セイントシンフォギアXD   作:アンドロイドQ14

97 / 198
97話 信号機ロボと4色団子ロボ

ロボット製造工場

 

 ロボット工場破壊班は闇夜に紛れて突入した。

 

偽切歌ロボ「行かせないデス!」

 

 早速、偽ロボ達が出てきた。しかし、響と未来の連携やマリアとセレナの連携、そしてメカニカル型ギアの行動予測によるマリアとセレナの指示を活用した戦闘の前には偽ロボ達は無力であった。

 

偽切歌ロボ「やられたデース……」

 

マリアロボ「く……っ!ここまで攻め込まれるなんて!」

 

セレナロボ「大ピンチだよ、姉さん!」

 

マリア「捜したわ。そこにいたのね!覚悟なさい!」

 

マリアロボ「くっ、なめるなあっ!!」

 

セレナ「邪魔しないで!やああああっ!」

 

 マリアとセレナの攻撃により、マリアロボとセレナロボは爆散した。一方の響と未来は量産された響ロボと未来ロボと交戦していた。

 

響「前のロボより弱くてどうにかなるね、未来!」

 

未来「うん!響、このまま押し切ろう!」

 

 響と未来の親友コンビの前には、偽ロボ達は無力であった。

 

マリア「ふう……工場近辺のロボットは、これで最後のようね」

 

セレナ「成りすまし対策をして仲間割れを防いで正解だったね、姉さん」

 

響「マリアさん、セレナちゃん、こっちも終わったよ!」

 

未来「マリアさんとセレナちゃんのメカニカル型ギアと、私と響の連携の結果だよ」

 

マリア「あちらからしたら、自分の力を取り込まれて倒されるなんて、皮肉ね」

 

セレナ「急いで工場に攻め込もう、姉さん!」

 

マリア「ええ!みんな、行くわよ!」

 

響「はい!」

 

 ロボット工場破壊班は工場に突入した。

 

 

 

ミサイル製造工場

 

 一方、ミサイル製造工場破壊班は工場に着こうとしていた。

 

翼「もう少しでミサイル製造工場に着くぞ。気合を入れるんだ!」

 

切歌「了解デス!誰かさんが足を引っ張らなければ大丈夫デス」

 

調「それはこっちのセリフ」

 

クリス「またかよ……いい加減にしろよな」

 

切歌「プリンひとつでいつまでも根に持つなんて、調も相当、器がちっちゃいデスね」

 

調「怒ってるのはその事だけじゃない」

 

切歌「さーどうデスかね。第一あれも、調は食べていいって言ったデス」

 

調「そんな事、言ってない」

 

切歌「調が」

 

翼「いい加減にしろ!!」

 

 翼が怒り心頭で刀を地面に勢いよく突き刺した事で2人は怯んだ。

 

翼「今は一大事なのだぞ!つまらん口論をしている場合か!」

 

 2人の喧嘩を止めるためとはいえ、翼が大きな音を出したせいでロボ達に気付かれてしまった。

 

翼ロボ「緊急警報。敵対勢力の拠点への接近を確認」

 

調「しまった」

 

切歌「見つかったデスか!?」

 

翼「2人の喧嘩を止めるためとはいえ、不覚!」

 

クリスロボ「哨戒の連中は指定の場所まで来て、迎撃しやがれ!」

 

 偽ロボ達が来たのであった。

 

偽調ロボ「この場所を知られたからには」

 

偽切歌ロボ「生かして帰さないデスよ!」

 

クリス「よりによって、こんな密集した森のど真ん中で見つかるなんてな!」

 

 2人は攻撃したものの、偽切歌ロボと偽調ロボには当たらなかった。

 

偽調ロボ「そんな攻撃」

 

偽切歌ロボ「当たらないデス!」

 

クリス「くそっ、やっぱ周りの木が邪魔になるか!」

 

翼「暁、月読、この状況を切り抜けるには私達が力を合わせなければならない!下らん口論はやめて周りの木を切れ!」

 

