セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

95 / 198
95話 メカニカル型ギア

ホテル

 

 装者達が帰った後、瞬は沙織達に連絡をとっていた。

 

沙織「そうですか。今の所は切歌さんと調さん、マリアさんとセレナさん、響さんと未来さんの3組が中心になってロボ達と戦っているのですね?」

 

瞬『はい。ですが、合体ロボや単体でそれに匹敵する響ロボと未来ロボ、そして他の装者がモデルのロボまで出現して、今はそれの対抗策を練っている所です』

 

星矢「瞬が出れば一網打尽にできるんじゃないのか?」

 

紫龍「だからといって、今の状況で迂闊に出るのはよくないだろう。瞬はお前やアイオリアのように連打の拳が得意ではないし、ロボ達の物量はすさまじい上、いつ秘密基地を攻めてくるかもわからない」

 

美衣「風鳴司令は脱出時の戦闘で負った傷の治療中なので、瞬さんには秘密基地の防衛を担わないといけません」

 

星矢「母さんは瞬と一緒に秘密基地を護ったり、医者としての仕事もあるし、実質的に装者だけで何とかしなきゃならねえのか……」

 

辰巳「だが、お嬢様が言った3組はロボット達相手にかなり戦えているではないか!勝利もそう遠くはないんじゃないのか?」

 

沙織「辰巳、敵を甘く見てはいけません。敵とて響さん達への対処法を練っているはずですよ」

 

星矢「沙織さんが考えてる、敵がやらかしそうな装者への対処法って何だ?」

 

沙織「そうですね、私の考えでは……何かしらの方法でチームワークを乱すのではないかと思っています」

 

紫龍「確かに、チームワークを乱せば奴等の不確定要素である即興の連携を防いて優位に戦う事ができる」

 

美衣「敵の動向にも要注意ですね…」

 

 沙織達はロボ達の動向を注視していたのであった。

 

 

 

マンション

 

 切歌は家に帰ってきた。

 

切歌「ただいまデース!……って。調は秘密基地に寄るって言ってたから、いないんデスけどね」

 

 そんな中、切歌はお腹が空いたのであった。

 

切歌「うーん。何だかお腹が空いてきたデスよ。何か食べるものは……」

 

 切歌は食べるものを探していたところ、冷蔵庫に入っているプリンを見つけた。

 

切歌「あ、プリンを発見デス!でもこれって、調のデース……。うーん……。あれこれ悩むより、調に聞いてみるのが一番早いデスね」

 

 早速、調に聞いてみる事にした。

 

調『もしもし、切ちゃん?どうしたの?』

 

切歌「あ、調デスか。冷蔵庫にプリンが一つ残ってるんデスが……」

 

調『それなら、食べていいよ』

 

切歌「本当デスか!?ありがとうデース!」

 

調『気にしないで』

 

切歌「じゃあ、食べながら帰りを待ってるデス!」

 

 通話が終わった。

 

切歌「やったデス!調の御許しをもらったところで、いただくデスよ」

 

 食べ終わった頃には調が帰ってきた。

 

調「ただいま」

 

切歌「お帰りデース」

 

 ふと、調は何かに気付いた。

 

調「あっ!切ちゃん。プリン、食べたでしょ?」

 

切歌「食べたデスよ」

 

調「私のだったのに……」

 

切歌「ええっ!?電話でちゃんと確認を」

 

調「嘘。そんな電話もらってない」

 

切歌「え?どういう事デスか?」

 

調「電話といえば、さっき電話して頼んでおいたお買い物は?」

 

切歌「何の事デスか?」

 

調「洗濯用洗剤と入浴剤、お願いしたでしょ?」

 

切歌「き、聞いてないデスよ?」

 

調「特売の日だから、お買い物お願いって電話したよ。切ちゃんも『うん』って……」

 

切歌「え?そんなー」

 

 切歌は調の電話を見てみた。

 

