自己犠牲は諸刃の剣。他人の反省、失敗を自らの物にする。
それは成長を止め自らも朽ち果てる
その力で救った物は……
6話 武蔵-勇気-
「この世にはロボット工学三原則というのがある。お前は自分を機械、ロボットと言ったな?人によって解釈は違ったりするが大前提はこれだ。人間への安全性、命令への服従、自己防衛この3つだ」
「それが何だ。私達がいいように使われる機械である事に変わりない」
武蔵は目に涙を浮かべながらだが力強く威嚇するように話す。皆を守ろうとするが自らが機械であると言う。彼女は諦めたのだろう。自らの境遇は変わらない。大切な者を守る最後の手段。自己犠牲。
分かっている……趣味は“人間”観察だ。
「ロボットてのはこの命令に従わなきゃならない。だがお前は2つを破った。分かるか?1つは主人、つまり提督である俺に刃向かった事。これは命令への服従。もう1つは自己防衛だ。お前は自分ならどうなってもいいと言ったな?。ロボットに自己犠牲なんてできるかよ」
「上っ面の話ではないか!。人間どもはそんな則を作っておいて私達の様な存在を……」
「そんな事はどうてもいい。俺はお前が人間だって言ってんだ。俺の趣味は人間観察だぞ?。人間を見るのは得意だ。お前は誰よりも人らしく生きている。俺から速吸を守ろうとした時だって勇気を持った」
「私は人間として、人らしく生きていいのだろうか?」
「あぁそうだ。お前達には深海棲艦と戦って大切な者を守る人間だ。あと……悪かった。“お前のような奴”を知っててな。こういう奴には感情で説得するより、証拠を集めた方がいいと思ってな」
武蔵は自らが生きている事を確かめる。
自らの身体をゆっくり見つめ心臓が力強う動いているのを感じ取る。冷たく凍り痛みすら感じなくなった心に暖かな光が差し込む。だんだんと世界が鮮やかに変わっていく気がした。
「提督……ありがとう。私の世界は変わったよ」
「んな、大袈裟な」
「そんな事は無い。皆んな……速吸、ゴトランド、瑞鶴。私は戻ったぞ。提督、改めて自己紹介をさせてくれ」
「おう」
「大和型戦艦二番艦、武蔵だ。長崎生まれだ。よろしく頼むぞ!。
姉妹艦の大和や信濃と同じく、極秘裏に建造されたのさ。
ああ、この主砲を存分に撃ち合いたかったな。今度は頼めるか…ありがたい!」
彼女の“人”としてはじめての自己紹介をする。その顔は笑顔でまるでツツジの花のようだった。
夢を見た……青空を飛ぶのは二羽の鶴。だが気づいた瞬間、鶴は落ちていた。空を舞っていた鶴は海に落ち、沈んでいく。
それは自分を見ているようだった。
ロボット工学三原則って小説の話だし人によって解釈変わっちゃうけど武蔵を助けるぐらいならこれでいいでしょう。
武蔵と八幡て似てると思うんです。表裏一体的な?武蔵が光なら八幡は闇みたいな。お前のような奴ってのは八幡自身です。
八幡は感情で語りかけても上っ面だとか言われて無意味そうだから平塚先生の言っていたように計算しつくした確かなる事実を見せた方が効果あると思いました。