 翼が怒った際の姿が怖かったため、やむなく切歌と調はいう事を聞いて周りの木を切った。

 

調ロボ「切ちゃん、木の上から4機降ってくるよ」

 

切歌「あ、本当デス」

 

切歌ロボ「調も、後ろから3体デス」

 

調「うん、わかった。やぁぁーっ!」

 

 後ろから来た偽ロボ達を調は撃破した。

 

クリス「ったく。最初からその調子でやってくれよな!」

 

切歌「今のはたまたまデス!」

 

 そのまま翼とクリスは偽ロボ達を蜂の巣と微塵切りにした。

 

偽切歌ロボ「蜂の巣と微塵切りデスか…!?」

 

偽調ロボ「ぐっ!?」

 

翼「前方に突破口ができた!急いで包囲を抜けるぞ!」

 

 そのまま進もうとしたが……。

 

翼ロボ「残機集結。敵対勢力を包囲せよ。決して工場に近づけさせるな」

 

クリス「くそっ!頭を潰さない事には抜けられないか」

 

翼「仕方あるまい。行くぞ、3人とも!」

 

切歌「クリス先輩のロボはちょっとやりづらいけど…」

 

調「やるしかない…」

 

 翼ロボやクリスロボも退け、何とか翼達はミサイル製造工場へ到着した。

 

クリス「やれやれ……。やっと工場に辿り着いたか」

 

翼「(時間を稼がれてしまった。間に合えばいいが……)」

 

 しかし、そこにも翼ロボとクリスロボがいた。

 

翼ロボ「守備隊、全機出撃!侵入者を排除しろ!」

 

 工場から大量のロボット達が出てきた。

 

切歌「翼さん、クリス先輩、工場からまた敵が出てきたデスよ!」

 

クリス「まあ、そう来るだろうとは思ったけどな」

 

 大量の偽ロボ達の中に、何かを運ぶ偽ロボ達がいた。

 

調「見て、後ろ。ミサイルを運んでる」

 

切歌「げげっ。ミサイル、もう完成してたんデスか!?」

 

クリス「くそっ、運び出すつもりか!」

 

切歌「ああーっ!このままじゃ逃げられるデスよ!」

 

翼「行かせん!」

 

翼ロボ「それはこっちのセリフだ!」

 

クリスロボ「お前らをこの先に行かせてたまるかってんだ!」

 

偽調ロボ「ここで止める」

 

偽切歌ロボ「突撃デース!」

 

 ロボ達は突撃して来た。

 

翼ロボ「我らの理想郷実現の邪魔はさせん!」

 

翼「邪魔してるのは貴様らだ!」

 

クリス「とにかく、こいつらを倒してミサイルの後を追うぞ!」

 

切歌「はいデス!」

 

調「急がないと!」

 

 敵を蹴散らし、翼達は追い始め、通信を入れた。

 

翼「私だ、聞こえるか!敵は既にミサイルを完成させてる。工場からロボ達が担いで移動中だ!敵の妨害にあって追跡は困難を極めている上、森で視界が悪くて見失う恐れがある!そっちでも誰か、追えるのであれば追ってほしい!」

 

 そこへ、マリアから通信が入った。

 

マリア『先程、ロボット工場の破壊を完了。そちらへ向かってるわ』

 

弦十郎『了解だ。状況は把握した。ミサイルの行き先は衛星や偵察機で確認中だ。捕捉でき次第知らせる』

 

翼「頼みます!」

 

 しばらく追っていると、マリア達が合流してきた。

 

響「あ、いたいた!おーい、翼さ~ん!」

 

マリア「4人とも、怪我はないわね」

 

クリス「今のところはな」

 

 そこへ、通信が入った。

 

弦十郎『お前達、ミサイルを確認した。運搬中のロボ達は東の港へと向かっているようだ』

 

翼「港……まさか、潜水艦と合流を!?」

 