切歌「あれ?確かに着信履歴があるデス……。でも、そんな事知らないデス!」

 

調「切ちゃん。忘れたなら仕方ないけど、ウソはひどいよ」

 

切歌「嘘なんてついてないデス!調こそ、ウソついてるデス!」

 

調「なっ……。切ちゃんの意地っ張り!」

 

切歌「調の分からず屋!」

 

 

 

秘密基地

 

 そして翌日、昨日の夕方から切歌と調の喧嘩は続いていた。

 

調「ふん」

 

切歌「いーっ、デスよ!」

 

クリス「どうしたんだ、あいつら?」

 

響「うん、どうしたんだろうね。いつもあんなに仲良いのに」

 

未来「でも、あの2人にはたまにある事だし、私も響とたまにああなるから、すぐ仲直りすると思うよ」

 

マリア「そうね」

 

切歌「しないデス!」

 

調「しないから!」

 

クリス「息はピッタリ合ってるけどな」

 

 すぐ仲直りするだろうと楽観的な一同だったが、セレナはそうではなかった。

 

セレナ「あの、どうして2人は喧嘩してるんですか?」

 

 セレナは2人から事情を聞いた。

 

セレナ「そんな事情があったのですか…」

 

切歌「調が分からず屋なのが悪いのデス!」

 

調「切ちゃんが意地っ張りなのが悪い!」

 

セレナ「(どういう事なんでしょうか…。2人の話が食い違っている……)」

 

 悩んでいるセレナの様子を瞬とマリアは察したのであった。そこへ、エルフナインと切歌ロボ、調ロボが来た。

 

エルフナイン「みなさん、お待たせしました」

 

切歌ロボ「お待たせデス」

 

調ロボ「こんにちは」

 

響「こんにちは!」

 

エルフナイン「昨日お話しした戦闘力不足の件について、提案があります。」

 

未来「提案?」

 

エルフナイン「はい。実は、調さんと切歌さんのギアとロボットさん達を合体させてみてはどうかと……」

 

切歌「が、合体デスか!?」

 

調「そんな事ができるの?」

 

クリス「(目を輝かせて食いついてきやがったな)」

 

エルフナイン「先日、敵のロボが合体したとおっしゃってましたよね」

 

響「うん!桜餅みたいなロボだった」

 

エルフナイン「敵のロボの残骸を調べて、合体機構の構造がわかったんです。ギア形状に合わせて調整をすれば合体できるのでは、と思い、改造させていただきました」

 

切歌「改造って……もうできてるんデスか!?」

 

エルフナイン「はい。合体機構自体はそこまで難しい物ではなかったので、そのまま実装してみました。とはいえ、実際に試してみないと確実とは言い切れません。多少、心象によるギア形状の変化も必要になるかも知れませんし……」

 

切歌「すごいデスね、調!」

 

調「うん、すごいね、切ちゃん!」

 

切歌と調「はっ!?」

 

切歌「ふーんデス!」

 

調「ふーんだ!」

 

切歌ロボ「2人はどうしたんデスか?」

 

調ロボ「いつもの2人と何か違う……」

 

セレナ「何かあったみたいで…」

 

エルフナイン「とにかく、お二人には合体時の詳しい情報を」

 

 そんな時、警報が鳴った。

 

あおい「偽ロボ達が工場地帯に多数出現!」

 

響「大変だ!急いで行かなくちゃ!」

 

マリア「はあ……、マリアロボとセレナロボにみんなのロボもいるかしら……」

 

クリス「多分、いるだろうな…」

 

切歌「合体して戦うデスよ!」

 

調「私だって!」

 

エルフナイン「それでは、ぶっつけ本番になってしまいますが…。お二人のサポート、お願いします」

 

調ロボ「頑張ります!」

 

切歌ロボ「頑張るデース!」

 

 一同は出撃した。

 

パルティータ「あの子達の喧嘩、いつものとは少し違うみたいよ」

 

