それと、作者はFateにハマってからまだ1年も経ってないのでそこまで詳しくありません。訂正などあれば教えてください。あ、推し鯖はシトナイです。宝具レベル2です。早く5にしたい
プリズマ☆イリヤの時間軸はドライが終わって、雪下の誓いの話を聞いた後とお考えください。
「ねぇ、シロウ。これどういうこと?」
「分からない」
目の前にいる少女は確かにイリヤだ。それは間違いない。他の2人は知らない……はずだ。でも、褐色の子はアーチャーに似た赤い外套を纏っている。もう1人の綺麗な長い黒髪をした子は……知らない。初対面だ。でも、なぜか……俺はその子と会っているような気がしてならない。
ただ先ずは――
「……話を聞かないことには始まらないな」
「そうね。私も行くわ」
隣にいるイリヤと一緒に3人がいる場所まで歩く。セイバーたちはその様子を見守っていてくれている。警戒は解いてなさそうだが、敵意はないと判断したのか少し空気は和らいでいる。
「あのー……君たち。ちょっといいかな」
声をかける。ただ……その、なんだかナンパをしている気分だ。
俺の声を聞いた少女たちは俺の方を見上げること数秒。困惑していた表情から驚きの表情にみるみると変わる。
そこで俺も驚愕する発言が飛び出す。
「「「お、お兄ちゃん!!!」」」
と、言ったと同時に急に抱きついてきたのだ。
「…………へ?」
その瞬間――――周りの空気がものすごい冷えた気がした。うん、気のせいだ、きっと。
桜が瞳孔が開ききった眼で俺を見ているのも気のせい。遠坂が「警察に連絡を……」とか言ってるのも気のせい。セイバーが聖剣を構えているように見えるのも気のせい。アーチャーは霊体化して消えたのも気のせい。イリヤが魔術を発動しかけているのもきっと気のせい。気のせいったら気のせい。
…………誰か、気のせいだと言ってくれ。
いきなり抱きつかれたが、次第に少女たちの視線が俺の隣に移る。
「あれ? どうして……?」
「あなた……」
『おやおや~』
『これはどういうことですか』
褐色の少女、黒髪の少女、それに……ピンクの何かと青の何かがそれぞれ呟く。
「うそ…………私?」
そして、もう1人のイリヤはイリヤを視認する。
――――――
ところ変わって、衛宮家のリビングにて。
「とりあえず自己紹介からしようか」
俺たちと少女たちはテーブルに向かい合う。あれから遠坂が「何か言いたいことなんてそれぞれあると思うからまずは話し合いましょ」と仕切ってくれた。助かる。
「まずは俺からだな。俺は衛宮士郎。よろしくな」
「セイバーです」
俺の右隣にいるセイバーが続く。
「えーっと……間桐桜と言います。桜って呼んでくださいね」
俺の左隣にいる桜も自己紹介をする。
「私は遠坂凛よ。よろしくね」
遠坂は司会のつもりか全体を見渡すように立っている。
「私はイリヤスフィール・フォン・アインツベルン」
そして…………俺が胡座をかいている上にチョコンと腰をかけたイリヤが不機嫌そうに名前を言った。
ところで、アーチャーはどこに行った?
「では今度はこちらからですね。美遊と言います。姓は一応エーデルフェルトと」
黒髪の少女――美遊はお辞儀をしながら名乗った。
「クロエ・フォン・アインツベルンよ。よく分からないことだらけなのだけれど……とりあえずよろしく。気軽にクロって呼んでちょうだい」
褐色の少女――クロか。にしても、この子イリヤとほぼ同じ名前だったり、見た目も似ているのか。
『ステッキのマジカルルビーちゃんでーす!! ルビーとお呼びくださーい!』
『妹のサファイアです』
さっきから浮いている訳の分からない物体はそう名乗った。ルビーとサファイアか。てか、スルーしてたけど、なんで喋ってるの? ステッキって何? 遠坂は何か察してるみたいだが。
「……えーっと、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンと言います」
口ごもりながら彼女――イリヤはそう名乗った。
「美遊にクロにイリヤ。ルビーにサファイアね。よろしくね。……で、正直、何がどうなってるのやらさっぱりなんだけど、あなたたちのこと誰か説明してくれるかしら?」
遠坂が問いかける。
『では、私が』
サファイアがテーブルの中央に行き、
『恐らくですが、士郎様たちと私たちがいる世界は同じではありません。所謂、平行世界だと思います』
――――30分が経過する。
「なるほどね。平行世界というわけ。てことは、向こうにも私がいるってことかしら?」
互いに話し合い、事情はある程度理解した。
にしても、平行世界か。アーチャーがいるから、そういう事は実在するとは思ったけど、まさか俺が3人の兄だとは。だからあの時お兄ちゃんって呼ばれたのか。