未来「ミサイルが潜水艦に積まれちゃったら追えないよ」

 

クリス「それより前に止めるしかないだろ!」

 

マリア「だけど、そう簡単に行かせてはくれないようね」

 

調「あれは……」

 

 調は何かを見つけた。

 

クリスロボ「行かせねえぜ!」

 

未来ロボ「行かせない」

 

翼ロボ「この身が砕け散ろうとも、行かせるものか!」

 

響ロボ「ここでぶっ潰す!」

 

 そこへ、大量の響ロボ、未来ロボ、翼ロボ、クリスロボが出てきた。

 

未来「敵はどれだけ残ってるの!?」

 

翼「他の地域で活動していた残存戦力を全て投入してきたか」

 

セレナ「このまま私達を行かせない気ですね!」

 

切歌「このままじゃミサイルに逃げられちゃうデスよ!」

 

クリス「仕方ない。ここはメカニカル型ギアのお前達が先に行け」

 

切歌「えっ?あたし達がデスか!?」

 

未来「確かに、メカニカル型ギア4人の力を集結させればこの包囲を突破して追えるかも知れないよ」

 

響「ロボの方は私と未来のコンビと翼さんとクリスちゃんで何とかなるから、任せて。ね?」

 

調「皆さん…」

 

セレナ「風鳴さんと雪音さんは大丈夫なんですか?」

 

翼「何、あの程度ならどうとでもなる」

 

クリス「ちょっとばかしやりにくい程度で、あたしらが負けるわけないだろ?」

 

未来「私と響という、偽ロボ達にとって行動予測がやりづらいコンビがいるから、任せてね」

 

クリス「それより駄々っ子どものお守り、任せたからな」

 

マリア「……わかったわ。セレナ、調、切歌。いいわね?」

 

セレナ「はい。私達4人でミサイルの発射を必ず阻止しましょう!」

 

切歌「はいデス!」

 

調「うん、わかった」

 

 マリア達4人はミサイルを運ぶ偽ロボ達を追った。

 

クリス「ったく、今度こそ真面目にやれよな」

 

未来「じゃあ、私達はここの偽ロボ達を倒さないとね!」

 

響「なるべく早く片付けて、4人を手伝いに行かないと!」

 

翼「行くぞ、3人とも!」

 

 響と未来を中心に4人は偽ロボ軍団と交戦した。一方、マリア達はミサイルを運ぶ偽ロボ達を追っていた。

 

弦十郎『敵は途中で進行方向を変更した。新しい進路予測を送る』

 

マリア「了解。こちらも進路を修正するわ(森の中で撒くつもりだったようね。監視してもらってなかったら危なかったわ)」

 

セレナ「こっちですよ、暁さん、月読さん」

 

切歌「了解デス。調、迷子になっちゃダメデスよ!」

 

調「切ちゃんこそ!」

 

マリア「(もう……こんな時までいがみ合って……)」

 

切歌「ミサイルまでの距離は、あとどのくらいデスか?」

 

調ロボ「大丈夫、ちゃんと近づいているよ」

 

切歌「流石、頼りになるデス」

 

調「間に合うかな…?」

 

切歌ロボ「うん。きっと間に合うデス」

 

調「ありがとう、切ちゃんロボ」

 

セレナ「(ロボットさん相手に素直になれるなら、2人も仲直りすればいいのに……)」

 

 そこへ、また通信が入った。

 

弦十郎『聞こえてるか』

 

マリア「ええ、聞こえてるわ。どうしたの?」

 

弦十郎『予測進路上の皆との沖に潜水艦の浮上を確認した。やはり敵はミサイルを積み込んで逃亡するつもりだ。積み込みが終了し、潜行されたら追尾補足はまず不可能だ。そうなればミサイルの発射も防げない。急いでくれ!』

 

マリア「了解。必ず間に合わせるわ」

 

セレナ「暁さん、月読さん、目的地はもうすぐなので、飛ばすよ!」

 

