織斑一夏の裏家業   作:アイバユウ

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一夏と家族関係と亡国機業

 

俺と千冬姉の関係はどう表現したら良いのか。家族という関係ではもう計れなくなっていた

束さんの時にいた時ですら連絡を入れる事は無かった。もう失うのは怖いからだろう

俺の今のような仕事をしていたら家族はただのお荷物になるだけだ

それに千冬姉の名誉を傷つけるだけの存在でもある

千冬姉の事を考えれば俺のことなど忘れてほしいとさえ思う事もある

 

「千冬姉、俺はもう自立している。千冬姉も俺のことなんか「忘れられるか。たった1人の家族を」」

 

「それでもだ。俺のそばにいたら千冬姉の名誉が傷つく。だからもう俺には構わないでくれ」

 

俺はそう言うと千冬姉を冷たくあしらうかのように言ってスタジアムから出ていった

 

「一夏!私はお前のことを忘れない!絶対だからな!」

 

俺のことを忘れない。そんなことは一生言われたくない。

いっそのこと嫌われた方が嬉しかったかもしれない。

どこかでひきずってしまっているから。彼女のことを忘れられないのだ

俺のせいで彼女を失ってしまった。犠牲になってしまったのだ。

 

「どうして俺が生きているんだ!」

 

思わず壁を殴ってしまった。いつも感じている空白感

ぽっかり空いてしまった穴に俺は、自分で何かを補おうとしているのかもしれない

だが簡単には埋まってくれないのだ。埋まらない穴に俺は仕事で憂さ晴らしを。そう思う事も

俺は再び歩くと倉庫に対物ライフルを返していつもの巡回に戻っていった

巡回をしている時に俺の携帯電話が着信を告げていた。相手はおおよそ察しがついた

 

「織斑一夏だが」

 

『この前の返事を聞きたいと思ってね。どうかしら、私達に賛同してくれるかしら?』

 

「いずれはそちらの立場になるだろうが。今は中立の立場にいる事を望む。そちらに情報を流しても良い」

 

『IS学園の情報を流しても問題ないのかしら?あなたが守っているのに』

 

「俺はIS学園の特殊警備担当官だが、それは表向きだ。俺の本来の警護相手は篠ノ之箒だけだ。対象者に実害がなければ好きにしろ」

 

俺の立場を伝えると相手は分かったわと返してきた。そう、俺の警護対象者は箒だけだ。

あとの連中がどうなろうが俺には気にする事ではない。契約では守るのは箒だけと明記されている

そのついでに学園の警備も行っている過ぎないのだから

 

「お互い不可侵協定といこう。当面の間はだが」

 

お互い不可侵。つまり、あちらが学園に手を出してきても、俺は箒が危険にならない限り手を出さない

 

『あなたがそうしてくれるなら良いわ。フェンリルを怒らせるつもりはないもの。そしてあなたはあの狼の弟子。猟犬』

 

「その名前で呼ぶな。俺はいずれはフェンリルになってみせる。猟犬の名前は出すな」

 

そう言うと電話を切った。

 


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