秘密基地
工場地帯に向かったメンバーと本部から脱出したメンバーは沙織が提供してくれたグラードコロッセオ地下の秘密基地で合流した。
弦十郎「みんな、合流できたようだな。当面は沙織お嬢様が提供してくれた秘密基地を仮説本部として利用する」
響「沙織さん、とっても気前がいいよ!」
未来「瞬さん達はこの世界のサガさんと戦っていた時はこの基地を使ってたんですか?」
瞬「そうだよ。といっても、僕達も最初からグラードコロッセオの地下に秘密基地があったのを知ってたわけじゃないけどね」
セレナ「姉さん、城戸さんはそんなに凄い人なんですか?」
マリア「ええ。彼女は女神アテナの化身にして、アジア最大の財閥、グラード財団の総帥。規定によって彼女は事実上のS.O.N.Gの副司令でもあるから、これ程にまで強力な後ろ盾はいないわ」
セレナ「凄い!本物の女神様だなんて!」
翼「話を戻したい。それで、占拠された本部の現状は?」
弦十郎「我々が脱出した直後、海中に潜行したようだ」
あおい「所在地は不明です」
弦十郎「奪還しようにも、こちらからは手が出せなくなったというわけだ」
マリア「潜水艦内部は今、無人状態なのね?」
あおい「はい、そのはずです」
未来「あの、そもそも、今回の騒動の原因ってなんなんですか?」
エルフナイン「政府から依頼されて分析していた完全聖遺物『不和の林檎』が原因と考えられます」
クリス「不和の林檎?何だそりゃ」
切歌「知ってるデス。ギリシャ神話の、なんとかって女神の作った黄金の林檎デスよ」
響「おお。切歌ちゃん、そんなのよく知ってるね」
切歌「えへん、デス」
未来「誰かに教えてもらったの?」
調「はい。この前、板場さん達に教えてもらったんです」
クリス「そんなこったろうと思ったよ」
エルフナイン「切歌さんが仰った通り、不和の林檎とは、ギリシャ神話の不和と争いの女神エリスがつくったとされる黄金の林檎です」
セレナ「それで、その不和の林檎って、どんな聖遺物なのですか?」
エルフナイン「伝承通り、不和……つまり人と人とを仲違いさせる力を持つもの、と推測されていました」
響「うわーっ。嫌な力だなあ……。未来と喧嘩させられてしまうなんて……」
エルフナイン「ただし、影響を受けるのは起動状態の聖遺物に直接触れた人に限られます」
響「ふーっ、安心した」
未来「触れてない人まで仲違いさせられたら、大変な事になってたからね」
翼「だが、それが今回の事態と、どう繋がりが?別段、S.O.N.G内の人間関係が悪化した様には見受けられなかったが……」
瞬「確かに、いつも通りだった」
エルフナイン「今回はその力が、『人類と機械の不和』という形で発揮されているのかも知れません」
未来「人類と機械の……不和?」
エルフナイン「はい。メインコンピュータが占拠された際に現れた偽ロボ達は、人類に宣戦布告を行っていました」
翼「なるほど……。戦争こそ、不和の究極の形だな」
エルフナイン「触りさえしなければ影響がないため、異常事態は起こらないと踏んでいたのですが……。沙織さんが会議に行く前に嫌な予感がすると言っていた通り、その認識が甘かったようです」
弦十郎「まさか、コンピュータにその力が及ぼうとはな。このような事態を招いてしまい、すまなかった」
翼「これから、敵はどう動くでしょうか」
弦十郎「敵の目的は人類との戦争だ。そのために、これからもロボットを量産し続けるだろう」
エルフナイン「本部の設備には限りがあります。地上の廃工場などで密かに量産している可能性があります」
切歌「今日戦ったたくさんのロボット達もそこで作られたんデスね」
クリス「親玉は海の底。それが本当なら兵隊は作り放題か……」