瞬「僕もそう思います」

 

パルティータ「このまま放っておくと、取り返しがつかなくなる恐れもあるわ」

 

 

 

工場地帯

 

 出撃した装者達は偽ロボ達と交戦した。

 

偽切歌ロボ「蹴散らすデス!」

 

偽調ロボ「隙だらけ!」

 

 マリアとセレナの姉妹コンビと響と未来の親友コンビはいつものように連携で偽ロボ達を蹴散らしていたが、切歌と調は喧嘩が続いている影響で連携が乱れており、苦戦していた。

 

切歌「調、何やってるんデスか!?」

 

調「切ちゃんこそ、突っ込み過ぎだよ」

 

響「未来、2人の様子が!」

 

未来「響の言う通り、いつもの連携がとれていない…」

 

 2人の異変を他の装者達は察したのであった。

 

切歌「何グズグズしてるんデス!?」

 

調「切ちゃんが考えなさすぎるの!」

 

調ロボ「喧嘩はやめて切ちゃん!あれを!」

 

切歌「そうデス!調ロボと合体すれば、調と協力しなくても……」

 

調ロボ「そういう意味ではないんだけど……」

 

切歌「とにかく、試してみるデス!」

 

調ロボ「うん、了解!」

 

 調ロボは切歌のギアと合体し、新たな姿となった。

 

調「私達も!」

 

切歌ロボ「合体するデス!」

 

 調も切歌ロボと合体し、新たな姿となった。

 

セレナ「わあっ!暁さんと月読さんのギアがメカっぽくなってるよ!」

 

未来「メカニカル型ギアというべきかな?」

 

切歌「でもこれ、普段のギアとどう変わったデス?」

 

調ロボ「パワーアシストによる攻撃力アップ。さらに、敵の弱点解析、行動解析ができる」

 

切歌「なんと!それは心強いデス!それじゃ、早速その性能、試させてもらうデスよ!はああーっ!」

 

 早速、切歌はチェーンソーになった鎌で偽ロボを切り刻んだ。

 

偽切歌ロボ「なーーっ!?」

 

調「私達も行こう!」

 

切歌ロボ「了解デス」

 

調「はあああーーっ!」

 

 調もディスクカッターで偽ロボを破壊した。

 

偽調ロボ「うう……」

 

響「すごい、2人とも。いつもの連携攻撃もなしにロボ達を倒していく」

 

翼「パワーアップした上、敵の弱点分析に行動分析か……。今回のロボット相手には大きな戦力になるな」

 

クリス「あたし達の分まで倒しやがって……!」

 

翼「なに。3組の援護くらいはできるだろう」

 

マリア「さあ、私達も」

 

マリアロボ「そこまでよ、傲岸不遜なる人間ども!」

 

マリア「この声は…!」

 

 マリアロボとセレナロボ、そして各装者モデルのロボが現れた。

 

セレナロボ「これ以上、みんなを傷つけさせはしない!」

 

セレナ「現れたね!あなた達の相手は私達姉妹よ!」

 

マリア「本物の姉妹の力、見せてあげる!」

 

 マリア姉妹はマリアロボとセレナロボの二体と交戦した。

 

翼ロボ「泣き虫の鈍の剣が泣く事もない真の剣に勝てない事を証明してやろう!」

 

翼「泣き虫だという事は否定しない。だが、感情のない剣はただの刃物!真の剣とは、志と感情を持ち、人々を護るため、武器を手に取り戦う者達の事だ!」

 

 翼は翼ロボと鍔迫り合いになった。

 

クリスロボ「そのプニプニしてて目障りな巨乳を今日こそ台無しにしてやるぞ!」

 

クリス「なんであたしは胸の事ばかり言われるんだよ!!」

 

 クリスロボが胸の事ばかり言うため、クリスはかなり怒ってクリスロボとの戦闘に入った。

 