てことは、イリヤとクロの兄に美遊の兄の俺がいるのか。なんだか不思議な感覚だな。それに魔術師としての道を歩まない俺はあまり想像がつかないな。美遊の兄である俺は魔術師らしいけど。
『はい。今の私のマスターはイリヤさんですけど、元のマスターは凛さんでしたから。性格もあまり変わらなさそうですね』
喧嘩して見放されるのは、実に遠坂らしいっちゃらしいな。
「ふーん。つまり、貴女は魔術師じゃない平和な世界で暮らしたイリヤなのね。第四次聖杯戦争で分岐したのかな」
「聖杯戦争とかはよく分からないけど、そういうことになります……」
「別に普通でいいわよ。私なんだから」
「自分に話しかけるとかどうすればいいのか分からないよ。そもそも、あなたの方が年上みたいだし」
イリヤとイリヤが話している。……こうして同じ人物同士の会話を聞いてると、俺がアーチャーと会話する時はどんな心境なのだろうかと思う。
俺の股に座っているイリヤの顔を詳しくは見れないけど、口調的には多分、好意的な印象は持っていないだろうなぁ。アーチャーが俺を嫌っていたのとはまた別の感じがする。
「ところで、お兄ちゃんって呼んでいい?」
「く、クロ!?」
その2人の話を割って入ってきたクロ。
「うーん……確かに俺は衛宮士郎だけど、君たちの知る衛宮士郎ではないからな。そう呼ばれる資格はないっていうか…………」
それに、少女3人にお兄ちゃんと呼ばれる俺を想像してみたら色々と危ない絵面な気がする。美綴辺りに見られたらあらぬ誤解が生まれそう。
「そうよ! シロウは私のお兄ちゃんなんだから。平行世界がなんだか知らないけど、シロウの妹は私だけなの!」
えっへん! と胸を張るイリヤ。
「まぁ、それもそうよね」
「クロ、意外に納得るするの早くない? 本当にクロなの?」
「失礼ね。そのくらい私だって弁えてますぅ」
「な、何を! 初対面でいきなりお兄ちゃんにき、キスしようとしたじゃない!! それに布団に潜り込んだり!」
「何よー、まだそれ持ち出すの? イリヤだってお兄ちゃんにキスされたことあるじゃない」
「あ、あれはおでこだもん!」
イリヤとクロの会話……というより軽い喧嘩を眺めていると。
「衛宮君はどこでも衛宮君なのね」
「そうね。やっぱりシロウはシロウだわ」
「ぐっ……」
遠坂とイリヤに反論できなり自分がいる。
「妹? そっちのイリヤって、士郎さんより年上なのよね? ……なのに妹?」
と、首を傾げる美遊の疑問に、
「あー……その辺りややこしいからあまり触れないでくれると助かる」
曖昧な感じでぼかす。
「は、はい。分かりました、士郎さん」
美遊は一応納得してくれた。
「じゃあ、士郎さん……でいいかな?」
「もちろん。よろしくな、イリヤ」
「う、うん!」
「本当はお兄ちゃんって呼びたいけど……まぁいいわ。よろしくね、士郎さん」
「あぁ、クロ。こっちこそよろしく頼む」
……で、俺の後ろの方で。
「セイバーさん。……なんだか私たち空気ですね」
「えぇ。ですが、平行世界の私たちはあまり関わりがないらしいのですから、仕方ない部分もあるのでしょう」
桜とセイバーがコソコソと話している。えーっと……その、すまん。
「にしても、随分落ち着いているんだな。いきなり平行世界だとかに飛ばされて」
「まぁ、少し経験してますから……」
アハハ……と笑うイリヤ。そういや、美遊のいる世界から来たって言っていたな。まだ小学生なのにスゴいな。
「そもそもの話、どうしていきなりここの世界に飛んできたの?」
遠坂の台詞にカレイドステッキたちが反応する。
『それが分かれば苦労はしないんですけどね~』
『ええ。いきなり第二魔法が発動した……と言えばいいのでしょうか。朝起きたらここに移動してたというか』
「第二魔法っていうと……何だ?」
「簡単に言うと、平行世界に行き来する魔術……いえ、魔法よ」
なるほど。だから、遠坂は平行世界とか言われてもあまり驚かなかったわけか。
「その第二魔法は気軽に使えるのですか?」
「そんな代物じゃないのよ、桜。だってあれは魔術じゃなくて魔法だもの」
『はい。私たちカレイドステッキも本来使えるポテンシャルはあるのですが、そうポンポンとは使えないのですよ。色々と条件がありましてねぇ』
桜の疑問には遠坂とルビーが返答する。
「では、そう簡単には元の世界には帰れないということですか?」
『セイバーさんの言う通り、現状そうなります』
サファイアは申し訳なさそうに言う。
「ねぇ、ルビー。もし元の世界に戻れたとして、向こうはかなり日にちが経ってたりしてない? 大丈夫なの?」
『まぁ、多分平気ですよ。作者がそこまでシリアス得意じゃないので、その辺り優遇してくれます。ご都合主義というやつです』
「そういうの言っていいの!? ルビー!!」
「なんだかメタいわね……」
――ピンポーン。
と、クロが喋ってるのに合わせるように玄関のインターホンが鳴る。
「ちょっと出てくるよ」