調「機械類の盗難は、偽ロボづくりの材料のためだったんですね」
あおい「はい。潜水艦の出航後も、各地から目撃情報、盗難情報が複数寄せられています」
クリス「あいつら、結構しぶとかったしな……。数が増えてくると厄介だ」
未来「それに、ここにいる聖闘士は瞬さんしかいない…」
弦十郎「しぶとかった?どんな風にだ?」
クリス「それが、やたらこっちの攻撃をかわされちまうんだ」
翼「ああ、まるでこちらの手の内を知っているようだった」
エルフナイン「手の内を……」
瞬「どうしたの?」
エルフナイン「もしかすると、本当にみなさんの手の内が敵に知られているかも知れません」
マリア「どういう事?」
エルフナイン「的なS.O.N.Gのメインコンピュータを支配下に置いています。そのデータベースの中には、皆さんの今までの戦闘記録と、その解析データが収められています」
マリア「まさか!?」
翼「度々、並行世界の方ともデータのやりとりをしていた上、先日、セレナも加えて訓練で皆のデータを更新したばかりだ」
セレナ「私達の最新情報が敵の手に渡ってしまったのですか……」
エルフナイン「……。はい。それを元に偽ロボ達の戦術アルゴリズムを調整したのだと思います」
クリス「こっちの手の内がモロバレとか、そりゃ手古摺るわけだ……」
エルフナイン「ごめんなさい。僕が」
???「はい、謝る暇があるのなら次の事を考えなさい」
エルフナインが次に言いそうな事を先読みするかのように遮り、部屋に入ってきたのはパルティータであった。
響「パルティータさん!」
パルティータ「アテナ様から医療チームを率いて負傷者の治療もしてほしいと頼まれたのよ」
未来「沙織さん、会議に行ってても指示を出してくれて気が利いてるよ!」
マリア「パルティータがいれば、治療は万全ね」
弦十郎「とにかく当面は敵の工場を突き止め、そこを破壊する事を目標とする。既にその調査のために、緒川と調査部を動かしているところだ」
エルフナイン「それから、オリジナルのロボ達も、敵に関する情報を持っている可能性があります。そのために今、麻森博士と共同且つ、最優先でその修復に当たっています」
切歌「ロボ達、直りそうデスか?」
エルフナイン「はい。幸い、頭部の回線は無事だったので、恐らくデータも残っていると思います」
切歌「よかったデス……」
調「でも、S.O.N.Gの設備がないと修理も大変なんじゃ?」
エルフナイン「グラード財団の設備があるので、何とかなります。だって……、お二人との約束ですから」
調「麻森博士もいるんだから、あまり無理しすぎないでね?」
エルフナイン「はい、ありがとうございます」
パルティータ「さて、司令は怪我の治療があるので来てもらいますよ」
弦十郎「そうだったな」
負傷した弦十郎はパルティータの治療を受ける事となった。
瞬「パルティータさんは医者としての仕事があるし、僕は秘密基地や司令達を護らないといけないので、必然的にロボ達は装者だけで戦わないといけないですね……」
飲食店
翌日、響達は飲食店で何が起きたのかを話していた。
響「しかし、大変な事になっちゃったね」
未来「私達が出撃している間に本部を奪われるなんて……」
調「護れなくてごめんなさい……」
翼「いや、二人のせいではない」
マリア「そうよ。あの状況でよくみんなを護ってくれたわ」
クリス「だな。こっちも、もっと早く工場の方を片付けて戻れたら違ったかも知れない」
調「そういえば、工場の方はどうだったんですか?」
セレナ「工場の方もたくさん偽ロボが出てきました。倒しても倒しても、キリがない程にです」
