IS学園のスタジアムに行くと1年の専用機持ちが実機訓練をしていた
今年の1年生は専用機持ちがかなり多いことを示している
それは俺と簪にも言えることだが、その件は最高機密になっている
知っている者は学園長と束さん。そして更識楯無ぐらいである
もし漏洩したらとんでもないことになるため基本的には使用不可である
このIS学園が崩壊寸前になるまでは使用することは原則としてしない方向で考えている
「今年の1年生は素材豊富だな」」
俺が独り言をつぶやいていると嫌な奴が近づいてきていることに気が付いた
「それはあなたもじゃない?篠ノ之束博士から専用機をもらっているのでしょ」
「楯無。生徒会の仕事を放置して俺の監視か?面倒な仕事を押し付けられた身になってやれないのか」
更識楯無がわざわざ俺のところに来たのはまた何か文句を言いに来たのかそれとも別の思惑があるのか
慎重に見極める必要があるが今は放置することにした
「今回は違うわ。仕事は済ませてきたわ。あなたと話がしたいと思っただけよ」
ずいぶんと珍しいこともあるなと俺はからかうように言うと楯無は少し怒りの表情を浮かべた
これくらいで表情を変えるとは裏社会では生きていくことはできない
俺達の業界では常に冷静な表情が求められる。そしてどこか余裕の表情を浮かべることも重要である
こちらが弱気な行動を見せると相手は自らの今の立場が優位に立っていると思われてしまう
それでは戦場にいるときには圧倒的な不利な材料でしかない
常に余裕の笑みを浮かべ続けることが求められる。俺は先生からそう教えられた
先生も常に余裕の笑みを浮かべている。
どんなにきつい状況下であってもこちらの弱点を探られないようにしているのだから
「それで何の話だ。簪に戻って来いというのは今さら無理だということはわかっているはずだろ」
「あなたは誓ってくれているからもうそのことはどうでもいいわ。1つ教えてほしいの。あなたはどこまで知っているの?」
「何のことだ?」
「亡国機業のことよ。裏の社会では有名なのにあなたが来てからはあまりこちらに接触してこない」
楯無は何か俺が亡国機業と取引をしたことを嗅ぎつけてきたのかもしれないがまだ確実なネタはつかんでいる様子はない
それにわざわざこちらから情報開示をしてやる理由はない
「さあな。俺は連中たちと同じ立ち位置だ。依頼を受ければ何でも仕事をする」
「今のあなたはIS学園の警備業務を担当している。それも正確には篠ノ之箒さんの護衛が専門よね?」
どこで情報をつかんだか知らないが真実をこたえる必要などありはしない
それに俺には学園内で何をしても自由の特権を持っている
「俺が何をしようと勝手だろ。お前たちに報告する義務はない」
「相変わらず食えない人ね。ヒントくらい教えてくれても良いと思うけど」
「金にならないことはしない主義だからな。俺はビジネスマンだ」
「情報料を払えと?」
「当然だろ。お前たちだって仕事をする時には金が動くだろ。俺だって同じだ。依頼には金が必要だ」
無料サービスはめったにある事じゃないというとスタジアムの観客席からIS専用機持ちの鍛錬の様子を見ることを再開した
「金を払うと言ったらこちらについてくれるのかしら?」