置く事はないでしょうからね」

 

セレナ「それだったら、今日も来ますね」

 

響「それにしても、機械泥棒って何が目的なんだろう?」

 

クリス「さあな、どうせロクでもない事なんだろうが……」

 

マリア「しっ。今、何か聞こえた」

 

 耳を澄ますと、少しだが機械の駆動音が聞こえた。

 

翼「犯人が現れたようだな。行くぞ」

 

セレナ「はい!月読さんと暁さんの無実を晴らすためにも、絶対に捕まえます!」

 

 一同が来ると、その犯人の姿が判明した。

 

未来「待って!あなた達が機械泥棒の犯人なの!?」

 

セレナ「大人しくお縄についてもらいます!」

 

???A「見つかっちゃった」

 

???B「見つかったデス」

 

クリス「なっ!?こ、こいつら…!」

 

マリア「あなた達が……、犯人だというの!?」

 

 犯人とは、切歌ロボと調ロボであった。

 

調ロボ?「バレてしまったら仕方がないね」

 

切歌ロボ?「やっつけるしかないデスね」

 

響「なんで誕生日プレゼントのロボットがここに!?」

 

マリア「監視映像に映っていたのは、2人じゃなくてこのロボット達だったというわけね」

 

クリス「つまり、こいつらが犯人かよ!?ていうか、普通にしゃべってないか?」

 

翼「疑問は尽きないが、考えている時間はなさそうだ。どうやら、私達と戦うつもりだぞ…!」

 

響「ええっ!?」

 

調ロボ?「偽善者は許さない」

 

切歌ロボ?「デストローイ!」

 

 

 

S.O.N.G潜水艦

 

 一方、本部の方では瞬は念のため、聖衣を纏った状態で待機していた。

 

弦十郎「犯人を見つけたようだな」

 

あおい「戦闘に移行する模様です」

 

切歌「相手は誰なんデスか!?」

 

朔也「待って、今解析を……。なっ…!」

 

 ところが、ここで警報が鳴った。

 

弦十郎「どうした?」

 

朔也「メインコンピュータの様子が!?これは……、ハッキングを受けています!」

 

弦十郎「何だと!?」

 

あおい「こんなスピード、あり得ない…。もうコアフレーム目前まで侵入されているわ!」

 

弦十郎「このタイミング、偶然であるわけがない…!」

 

調「つまり、機械泥棒の犯人がハッキングを!?」

 

朔也「まずいぞ、このままじゃ…」

 

あおい「最終ファイアウォール、抜かれます!」

 

切歌「な、なにが起こってるんデスか!?」

 

弦十郎「何者かに、S.O.N.Gのコンピュータを乗っ取られたという事だ」

 

切歌「ええっ、そんなトンデモサイバーな犯人だったデスか!?」

 

瞬「機械に強ければこういった事が得意でも不思議じゃない!」

 

弦十郎「藤尭」

 

朔也「はい。こんな一方的にやられて黙ってられるわけがない……。見ててください、すぐに取り返して……」

 

 急いでいる様子でエルフナインが来た。

 

エルフナイン「皆さん、大変です!」

 

あおい「ええ、わかっているわ。いま」

 

エルフナイン「違うんです!林檎が暴走して、そして…!」

 

瞬「(会議へ行く前に沙織さんが不和の林檎に警戒してたけど、まさかこんな形で沙織さんの悪い予感が当たるなんて…!)」

 

弦十郎「エルフナイン君、まずは落ち着くんだ」

 

エルフナイン「でも、ロボットが」

 

切歌「ロボット?」

 

 そう言ってると、切歌ロボと調ロボが来た。

 

切歌ロボ?「あたし登場デース!」

 

調ロボ?「S.O.N.Gを乗っ取りに来ました」

 

弦十郎「なっ!?」

 

切歌「あれ?調ロボじゃないデスか。なんでこんなところに……」

 

 切歌は近づこうとした。

 

エルフナイン「近づいたらダメです!」

 

切歌「え…?」

 

調ロボ?「はあーっ!」

 

 調ロボが攻撃してきたが、瞬のチェーンでその攻撃は防御された。

 

調「切ちゃん…!大丈夫?」

 

切歌「な…っ、なんで調ロボがあたしに攻撃をするデスか!?」

 

瞬「機械なのに、僕のチェーンがあのロボットの殺気に反応している!」

 

 ロボットに瞬のチェーンが反応していた。

 

調「様子がおかしい…。言葉も行動も、まるで意思があるみたい……」

 

エルフナイン「ロボたちは性能が引き上げられ、操られています。AIによって、意思表示もできるようです」

 

調「やっぱり……。でも、一体誰が操作を?」

 

エルフナイン「それは、おそらく……」

 

切歌ロボ?「ふっふっふ……。あたし達が自由に動けるようになったのは、これのお陰なんデース!」

 

 それは、不和の林檎であり、その様子の映像が出た。

 

弦十郎「これは…、不和の林檎か!」

 

朔也「何だ、この状態は!こんなの報告にはなかったのに!」

 

瞬「この林檎について、会議に行く前に沙織さんは嫌な予感がすると警戒していたんです。それがこの様子かも知れません!」

 

あおい「周りの計器類に干渉しているの?まさか、そこからシステムに侵入して…!」

 

弦十郎「なるほど。つまり、コンピュータの乗っ取りも、ロボの造反も、聖遺物が元凶というわけか!」

 

切歌ロボ?「そういう事デス。そして、ここからが本題デスよ」

 

調ロボ?「全人類、そしてS.O.N.Gの諸君、我々はここに宣戦布告する」

 

切歌ロボ?「機械がお前達人間に従う時代はもう終わりデス。今日この日から、徹底的に争ってやるデース!」

 

切歌「な…っ!?」

 

調「それが目的……!?」

 

弦十郎「全面戦争とはずいぶん大きく出たな。だが、お前達がここを乗っ取る事ができると思っているのか?」

 

調ロボ?「もちろん。準備はもう整ってる……!」

 

 すると、扉から新たにたくさんの切歌ロボと調ロボが出てきたのであった。

 

弦十郎「なん……だと!?」

 

 この光景に一同は驚きを隠せなかった。




これで今回の話は終わりです。
今回は切歌ロボと調ロボの登場と不和の林檎、そして大量発生した切歌ロボと調ロボが人類に宣戦布告してきます。
なお、XD本編の展開に捻りをきかせるため、その一環として未来とセレナが登場しています。他にも捻りのきいた展開が待っているかも知れません。
次は敵の手に落ちた本部からの脱出となります。
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