切歌「わかったデス!」

 

調「うん、頑張る」

 

 4人が急いでいる間に夜が明けてきた。

 

調「夜が明けてきた……」

 

マリア「そろそろ港が見えてくるはずよ」

 

 遂に4人は港に着いた。

 

切歌「マリア、セレナ、あそこ!潜水艦デス!」

 

マリア「よし、間に合った!」

 

セレナ「よかった……」

 

調「見て、マリア、セレナ。ミサイルがもう潜水艦に!」

 

マリア「(積み込みは阻止できなさそうね……)」

 

切歌「どうするデスか…?」

 

調「ここからじゃ、攻撃も届かない」

 

切歌「そもそもミサイルって、攻撃当てちゃってもいいんデスか!?」

 

調「ダメだと思う…」

 

マリア「(他に方法は…)」

 

セレナ「だったら、私達も潜水艦へ乗り込もう!」

 

マリア「今はそうするしかなさそうね。潜行する前に私達も乗り込むわよ!」

 

調「乗り込むってまさか…」

 

切歌「潜水艦にデスか!?」

 

セレナ「その通りだよ」

 

マリア「躊躇している暇はないわ。行くわよ!」

 

切歌「なるようになれデス!」

 

調「行こう!」

 

 4人は潜水艦に乗り込んだ。

 

 

 

S,O,N,G潜水艦

 

 何とかマリア達は潜水艦に乗り込めた。

 

切歌「ふう……、何とか滑りこめたデスね……」

 

調「ハッチ、閉まる直前だったね」

 

切歌「はーっ!べ、別に調の話しかけたんじゃないデスよ」

 

調「私だって、独り言」

 

マリア「ああ、もう……」

 

セレナ「姉さん、思ったよりも中は静かだね」

 

マリア「ええ。潜入したら敵が迎撃に来るかと思ったけど」

 

調「そういえば……」

 

切歌「そうデスね」

 

セレナ「もしかして、気付かれてないのかな?」

 

マリア「どちらかはわからないけど、とにかく、まずは作戦を立てましょう。私達の目的は二つよ。わかる?」

 

切歌「一つは、ミサイルの確保デスよね」

 

マリア「ええ。どこに運ばれたかわからないけど、ミサイルを捜して発射される前に確保。そして無力化ね」

 

調「もう一つは不和の林檎」

 

マリア「そう、今回の元凶となった聖遺物。あれを確保し、事態の収拾を図る事。これが第2の目標ね」

 

切歌「正直、荷が重いミッションデスね……」

 

調「だね……。4人しかいないし」

 

マリア「不安な気持ちはわかるけど、仕方がないわ。潜水艦が港を出てしまった以上、応援は期待できない」

 

セレナ「私達が力を合わせれば、きっと何とかできるよ」

 

切歌「わかったデス」

 

調「ミサイルが発射される前に行こう」

 

 マリア達は先を進んだ。

 

調「また行き止まり……」

 

切歌「かなりあちこちで隔壁が落とされてるデスね……」

 

セレナ「穴が開いているのも結構あるよ」

 

マリア「司令や瞬が穴を開けたそうよ。仕方ないわ、穴の開いてる箇所も含めて手探りで進んでいくしかないわね」

 

調ロボ「今までの道順、記憶しておくね」

 

切歌「おお、さすがあたしの調ロボは優秀デスね」

 

調「そのくらい、切ちゃんロボだって」

 

切歌ロボ「デデデース!?が、頑張るデス」

 

セレナ「張り合わずに、二人ともよろしくお願いしますね」

 

調ロボ「はい」

 

切歌ロボ「了解デス」

 

 一同は進んでいった。

 

 

 

 

 響達と偽ロボ軍団の戦いは港に移っていた。

 

響「てりゃあああっ!」

 

未来「やああああっ!」

 

 響と未来の連携により、偽ロボ達を撃破していった。

 

翼「雪音、立花と小日向に続くぞ!」

 