未来ロボ「本当に人間ってのは懲りないのかしら?」

 

響ロボ「今度こそ、ぶっ潰してやる!」

 

響「そうはいかないよ!」

 

未来「本物の意地を見せてやるんだから!」

 

 響と未来の親友コンビと響ロボと未来ロボの単体最強ロボコンビが激突した。一方、マリア姉妹コンビや翼、クリスは偽ロボを押していた。

 

セレナロボ「そんな、そんなはずが!」

 

マリアロボ「バカな?計測データ以上の力がなぜ出せる!?」

 

セレナ「それは至って簡単です!」

 

マリア「過去のデータなんかで!今の私達を計れると思ったら大間違いよ!」

 

マリアロボ「くっ!こんなところで私達の使命は潰えたりはしない!さあ、今再び集え!我が同胞達よ!!」

 

偽切歌ロボ「合体デス!」

 

偽調ロボ「合体!」

 

 再び偽切歌ロボと偽調ロボは合体し、桜餅ロボになった。

 

クリス「また合体しやがったぞ!」

 

翼「一纏めになった方が好都合だ!まず、我々は我々の偽者ロボを蹴散らすのが先だ!」

 

翼ロボ「小癪な人間共め!」

 

クリスロボ「まな板野郎もプニプニした巨乳野郎もまとめて蹴散らしてやる!」

 

翼「まな板だと!?おのれ!!」

 

クリス「なんであたしのロボは胸の事しか言わねえのかよ!!」

 

 クリスロボの発言に翼とクリスは激怒したのであった。一方、響と未来は前回と同様に響ロボと未来ロボの圧倒的な力に押されていた。

 

響「強すぎる…!」

 

未来「どうしよう…。このままじゃ……」

 

響ロボ「もうこれで終わりのようね」

 

未来ロボ「止めを刺して、人間共を根絶やしにするための第一歩にしよう」

 

 真正面から戦っても勝ち目のない響ロボと未来ロボに響と未来はどうしようもなかった。そこへ、通信が入った。

 

弦十郎『2人共、諦めるな!』

 

響「師匠!」

 

未来「でも、私達モデルのロボットは私達より力が上で、どうすれば倒せるのか…」

 

弦十郎『単純な力押しではどうにもならないだろう。だが、相手は過去の自分達!今の君達には過去の自分達にはない力がある!それが打開策になるはずだ!』

 

響「今の私達にあって、昔の私達にない力……」

 

未来「そんなのって……」

 

 弦十郎の言う、『今の自分達にあって、過去の自分達にない力』に響と未来は戸惑ったものの、あるものを思い出した。

 

響「それって、もしかしてユニゾンじゃないのかな!?」

 

未来「それなら、私達モデルの偽ロボへの打開策になるよ!やってみよう!」

 

響「うん!」

 

未来ロボ「何をやるのか知らないけど」

 

響ロボ「人間達では私達に勝てない!」

 

 響ロボと未来ロボは襲い掛かったが、響と未来は歌を重ね、フォニックゲインを爆発的に高め、響は響ロボと拳をぶつけ、未来は未来ロボとのビームの撃ち合いとなった。

 

響ロボ「そんなバカな、急に私と渡り合えるようになったなんて!」

 

未来ロボ「どうなっているのよ!」

 

響「今の私達には昔の時のような力はない。でも、私には未来が、みんながいる!」

 

未来「響やみんなが、私に力をくれる!」

 

響と未来「その重なり合う歌が、更なる力を引き出す!」

 

 重なって言うのと同時に響は響ロボを吹っ飛ばし、未来は未来ロボとの撃ち合いを制したのであった。

 

セレナ「姉さん、みんなが優勢になっているよ!」

 

マリア「だったら、ここで一気に行くわよ!セレナ、切歌、調!」

 

調「了解!」

 

切歌「はいデス!」

 