響「主にクリスちゃんと翼さんと未来がガンガンやっつけてたよね」
切歌「なんデスとーーーっ!?」
クリス「な、何だよ。でかい声あげて」
切歌「偽とはいえ、あたしと調の姿をしたロボを躊躇わずにガンガン倒すなんてひどいデスよ!」
マリア「わ、私は躊躇したわよ!?」
響「私も!」
セレナ「私もです。暁さんと月読さんの姿をしたあのロボットさん達が相手だと……」
未来「本当は私も攻撃したくはなかったけど、襲い掛かってきたから仕方ないよ」
クリス「そもそも、お前達だって倒してたんだろ?」
切歌「あたしと調はいいんデスよ。本人なんデスから」
クリス「なんだよそれ!」
セレナ「そう言えば、エルフナインさんが直しているという、本当のロボットさん達ですけど……。そのロボットさん達、暁さん達を護ってくれたって聞きました」
切歌「そうデス」
調「偽ロボの自爆から、私達を庇って壊れてしまって……」
セレナ「そうですか…、良い子達なんですね。無事に直ってくれるといいのですが…」
調「そうだね……」
マリア「大丈夫よ。エルフナインと麻森博士が頑張ってくれているんだもの」
切歌「そう…デスね」
翼「さて、と。今日の所はそろそろお開きにしよう。お互い、何か情報が入ったら即応しなければならぬ身だ。今のうちに充分に休養をとっておくべきだろう」
調「そうですね」
切歌「わかったデス」
マンション
各自、家に帰ったのであった。
切歌「ふう……やっと家に戻ってこられたデス」
調「長い1日だったね」
切歌「デスねえ……」
調「この先、大丈夫かな?」
切歌「何がデス?」
調「本部も奪われちゃって、装備もほとんど残ってなくて……」
切歌「大丈夫デス。あたしが調を護るデス!」
調「……うん。私も切ちゃんを護る」
切歌「おおっ!お互いにお互いを護れば無敵デス!」
調「ふふ…、そうだね」
切歌「でも、今日はもう眠いデス……。ふわ~あ……」
調「今日はもう休もうか」
切歌「そうデスね。おやすみなさいデス」
調「うん、おやすみ」
切歌と調は寝たのであった。しかし、夜中に端末が起動している音が鳴り、調はその音で起きたのであった。
調「……なんの、音?」
確かめてみると、端末の電源が入っていた。
調「あれ……?端末……つけっぱなしだったかな?」
すると、電源が落ちたのであった。
調「あ、落ちた。誤作動……かな?今日、昼間使ってた時は、何ともなかったのに。……別におかしいところ、なさそう。データクラッシュもしてないみたいだし。大丈夫かな」
再び調は眠気がしたのであった。
調「ふわー…。切ちゃんを起こしちゃうと悪いし、私ももう寝よ……」
また調は眠ったのであった。
公園
翌朝、偽ロボ達は機械類を盗んでいたのであった。
偽切歌ロボ「よっこいせーデス」
偽調ロボ「荷造りできたよ」
偽切歌ロボ「運ぶデス」
偽調ロボ「うん」
荷造りして機械を運ぶ偽ロボ達の姿を響達は発見した。
響「いたいた」
切歌「また、ずいぶんとたくさん盗んで来たデスね」
クリス「朝っぱらから出動とかやめてくれよな……。眠くて仕方ないっての」
未来「それは誰も同じだよ」
話をしてたせいか、偽ロボ達に見つかったのであった。
偽切歌ロボ「人間発見、人間発見!」
調「見つかった!」
偽調ロボ「S.O.N.Gの装者!」
偽切歌ロボ「迎撃するデース!」
切歌「それはこっちのセリフデスよ!」
装者達と偽ロボ達の戦いが始まったのであった。
クリス「はあーっ!」
クリスの攻撃は前回と同様、簡単に偽ロボ達にかわされたのであった。
クリス「ちょこまかと!」
響「こっちも、さっきからかわされてばかりだよ」
マリア「やっぱり、行動パターンを知られているようね……」