クリス「おう!」

 

 2人を援護する形で翼とクリスも偽ロボ達を撃破していった。

 

クリス「へっ、お前らが何体束になったって、あたしらには勝てねえよ!」

 

クリスロボ「何だとォ!?」

 

翼ロボ「我らが何の対策もしないと思っていたのか?我が同胞達よ、集まれ!」

 

 響ロボと未来ロボ、クリスロボ、翼ロボ達偽ロボ軍団が集まった。

 

響「今度は何をするの!?」

 

響ロボ「合体!」

 

未来ロボ「合体!」

 

翼ロボ「さあ、刮目するがいい!」

 

クロスロボ「これがあたしらの真の力だ!」

 

 偽ロボ達は眩しい輝きを放って合体したのであった。

 

クリス「な、なにが起こってやがる!?」

 

未来「私に聞かれても!」

 

 眩しくなくなると、偽ロボ達は赤、黄、青、グレーのボディに紫のバックパックを装備した大型のロボットとなった。

 

クリス「な、何だよ、こりゃあ!!」

 

翼「大量の偽ロボ達が、1体の大型ロボットになった……」

 

未来「どうなってるの!?」

 

響「でも、あのロボットはとてもかっこいいよ!名前は……信号機ロボって事で!」

 

未来「でも、紫も混ざってるよ」

 

響「メインは赤、黄色、青の信号三色だから…ね?(な~んかプロヴィデンスって名付けたくなったけど、どうしてそんな名前が思い浮かんだのかなぁ…。それに、お父さんが仮面を被って乗ってそうなイメージだし……)」

 

信号機ロボ「勝手に決めるな!そんな名前は認めんぞ!」

 

 そう言って信号機ロボは懐のビームソードを抜いて襲い掛かってきた。

 

翼「合体したとだけあって、出力も桁違いだ!」

 

響「それでも、倒さなくちゃ!てりゃあああっ!」

 

未来「やああああっ!」

 

 響と未来は連携を仕掛けようとしたが……。

 

???「響、未来!」

 

未来「この声って……」

 

響「お、お父さん…?」

 

 気が抜けた一瞬の隙に信号機ロボはバックパックの端末を飛ばし、その端末は響と未来目掛けてビームを発射した。

 

響「うわああああっ!!」

 

未来「きゃああああっ!!」

 

 気が抜けて2人はまともにビームを浴びてしまい、吹っ飛ばされた。

 

翼「立花、小日向!」

 

クリス「近距離でも遠距離でも対応できるのかよ!」

 

翼「雪音、私達も行くぞ!」

 

 クリスは銃弾やミサイルを信号機ロボに向けて発射し、翼は斬りかかって、信号機ロボのビームソードとの鍔迫り合いになった。

 

翼「負けるわけには…」

 

???A「翼…!」

 

???B「クリス…!」

 

翼「お父様…?」

 

クリス「パパ…ママ…?」

 

 親の声が聞こえて気が抜けた隙に、そのまま信号機ロボが翼を押し切り、クリスの近くへ吹っ飛ばした。

 

翼「うわっ!」

 

クリス「先輩!」

 

 クリスが翼に近寄ろうとした途端、信号機ロボは装備している盾に格納された鞭を伸ばし、二人を拘束した。

 

クリス「な、何っ!?」

 

 そして、信号機ロボは鞭から高圧電流を流した。

 

クリス「ぐ、ぐああああっ!!」

 

翼「う、うわあああっ!!」

 

 高圧電流を浴びた後、2人は倒れた。

 

信号機ロボ「人間共は実に親の声に弱い。やはり、愚かで弱い存在だな」

 

 4人は信号機ロボの圧倒的な強さに押されていた。

 

 

 

S,O,N,G潜水艦

 

 4人はお腹が空き、ちょうど潜水艦にあったカップ麺を調ロボのお湯を沸かす機能で調理して食べたのであった。

 