 調と切歌は桜餅ロボに挑んだものの、メカニカル型ギアのパワーでも簡単にはいかなかった。

 

切歌「くうーっ!なんて硬さデスか!まるで時間が経ったお餅みたいデス!」

 

セレナロボ「そんな攻撃は通用しないよ!行って!」

 

桜餅ロボ「了解(デス)!」

 

 桜餅ロボが反撃し、切歌と調を吹っ飛ばした。

 

調「くっ…!メカニカル型ギアの力でも、ダメなの!?」

 

マリアロボ「我らの猿真似をしても、その程度とはな。所詮は機械と人間、手を携えるわけがないわ」

 

 桜餅ロボが攻撃したため、切歌と調は避けようとしたが……

 

切歌「回避デス!」

 

 連携が乱れていたために調共々、切歌は回避がうまくいっていなかった。

 

調「ああーっ!?」

 

切歌「なんでそんなところにいるデスか!?」

 

調「切ちゃんこそ、ちゃんと周りを見て!」

 

セレナロボ「それどころか、同胞同士ですらいがみ合っているよ!」

 

セレナ「2人共、どうしたのですか!?今は喧嘩しないで手を取り合ってください!」

 

調「だって切ちゃんが!」

 

切歌「調こそ!」

 

切歌ロボ「喧嘩はダメデスよ、2人とも」

 

調ロボ「本当は仲良しなのに」

 

切歌ロボ「本当は、誰よりもお互いが大事だって、思っているデス」

 

切歌「そ、そんな事、ないデスよ」

 

調「う、うん……」

 

切歌ロボ「それは嘘デスよ」

 

調「切ちゃんロボ……」

 

切歌ロボ「1人の時、ずっと語りかけてたデス。どれだけ切ちゃんの事、大好きか」

 

調ロボ「それは、切ちゃんだって同じだよ。例えば……」

 

切歌「も、もーいいデス!よくわかったデスよ……」

 

調「う、うん……」

 

切歌「……調、ロボに免じて一時休戦デス!とにかくこの場は協力してあいつを倒すデス!」

 

調「そうしよう」

 

切歌「いっくデスよーー!!」

 

調「うん!!」

 

切歌「はぁーーっ!!」

 

調「やぁーーーーっ!!」

 

 いつもの連携を決める事ができたため、桜餅ロボを撃破できた。

 

マリアロボ「なんですってーーっ!?」

 

セレナロボ「どうしよう、姉さん……」

 

マリア「お前達もそろそろ倒れなさい!!」

 

マリアロボ「ちいっ、小癪な!」

 

マリア「それは、私のセリフよーーっ!!消え去れ、過去の亡霊ーーっ!!」

 

 姉妹コンビの一撃がマリアロボとセレナロボを撃破したのであった。

 

セレナロボ「そ、そんな……」

 

マリアロボ「バカな~~~っ!!」

 

 やられたセレナロボとマリアロボは大爆発した。

 

翼ロボ「なっ!?人間によって我が同胞が!そして、なぜ私が押されている!?」

 

翼「いくら私を模倣したところで、所詮は過去の私!それから、更に鍛錬を積んだ今の私に勝てるはずがない!」

 

 翼ロボは翼に一刀両断したのであった。

 

翼ロボ「わ、我が剣が折れるなんて!お、のれ~~~っ!!」

 

 捨て台詞を吐いて翼ロボは爆散した。一方のクリスとクリスロボの戦闘も終わりが近づいてきた。

 

クリスロボ「ちくしょう!このあたしがプニプニしてて目障りな巨乳の奴に負けるのかよ!!」

 

クリス「……いい加減、胸の事ばかり言うんじゃねえ!!」

 

 胸の事ばかり言われ、怒りが臨界点に達したクリスは銃弾やミサイルをありったけ撃ち込んだ。

 

クリスロボ「くそったれ~~~~っ!!」

 

 銃弾やミサイルをありったけ撃ち込まれ、クリスロボは跡形もなく破壊された。

 