セレナ「でも、暁さんと月読さんはロボットさん達をどんどん倒せてますよ」
未来「ほんとだ!」
切歌と調はどんどん偽ロボ達を倒していたのであった。
偽切歌ロボ「デース、デース、人間倒すデース!」
調「切ちゃん、どうする!?」
切歌「とりあえず適当に突っ込むデスよ!」
調「うん。じゃあ援護する」
切歌「はああああーっ!」
切歌の攻撃は偽ロボに当たったのであった。
偽切歌ロボ「デデデデース!?」
偽調ロボ「背中がガラ空き!」
偽ロボの1体を倒したのも束の間、切歌の隙を突く形で別の偽ロボが襲ってきた。
調「切ちゃんの背中は私が!」
切歌の隙をカバーするかのように調が襲い掛かってきた偽ロボを撃破した。
偽調ロボ「そんなーっ!?」
切歌「サンキューデス、調!」
調「どういたしまして」
未来「ほんとだ……。次々と敵を倒していくよ」
クリス「一体、何が違うんだ?」
マリア「連携は凄いけど、計算された動きには見えないのよね……」
翼「だが、2人の撃破効率が高い事は確かだ」
マリア「そうね。なら」
セレナ「姉さん、私達も連携で戦おう!」
マリア「私達も……。わかったわ。準備はいい!?」
それにセレナは頷いた。
響「未来も私達のコンビネーションで偽ロボ達と戦おう!」
未来「うん!」
切歌と調の連携に便乗し、マリアとセレナの姉妹コンビ、響と未来の親友コンビも連携で偽ロボ達と戦う事にした。
クリス「……あたしら、余ったな」
翼「ならば、3組をフォローしながら戦うぞ、雪音!」
ベストパートナーがいない翼とクリスは3組のフォローに回る事にした。姉妹コンビと親友コンビも切歌と調ほどではないにしろ、普通に戦うよりも撃破効率が上がっていたのであった。
マリア「これならいけるわ!」
偽調ロボ「そ、そんな!」
セレナ「これが私達姉妹の実力です!」
マリアとセレナがポーズを決めるのと同時にやられた偽ロボは爆発した。
偽切歌ロボ「デスデスデーース!!」
響「これで!」
未来「終わりよ!」
響と未来にやられた偽ロボも爆発した。そして、撃破しているうちにもうわずかとなった。
切歌「お前達で最後デス!」
偽調ロボ「戦力劣勢、戦力劣勢」
偽切歌ロボ「自爆モード起動」
このまま戦ってもやられると判断した偽ロボ二機は自爆しようとした。
切歌「近寄らせないデス!」
調「はああーーっ!」
2人は遠距離攻撃で自爆しようとした偽ロボ二機を撃破したのであった。
切歌「ふう、お疲れ様デース」
マリア「2人共、お疲れ様。大活躍だったわね」
調「そういうマリアとセレナも、響さんと未来さんも活躍してたよ」
セレナ「えへへ」
響「8割ぐらいは私達6人で倒しちゃったんじゃない?」
調「そうですか?」
クリス「おい、お前らが偽ロボ達を倒せる秘訣をあたしと先輩に教えろ!」
切歌「秘訣デスか?うーん……そう言われても……」
調「よくわからないです、クリス先輩」
クリス「マジかよ!!じゃあ、お前らは!?」
マリアとセレナ、響と未来の答えも同じだった。
クリス「あいつらにあって、あたしらにないものは何なんだよ……」
翼「ひとまず、秘密基地に戻るとするか。勝因の分析はそこで行おう」
未来「はい、そうですね」
一同は秘密基地に戻る事にした。
秘密基地
一同は3組の勝因の分析を行っていた。
クリス「ってわけだ。後輩達の攻撃はなぜか偽ロボ達に通用するし、あの2組も連携をしたら通用したんだ」
弦十郎「なるほど、な……」
クリス「どういう事か教えろよ!」
弦十郎「……ああ。だいたい読めてきた。確認だが、君達3組は戦っている時、いつもどうやって連携をとっている?」
切歌「どうやってって……?」
調「いつも、なんとなく…」