セレナ「おいしい!このラーメン、私は一度も食べた事がなかったの!」

 

マリア「(そういえば、セレナはカップラーメンを食べた事がなかったわね)なんか、マムといた頃を思い出すわね」

 

切歌「そういえば、みんなでよくこうして、カップラーメン食べたデスね」

 

マリア「ふふ。あの頃、本当にお金がなかったものね」

 

調「マム、醤油ラーメンが好きだったね」

 

切歌「特に、お肉がたくさん入ったチャーシューメンがお気に入りだったデスよ」

 

調「うん、マム、お肉好きだし」

 

セレナ「姉さん達は何を話してるの?」

 

マリア「あ、いや、ちょっとね」

 

 そして、全員食べ終わったのであった。

 

切歌「……お腹いっぱいになったデス」

 

調「……ごちそうさま」

 

セレナ「ごちそうさまでした」

 

マリア「ごちそうさま」

 

セレナ「あの…、そろそろ2人とも、仲直りしたいのですか?」

 

切歌「(そりゃ、あたしだってできる事ならしたいデス……。でも…)」

 

調「(今更どうやって仲直りしたら……。本当は謝りたいのに、つい意地を張って……)切ちゃんが先に謝るなら」

 

切歌「それはこっちのセリフデス。何度言わせるデスか」

 

マリア「もう。すぐムキになる。2人共落ち着きなさい」

 

セレナ「(こんなにこじれた原因は、あの食い違いが原因なのかな…?)姉さん、あの2人がこじれたのは…」

 

 セレナはマリアにこじれた事に心当たりがある事を話した。

 

マリア「セレナはそれが2人がこじれた原因だと思っているのね?」

 

セレナ「うん…」

 

マリア「聞いてみるね」

 

 マリアは聞いてみる事にした。

 

マリア「ちょっと理由を話してくれる?」

 

 しかし、同時に2人は言ったのであった。

 

セレナ「これだと話が進まないよ」

 

マリア「それじゃ、私とセレナがそれぞれと聞くから、ちょっと向こうで話しましょう。セレナ、頼むわよ」

 

セレナ「うん」

 

 セレナは調から、マリアは切歌から聞く事にした。

 

切歌「…で。調は電話でプリンを食べていいって言ったのに、帰ってきたら怒り出したデス。それに、買い物の電話だって…。絶対、聞いてないデスよ」

 

マリア「……なるほどね。確かに、調の言い分は少し変かも知れないけど…。そんなにずっと怒る事?」

 

切歌「あたしも……本当は、仲直りしようとしたデス。でも……ごめんのメールを出しても、調、許してくれなかったデス。それどころか、ひどいメールを送ってきたデスよ」

 

マリア「ひどいメール?」

 

切歌「これデス」

 

マリア「見ていいの?」

 

切歌「構わないデス。マリアに隠し事はしないデスよ」

 

 マリアはメールを見た。

 

マリア「(これは……確かにちょっとどうかと思うわね。それに、明らかに成りすましで私達に送られた偽メールに似たような内容よ…)だいたい事情はわかったわ。ちょうどセレナも終わる頃だから、セレナと話を合わせてみるね」

 

 同じ頃、セレナも調から話を聞いていた。

 

調「本当に電話なんてもらってないのに。2人で半分こしようと思ってたプリン、勝手に食べられちゃったから、つい」

 

セレナ「そこは、前に聞いた時と同じですね(やっぱり、ここから話が食い違ってる…。そんな勘違いはあるのかな…?)」

 

調「それに、お願いした買い物もしてくれてなかったし」

 

セレナ「(これもおかしい…)仲直りできないのですか?」

 

調「しようと思った。メールで謝ったんだけど……。切ちゃん、許してくれなくて。こんな返事まで送ってきて」

 

セレナ「見せてください」

 

 セレナはそのメールを見た。

 

セレナ「(このメール、私達に送られた成りすましのメールに似てる…)このメールを暁さんが?」

 

調「……うん」

 