うーん、誰だろうか。特に配達とかが届く予定はないはずだが。あ、もしかしたらライダーかな。それとも一成か。
「はいはーい……って、言峰か」
「久しいな、衛宮士郎」
玄関を抜けた先にはいつもの神父姿の言峰がいた。こいつが家に来るなんて滅多にないぞ。
「どうした? 遠坂に用事か?」
「いや、ここら近辺で多大なる魔力反応があったと報告を受けてな。聞き取り調査に来たわけだ」
「……なるほどな。にしても、わざわざ直に来るとは珍しいな」
「まぁ、そう言うな。もし何かあったら事後処理が大変なのでな。早めに済ませておこうと。……いい加減、こちらも予算が少なくなってきてな…………」
……まさかの泣き言発言。地味に泣きかけてるし。
「そりゃ、ご苦労さん」
「ガス漏れではそろそろ誤魔化しもきかなくなるのだ。騙し通すのも限界が来る」
「お、おう……」
頭を抱えるほどか。なんだ、この神父。
「……オホン! すまない、話を戻そう。それで、何か知っていることはないか? 大方、凛が魔術を暴発させたとかだろう」
「確かにそれはあったけど。遠坂が屋根を吹き飛ばしたりな。で、問題はあるにはある。解決……はしてないけど、こっちでどうにかするから心配しないでくれ」
「了解した」
「ところで、最近街で見かけないが、ギルガメッシュは元気か?」
商店街とかで買い物していると、たまに街を散策しているギルガメッシュに出会うことがある。たまに子どもたちと遊んでるところも目撃する。
「うむ。最近のあいつはガンプラにハマっていてな。教会に引きこもっている」
「……ガンプラか」
とことん、俗世に染まっているな。
「私はあまり詳しくないのだが、何やら塗装やらつや消しやら本格的に組み立てているらしい。たまに教会がシンナーの臭いがするのだ。……神聖な教会からそのような臭いがするのはどうかと思うのだが」
「……ご愁傷様」
言峰は非常に疲れきっているご様子。
「あいつを見ていると、無性に全く働かない緑色の何かを思い出してしまい……腹立たしいことだ」
なんだか地球侵略しそうだな、そいつは。いや、ギルガメッシュもあながち間違ってもないような……。
「なんつーか、大変だな。色々と」
「全くだ。この前はラジコン、そのまた前はゴルフ…………。まぁいい。では私はこれで。何かあったら教会に連ら――」
「士郎さーん。随分と長いですけど何かありましたかー?」
「――く、を…………む?」
門で話している俺と言峰の傍まで心配そうに駆け寄る向こうのイリヤ。そして、イリヤを見て不思議そうな表情を浮かべる言峰。
…………これは不味い。
「衛宮士郎」
哀れみの表情で俺を見るや否や。
「腕の良い弁護士を紹介してやろう」
「俺は何も罪を犯してない!!」
「では、これをどう説明する。凛たちに飽きたのか、今度は年端のいかぬ少女を様々な手を用いて家に連れ込んだのだろ…………おや、この少女は」
「あー……えーっと…………」
ここにいるのは確かにイリヤだが、言峰の知っているイリヤではないことに気付いたのか。それとも、他人のそら似で済ませてくれるか。
「ほぇ? ……って、あなたは!!」
イリヤは言峰の顔をまじまじと見つめると、顔が徐々に青くなる。何だ?
「――――麻婆豆腐の店員!!」
ビシッ! と人指し指を向ける。
「む? 私を知っているのか? 私は君を知らないが。いや、君に似た少女なら知っていると言うべきか。……それにしても、麻婆豆腐の店員とはどういうことだ、少女よ」
「あぁ、そっか。あの時の人とは別人なんだ。……えーっとですね、あなたに似た人に無理矢理、スゴく辛い麻婆豆腐を食べさせられたっていうか…………」
イリヤたちの世界の言峰のことだろうか。確かに中華料理店で働いてる言峰は似合っていそうだな。ラーメンやチャーハンは出さずにやたら麻婆豆腐を勧めてきそう。
「覚えてくのだ。麻婆豆腐とは辛いからこそ美味しい料理だと。……ふむ。その人とは気が合いそうだな。少女よ、その人をまた紹介してくれたまえ」
「えっと……機会があればです、はい」
私はもう会いたくないけど……、とまだ顔を青くしながら呟くイリヤ。
「それでは、衛宮士郎。また厄介事に巻き込まれているようだが、私はこれで」
「あぁ。じゃあな、言峰」
去っていく言峰を見送る。
「士郎さん、あの人誰ですか?」
「教会の人。一応冬木の管理者的な存在」
「ほぇー……。ここではそうなんだ」
「そういうこと。じゃ、戻るか」
「はい! あ、そういえば、桜さんが夕ごはんの材料が足りないって言ってました」
「マジか。また買い物に行かないとな」
「私たちも付いてっていいですか?」
「もちろん。皆で行こうか」
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うーん、4章くると思ったんだけどなぁ