クリス「今日ほど胸が大きいのが嫌だと思った日はねえな……」

 

 響と未来のコンビと響ロボと未来ロボの激戦も終わりが近づいてきた。

 

響ロボ「ま、まずい…!もうすぐバッテリー切れになる…!」

 

未来ロボ「こうなったら、この一撃で決めないと!」

 

 バッテリー切れが迫って焦った響ロボと未来ロボは最後の攻撃の構えを見せた。

 

響「未来、こっちもこれで決めるよ!」

 

未来「うん!」

 

 響は腕のアーマーを変形させ、未来はアームドギアの扇を左手に持ったまま変形させてから、響の腕のアーマーと合体させ、巨大な拳となった。

 

響と未来「いっけ~~~っ!」

 

響ロボ「負けるか!」

 

未来ロボ「終わるのは人間の方よ!」

 

 響と未来はユニゾン技、『浄拳』を放ったが、それに対抗して響ロボも渾身の拳をぶつけ、未来ロボも流星を放ったが、浄拳が押していったのであった。

 

響ロボ「す、数値では私達が上なのに、何で押されているの!?」

 

響「数値なんて、単なる目安に過ぎない!」

 

未来「私と響の絆は……計算で計れるようなものじゃない!!」

 

未来ロボ「そんな不確定なものが力になるなんて~~!!」

 

 そのまま浄拳が響ロボと未来ロボの攻撃を押し切り、攻撃が命中した響ロボと未来ロボは爆散したのであった。

 

響「終わったね…」

 

未来「みんなも終わったみたい」

 

 ちょうど全員が偽ロボを倒し終わったのであった。

 

調ロボ「やったね、切ちゃん!」

 

切歌「調ロボ、ありがとうデス!」

 

切歌ロボ「あたしも戦えるデス!」

 

調「うん。よかったね」

 

セレナ「姉さん、あの2人は仲直りできそうだよ」

 

マリア「そうね。見守りましょう」

 

響「ドキドキする……」

 

 他の面々が見守る中、仲直りできそうだったのだが、やはりまだであった。

 

響「ああ……!惜しい!」

 

 

 

秘密基地

 

 秘密基地では、被害状況等を調べていた。

 

弦十郎「今回の現場の被害状況をまとめてくれ」

 

あおい「はい、ただちに」

 

 そんな中、エルフナインは何かに気付いた。

 

エルフナイン「……少しおかしいですね」

 

弦十郎「ん?どうしたんだ?」

 

エルフナイン「いえ。近隣には高性能のロボットを生産する工場があるのに、なぜ彼等は今回の工場を襲撃したのかなと……」

 

弦十郎「機械の量や性能といった、ロボットの増産効率以外で選んでいる可能性があると?」

 

エルフナイン「なんとなくですが……、気になります」

 

朔也「今までのデータとも比較してみます」

 

 朔也はデータを参照した。

 

朔也「……確かに。今までも、ロボットを量産するには効率の悪い材料を盗んでいった事があるみたいですね」

 

あおい「まさか、ロボット以外の目的があるのかしら……」

 

弦十郎「そうかも知れないな。奴等が盗んでいったもので、特徴的なものがあればリストアップしてくれ」

 

あおい「了解です」

 

 リストアップしたところ、とんでもない事が判明した。

 

あおい「えっ……これって……?」

 

朔也「なになに……うっ。これは……」

 

弦十郎「GPSシステムに、ジャイロに……。ロケットシンバル……まさか!?ミサイル、だと…っ!?」

 

 ロボット達がミサイルを作ろうとしている事実に一同は驚愕した。




これで今回の話は終わりです。
今回は切歌と調の喧嘩と、メカニカル型ギアの登場を描きました。
切歌と調の喧嘩ですが、そう簡単には仲直りはできないものです。
次に話は2人の喧嘩がさらにエスカレートしていきます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。