セレナ「でも、月読さんも暁さんにメールを」

 

 突如、警報が鳴った。

 

セレナ「警報!?」

 

マリア「見つかった!?」

 

 そんな中、何かが外れる音がした。

 

調「扉のロックが外れたみたい」

 

マリア「仕方ないわ、二人とも一時休戦しなさい」

 

調「でも……」

 

セレナ「今はそれどころじゃないんです!わかっていますか!?」

 

切歌「はいデス……」

 

 4人はギアを纏い、それぞれのロボと合体して戦闘準備を整えた。

 

マリア「扉が開いたら、一気に先制するわよ!いいわね!」

 

セレナ「うん!」

 

切歌「……わかったデス」

 

調「開くよ!」

 

マリア「今よ!」

 

 扉が開いてから、マリア達は一気に先制攻撃を仕掛け、蹴散らした。

 

セレナ「包囲は突破できたよ!」

 

マリア「なら、このまま走るわよ」

 

切歌「どこへ向かうデス?」

 

マリア「そうね……聖遺物保管庫に向かいましょう。不和の林檎を押さえれば、ミサイル発射も防げるはず」

 

調「確かに、一石二鳥」

 

切歌「でも、聖遺物保管庫ってどっちデスか?」

 

調「たぶんこっち。ついてきて」

 

 聖遺物保管庫へ向かっている間、マリアとセレナは小声で話していた。

 

マリア「(……やっぱり気になるわ。2人が仲違いした原因。プリンを食べた切歌、買い物を頼んだがすっぽがされた調。確かに、よくある、些細な行き違いかも知れないわ)」

 

セレナ「(でも、普段なら2人共自分が悪い時は素直に謝るのに…、今回はどんどんこじれて……。姉さん、あの2人が受け取ったメールはもしかして……)」

 

マリア「(仲直りしたかった2人があんなメールを返すはずがないわ…)」

 

セレナ「(やっぱり、2人が受け取ったメールは私達や立花さんと小日向さんにも送られた成りすましのメール……)」

 

マリア「(一体、誰が成りすましのメールを……)」

 

 瞬が拳で穴を開けていたため、保管庫への道は順調に進めた。

 

切歌「瞬が穴を開けてくれてよかったデス」

 

調「開けてくれなかったら、端末にマップ機能がついてないと…」

 

マリア「そうね。…え?」

 

 マリアは端末という言葉を聞き、ある事に気付いた。

 

セレナ「どうしたの?姉さん」

 

マリア「(そうだわ。2人の意見が食い違ったタイミングでは、必ず端末を使ってる。もしかしたら、あの電話は…)」

 

 瞬が開けた穴を通り、4人は聖遺物保管庫へ着いた。

 

セレナ「ここが…」

 

マリア「聖遺物保管庫よ。さあ、早く不和の林檎を探しましょう」

 

調「そうだね」

 

切歌「わかったデス!」

 

 だが、見つからなかった。

 

セレナ「どこにもないよ……」

 

マリア「どういう事!?」

 

???「ふふ……お探しの物が見つからなくて、残念ね」

 

 そこへ、マリアロボにセレナロボを始めとした偽ロボ軍団が集まってきた。

 

マリア「……艦内にまだこんなにロボがいたの?」

 

セレナ「姉さん、囲まれたよ!」

 

偽切歌ロボ「天網恢恢疎にして漏らさずデース!」

 

調「それを言うなら……あれ、合ってる」

 

マリア「敵に突っ込んでる場合じゃないでしょう」

 

マリアロボ「今度こそ逃がさないわよ」

 

セレナロボ「さあ、私達家族のみんな、集まって!」

 

切歌「また合体するデスか?」

 

調「今度はマリアロボとセレナロボも?」

 

マリア「それに、数が桜餅ロボの時とは全然違うわ!」

 

偽調ロボ「合体!!」

 

偽切歌ロボ「合体デス!!」

 