クリス「な、なんとなく?」
切歌「適当にやーっと突っ込んで、がーっと行って、おりゃーって感じで」
調「後はお互いの動きを見ながら、臨機応変に……」
翼「それだけで連携がとれるとは…(そう言えば、奏が生きていた頃も割とこんな感じだったな…)」
セレナ「私も、だいたいは暁さんと月読さんの2人と同じで、マリア姉さんとお互いの動きを見て、戦っていました」
未来「まだ私は正式な装者になってあまり経っていないので、響との連携も切歌ちゃんと調ちゃんの連携のような感じでやってました」
クリス「それだけであんな連携できるだと?」
調「切ちゃんの考えてる事なら、なんとなくわかるから」
切歌「あたしもデス」
マリア「私とセレナも、お互いの事はなんとなくわかるわ」
響「私と未来も、そんな感じです」
弦十郎「やはりな…。偽ロボ達攻略の糸口が見えてきた」
未来「どういう事ですか?」
弦十郎「3組の行動が計画されたフォーメーションではなく、即興での連携だという点が重要なポイントだ」
セレナ「即興での連携?」
弦十郎「数値化、パターン化できない不確定要素を含んだ行動は、さすがのロボ達も予測が難しいのかも知れない」
翼「なるほど…」
弦十郎「その上、切歌君と調君に至っては連携の相乗効果で個々の戦闘能力も向上する。敵にとって3組の、特に切歌君と調君の連携戦闘はイレギュラーの塊なのだろう」
翼「それは、私と雪音に同じ事をやれといっても恐らく難しいでしょう…」
翼も奏という最高の相棒を並行世界から呼ぶという選択肢もあったが、安易に自分達の世界に連れてくる事は奏の迷惑になると考え、呼ぼうとしなかった。
マリア「ええ。昔からずっと一緒にいる2人と姉妹である私達、そして幼馴染のあの2人だからこそ、成せる技ね」
弦十郎「ああ、俺もそう思う。だからまずは、調君と切歌君、マリア君とセレナ君、そして響君と未来君の6人3組を中心に据えた反撃計画を練ってみよう」
翼「今回現場でとった戦術を、さらに一歩進めた形ですか?」
弦十郎「うむ。そういう事だな」
響「それじゃ、私達3組が攻撃の主役って事ですね」
切歌「あたし達が……」
調「主役!?」
そこへ、エルフナインが来た。
エルフナイン「皆さん、お帰りなさい。お待ちしていました」
切歌「ただいまデス!」
調「待っていたって、どうしたの?」
エルフナイン「はい。実は、ロボットさん達の修理が完了したんです」
切歌「本当デスか!?」
調「よかった……。ありがとう」
エルフナイン「ですが、敵の影響下にある可能性も考えて、装者の皆さんに立ち会っていただきながら再起動しようかと」
切歌「あたし達の命の恩人デス。絶対大丈夫デスよ」
調「うん。私も、そう思う」
エルフナイン「僕もそうは思いますが……念のためです」
そして、再起動の準備が整った。
エルフナイン「それでは再起動を開始します」
切歌「よろしくデス」
エルフナインは調ロボと切歌ロボを起動させた。
調ロボ「システム、オールグリーン」
切歌ロボ「再起動、完了デース!」
切歌「無事に起きたデス!よかったデス!」
調「私達がわかる……?」
切歌ロボ「直してくれてありがとうデース!もちろんわかるデス」
調ロボ「うん。みんな無事でよかった」
切歌「2人のおかげデスよ」
切歌ロボ「とんでもないデス」
調ロボ「私達、謝らないと」
調「何を?」
切歌ロボ「あたし達は最初、不和の林檎に操られてしまったデス」
切歌「なんデスと!?」
調「そんな……」
調ロボ「はい。本部を抜け出して、機械をたくさん盗んで、工場でロボットを量産しました……」
マリア「そう。最初に不和の林檎の手足となったのはあなた達だったの……」
