とある復讐者の追憶 作:ムリーヌ
SO10地区のグリフィンの基地。
SO10 地区の基地は他の基地と外見は同じであるが、塹壕や土嚢、有刺鉄線のバリケード、機関銃に対空兵器等と簡素ながらも厳重な防衛線が敷かれていた。
その基地内では慌ただしく動き回る人形達がいた。
「負傷者が来たわよ!空きはあるの!」
「満員よ!応急措置で対応するしかないわ!」
「鉄血が侵攻してきた!出撃するよ!」
人形達はそれぞれの役目を背負って駆け回る中、WA2000は自分に与えられた任務を終えて報告の為に指揮官の執務室に向かっていた。
WA2000は狙撃手として多くの鉄血兵を殺した。
WA2000は多くの鉄血兵の個性を見た。
撃たれた仲間を救おうとして撃ち殺される鉄血兵、負傷して助けを求める鉄血兵、死ぬ事を嫌がり涙を流す鉄血兵・・・
何れも他の地区の戦場では見られない現象で、例外を除いて他の地区の鉄血兵達は皆、無表情で機械じみたしゃべり方をする。
だが、此処は無表情ではなく寧ろ個性溢れる人の様な表情と性格、感情があった。
WA2000は何故、此処まで鉄血兵に個性があるのかKar98k に聞いた所、彼女曰く、此処の鉄血兵達は元から個性を持ち合わせ、この戦場で心を壊して無個性の鉄血兵が生まれ、各地に送られているのだと。
WA2000は理解が出来なかった。
何故、心が壊れれば他の地区に送られるのか・・・それもKar98k 曰く、心が壊れた鉄血兵の方が人間を殺しやすいから送られるのだと。
故に心が壊れるか死ぬまでこの血の戦線に立って戦わなければならないのだと聞かされだ。
WA2000は疲れきった表情で歩いていると、Kar98k が満面の笑みを浮かべて泣き叫んでいるバイザーの無く、傷だらけのイェーガーを引き摺りながら歩いていた。
「な、何してるのKar98k・・・? 」
「あら、WA2000。何って・・・この子の護送ですわ。この辺りをウロチョロしてたから捕まえたのよ。ゆっくりと・・・尋問して・・・楽しませて貰うつもりよ・・・」
「ひッ!?」
イェーガーはKar98k の不適な笑みと言葉に恐怖で声を挙げると、Kar98k は不適な笑みを浮かべつつイェーガーの頬を撫でる。
「何をされたいのかしら・・・爪剥ぎ?傷口に塩を満面なく塗られる?水責め?歯を抜かれる?それとも・・・男達に群がられて強姦されるとか?まぁ、全部やるでしょうけど」
イェーガーはそれを聞いて先程の泣き叫んでいた声よりも更に大きな悲鳴を挙げて逃げようとするが、Kar98k の力に敵わず逃げられない。
「嫌だ嫌だ嫌だぁッ!!!尋問なんて受けたくない!助けてッ!!!!!!」
イェーガーは暴れて抵抗するがKar98k は容赦なく引き摺ろうとした時、向こうから無償髭を生やし、髪がボサボサの指揮官の専用だが、軍帽とコートを取り去ったグリフィンの制服を着た男がやって来たがやって来た。
「何をしているKar98k ?」
「あら?指揮官。何って・・・今からこのイェーガーを尋問するのですわ」
「嫌だ・・・助けて・・・!」
イェーガーは恐怖で震えながら何度同じ言葉を繰り返し呟いている。
「何をどうしたらそう恐怖するんだ・・・」
「少し・・・此処に来る前にちょっと」
Kar98k はそう言ってイェーガーを引き摺って行き、イェーガーは叫びながら基地の中へと消えていった。
「・・・すまないなWA2000。彼奴の事は気にするな」
「指揮官・・・あのイェーガーはどうなるのですか?」
「良くて痛みや精神的な拷問。悪ければ・・・最悪、彼奴が呼び寄せた男どもに輪されるだろうな。彼奴は鉄血の事になれば容赦は無いからな」
指揮官の言葉にWA2000はゾッとし、指揮官は溜め息をつきつつ、頭をかきながら歩いて去った。
「・・・狂ってる。この戦場は・・・本当に、狂ってる」
WA2000はただ、この狂った戦場に対してそう呟くしかなかった。
此処の人形達は生きる為に鉄血を殺し、殺され、恨み、憎しみ、復讐し、思うがままに殺戮と拷問を行うこの血の戦線に。
この小説の展開
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リッパーに名前着けた方が良くね?
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もっと黒くて残酷な方が良い
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救いがある方が良いに決まってる!
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グリフィン視点を増やせ!
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もっとハイエンドモデル達と絡ませてくれ