マリアロボ「さあ、刮目しなさい…」

 

セレナロボ「これが私達の真の力よ!」

 

 大量の偽ロボ達は合体したのであった。

 

切歌「眩しいデスーっ!」

 

 そして、下半身が回転鋸、両手が槍、そして調のギアのようなツインテールユニットを持つロボットへ変貌した。

 

マリア「これって…?」

 

セレナ「と、とてもかっこいい!敵だけどとてもかっこいいよ!」

 

調「うん、名前は……」

 

切歌「4色だから、4色団子ロボデスね!」

 

マリア「4色団子?」

 

セレナ「4色団子って、おいしそう……」

 

マリア「聞いた事がないわね…。まあなんでもいいわ」

 

4色団子ロボ「勝手に決めないでください。そんなカッコ悪い名前認めません」

 

切歌「いーや。誰がなんと言おうとお前は4色団子デス!」

 

4色団子ロボ「見た目で判断するなんて、やはり人間は傲慢です」

 

調「見た目は大事……」

 

4色団子ロボ「黙れ!侵入者は、お掃除します!」

 

マリア「それはこちらのセリフよ!」

 

セレナ「姉さん達の居場所を返しなさい!」

 

 4人は4色団子ロボに挑んだものの、かっこいい見た目通りに強かった。

 

切歌「くっ!すごく強いデス!」

 

マリア「壊しても壊しても、他のロボを取り込んで再生してしまうなんて」

 

調「これじゃ、倒しきれない」

 

セレナ「何か弱点はないの?姉さん」

 

マリア「えっと…」

 

調「とりあえず、たたみかけてみる!やああーっ!」

 

 畳みかけてみたところ、何か変化があった。

 

マリア「(破壊した装甲の下で一瞬、何か光った?)」

 

 光ったものには見覚えがあった。

 

マリア「あれは……不和の林檎!?見つけたわ!」

 

切歌「4色団子ロボの中!?そんなところにあったんデスか!」

 

調「なら、あれを倒せば」

 

切歌「あたしがやるデス!」

 

調「私が」

 

マリア「ちょっと、2人とも!」

 

セレナ「力を合わせなきゃダメです!」

 

 セレナが言った通り、4色団子ロボはバラバラでは勝ち目のない敵であった。

 

調「切ちゃん、どいて!」

 

切歌「邪魔デスよ、調!」

 

4色団子ロボ「ふふ……見苦しいぞ、人間共。いや、それこそが人間の本性!さあ、最後だけは仲良く一緒に死ぬがいい!」

 

 4色団子ロボは襲い掛かった。

 

マリア「しまった!」

 

 4色団子ロボの攻撃で床が崩壊し、その場にいた全員が下の層に落っこちていった。




これで今回の話は終わりです。
今回はロボット工場とミサイル製造工場の破壊と響達の前に信号機ロボが、潜水艦奪還のために潜水艦に入り込んだマリア達の前に4色団子ロボが立ちはだかる内容となっています。
4色団子ロボはXD本編では3色団子ロボという名前になっていますが、今小説ではセレナロボも合体に加わっているため、4色団子ロボという風に名前を改めました。
信号機ロボについてはモデルとなったガンダムはSEEDシリーズのプロヴィデンス、インフィニットジャスティス、Wのエピオンがモデルとなっていて、接近戦用の装備も充実しており、プロヴィデンスの接近戦の弱さを克服する形にしました。
響達モデルのロボを考えたところ、未来の端末によるオールレンジ攻撃、ネフシュタンクリスの鞭、翼の戦闘スタイルを合わせれば面白くなるのではと思い、信号機ロボが思いつきました。
信号機ロボの名前の由来はカリオストロが言った信号機トリオからとっており、モデルは初めはストライクフリーダムをベースにする予定でしたが、やっぱりもっと悪役っぽい方がいいと判断し、プロヴィデンスをベースに変更しました。
次は4色団子ロボと信号機ロボとの戦いに決着が着きます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。