切歌ロボ「そうなんデス。だけど、ロボットの数が増えて遠隔操作では制御しきれなくなって、あたし達にAIが与えられたデス」
クリス「なるほどな。だからロボット達は喋れるようになったのか」
調ロボ「そのAIのおかげで考えられるようになって、思い出したんです」
切歌「何をデスか?」
調ロボ「切ちゃんと、調と。一緒に過ごした記憶です」
切歌ロボ「とってもとっても大切にしてもらったデス!だから、助けないとって思ったデス」
調ロボ「切ちゃん達を。そして、人間達を」
切歌「そうだったデスか。だから偽ロボ達を裏切って……」
調「ありがとう。私達の事、そんな風に思い出してくれて」
調ロボ「2人こそ、ありがとう。ずっと大切にしてくれて」
切歌ロボ「だから、お願いデス!あたし達に、協力させてほしいデス」
切歌「協力デスか!?」
調ロボ「うん。不和の林檎を止める事を」
切歌「司令……、あたし達はこの子達の言葉を信じたいデス」
調「お願いします。2人のお願い、聞いてあげてください」
弦十郎「無論だ。調ロボ君、切歌ロボ君。遅くなったが我々の窮地を救ってくれた事、心より礼を言いたい。ありがとう。不和の林檎に立ち向かうために協力してくれるというなら、これ程心強い事はない」
切歌「よかったデスね、2人とも」
調ロボ「ありがとう、ございます」
切歌ロボ「ありがとうデース」
弦十郎「さっそく質問なんだが、ロボットを量産している工場の場所はわかるか?」
切歌ロボ「それが……、あたし達が裏切ったから、場所を移されちゃったみたいデス……」
弦十郎「そうか……。当然と言えば当然だな」
セレナ「あの、あなた達も偽者のロボットさん達みたいに戦えますか?」
切歌ロボ「あたし達、量産型と違って、ほとんど戦闘機能はないデス……」
調ロボ「お湯なら任せてください!」
切歌ロボ「あたしは微塵切りなら完璧デス!」
未来「さすがにそれでは役に立たないよ」
翼「そうだな……」
切歌ロボ「うう、全然役に立てないデス……」
調ロボ「せっかく直してもらったのに……」
調「気を落とす事はないよ。脱出の時助けてくれただけでも十分」
切歌「きっとこれからすごく役に立つタイミングが来るデス!」
調ロボ「ありがとう」
切歌ロボ「頑張るデース!」
そんな中、警報が鳴った。
朔也「偽ロボが出現しました!」
弦十郎「お前達、出動だ!」
瞬「秘密基地は僕とパルティータさんが護るから、君達は戦いに専念するんだ!」
響達「了解!」
調ロボ「応援してる」
切歌ロボ「応援してるデース!」
装者達は出動した。
???
とある廃工場では、偽ロボ達が製造されていたが、偽切歌ロボとも偽調ロボとも違うロボが完成し、起動したのであった。
???「ふふふ…、遂に目覚めの時が来たわよ」
そのロボの隣には、偽切歌ロボでも偽調ロボでもない別のロボ5体が目覚めを待っているように待機状態になっていた。
???「愚かな人間達に鉄槌を下し、排除するために立ち上がるのだ!我が同胞達よ!」
ロボの声と共に別のロボ5体は起動し、共に戦場へ向かったのであった。
これで今回の話は終わりです。
今回は騒動の原因ときりしらコンビ、マリア姉妹コンビ、ひびみくコンビの3組が連携で偽ロボ達を蹴散らしていくのを描きました。
調べ歌う二重唱編で星矢と紫龍が会議へ参加する沙織の護衛で、氷河はセレナの代わりにセレナの世界へ行ったためにいつものメンバーでは瞬しかいないため、実質的装者だけでどうにかしないといけない展開にしました。
今回の話の最後に出てきたロボは次、本格的に出てきます。
次は偽切歌ロボとも偽調ロボとも違うロボットが姿を現し、残りの5体のロボットの正体も判明します。